名探偵プリキュア!&仮面ライダーキバ ~運命の協奏曲~ 作:SEASER
あんなとみくるはあんなの家があるマコトミライタウンへ来ていた。
「えっとね~ここが私のうち!」
「へ~…」
あんなは『マコトミライタウン予定地』とある看板に貼られているマンションの写真を指差した。
二人の目の前には更地が広がっていた。
「町ごと無いんだけど~~~!?!?」
「未来から来たって本当だったの~~~!?!?」
そこにあるはずだったあんなの家どころか町そのものがないことに、そしてみくるはあんなが本当に未来から来たという事実に二人揃ってびっくりしていた。
「探偵事務所の名探偵じゃなかったの!?」
「だから私嘘つかないって!誕生日パーティがあるの!!帰らないと!!名探偵でしょなんとかして~~!!!」
あんなはみくるの肩を掴み揺さぶる。
「それを言うならあなたも名探偵…そうだ!あそこに行けば!」
「?」
紅真side
「よし……」
「真…今度は一体何を入れたんだ……?」
真とキバットは家に戻っていた。
キバットはマスクをつけながら真が煮込んでいた鍋の中身について質問する。
「エビの尻尾。」
「…バイオリンに匂い染みついたりしないんだよな……?」
「ニスに混ぜて塗るから大丈夫だよ…多分……」
二人の間に気まずい空気が流れる。
「この前は魚の骨、更にその前はセミのぬけがらに犬の糞…全部失敗してるからなぁ……ん?」
キバットは真がいつの間にか消えていることに気づく。
上から覗き込んでみると…
「……。」チーン
「あ…わ、悪かった!そういうつもりで言ったんじゃないんだ…!」
真はものすごく落ち込んでいた。
キバットは必死に弁明する。
「分かってるよ……はぁ…一体いつになったらあの色が出せるんだ……」
真は落ち込んだ表情のままガラスケースに入れられているバイオリンを見てそう呟いた。
「キュアット探偵事務所?」
二人はキュアット探偵事務所の前に来ていた。
「ここに名探偵プリキュアがいます!」
「ええっ!?ほかにも名探偵プリキュアが…「しーっ!!」」
あんなが言いかけたところですぐにみくるはあんなの口を塞いだ。
「プリキュアがいることはヒミツだそうです!」
周囲を見回しながらみくるはあんなの言葉を遮った理由を説明する。
「秘密なのによく知ってるね…?」
「ま、まあ気にせずに…!きっと力になってくれます!」
二人はキュアット探偵事務所の中へ入っていった。
しかし、明かりは一切点いておらず人がいそうな雰囲気ではなかった。
「ごめんくださ~い!」
「…いないね?」
奥の部屋まで進んでみるが人がいるような気配はなかった。
「…なんか…イメージと違う……」
「ポチ~♪」
想像していた雰囲気とはかけ離れており、みくるは言葉を漏らした。
そして、ポチタンは部屋内を飛び回っている。
「どなたかいませんか~?」
「…依頼は断っている。」
「「!」」
突然聞こえてきた男の声に二人は反応を示す。
「あ、あの力を貸してほしいんです!私タイムスリップしちゃって……」
「冗談に付き合ってる暇はない…帰ってくれ。」
男の返答に二人は必死になって返そうとする。
「冗談じゃなくて本当に…」
「私たち名探偵プリキュアなんです!」
二人の言葉に反応し男は机の上に飛び乗り姿を見せた。
「……子供?」
そこにはかなりサイズのあっていない白衣を来た少年がいた。
「お前たちが名探偵プリキュア……ないな。」
「本当だよ!私うそつかないから!」
そう言ったあんなを見つめる白衣の少年。
その時、彼の視界にジュエルキュアウォッチが目に入った。
「そいつは…?!わ、わあぁぁ!?」
あんなが首から下げているジュエルキュアウォッチに驚いた拍子に、白衣の少年は机の上から落ちてしまった。
しかしそこにいたのは…
「いってて……」
「妖精!?」
ポチタンと同じくらいのサイズの妖精がいた。
すぐに黄色の妖精は先ほどの少年の姿に戻る。
「これでプリキュアに変身しただと…?」
白衣の少年はジュエルキュアウォッチをじっくり観察しながらそう呟く
「妖精がプリキュアになるなんて…」
「あなた、プリキュアのオトモ妖精…?」
