『獅子と魔法動物学者の継承者たち ―スキャマンダー家の双子とホグワーツ―』 作:夜幻
組分けが終わり、大広間には賑やかな声が響いていた。
レオニダスとレオナは、グリフィンドールのテーブルに並んで座っている。
「本当に一緒になったね!」
レオナが嬉しそうに言った。
「ああ!」
レオニダスも満面の笑みを浮かべる。
「やっぱり僕たち、双子だからな!」
「それ、関係あるのかな?」
ローズが笑う。
「ある!」
「絶対ある!」
二人が同時に答えた。
「ほら、息ぴったり」
ローズが呆れながらも笑った。
そのとき、目の前に料理が次々と現れた。
「わあっ!」
レオナの目が輝く。
「すごい!」
テーブルいっぱいに料理が並んでいく。
ローストビーフ。
ポテト。
パン。
パイ。
色とりどりの野菜。
デザートまで、まるで最初からそこにあったかのように現れる。
「魔法ってすごい!」
レオニダスも身を乗り出した。
「食べよう、レオナ!」
「うん!」
二人はほとんど同時に料理を取り分け始めた。
「ちょっと、お兄ちゃん!」
「何?」
「それ私の!」
「え?」
レオニダスの皿には、レオナが取ろうとしていたパイが乗っている。
「ごめん!」
「もう!」
レオナは頬を膨らませた。
しかし次の瞬間、レオニダスが自分の皿からパイを半分に分ける。
「はい」
「……いいの?」
「もちろん」
「ありがとう、お兄ちゃん!」
二人は笑った。
そんな様子を見ていたローズが小さく笑う。
「二人って、喧嘩してるのか仲良しなのか分からないわね」
「仲良し!」
「仲良しだよ!」
また同時だった。
「そこまで一緒なのね」
ローズが笑った。
食事が進むにつれて、大広間の雰囲気もさらに賑やかになっていく。
新入生たちは、それぞれ近くの生徒と話し始めていた。
「明日から授業か」
レオニダスが言う。
「どんな授業があるんだろう?」
「変身術!」
ローズが答える。
「呪文学、薬草学、魔法薬学、飛行訓練……いろいろあるわ」
「飛行!」
レオニダスの目が輝いた。
「箒に乗れるの?」
「一年生は飛行訓練があるはずよ」
「やった!」
レオニダスが拳を握る。
「レオナもやろう!」
「もちろん!」
レオナも笑った。
「競争しようよ!」
「いいぞ!」
「負けないからね!」
「僕も負けない!」
双子の間に、早くも勝負の空気が漂う。
「二人とも、授業で競争しないの」
ローズが呆れた。
「でも楽しそうじゃない?」
レオナが笑う。
「それは……そうだけど」
ローズもつられて笑った。
やがて食事が終わり、グリフィンドールの新入生たちは寮へ向かう。
長い廊下。
階段。
曲がりくねった通路。
「迷子になりそう……」
レオナがきょろきょろする。
「大丈夫!」
レオニダスが胸を張った。
「僕が覚えてる!」
「本当に?」
「……たぶん」
「もう!」
レオナが笑った。
ようやくグリフィンドールの談話室へ到着する。
暖かな暖炉。
赤と金を基調とした室内。
柔らかなソファ。
壁にはグリフィンドールの装飾が飾られている。
「ここが私たちの寮……」
レオナが目を輝かせた。
「すごい!」
レオニダスも辺りを見回す。
「今日からここが僕たちの場所なんだな!」
二人は並んで暖炉の前に立った。
「ねえ、お兄ちゃん」
「ん?」
「ホグワーツに来たんだね」
「ああ」
「本当に来ちゃった」
「うん」
レオニダスが笑う。
「明日から毎日ここに来るんだ」
「毎日……」
レオナも笑顔になる。
そのとき、二人の前を一人の上級生が通り過ぎた。
「新入生?」
「はい!」
レオニダスが答える。
「頑張れよ」
「はい!」
上級生が去っていく。
レオナは兄を見る。
「なんか、先輩ってかっこいいね」
「僕たちもあんな先輩になるのかな?」
「なる!」
「じゃあ僕は強い魔法使いになる!」
「私はすごい魔法動物学者になる!」
「それ、僕の叔父さんと同じじゃん!」
「だって魔法動物好きなんだもん!」
二人はまた笑った。
やがて、新入生たちはそれぞれの寝室へ向かう。
レオニダスとレオナも、同じグリフィンドールの塔の中で、それぞれの部屋へ向かった。
「じゃあ、おやすみ」
レオニダスが言う。
「おやすみ、お兄ちゃん」
レオナが答える。
二人は一度離れた。
しかし、数秒後。
「……レオナ」
「なに?」
「明日、起こして」
「お兄ちゃんが起こしてよ」
「僕、寝坊するかもしれない」
「じゃあ二人とも寝坊だね」
「それは困る!」
二人は顔を見合わせる。
そして、声を抑えながら笑った。
「じゃあ、明日!」
「うん!」
扉が閉まる。
今日までとは違う場所。
今日から始まる、新しい生活。
それでも二人の間にあるものは変わらない。
レオニダスとレオナ。
双子の兄と妹。
明日から、二人のホグワーツ生活が本格的に始まる。
そして二人はまだ知らない。
この学校で出会う友達や出来事が、二人の絆をさらに強くしていくことを。