名探偵プリキュア!&仮面ライダーキバ ~運命の協奏曲~ 作:SEASER
時は1999年、まことみらい市内にある洋館からバイオリンの音色が響いていた。
「……。」
紅真は一人部屋の中で一心不乱にバイオリンの音色を響かせていた。
と、そこへコウモリ型妖精のキバットバットⅢ世が飛び、肩に乗っかった。
「よっ、真。」
「……キバット。」
そう言いながら持っていたバイオリンを机の上に置いた。
「それで真…今日も行くんだよな?」
「……当然だよ。」
そう言うと真は外へ出る準備を始めた。
真は赤黒い宝石のようなものを握りしめていた。彼の瞳はどこか悲しそうなものになっていた。
小林みくるside
まことみらい市内のとある建物の前に一人の少女、小林みくるが立っていた。
「キュアット探偵事務所……!ついにこの日が来た!絶対に受かる!!」
みくるはそう意気込み、緊張した様子のままドアをノックしようとした。
「…すみませーうぃ?!」
ノックをしようとしたその時、空からの光に驚きそちらに視線を向けた。
「んん…?」
「わあああああああ?!?!」
「うえぇぇ?!あああぁぁ?!?!」
光の中から現れた少女明智あんな、小林みくるはお互いに驚愕していた。
と、その時
「ポ~チ!」
「うげっ!?」
あんなが抱えていたぬいぐるみのような生き物ポチタンが大きく膨らみクッションとなった。
みくるは下敷きになってしまった。
「っと……な、何なの…?」
「ポッチ!」
そう呟くとあんなはポチタンから飛び降りた。
その際、首から下げていたペンダントのカバーは勝手に閉じられていた。
「これのせい…?もう~何がどうなってるの!わけがわからないんだけど~!!」
元の大きさに戻ったポチタンを掴み揺さぶる。
その間に気絶していたみくるは復活していた。
「妖精だ!」
「へ?」
「ポチ?」
突然の聞き慣れない単語にあんなは首をかしげる。
ポチタンは純粋に言葉の意味を分かっていないようだ。
「妖精と一緒ということはキュアット探偵事務所の名探偵ですね!?」
「へ?」
みくるがそう言うと、あんなは困惑していた。
「わたし、小林みくるです!」
「あっ、わたし、明智あんな…って!そうじゃない!!」
みくるとあんなはお互い自己紹介をするが、あんなはツッコむように叫んだ。
「妖精って何⁉︎部屋にいたのに、どうしてここに!?」
「…………もしかして、探偵テストはもう始まってる?」
ものすごく話が嚙み合っていないようだ。
「もう~!」
「お答えしましょう!かの有名な探偵シャーロック・ホームズは、靴のよごれや傷を見てどこから来たのか言い当てます! あなたは…ずばり!」
みくるはそう言うと、足元へ視線を向けた。
しかし…
「靴……履いてな~い!?」
あんなが足に履いていたのは靴下だけだった。
紅真side
「いいか真?俺にだっていつか春は訪れるんだよ。」
「…キバット…その話するの何度目?」
真は上着の内側に隠れているキバットの恋愛話をずっと聞かされながら歩いていた。
主に内容はキバットのなかなか恋が実らないことに対する不満なのだが…
「6……7だったか?って、そんなことはどうでもいいんだよ!」
「はぁ……」
耳にタコができるぐらい聞いた話を何度もされ呆れた表情を浮かべる真。
「こ~んなにハンサムなコウモリはなかなかいねぇってのに……」
「そもそも妖精に恋の概念とかあるの…?」
「おいおい、そりゃああるに決まってるだろ!」
そんな話をしていると真はどこかを見つめたまま立ち止まっていた。
「……。」
「どうした?そんなぼーっとして。」
キバットは真が見つめている先に目をやった。
そこには大きな結婚式場が見えていた。
「なんだ、結婚式場か。…おいおい真~お前頭ん中でどんな想像してんだよ~このっ!」
「そ、そんなのじゃないってば……!」
全てを察したキバットは真をいじる。
そして、すぐに真はキバットの言いたげなことを否定しその場を後にしようとしたその時…