あんなはキャンティを口に咥えたままそう呟いた。
そしてみくるは白衣の少年に質問を投げかける。
「いいや、僕は…天才発明家ジェット!探偵道具を発明するのが僕の仕事!」
ジェットは自信満々に答えた。
「へぇ~まだ小さいのにすごいね…!」
「小さい?お前何歳だ?」
『小さい』と言われたことに反応しジェットはあんなに質問する。
「私14歳だよ?」
「えっ!?私ももうすぐ14歳!!」
「そうなの!?はなまるびっくり~!!」
「ふっ…僕が年上だな…僕は223歳だ。」
ジェットは自信満々に答えるが当の二人は全く聞いていなかった。
「同い年なら敬語はなし!あんなでいいよ~!」
「じゃあ私はみくるで!」
「分かった~!」
「……これだから子供は…。」
二人のはしゃいでる様子にジェットは呆れた声を漏らした。
「で、お前らこのペンダントどこで手に入れたんだ?」
ジェットはジュエルキュアウォッチを手に持って二人に質問する。
「小さいころにおばあちゃんからもらったの。でも詳しいことは分からなくて」
「私はね、自分の机の上にペンダントが置いてあって、そしたらポチタンが現れたの」
二人はジュエルキュアウォッチを手に入れた時の状況を答えた。
その時、ジェットはあることに気づく。
「ポチタン?」
「あれ?」
「そういえばポチタンは?」
いつの間にかポチタンが消えてしまっていたのだ。
すると…
『シンニュウシャ!シンニュウシャ!』
地下のほうから警報音が鳴り響いた。
「研究室か!」
三人は急いで研究室のほうへ向かった。
そこには……
「あああっ!?」
天井からお菓子の山がこぼれ落ちていた。
「僕のおやつ!!」
「「すごい量!?」」
とんでもない量のお菓子に二人は驚きの声をあげた。
「発明で頭を使うからエネルギーが必要なんだよ~~!!」
その時、お菓子の山の中からポチタンが顔を見せた。
「ポチ~!」
「ポチタン!」
「ん?時空の妖精!?」
ジェットが発した言葉に二人は疑問の表情を浮かべた。
「時間と空間をワープできるとってもめずらしい妖精だ。」
続けてジェットは考察する。
「そうか…タイムスリップの原因はお前か。この妖精を使えば元の時代に帰れるかも!」
「ええっ!?やった~!」
「よかった~!」
ジェットの言葉に二人は安堵した表情を浮かべる。
しかし、ジェットがあることに気づく。
「待て、そもそも赤ちゃんじゃなかっただろ?」
「うん、ポチタン普通にしゃべってた。」
ジェットからの質問にあんなは答えた。
そして、ジェットは一つの結論を導き出す。
「タイムスリップで力を使い果たしたんだ…元の姿に戻らないとタイムスリップはできないだろうな」
「そんなぁ…」
「どうすれば…」
今のままでは元の時代に戻ることはできない事実に二人は落ち込んでしまう。
そんな時、ジェットは口を開いた。
「マコトジュエルなら……」
「「へ?」」
ジェットの発言に二人は反応を示す。
続けて、ジェットは説明する。
「真実の力が秘められた宝石だ。それがあれば…!」
「「あ。」」
二人は心当たりがあるかのような表情でお互いに顔を見合わせる。
「だが、見つけるのは難しい……」
「これのこと?」
あんなは以前の戦いで手に入れたオーシャンブルー色のマコトジュエル見せた。
「……持ってるのぉぉぉぉぉ?!?!」
めずらしいはずのマコトジュエルが目の前にありジェットはびっくりした。
「これで元に戻る!」
「「やった~!」」
すぐにあんなはポチタンに持っていたマコトジュエルをかざしてみた。
「ポチタン!」
「ポチ?」
マコトジュエルをかざすとポチタンのリボンが輝き出した。
そして、それに呼応するかのようにマコトジュエルも輝きを放つ。
「わぁ…!」
「…ピッときた!」
リボンとマコトジュエルが重なるとマコトジュエルはポチタンに吸い込まれるように姿を消した。
「消えた…!?」
「ポポポポ……!」
「元に戻るの…!?」
マコトジュエルが消えるとポチタンから光が漏れ出した。
そして…
「ポチ~!」
「「「え?」」」
哺乳瓶のようなものが出ただけで姿形はほとんど変わらなかった。
「全然戻ってな~~い!!」
