今、これからかぐや彩P vs黒鬼のヤチヨカップの行末が決まる全ライバー注目のイベントが始まろうとしている
そしてもちろん、両陣営共に気合十分───
「あ、あぁ……もう駄目だぁ、お終いだぁ……」
ではなく
黒鬼陣営の1人は絶望で打ちひしがれていた
「し、松陽さん、えっとその……大丈夫っすか?」
「あーもうほんっと、全然大丈ばない大丈ばない。神よ、ここが俺の墓みたいだ。今行くよ妻のパンデモニウムよ……」
「パンデモニウムって誰すか?」
「は?パンデモニウム?何言ってるんですか?頭でも打ちましたか?」
「どつきまわしますよ」
まあ冗談はさておき、とうとう試合が始まってしまう。もうこの際俺はこの試合ずっとイモってようかな……ダメか?ダメだな。うん、黒鬼のファンに俺が殺される
ひとまず敵サイドにはダークサイドが2人と光サイドが1人。なら俺はダークサイドから逃げて適当に光サイドとダラダラ時間を稼いでおけばいい!そうだろ!?
うん、完っ壁な作戦だ。これで行こう
ブオオーーンっ
「試合開始です!!」
法螺貝の音と共に試合開始の合図が出された。マップを見るとヤチヨが1人で他2人は一緒にいる……うん、詰んだ
ですよねぇ……薄々そう思ってましたよ!都合よくかぐやが1人で向かってくるなんて!!確かに完璧な作戦っすねぇ……不可能という点を除いてなぁ!ってやかましいわ!!
そんな事を思っている時近くから音がしてきた
何だ?この何かが潰れていくような、圧迫感のある音は……
その音はどんどんこちらに近づいて来ていた
その時
ドォォォォンっっ
「へ?」
けたたましい音と共に俺は空から降って来た何かに吹き飛ばされた
急いでさっきまで自分のいた場所を見ると、そこには白い髪に青い瞳をした……
「松陽、見〜つけた♡」
「うびゃゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
何という事でしょう、空から降って来たヤチヨはこちらににこやかな笑顔を向けた後、傘の先に仕込んだ銃でこちらを蜂の巣にしようとしてるじゃあ無いですか
「待ってよ松陽〜!何で逃げるの〜?」
「く、来るな……俺のそばに近寄るなぁぁぁ!!」
「え〜ひど〜い。ヤッチョは松陽のことこ〜んなに思ってるのに。」
「そ、そうか奇遇だな!俺も実はそう思ってたんだよ、そうだ、後でよしよししてやるから!」
「う〜ん、それはそれで魅力的なんだけど〜。やっぱ彩葉との約束もあるしね〜。まぁ松陽は私に負けるのが怖いんだよね?それを素直に認めたら考えてあげなくも無いかな〜?」
「………は?」
(おっ、食いついた!)
「うん、いや分かる。分かるよ〜。やっぱ好きなこの前ではカッコつけたいもんね〜。私に負けてカッコ悪い所見せたく無いもんね〜」
………は?何言ってんだこいつは
俺が?ヤチヨより?弱い?ハッ冗談キツいぜ
「おうおうおう、上等だよ、そのにやけ面に吠え面かかせてやる」
俺は地面をけり、ほんの瞬き程の間でヤチヨの背後に回った
俺がこの八千年で習得したアニメ技の一つ、剃!!それは地面を一秒間になんかいっぱい蹴ることで高速移動するなんかその……とにかくすごい技だ!!
ありがとよロブ・ルッチ!!お前のおかげで俺はさらに強くなった!!
どうだ!早すぎて見えねえだろ!このまま残機一つ削ってやるよ!