「どいてください~~!!」
突然何かに引っ張られるように猛ダッシュしてきた少女が迫ってきた。
真は咄嗟に避けたが尻餅をついてしまう。
「ちょっと、待ってください~!?」
猛ダッシュしてきた少女の後を探偵のような服装をした少女が追いかける。
「な、なんだったんだ…?」
「……!」
真はポケットから赤色の光が漏れていることに気がついた。
その正体は家から出るときにポケットに入れていた赤黒い宝石のようなものからであった。
「真、これって…!」
「……キバット、行くよ……!」
明智あんなside
とりあえずのあんなの靴を買いに靴屋を訪れていた時、ポチタンが急に反応しあんなを引っ張りながらどこかへ向かった。
たどり着いた先には大きな結婚式場があった。
「ぜぇ…ぜぇ…あっお金払ってない!」
今履いている靴のお金を払っていないことに気づいた。
すると、そこへみくるが追い付く。
「靴の代金、立て替えときました。」
「ありがとう!」
「ポチポチ…」
「ここって……」
「結婚式場?」
ポチタンが指さした方向に二人は目を向けた。
そこには大きな結婚式場があった。
二人は結婚式場の中へ入っていった。そこでは植込みの中を必死に探している女性がいた。
すると…
「幸野さん。ありがとうございます」
「「花嫁さんだ〜!」」
そこに、幸野という女性に話しかける花嫁さんが現れた。
二人は花嫁さんの姿に目を輝かせている。
「もう……あきらめます」
「「えっ?」」
「でも……」
「……式に間に合いませんから」
花嫁さんは浮かない顔で時計を見つめながらそう言う。
すると…
「たちゅ……けて…」
ポチタンはあんなを見てそう呟いた。
その言葉を聞いたあんなは前に出る。
「あの!困っていることがあるなら、お手伝いします!」
「えっ!?」
一方その頃、真たちは…
すれ違った二人の少女を追いかけていた真は結婚式場の入口前で立ち止まり様子を見ていた。
「どうやら何かを無くしちまったようだな。ひょっとしたら
「……そうかもね……」
外から中の様子を伺っていた二人。
その時、後を追っていた二人の少女が花嫁さんたちとどこかへ移動していく。
「キバット…!行ける?」
「よっしゃ!任せろ!!」
すると、キバットは勢いよく飛び立ちこっそり気づかれないように後をつけていった。
その頃、あんな達は控え室へと移動し話を聞いていた。
「あらためまして。わたしは、式場のスタッフの幸野です」
「想田まりです。実は式で着けるティアラがなくなったんです」
ウェディングプランナーである幸野さちよと花嫁である想田まりはそう名乗った。
「「ええっ⁉︎」」
「でも……それは?」
「1時からの式に間に合うように式場が用意してくれたんです」
「まりさんのと、形と大きさも、似た物をなんとか用意しました。これが、まりさんのティアラです」
二人は同じように反応する中、あんなは近くに金色のティアラが置いてあるのを見て、そんな風に聞く。
あんなの質問に対して、まりとさちよはそう答えて、さちよはある写真を見せる。
その写真には、ティアラを頭につけているまりが映っていた。
「お母さんも、結婚式でこのティアラを着けたんです。私も着けて式をあげたかったんですが、この部屋から消えてて……」
「突然消えるなんて……」
「はっ……!まさか、これが本当の探偵テスト……!」
まりさんの話を聞き、そうあんなは呟いた。
そして、みくるはこの状況が本当の探偵テストと思い込んでいた。
「絶対に…!私が見つけてみせます!」
みくるがそんな風に意気込んだ後、部屋に男性一人と女性一人を呼んだ。
「どうしたの?よび出したりして」
女性の1人が訝しむ様にそう言うと、みくるが口を開く。
「まりさんが最後にティアラを見てから、この部屋に出入りしたのはあなた方三人…この中に、ティアラをとった犯人がいます!」
「「「えっ?」」」
みくるはそんな風に言うと、三人を指差す。