「もっとマコトジュエルが必要なのか…」
「ポチ……」
頭を抱えながらみくるは叫び、ジェットは冷静に考察していた。
ポチタンは先ほど現れた哺乳瓶でミルクを飲み満足げな表情を浮かべた。
「じゃあ探そう!」
「きっと見つかる!プリキュアの先輩の力を借りればね!」
二人の言葉に答えるようにジェットは口を開いた。
「……この世界に名探偵プリキュアはいないぞ。」
「「え…?」」
ジェットの口から出た言葉に二人は困惑の表情を浮かべる。
「数か月前まではいたらしいんだが、突然姿を消したんだ。」
「どうして…」
「理由は不明…僕はこの事務所を閉めるためにロンドンのキュアット探偵事務所から来たんだ。」
「事務所が事務所がなくなるの…?」
「まあな。」
ジェットはみくるが言っていた先輩の名探偵プリキュアすでにいないこと、そして自分はまことみらい市のキュアット探偵事務所を閉めるためにロンドンからやって来たと語った。
「ここでプリキュアの先輩と調査するのが夢だったのに……」
受け入れがたい事実にみくるは悲しげな表情を浮かべた。
ジェットが腕を組んで、黙り込みながらみくるを見つめているとあんなが口を開いた。
「……いるよ」
「へ…?」
「私たちがいる!やろうよ!ここで名探偵!ねっ、みくる!」
「……ええ…!でも、あんな自分の時代に…!」
「勝手に決めるなよ。」
ジェットはみくるの言葉を遮るように口を開いた。
「僕はお前たちがプリキュアだって認めてない!僕はこの目で見たものしか信じないからな!」
ジェットからの言葉にみくるは頬を膨らませる。
「むぅぅぅ……!だったらプリキュアだって証拠を…」
ゴーン…ゴーン…ゴーン…
みくるが変身をしようとしたタイミングで室内に置かれていた柱時計が鐘を鳴らした。
「…と思ったけど帰る!学校の寮、門限だから!」
「「え?」」
そう言うとみくるは立ち上がり、早歩きで玄関の方へと向かった。
「みくる…!」
あんなが呼び止めようとした時、みくるは引き返してきていた。
「あっ、この人のこと何か知ってたらあとで教えて!それから、あんなたち泊めてあげて!」
ジェットに1枚の紙を渡すと、みくるはそれだけ言い残してまたすぐ玄関の方へと向かっていった。
「はぁ…?」
突然のことで困惑しているジェットだったが、とりあえず手渡された紙を見た。
そこに書かれていたのは…
「なんだこれ……?」
幼稚園児が描いたかのような絵だった。
左上には『仮面ライダーキバ』と書かれている。
「私たちが戦ってる時にその人が助けてくれたんだよね。」
「仮面ライダーキバ……こんなやつ見たことも聞いたこともないぞ…?」
紅真side
「よし……」
真は先ほど煮込んでいた汁をニスに混ぜ込み、バイオリンに塗っていた。
そして、じっくりとその色を観察する。
「……ダメだ。」
失敗と判断すると真はすぐに持っていたバイオリンをゴミ箱に放り込んだ。
「……はぁ……」
椅子に座り、落胆する真。
その様子を見かねたキバットが真の肩に乗る。
「そう落ち込むなって。千里の道も一歩からって言うだろ?」
「でもぉ……」
「親父を超えるなんてそう簡単なことじゃないってのは俺だってよく分かってるんだぜ?」
そう言うと二人はガラスケースの中に飾られているバイオリン、ブラッディ・ローズを見つめる。
「父さんはどうやってこの色を作ったんだ……」
一方その頃、みくるはジェットに言われたことを未だに根に持ちながら学校の寮へと向かっていた。
「あんなこと言わなくたってもいいのに…!証拠見せつけてギャフンと言わせてやるんだから…!!」
ジェットに対する恨みつらみを漏らしながら歩いていると……
~♪
どこからかバイオリンの音色が聞こえてきた。
「バイオリン……?」
みくるは立ち止まり、その音色に聞き入っていた。
その音色にはやさしさの中に、どこか悲しさが含まれているようにみくるは感じていた。
「……あっ、急がないと門限が!!」
バイオリンの音色に聞き入っていたおかげで寮の門限が迫っていることなど、もろもろ頭から抜け落ちてしまっていた。
すぐにみくるは走り出し寮へと向かった。
「……。」
