孤独な僕と仲良くしてくれますか…?   作:疾風“はやて”

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変わりゆく日々

屋上でのあの出来事の後、先輩の男3人は他にも悪事を働いていたらしく、この学校を去った。

 

そして僕も校長の元へと行き、出来事の詳細と能力を使用してしまったことを話した。

 

僕が通ってきた学校では、能力の詳細を説明して自分はこの能力をよく思っていないこと……そして持っていることを周りに教えたくないことを伝え、その上で能力の使用を禁止するということにしていた。

 

許可のない私的利用は停学、または退学とすると約束していた。

 

「今まで本当に辛かっただろう…。だがそれは、キミの判断だけでなく、我々も能力の有無による学生達の気持ちを汲み取れず、判断が誤ってしまったせいでもある。先生方を代表して謝る。本当に申し訳ない……」

 

「いえいえ…!お気になさらず」

 

「この出来事で分かった。キミは純粋で優しい心を持っている……その能力を持ってもキミなら安心だ」

 

「そこで、提案をしよう…」

 

「…なんでしょうか?」

 

「能力の呼び方と詳細を絞って見るのはどうかな?」

 

「というと?」

 

「“暗示”という能力で、10秒間のみ暗示をかけられるというのはどうかな…?」

 

「たしかに……それだったら恐怖感も薄れる。そうしてみます!」

 

「うむ。悩みがあったらいつでも相談なさい。今まで辛い思いをさせてしまった分…何か力になりたい」

 

「ありがとうございます、校長先生…!」

 

 

 

 

 

 

とまあ、色々あって…クラスでの立ち位置は、突然能力が開花した不思議君になってしまった。

 

だが、前ほどの孤立感はなく、僕の能力に興味を持ってくれる人も少なくなかった。

 

後は、昼ごはんをれん先輩と食べることが増え、、

 

「おっ!来た来た〜、こっちだよー」

 

「すいませんお待たせしましたれん先輩!それに…ひなの先輩」

 

たまに一緒に来る橘ひなの先輩とも、少し仲良くなった。

 

「おーそぉーい!早く食べよ!!」

 

彼女は、陽気で明るい印象のままだが、少し変わっている笑い方で、こちらもつい笑顔になってしまう。

 

「カツ一個ちょーだい!」

 

「うぅ、、しょうがないですね……いいですよ。少し遅れちゃいましたし……」シブシブ

 

「オイッ!そんな嫌そぉーな顔すんな!!」

 

「ww…アタシにもちょーだいw」

 

「どうぞ」スッ

 

「なんでれんにはスッと渡すんだぁ…!!」

 

すごく賑やかで、一緒にいると元気が出てくる。

 

でも、暗示かけてみてよ!と言われた時はちょっぴり引いた……。

 

 

 

 

そして、屋上でうるは先輩とご飯を食べることも増えた。

 

先生の愚痴やゲームでの愚痴、仲良しの友達の愚痴などを聞き流しながら一緒にご飯を食べ、横になって眠る。

 

“あのせんせーの授業マジで眠くなるんだよね〜…”

 

“昨日そいつがトロールしたせいでさぁ〜………”

 

最近では僕の愚痴が出ることも増えてきた。

 

“最近全然来てくんないじゃん”

 

“れんくんだけじゃなくウチのこともちゃんと構え”

 

他にもあったが聞き流している。

 

適当な返事をしすぎてたまに怒られるが…。

 

 

 

 

他には〜……あ、後輩2人とも少しだけだが通話で話した。

 

今まで冷たくしてごめんっていうのを話し、そしたら今度一緒にれん先輩も含めて4人でゲーセン行きたいです!って言われた。

 

何やら3人とも好きなアーケードゲームがあって、それを一緒にやってみたいんだとか…?

 

これらは、全てここ1、2週間の出来事だ。

 

僕は、そもそも1人じゃなかった。

 

こんなにも僕に笑いかけて、笑顔にしてくれる人がいる。

 

最近は、家に帰っても心が暖かいままなことが多くなった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入学してから数週間が過ぎ、高校の生活にも慣れてきた。

 

“あ、あれ……?”

 

チャイムが鳴り、着席していると隣の子が少し慌ただしくしている。

 

「どうしたの…?」

 

「あ、いや…教科書なくてさ」

 

「そうなんだ……」

 

まあ、そういうこともあるよね…。

 

教科書ないのって先生に言いづらいし、バレた時ドキッとするんだよな……。

 

………。

 

「いや、ちょっと待って!!今の流れ的に“僕の、一緒に見る??”の流れでしょ!?」

 

「え、そうなの…?」

 

「いや明らかそうだったでしょ…!!」

 

この隣の席の子は、“小森めと”ちゃん。

 

面白く、根はすごくいい子なのはわかるが、抜けているところが多くポンコツである。

 

めとちゃんは僕には理解できない流れというものを把握しているようだ。

 

僕はまともな学校生活を送ってこなかったので、その流れというものがなかなかわからないことが多い。

 

「よくラブコメのアニメとかで見るシチュエーションやん!」

 

「らぶ……こめ??」

 

シチュエーションはわかるぞ…。

 

場面、的なことだよね。

 

「えっ?ラブコメ知らないマ…!?」

 

……“マ”って何??