それを聞いて、三人が困惑する中…
「まさか!ありえないですよ!」
「で、ですよね〜……ちょ、ちょっと話を聞こうかな~なんて……」
まりがそんな風に言うと、みくるは気まずい表情を浮かべた。
この中に居るのは、まりとさちよ以外には、カメラマンの宇都見将太、まりの友人である藤井ともかの二人。
宇都見とともかの2人は口を開く。
「ボクは花嫁さんを撮りに来たんだ」
「私は、まりにお願いがあって来たの」
「お願いって?」
「ブーケを、ともかのほうに投げてほしいって」
「あっ!ブーケトス!」
「そっ!花嫁さんが投げたブーケをキャッチすると、幸せをおすそ分けしてもらえるの!ずっとあこがれだったんだ~!」
宇都見がそう言う中、ともかはそんな風に言う。
ともかはブーケトスの際に、自分の方に投げて欲しいと頼み込んでいたそうだ。
あんながそう言うと、ともかはそう言う。
「お願いって、アリなんだ……」
「まり、OKって言ってくれたよね?」
「ともかが珍しく遅刻しないで来てくれたから、つい……」
「なるほど……」
宇都見はブーケトスに関する執着を見て、そんな風に呟く中、ともかがそう聞くとまりはそう答える。
それを聞いて、みくるがそう呟きながらメモをとった。
「私は式の準備で部屋に出入りしていました」
「みんな、ここに来た時も今と同じ服装でしたか?」
「ええ、ティアラを隠せるようなものは、何も……」
「そうですか……」
あんながそう聞くと、さちよはそう答えた。
「帽子……帽子の中に入れたとか?」
「はぁ?」
「たしか、このティアラ……まりさんのとほとんど同じ大きさ。帽子……いいですか?」
「あ、ああ」
みくるがそう言うと、宇都見は困惑の表情を浮かべる。
あんなは宇都見から帽子をもらい、予備のティアラを重ねてみたが、しかし…
「う~ん……入らない…これじゃ運べないよ」
「ともかさんのバッグは?」
予備のティアラは上手く入らなかった。これではすぐに分かるだろう…
みくるがそう聞くと、ともかはバッグを見せる。
「これも入らないよ」
「幸野さんのポーチも無理そうだね…」
ティアラのサイズはバッグよりも一回り大きく、入りそうには見えなかった。
幸野のポーチも同様にティアラが入るようなサイズではなかった。
「ありがとう……もう本当にいいんです。ティアラは……諦めます……」
「「……。」」
まりが悲しそうに言う。
その姿を二人は悲しそうに見つめていた。
「なるほどな……」
その様子をドアの隙間からキバットが覗き見ていた。
紅真side
真は結婚式場の庭でキバットの帰りを待っていた。
そこへキバットが翼を羽ばたかせ帰ってきた。
「真~キバっと戻ってきたぜ!」
「それでキバット、何か分かった?」
「ああ、どうやらあの花嫁の姉ちゃん、大事にしていたティアラが無くなっちまたみたいなんだ。」
キバットは真にティアラが無くなった時の状況など聞いていた内容を詳しく説明した。
「室内に入った三人に外へ持ち出す手段は無しか……」
「おい、真…?」
そう呟きながら歩いている真。
キバットは何かに気づいたような声をあげるがすでに遅く……
「あだっ……!」
「あー遅かったかぁ……」
木に正面から激突してしまい地面に倒れてしまった。
キバットは翼を額に当てて、そう言葉を漏らした。
と、そこへ…
「だ、大丈夫ですか~!」
みくるが地面に倒れてしまった真に駆け寄ってきていた。
それを見たキバットはすぐに上着の中に隠れる。
小林みくるside
みくるは庭にある噴水に座って頭を悩ませていた。
「ティアラを持ち出した方法が分かれば犯人が分かるはずなのに……その方法が分からない……」
「私って……いつも……」
みくるはうつむいて自分を責めていた。
と、その時…
「あだっ……!」
声のしたほうへみくるは視線を向けた。
そこには地面に倒れてしまっている青年、紅真がいた。咄嗟に駆け寄る。
「だ、大丈夫ですか~!」