「…落ち着いたか?」
一心にバイオリンの音色を響かせた真にキバットはそう問いかけた。
「…うん。」
翌日……
「おはよう!プリキュアだって証拠を…!!」
勢いよくドアを開けみくるはプリキュアに変身しようとするが…
「ポチ~~!!」
「わああああ~~~!?みくる~~~!?」
ポチタンに引っ張られるがまま、あんなは外へ出て行ってしまった。
「なんだ…?」
「昨日と同じだ…!」
急いでみくるとジェットはあんなたちのあとを追いかけた。
一方その頃、真たちは……
「ん~めぇ~~!」
「キバット、こっそりしてないとバレちゃうよ?」
パティスリーチュチュで真は紅茶を、キバットはアイスを真の上着の下に隠れながらこっそり食べていた。
「というか、朝からアイス食べるの…?」
「そこは別にいいだろうがよ…!」
「変な目で見られるのは僕なんだよなぁ……」
今後の自分に向けられる視線に不安を覚えつつ、自分もアイスを口に運ぶ。
すると、その時ポケットから赤色の光が漏れ出ていた。
「…!」
真はすぐに立ち上がり、周囲を見回した。
そして、外にいた女の子、来栖エリザが何かを探している様子が視界に入った。
「あ…あの……何か無くされたんですか……?」
「…!は、はい…ペンが無くなって…!店長さんにもいっしょに探しているもらっているけど……」
「…手伝います…!」
「ありがとうございます…!」
ぎこちない言葉遣いでエリザから事情を聞いた真はすぐにペン探しを手伝った。
その頃あんなはポチタンに引っ張られていたがパティスリーチュチュの前で止まり、息を切らしていた。
「…ケーキ屋さん?」
あんなは自分がパティスリーチュチュの前にいることに気がついた。
そして、テラス席で何かを探している人たちの姿が視界に入った。
「たちゅけて……」
「「…うん!」」
ポチタンが呟いたのを見て、あんなとみくるは互いに顔を見合わせ頷くと、エリザに話しかけた。
「どうしたんですか?」
「ペンがないの…店長さんとあちらの方にも探してもらってるけど………」
「エリザちゃん、作家なんだ。この前推理小説の賞を取ってね」
(…!あの子たちは……)
あんなが聞くと、エリザと店長はそう答えた。
あんなとみくるを見た真は昨日出会った子たちであることに気がつく。
「コンクールの時にもらった大切なペンなのに…………」
「探すの手伝います!」
「なくなった時のこと、教えてください!」
大切なペンをなくしてしまい、エリザは落ち込んでしまっていた。
その言葉を聞いたあんなとみくるはそう聞いた。
そして、エリザは口を開く。
「ついさっき……おばあさんが話しかけてきて。気づいたらいなくなって、ペンもなくなってたの……」
(おばあさん……)
エリザはペンが消えてしまった時の状況を話した。
真はエリザの口から出たおばあさんについて気になっていた。
「ポチタンが来たってことはまた事件かも……!」
「おばあさんが犯人って可能性も……」
「えっ、おばあさんが!?」
あんなとみくるは顔を見合わせ小声で話すが、がっつり聞かれてしまった。
「「聞こえてた…!?」」
「素人が……」
(あらら……)
「おいおい…」
あんなとみくるは会話を聞かれてしまって驚き、ジェットはその様子を顔に手を当て呆れたように呟いた。
そして、真は二人の様子を心配そうに見つめ、キバットはジェットと同じように呟いた。
「お、お巡りさん………!」
「い、いや、まだ可能性というだけで……!」
不安に駆られてしまったエリザはすぐに携帯を取り出し、警察を呼ぼうとした。
「…ん?繋がらない…?」
しかし、電話は繋がらなかった。
「通信障害みたいです。」
「帆羽さん、どういうこと?」
「電波が繋がらなくて携帯電話が使えないって今ニュースで…」
店から出てきた店員の帆羽くれあがそう言うと、店長はそう聞き返した。
そして、くれあは通信障害が起こっているということを伝えた。
「ええっ⁉︎」
「じゃあ、店の固定電話で……」
「それより、私がおばあさんを探してきます!」
「待て。」
あんなが話に出てきたおばあさんを探しに行こうとした時ジェットが呼び止めた。
