「オラぁっ!!」
2本の長い爪が俺に向かって飛んでくる。
どうやら剥がれた爪はすぐに生えてくるらしく、顔を顰めた直後に再生。……痛みはあるようだ。
「……痛そうだな」
「心配すんな!テメェもすぐに貫かれ……あ?」
「残念、ハズれ」
「は──」
POW!
肉と拳のぶつかる、気味の悪い感触と重い音。
男の放った爪は旋回し、俺の体を通り抜け続ける。新たに生やした爪も使い、なんとか当たらないかと画策しているが……。
「当たらねえんだよ、諦めな」
「う……うおお!!」
男がポニーを投げ捨て、俺を羽交締めにしようとして……出来ずにすっ転んだ。気体の体を掴めると思うなよ。
「クソ、クソクソッ……!!なんで、なんでこんなガキが……!!」
「解放思想……さぞ誉高い思想なんだな」
「!」
いつの間にか、男は
「その腐った性根が思想一つで変わるんなら、
炎が灯る音がした。
「わ、わかった!女も解放する!出頭もするから!や、やめ──」
──手を叩きましょう。
「ガスタネット*1」
BOMB!!
「カ……」
「これに懲りたら、もうこんなことすんじゃねーぞ」
「ふぁ、ふぁい……」
先程の威勢はどこへやら、すっかり弱々しくなった男を引きずってヒーロー……なんとたまたまそこに居たベストジーニストへ引き渡した。そのままポニーと共に事情聴取を受け、ポニーの母親と共に帰宅した。
「……操はなんでこんなに敵に巻き込まれるんだろうね」
「もはや自分から行ってるだろう」
「今回は本当にたまたまだよ、母さん」
「それは「自分から首突っ込む時もあります」って言ってるようなものでしょ」
「うっ」
「もう中学だし、雄英志望だし、個性を使って敵退治もいいけど!それでも貴方自身の立場はまだ子供なの」
ベストジーニストにも言われたんでしょう?と母に正論をぶつけられ、思わず口籠る。
「まあでも、ポニーちゃんを助けたのはよかったんじゃない?」
「……え」
「え?」
……え?
「何よ、ポニーちゃんのこと好きじゃないの?」
「は!?好き……じゃねーよ!!」
「別に私達は良いわよ?ポニーちゃんの親も同じ意見」
「別に恋愛感情とかねーっての!!」
「なんだ、つまんないの」
「親が子供の恋愛事情に口出すなっつーの!」
「おじさんおばさんはね、若者の甘酸っぱい恋愛を遠くから眺めるのが一番効くのよ!」
「じゃあ遠くから眺めてろよ!!」
「あら、それはポニーちゃんに気があるってこと?」
「だーもう堂々巡りだ!部屋居るから!」
「は〜い!」
ったく……母さんあんな活発だったっけ?恋愛……ポニーに、恋。
「適当にやることやって寝るか……」
その日はメシ食って風呂入ってトイレ行って寝た。以上。