「え、あ…その……はい大丈夫です……」
真は言葉に詰まったように返答する。
「よかった~…!」
「みくるちゃん~!」
みくるが安堵していると、みくるを心配していたあんなが向かってきていた。
「……君、探偵…?」
「へ…?みくるちゃん、この人知り合い?」
「い、いや初対面だよ!」
真からの質問にあっけにとられるみくる。
あんなからの質問にみくるは必死に首を横に振り否定する。
「その…さっきは探偵みたいな服装だったから……そこに置いてあるし……」
みくるは噴水に畳んであった探偵服に目を向ける。
「そ、その…私まだ探偵じゃないんです…。」
「探偵じゃない…?」
みくるの返答に真はそう呟いた。
「今だって困っている人がいるのに笑顔に出来ていない……これじゃあ名探偵になんて……」
みくるはそう呟いた。
すると真は口を開く。
「…そんな時は初心に帰ってみるといいよ。」
「へ?」
真からの言葉にみくるはあっけにとられた。
真はそこから言葉を続ける。
「僕の……友達が言ってたことなんだ。進むべき道が見えなくて行き詰った時は初心に帰ってみるといいって。」
「それってどういう…」
(初心に帰る…)
みくるが意味を聞こうとした時、あんながはっとしたように口を開いた。
「どうして…名探偵になりたいの?」
「それは…私も助けられたから。」
「今度は私が名探偵になってみんなを助けたい!」
あんなからの質問にみくるはそう答えた。
かつて、自分も探偵に助けられたことをきっかけに名探偵を志すようになったのだと…
「やっぱりすごいんだね……」
「えっ?」
「名探偵なら、ティアラを見つけてまりさんを笑顔にできるんでしょ?」
「ええ………きっと」
「だったらなろうよ!名探偵に!」
「でも……」
名探偵になろうという言葉にみくるは戸惑いを見せる。
「悩んでるだけじゃ始まらないよ!一歩踏み出せば、答えはついてくる!『一歩の勇気が、答えになる』……だよ!」
「ポチ~!」
あんなはそう言うと、みくるの手を取りポチタンが声を出した。
そして、あんなは口を開く。
「みくるちゃん、行こう!もう一度全部調べよう!」
「……っ!はい!」
「あっ、そうだ!さっきの人にお礼言わなきゃ!」
みくるとあんなは振り返り、真にお礼を言おうとしたがしかし…
「あれ…いない……」
「さっきまでここにいたのに……」
すでにいなくなってしまっていた。
その時、風が吹いてみくるの髪を結んでいた片方のリボンが宙を舞い植込みのほうへ落ちていった。
「今日二回目だ。さっきも植込みの中に女の子のリボンが入って……」
植込みに落ちたリボンを手にとる。
「植込みの……中……」
「花……」
二人はどこか引っかかったように呟く。
そして二人の頭の中で一つの答えが導き出された。
「「はっ!」」
「「見えた!これが答えだ!!」」
「「犯人はあの人だ!!」」
二人は声を揃えて叫んだ。
そして二人はすぐに控え室のほうへと向かっていった。
一方その頃真は…
「フッ、柄にもないことしちまったな……」
「なんでキバットが誇らしげなのさ……」
真たちはすでに結婚式場の敷地外におり、正門付近でキバットと話をしていた。
「いやいや、真がああいうことを言うようになって俺はうれしいんだぜ…!」
「そんな大げさな……」
ちょっと誇張しすぎなキバットの発言に真は呆れた口調で返す。
「しっかし、犯人は一体誰なんだ~?」
「…キバットは分からない?」
「お、てことは真は分かったのか?」
含みを持たせたような言い方をした真の発言にキバットは思わず声を漏らした。
「まあね…。」
犯人が分かった二人はすぐに先ほど話を聞いた三人を控え室に集めた。
「犯人が分かりました」
「「「えっ?」」」
みくるからの突然の言葉に三人は困惑の言葉を漏らした。
「一体誰が犯人なんだ……?」
宇都見の質問に二人は口を揃えて叫ぶ。
「「犯人はあなたです!」」
二人はまりの友人である藤井ともかを指さしていた。