「僕が発明したプリキットだ。」
そう言うと妖精姿のジェットの形をしたアイテムを渡した。
「プリキット?」
「探偵道具だよ。このプリキットボイスメモを使えば連絡できる」
「ありがとう!ジェットさん!」
そう言うとあんなは例のおばあさんを探しに走っていった。
少ししてプリキットボイスメモから音が流れてきた。
あんなは再生ボタンを押す。
『……もしもし、聞こえる?』
「みくる!」
『ペンがなくなった時のこと詳しく教えてもらうから』
「うん!」
連絡を入れてきたのは、みくるだった。
あんなとみくるがそんなやり取りをしていると、エリザが口を開いた。
「ここで原稿を書いていたら、おばあさんが来たの。『あなたのファンです。握手してください』って」
「それで握手を?」
「うん!そんなこと初めて言われたから、とっても嬉しくって!」
(なるほど……)
エリザはペンがなくなった時の状況を説明しだした。
原稿を書いていたらおばあさんがやってきて、握手を求められたことを話した。
真は心の中で考え込む。
すると、エリザの顔が曇る。
「でも……サインしようとしたらペンがなくて、おばあさんもいなくて……」
「そのおばあさんの特徴は?」
「緑の着物を着てて、髪型はおだんごで……」
エリザが答えた特徴を頼りにあんなは街中で探し回っていた。
そして…
「あっ……!すみませ~ん!」
エリザが答えた特徴と合致する人物を見つけあんなは声をかけた。
その頃、みくるは周囲を見回し、真は頭の中で考えを巡らせていた。
「こんな見通しのいい場所でいなくなるなんて……あっ…!」
(今までの話からしてそのおばあさんは……)
みくるは何かに気づきすぐにあんなに伝えようとする。
『あんな!その人は……!』
「…バイバイ・ベイビィ!」
あんなが通話に気を取られている隙におばあさんは猛ダッシュで逃げていった。
『そのおばあさんは怪盗団ファントムだよ!』
「い~~っ!?」
あんなは急いで逃げたおばあさんを追いかけた。
そして、みくるとジェットもあんなに急いで合流するために走っていった。
「怪盗団ファントムだと…!?」
「ファントムを知ってるの?」
「…まあな」
そして、真たちは……
「…あ、あの…僕急用を思い出したので……さっきの人たちが帰ってきたらそう伝えてもらえますか……?」
「へ…あ、はい…」
ガチガチになりながらも真はエリザにそう伝えるとすぐに走って町の方へと走っていった。
「ふぅ……言えた……」
「よかったぞ~真~!」
ガチガチになりながら言い切った真をキバットはめっちゃ褒めたのだった。
『あんな!今どこ!』
「おばあさんが公園に入って……待って~!」
あんなはみくると通話しながらおばあさんを追いかけていた。
おばあさんが公園へ入った後にあんなも公園へ入った。
「いない…」
しかし、あんなが公園に入った時には追いかけていたおばあさんの姿はどこにもなかった。
「あんな!」
「みくる!おばあさん見てなかった?」
「見てないよ…」
「そんな……」
みくるとジェットが合流したところでおばあさんについて聞いたが二人とも見ていなかったようだ。
「僕らはあっちから来た!」
「私はあっち!」
「出入口は二か所なのにおばあさんに会ってない…!」
唯一ある二か所の出入り口の双方から挟み撃ちの形で公園に来たのであればおばあさんと会うはずだがどちらも会っていないのだ。
「柵を超えて出て行ったの…?茂みに隠れているとか…?」
「それか別の誰かに変装しているのかも…」
「「えっ?」」
公園内には眠そうにしている会社員の
この中の誰かが怪盗団ファントムが変装した姿である可能性が高いとあんなは考えていた。
その頃、真たちは公園にたどり着き陰から様子を見ていた。
「んん?婆さんなんてどこにもいないじゃねぇか…」
「…あの様子からしてこの中の誰かに変装しているってところかな…?」
あんなたちの様子からこの中の誰かが怪盗団ファントムであることを察した。
そして、疑わしい人たちをじっくり観察する。
「おいおい、どいつがファントムなんだよ…?」
「…なるほどね」
真は一言、そう呟いた。
「おお…なんか変わったスマホ…!」