 

変な語尾をつけたいのかな…。

 

「アニメ見ないし…」

 

「いやゲームとかでもたまに」

 

「ゲームしないし…」

 

「………」

 

マジかこいつみたいな表情をするめとちゃんと僕の間に沈黙が流れる。

 

「……あなたは何をして生きてきたの?」

 

「…筋トレ?」

 

「いややば過ぎでしょ」

 

すると教室に先生が入ってくる。

 

「と、とりあえず教科書見せて…!お願い!(小声)」

 

「うん、いいよ(小声)」

 

机を近づけて、めとちゃんに教科書が見えるようにする。

 

そして授業が始まった。

 

 

 

 

 

〜10分後……〜

 

 

 

 

 

「スゥー……スゥー…zzz」

 

「(いや寝るんかい……)」

 

 

 

 

 

〜そのまた15分後〜

 

 

 

 

「(まだ寝てる……)」

 

そろそろ起こしたほうがいいか…?

 

ユサユサ……

 

肩を軽くゆすってみる。

 

「んぇ…?」

 

「めとちゃん、そろそろ起きないと…(小声)」

 

「うぅ……うん」ポヤポヤ〜

 

「(大丈夫か……?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてそのまま、特に何か起きることもなく授業が終わった。

 

「……まだ起きないんだ」

 

机の上にあるものを、机の中にしまいながら横を向く。

 

授業終わっても起きないなんて……。

 

まるで幼子のような顔で眠るめとちゃん。

 

「あれ、めとちゃんまだ寝てんじゃん…ウケるw」

 

「僕は授業中に起こしたんだけどね…」

 

「それよりこれ、先生のとこ持ってこ〜」

 

「あ、はい」

 

こちらの青い髪の女子生徒は“白波らむね”さん。

 

隣の席にいるめとちゃん繋がりで少し話すようになった。

 

今日は、らむねさんと日直になったので提出物の回収等も仕事としてあるのだ。

 

「よっと…それじゃあ行きますか」

 

「うん」

 

 

 

「悠燈くんは部活とか入ってるの??」

 

職員室までの道のりでそんなことを聞かれる。

 

「いや、入ってないですよ?」

 

「へぇ〜、それなのに運動神経あんなにいいんだ?」

 

「筋トレとかパルクールとかしかやることなかったので」

 

体育の授業では、基本的にできないことが少ない。

 

「でもあれはめっちゃ笑ったなぁ〜wバドミントンでラケット思いっきりぶん投げてたの…ww」

 

「やめて…!ああいう道具使う競技は苦手なんだって!w」

 

ラケットとかバットとかは当たった時は大丈夫だけど、空振ったら力の逃し方わからなくて、手から離れて全部吹っ飛んでいく。

 

陸上の投擲競技なら得意かもしれない。

 

「ごめんごめんwそれでも、いろんな部活誘われてたりしそうなのにな〜」

 

「一応誘われはしたけど…」

 

「え、何部?」

 

「e-sports部に仲のいい先輩が居て誘われたけど、女子しかいないらしく入りづらくて入部まではしてない」

 

「えっ、らむe-sports部だよ?」

 

「そうだったの!?」

 

それは初耳だ……。

 

「一年だとめとちゃんもだし、あとは〜るなちゃんと、つなとかもだね」

 

け、結構大所帯の部活だったんだな…。

 

れん先輩やひなの先輩、うるは先輩もそうらしいし…その実力もすごいらしい。

 

「入りなよ〜、みんな優しいよ?」

 

「知ってるけど…」

 

「いっそのことゲームだけしにくれば?w」

 

「そんなこと顧問の先生が許すわけ…!」

 

「大丈夫だって!w先生も変わった人だし、ゲームするってなったら喜んでくれるよ!」

 

「ん〜、じゃあ昼にれん先輩に相談してみます…」

 

そんなこんなで職員室に着き、提出物を置いてくる。

 

「らむ他の先生にも用事あるから先戻ってて〜」

 

「うん」

 

ああいう子をギャルっぽいというのだろうか…。

 

そう思いながら、僕は教室へと戻った。

 

教室へ戻ると、まだめとちゃんは寝ていた。

 

気にせず僕は横の席に座る。

 

「んぅ〜〜〜っ!」ノビー

 

僕が席に着くと横でめとちゃんが体をグーっと伸ばしていた。

 

どうやら僕の席に着く音で起きたようだ。

 

「おはよ」

 

「おはよ〜、んぁーよく寝た!」

 

「次の授業、世界史だけど準備したほういいよ?」

 

「あ、もうこんな時間!?ちょっとロッカー行ってくる……!!」

 

慌ただしいな、相変わらず。

 




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