「花嫁の姉ちゃんの友達が犯人?なんでそう思うんだよ?」
真はこの事件の犯人が誰なのかをキバットに告げていた。
真から聞かされた人物が犯人である理由についてキバットは質問していた。
「あの三人は全員ティアラを外へ持ち出すことは出来ない。ということは……」
「ええ、ティアラはまだこの部屋にあるんです!」
「「「えっ…?」」」
消えたティアラがこの室内にあるという言葉にともか以外の三人は驚愕する。
「あなたは……自分にブーケを投げてほしいとまりさんに頼んでティアラをブーケの中に入れた…」
「そして、まりさんからブーケを受け取ったあとにティアラを抜き取るつもりだったんだ!」
「……ふっ…」
ともかは拍手をしながら立ち上がり、不敵な笑い声をあげた。
「やるじゃない…でも、一つだけ大きな間違いをしている…」
「僕はともかではないんだ!」
そういうとともか(?)は変装を解いた。
そこにいたのは全くの別人で怪盗のような服装の男だった。
「僕はニジー!怪盗団ファントムの…怪盗さ!」
「なるほどなぁ…さすが、真だぜ!」
「でもなんで…」
なぜ犯人がそのようなことをしたのか疑問に思っているとポケットから再び赤色の光が漏れ出していた。
しかも光の強さは先ほどよりも強くなっている。
「真!」
二人はすぐに結婚式場内へと戻った。
すぐに真の視界に控え室のある部屋の窓から怪盗のような服装の男ニジーが飛び出してくるのが入った。
真はその者の正体をすぐに察した。
(怪盗団ファントム…!)
真たちはすぐにニジーのあとを追いかける。
「まて~~!!」
あんなはそう叫びながらみくるとともにニジーを追いかけるが、素早い身のこなしのニジーに中々追いつけない。
「早い…!」
「ポ~~~チ~~~!!」
「えぇぇ?!」
必死に走ってもなかなか追いつけないでいるとポチタンが叫び首紐を出してあんなを引っ張りあげた。
みくるはギリギリであんなの体にしがみつきそのまま空を飛んだ。
そして、ニジーの正面へと着地し追いつくことができた。
「困ったベイビィだねぇ…」
「ティアラを返して!」
「できない相談だよ。このティアラにはマコトジュエルが宿っているからね」
ニジーが告げた聞き慣れない単語にあんなは疑問の言葉を漏らした。
「マコトジュエル…?」
「花嫁がティアラを大事にする思いがマコトジュエルを引き寄せたのさ」
突然、ニジーの手のなかに現れたオーシャングリーン色の宝石に二人は驚く。
「このジュエルをいただくのが僕たちの目的…そうだ、ティアラの代わりに素敵なショーをお見せするよ!」
『嘘よ覆え!いでよ、ハンニンダー!!』
「ハンニンダー!!」
そう叫ぶとマコトジュエルは暗く染まり、ティアラは巨大な怪物ハンニンダーへと変貌した。
「ファントムが新たに開発したハンニンダーさ!」
「さぁ、ショータイムだよ!ベイビィ!!」
「ハンニン…ダー!!!」
ニジーの声でハンニンダーはエネルギー弾を放ち木を簡単になぎ倒してしまった。
みくるはその光景におびえてしまっていた。
「なんとかしなきゃ…」
「なんとかって……」
「ふっ……さぁ、探偵ごっこはおしまいだよ?」
おびえた姿のみくるを見て、ニジーは口を開いた。
「おびえた瞳が全てを物語っている…君は探偵じゃない。探偵気取りの真っ赤な偽物だ」
「真~!こっちだこっち!!」
真とキバットはニジーを追いかけ林の中へと入っていた。
そして、キバットがニジーを見つけすぐに真を呼んだ。
「どうやら修羅場みたいだぜ!」
「分かった、キバット!」
「よっしゃあ!キバって……」
「本物だよ!!」
キバットが真の腕に嚙みつこうとした時、あんなが声をあげた。
真とキバットは思わずあんなのほうへと視線を向けた。
「え…?」
「みくるちゃんは名探偵になるんだ!」
「名探偵?さすがにあり得ないな。」
「なれる!」
ニジーの言葉を否定するようにあんなは大きく声をあげた。