「スマホ…携帯電話のこと?」
晴恵が使っている携帯電話を見てあんなは見たことが無くそう言った。
その時、太造が電話をかけようとしたが訝しげな表情を浮かべている姿が二人の目に入った。
「「あっ……!見えた!これが答えだ!」」
二人は顔を見合わせてそう言った。
そして…
「ちょっといいですか?」
あんなは電話をしていた晴恵に話しかけた。
「ムリ、電話してんだけど?」
「だからこそです。」
「はぁ?」
晴恵はみくるの言った言葉の意味が分からずにいた。
そして二人は声を合わせて叫ぶ。
「「ペンを盗んだ犯人、ファントムは…あなたです!」」
「は…!?」
あんなとみくるに突然指摘され、晴恵は驚きを隠せずにいた。
「あいつが犯人なのか…でもなんで分かったんだ?」
「あの人電話をしていたでしょ?でも今は…」
真は晴恵がファントムである理由をキバットに説明する。
「電話をしているふり?今電話を使えるはずがない…通信障害だから!」
「!」
「なんで繋がらないんだ…?」
「電話繋がらないみたい~」
「でも僕たちは繋がってるもん~」
「「ね~♡」」
あんなに再び指摘され更に晴恵は驚いた。
太造、そして実と涼美たちはそう言いながら公園から立ち去った。
「通信障害で携帯電話は使えないはず。でもあの人は何事も無く使ってたでしょ?」
「なるほど~さっすが真だぜ!」
「…うん」
キバットに褒められたのに対し、ちょっと照れくさそうに真は答えた。
「あなたは逃げてたから気づかなかったんだ!」
「電話をする女子高生の変装は完璧だった…だからこそ失敗に繋がった!」
「…ふっ」
晴恵は不敵な笑みを浮かべると拍手をし出した。
「お見事!」
そう言うと変装を解き、ニジーの姿となった。
「いかにも僕がニジーさ、ベイビィ!」
「「「!」」」
「僕の変装を二度も見破るなんて、ご褒美をあげよう!」
そう言うと、ニジーは盗んだペンを取り出した。
『嘘よ覆え!いでよ、ハンニンダー!!』
「ハンニンダー!!」
青色のマコトジュエルが暗く染まり、ペン型のハンニンダーが生まれた。
「なんだこいつは!?」
突如現れたハンニンダーにジェットは驚きを隠せずにいた。
そして、あんなとみくるはジュエルキュアウォッチを握りしめる。
「ペンは私たちが…」
「「取り返す!!」」
「ポチ!」
あんなとみくるは決意を固めて揃ってそう叫んだ。
「「オープン!ジュエルキュアウォッチ!!」」
「「プリキュア!ウェイクアップタイム!」」
「「3!見つける!」」
「「6!向き合う!」」
「「9!奇跡の二人!」」
「くるっと回して!」
「キュートに決めるよ!」
「どんな謎でもはなまる解決!名探偵キュアアンサー!!」
「重ねた推理で笑顔にジャンプ!名探偵キュアミスティック!!」
「「名探偵プリキュア!!」」
「私の答え見せてあげます!」
二人はそれぞれ、キュアアンサー、キュアミスティックへと変身を遂げた。
「あれが名探偵プリキュア!?」
「ポチ~!」
「自分の心の中にあるマコトジュエルでプリキュアになるとは聞いていたけど…本当だったんだ!」
二人が本当に名探偵プリキュアに変身を遂げ、ジェットは驚きを隠せずにいた。
そして、真たちも…
「真!俺たちも!」
「うん!キバット!」
「よっしゃァ!キバっていくぜ!」
「ガブッ!」
真の手にキバットが噛みつき、頬にステンドグラスのような模様が浮き上がる。
そして腰にキバックルが装着される。
「変身!」
キバックルにキバットを止め、真は仮面ライダーキバへと変身を遂げた。
そして、キバはジャンプでハンニンダーを飛び越えアンサーとミスティックの前に着地した。
「よぉ~お前ら!今日は最初っからキバってくぜ~!」
ベルトに止まったままキバットは話しかけた。
「あ、あなたは!」
「キバさん!」
「あれが…!?」
「また現れたか仮面ライダーキバ…!行け!ハンニンダー!」
ニジーが指示を出すとハンニンダーは突撃しパンチを繰り出した。
三人は別々の方向へ避け、反転しトリプルキックを食らわせた。
「ハンニン…ダー!」
「「!」」
ハンニンダーは倒れることはなく逆にインクを出して反撃してきた。