「助けたいって気持ちがあるから!」
「強がっているけど…君も本当は怖いんだろう?」
ニジーの言った通り、あんなの握りしめている手は恐怖で震えていた。
「そうだよ……怖い……怖いけど…!!」
「ティアラを取り返したい!!」
「困っているまりさんを私も助けたい!!」
あんなは勇気を振り絞って大きく叫んだ。
その様子を真は静かに見ていた。
「あの嬢ちゃん、根性あるなぁ…」
「……。」
キバットは感心したように呟く。
「みくるちゃんといっしょに!」
「!」
あんなの言葉にみくるははっとしたようにあの言葉を思い出した。
そして、みくるはあんなに手を差し伸べた。
「みくるちゃん……」
「一歩の勇気が…!」
「答えになる!」
「見せてもらおうか!その答えとやらを!!」
ニジーが叫ぶとハンニンダーは飛び上がり、二人を踏みつけようとした。
「私たちで取り返す!!」
「やべぇ!」
「いや、待って…!」
キバットはすぐに真の腕に噛みつこうとするが何かに気づいた真はそれを止めた。
あんなとみくるが持っていた同じ形のペンダントが光を放ち飛び出した。
「私のと……」
「同じ……」
ペンダントを手にとった二人は、光に包まれた。
そして、ポチタンが叫ぶ。
「ぷいきゅあ~!」
「「オープン!ジュエルキュアウォッチ!!」」
「「プリキュア!ウェイクアップタイム!」」
「「3!見つける!」」
「「6!向き合う!」」
「「9!奇跡の二人!」」
「くるっと回して!」
「キュートに決めるよ!」
「どんな謎でもはなまる解決!名探偵キュアアンサー!!」
「重ねた推理で笑顔にジャンプ!名探偵キュアミスティック!!」
「「名探偵プリキュア!!」」
「私の答え見せてあげる!」
光に包まれた二人はキュアアンサー、キュアミスティックへ変身を遂げていた。
そこへ、ハンニンダーが向かってくる。
「「はああああああ!!!」」
「ハンニンダー?!」
二人はダブルキックをハンニンダーに浴びせ、吹き飛ばした。
「私…プリキュアって…」
「名探偵…!私がなりたかった名探偵プリキュア…!!」
「ええっ!?これが!?」
「ポチ~!」
あんなは突然起こった出来事に戸惑いを隠せずにいた。
みくるは目指していた名探偵プリキュアになることが出来てうれしそうに目を輝かせていた。
茂みに隠れていたポチタンもうれしそうにしている。
「プリキュアだって…?やつたちが…新手か……?」
ニジーがそう呟くと土煙の中ハンニンダーは起き上がり二人に突撃していった。
「へ…?」
「…!キバット!」
その様子を見ていた真はすぐにキバットを呼んだ。
「任された!今度こそキバっていくぜ!!」
「ガブッ!」
真の手にキバットが噛みつくと、真の頬にステンドグラスのような模様が現れた。
そして腰にキバックルが装着される。
「変身!」
キバックルにキバットを止めた。
すると、真の体は変貌し鎧に包まれた。
「ハァ!」
変身するとすぐさま飛び出し、二人に突撃していたハンニンダーを蹴り飛ばした。
「な、なに?!」
「え、誰!?」
「も、もしかしてあなたも名探偵プリキュア!?」
その場にいた全員がまさかの乱入者に驚きを隠せずにいた。
「おいおい、そんな風に見えるのか?」
キバックルに止まったままキバットがそうしゃべるとアンサーとミスティックはぽかーんとした表情になった。
そして……
「「コウモリがしゃべった~~~!?!?!」」
「おいおい、そこのぬいぐるみみたいなのも喋ってるじゃんかよ。」
「ポチ?」
キバットが翼でポチタンを指しながらそうやってツッコんだ。
ポチタンは不思議そうに首をかしげている。
「「あ、確かに…」」
二人は納得した。
「そこのキミ!一体何者だ!!プリキュアとは違うようだが……」
「名前……?」
ニジーの発言に真は疑問を浮かべた。
その様子を見たキバットはまさかと思い、真に話しかける。
「おい、まさか名前決めてないのか…?」
「え…いや、だってそういうの得意じゃないし……」