アンサーはギリギリのところでミスティックに助けられ回避できた。
インクが命中した木は黒く染まってしまう。
「「はっ…!」」
「マジかよ…!」
「当たったらまずいね…」
その様子を見て、キバットとキバは驚く。
「強力なマコトジュエルを嘘で覆えば、誰にも止められない力になるんだよ!」
「エリザさんのペンで…!」
「なんてひどいことするの!」
二人の言葉をニジーは真っ向から否定するように続けた。
「違うよ。もう僕のペンさ!」
「……。」
「あいつ…なんていけ好かねぇ野郎なんだ!」
開き直ったような態度で誇らしげに言うニジーの姿にキバは拳を握りしめ、キバットは怒りを爆発させていた。
「ファンと偽り近づき……ゲッチュ!ウソを使えば容易いものさ!」
ニジーはそう言うと腕を動かし、おばあさんの姿になりながら言った。
アンサーとミスティックの脳裏にはエリザの姿が映っていた
『『あなたのファンです。握手してください』って。とっても嬉しくって!』
エリザの気持ちを踏みにじったニジーに対し怒りを覚えずにはいられなかったのだ。
「ほしい物はなーんでも…ウソで手に入る!」
「ハンニンダー!」
「「っ!?」」
ニジーがそう言うとハンニンダーは頭部を開いた。
「ドゥルルルルルルルル!」
「うわぁぁ!?」
ハンニンダーは機関銃のようにペンの弾丸を発射した。
それを受けた、アンサーとミスティックは吹き飛ばされる。
「僕らファントムはウソで覆われた素晴らしい世界を…
「うるせぇぇぇ!!!」ぉぉぉぉぉ?!?!?!」
「「「あ…。」」」
ニジーが言いかけたところでキバットが顔面に頭突きを食らわせた。
アンサー、ミスティック、ジェットは同じ反応を示した。
「お、お前ッ!人が話してる途中だぞ!?」
「ざまぁみろ!ベー!」
「…ふふっ…ありがとうキバット」
キバは自分の代わりに怒りをぶつけてくれたことに感謝の言葉を漏らした。
「ウソで覆われた世界のすばらしさが分からないとは…実に嘆かわしいね…」
そう言いながら砂を払いニジーは立ち上がる。
「ウソの世界なんて……全然すばらしくない!!!」
アンサーは立ち上がりながらそう叫んだ。
「そうかな…?君たち名探偵を倒すこんな力があるのに?」
「好き勝手に言ってくれるじゃんか」
ニジーの言葉を聞いてジェットは口を開いた。
「僕も一つ教えてやる!キュアット探偵事務所の使命は……『ウソを暴いて止める』。ファントム!お前たちからマコトジュエルを守ることだ!」
「随分と威勢の良いベイビーだ。キュアット探偵事務所。無論、キミたちの使命は心得ているよ」
「ハンニンダー!」
ジェットはそう叫んだ。
ジェットの言葉を聞いたニジーはハンニンダーを差し向け口を開く。
「でも、君達はこの状況でウソ…ハンニンダーをどう止める?」
「プリキュアがいる!」
ニジーが言った言葉に対し、ジェットはそう叫んだ。
「歴史上、数人しかいなかった名探偵プリキュアが今、二人もいる!」
「それから僕たちもね。」
ジェットはそう叫び、キバはハンニンダーの前に立ちはだかった。
「ハンニンダー!」
ハンニンダーはジェットに攻撃しようとする。
ジェットは身構え、キバはその攻撃を防ごうとした。
その時…
「っ!」
「君たち…!」
「「ううっ!」」
「ハンニン………!?」
「まさか再び舞台に立つとは……」
アンサーとミスティックがハンニンダーのパンチを受け止め、ジェットたちに攻撃が届くことは無かったのだ。
それを見て、ハンニンダーは戸惑いニジーは驚きを隠せずにいた。
「ウソをつかれて、ペンを盗られたエリザさんは悲しんでる!」
「人を悲しませるウソなんて…………!」
「「プリキュアがウソを終わらせる‼︎」」
「よ~し、俺たちも!」
二人はジュエルキュアウォッチを手に持ち針を回す。
すると二人は光の球体に包まれた。
「ウェイクアップ!!」
キバはウェイクアップフエッスルをキバットに咥えさせた。
すると、キバットは飛び上がりキバの足の鎖を解くとコウモリのような形へと変形し、周囲は夜になった。
そして、キバは天高く飛び上がった。
「「これが私たちのアンサーだ~~~!!!」」
「ハァァァ!!」
双方の技がハンニンダーに命中し貫いた。
「「キュアット解決!」」
「ハン…ニン……ダ……」
ハンニンダーは光に包まれ、浄化されていった。
そして、青色のマコトジュエルが残った。
アンサーは残ったマコトジュエルを手に取る。
「ポチ〜!」
ポチタンがそう叫ぶと、アンサーはポチタンの胸元のリボンにマコトジュエルをかざす。
「ポチポチ!キュアキュア~!」
ポチタンは嬉しそうにそう言いマコトジュエルは吸収された。
「次のショーでまた会おう…!」
ニジーがけむり玉を地面に投げそのまま姿を消した。
ニジーが姿を消すと先ほど黒く染まった木は元通りになった。
「木が戻った…証拠を残さず消え去るってわけか…」
木が元に戻ったのを見てジェットはそう呟いた。
「というか仮面ライダーはどこに行ったんだ?」
「そういえば…?」
いつの間にかキバが消えてしまっていることにジェットは気づき、アンサーは呟く。
三人はパティスリーチュチュへ戻りペンをエリザに渡した。
「はい!」
「私のペン!」
探していたペンが戻りエリザはうれしそうな表情になっている。
「犯人は取り逃がしましたけど…」
「でも戻って来たから!ありがとう…!」
みくるは犯人を逃がしてしまったことを伝えたがエリザはペンを取り返してくれた二人に感謝の言葉を伝える。
「次の小説がんばってください!」
「うん!」
あんながそう言うとエリザは満面の笑みでそう答えた。
その時、みくるはあることに気づく。
「あれ…?そういえばもう一人いましたよね?」
「あの人なら急用があると言って帰りましたよ」
「そうだったんですか…(あの人どこかで見たことあったような…)」
そんなことを考えるあんなであった。
そしてキュアット探偵事務所へ戻った二人はジェットからあるものを渡されていた。
「それ、やるよ。プリキットブック…名探偵の証だ。」
「「…?」」
二人は言葉の意味を掴めずにいた。
それを察したジェットは言葉を続ける。
「感が悪いなぁ…認めてやるって言ってるんだ。事務所も好きに使えよ。」
「…!ありがとう!」
ジェットが自分たちのことを認めてくれたことに二人はうれしそうな表情を浮かべた。
「やったね!みくる!」
「ええ!」
二人はお互いに顔を見合わせ喜び合った。
「私たちで困った人たちを助ける!マコトジュエルでポチタンを元に戻して、そしたらあんなも元の時代に!」
「うん!でも私決めちゃったんだ!み~んなを助けるって!」
みくるの言葉に続けるようにあんなは続けて言った。
「ウソで覆われた世界なんて嫌だから…!私みくるといっしょに名探偵プリキュアがんばる!戻るのはそのあと!」
「あんな…」
あんなは自身の固めた決意をみくるに言った。
「よしお前ら、名探偵プリキュアとしての証をプリキットブックに書け。」
そう言うとジェットは二人にペンを手渡した。
そして、二人はプリキットブックを開く。
右のページに描かれている絵柄に沿ってペンを進めると模様が光、左のページに自分の顔写真と名前が表示される。
「よし、改めて…ようこそキュアット探偵事務所へ、名探偵プリキュア。」
「よろしくね、ジェットさん!」
そう言ってあんなは握手を求めるがジェットは何やら不服そうだ。
「ジェット『さん』?もっと先輩に相応しい呼び方があるだろ?」
「…!先輩!」
「ジェット先輩!よろしくお願いします!」
「…よろしく!」
ジェット先輩と呼ばれたことに満足し、二人と握手を交わすのだった。
紅真side
「今日も大活躍だったぜ、真~!」
「そうだね。」
真とキバットは家に戻っていた。
他愛のない会話をしているとキバットは神妙な面持ちとなって話しかけた。
「なぁ…あいつらに正体明かしてもっと直接協力したほうがいいんじゃないのか?」
「……。」
「確かにまだひよっこだけど…実力は確かだぜ?」
キバットの提案に真は黙り込んだ。
そして、真は口を開く。
「それはできない……
「…悪い、そうだったな…」
真の返答にキバットは謝罪の言葉を告げた。
そして真は窓から外を見ながら呟く。
「その時が来るまでは……」