「おいおい、こういうときこそイケてる名前を名乗る時だろうが!」
突然始まった謎の会話に静まり返る一同。
「……じゃあ、仮面ライダーってのは?」
「お~いいじゃねぇか!でも、それだけじゃなんか寂しいな……よし、なら仮面ライダーキバってのはどうだ!」
「いいとは思うけど…キバってもしかしてキバットからとったの……?」
「まあ、いいじゃねぇか!」
「話はまとまったかい?」
話が終わった雰囲気が出たところでニジーが話しかける。
真はニジーのほうへ振り返った。
「仮面ライダーキバ。これからはそう名乗らせてもらうよ。」
「仮面ライダーキバ……」
「はなまるかっこいい!」
「仮面ライダーキバか……しかし、その程度ではハンニンダーは倒せないよ!!」
ニジーがそう叫ぶとハンニンダーは起き上がり再度襲い掛かろうとする。
「よし、お前らいっしょにキバっと決めるぜ!」
「「はい!!」」
キバットがそう叫ぶと、応えるようにアンサーとミスティックも叫んだ。
「一歩の勇気が!」
「答えになる!」
二人はジュエルキュアウォッチを手に持ち針を回す。
すると二人は光の球体に包まれた。
「よーし、行くぜ!ウェイクアップ!!」
キバはウェイクアップフエッスルをキバットに咥えさせた。
すると、キバットは飛び上がり足の鎖を解くとコウモリのような形へと変形し、周囲は夜になった。
そして、キバは天高く飛び上がった。
「「これが私たちのアンサーだ~~~!!!」」
「ハァァァ!!」
アンサーとミスティックは光の球体となって突撃し、キバは月をバックに必殺キック「ダークネスムーンブレイク」を食らわせた。
「「キュアット解決!!」」
「ハン…ニン…ダー……」
双方の技でハンニンダーは浄化され、元のティアラに戻り光の中から元の色をしたマコトジュエルが姿を見せた。
「今日は幕を下ろしておこう!」
ニジーはけむり玉を地面に投げた。
けむりが晴れた時にはすでにニジーの姿はなかった。
「いなくなった…!」
「あれ…?キバさんもいない……」
いつの間にかキバの姿もなかった。
その後ティアラはまりの元へ戻り結婚式は予定通りに取り行うことができた。
まりのうれしそうな表情にアンサーも微笑む。
「あっ、私帰らないと!誕生日パーティが…!」
「あの…!プリキュアになれたってことはテストは合格ですよね!」
ミスティックは目を輝かせながらそう言った。
「1999年4月~!とうとう私もキュアット探偵事務所の名探偵になったんだ~~!!」
「1999年…?またわけがわからないことを……」
「ポチ?」
ミスティックが発した言葉の意味を把握しきれておらず疑問の表情を浮かべるアンサーとポチタン。
「いやいや!1999年4月2日春です!ほら!」
ミスティックが指さした方向には桜が満開に咲き誇っていた。
そしてアンサーはあることを思い出す。
「桜……私がいたのは2027年1月冬……」
ついにアンサーはとんでもない事実に気づく
「もしかして私…昔にタイムスリップしちゃったの~~~!?!?」
紅真side
「いや~今日はとんでもない一日だったな~!」
「……。」
「しかしまあ、そいつがマコトジュエルの危険を知らせてくれるとはな……マコトジュエル同士で引きあってんのか?」
キバットと真は帰路についていた。
真はじーっと赤黒いマコトジュエルを見つめていた。
キバットは自分の考えを漏らす。
「そうかもね……。」
「……真、がんばっていこうぜ。」
「うん。」
〈キャラ紹介〉
紅真(くれないまこと)
・16歳
・性格は紅渡と同様に人見知りではあるが原作ほどこじらせてはいない。
・キバットとは物心ついたころからずっといっしょに暮している
・並外れた観察力を備えている
キバットバット三世
・性格は原作とほぼ同じ
・種族はモンスターではなく、妖精
〈アイテム紹介〉
赤黒いマコトジュエル
・マコトジュエルに危険が迫っていると赤色の光を放つ