そして俺は太刀を振り下ろすと
ガキィンっ
「……へ?」
振り下ろした太刀がヤチヨの扇子によって弾かれた。いやいやいや、可笑しいだろ。その扇子何製だよ?いや、それよりも、こいつの腕力どうなってんだ?俺の両手の全力の一撃だぞ?何で片手で軽々受け止めてんだ
そんな事を考えている時、
「ここからじゃ、避けられないね!」
「あっ、えっとその……」
「じゃ、さらば〜い⭐︎」
そう言ってヤチヨは俺の胴に向けてもう片方の手で持っている傘を降った
その時
「……ん?」
俺がヤチヨにトドメを刺されるその時、何処からか飛んできた矢がヤチヨを捉えた
その飛んできた矢はヤチヨよ傘により防がれたが、その先に俺はヤチヨから距離を取ることに成功した
「松陽大丈夫〜?何か痴話喧嘩してたけど」
「乃、乃依くぅぅぅぅん!!ありがとう!君のおかげで俺の尊厳は守られた!!」
「えぇ……何の話?」
危なかった。今ヤチヨに倒されていたら俺はもう立ち直れなかったかもしれない。具体的には68年待ちのコロッケを注文して待っていたらやっとあと数年で届くって時にコロッケ会社が倒産したくらいのダメージを受けていた
「乃依くん、櫓は!?」
「もうとっくに落とした。後はここ抑えとけば帝が残りの櫓落とすから、頑張れ〜。」
「お、おい、待て!ちょっと待て!!どこにいくんだ!おい!!俺を置いていくなぁぁぁ!!」
マジかよ!乃依くんどっか行っちゃったよ!?
俺が?1人で?この化け物を抑えてろって?
……出来るわけねぇだろ舐めんな!!
「二人きりに……なっちゃったね」
「おいやめろ、今の状況でそれいっても色気もクソもねぇからな?あともじもじしながら言うな!何か腹立つ」
「ひど〜い、ヤッチョはこんなにアピールしてるのに〜!何?やっぱりおっぱいなの?おっぱいか?おっぱいなのか!?」
「何を言ってんだお前は」
「うるさい!どうせ松陽はおっぱいおっきい女の子にしか興味ないんでしょ!私だってCはあるよ!もっと欲しいの?」
「やめろ!俺がどうしようもないクズな女の敵みたいになってるから!!───あとおっぱいはロマンだ。男はロマンを追い求めるもの。これ以上の言葉はいらねぇだろ……」
「カッコつけて何言ってるのこのおっぱい星人!!」
そんな会話をしている時
「帝が櫓を占拠!!黒鬼鮮やか!!」
その司会の声と共に一回戦目は終了した
「松陽さん、ナイスです」
「『松陽さん、ナイスです。キリッ』じゃないですよ!この薄情者共がぁ!!何だ、フレネミーか?フレネミーなのか!?」
「ワロタ」
帝は苦笑いし、乃依くんはニヤニヤしながらこっちを見てる。そんな二人にフレネミーを感じながらひとまず次の作戦会議に映る
「とりま、次もトライデントで」
「よし、じゃあ俺は今度はヤチヨ以外と……」
「何言ってんすか、松陽さんはヤチヨちゃんと戦ってもらいますよ」
「……イッイヤッ……ヤダー!」
「しょうがないでしょ。ヤチヨちゃん止められるのが松陽さんしか居ないんですから。ほら、行きますよ」
「あぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その後、かぐやがマップにあるレプトケファルスにメロンパンをあげることで乗せてもらうという奇策により、両櫓を占拠され、敗北した。
いやでも俺すっごい頑張ったよ?櫓占拠こそされたけどヤチヨの残機二つ削ったんだよ?凄くない?……まあ全部相打ちで俺も残機二個失ったけど
そして遂に、最終戦が始まった。俺はかつてないほどの自信に満ち溢れている!
何故かって?一人じゃないからだよ!!
俺の必死の交渉(土下座)により、ヤチヨと戦うのを了承する代わりにこちらに乃依くんもついて来てもらうことになった。
「………ん?」
ヤチヨは感じ取っていた。何かがこちらに来ていることに。松陽はこちらに積極的に戦いを挑むことはないだろう。乃依も遠距離スタイルのため、近づいて来ることはないだろう
という事は残るは……
「みかd───」
「ロードローラーだぁッッッッ!!!」
「ひゃあっ!?」
何という事でしょう。空から『ロードローラーだッッッッ』と叫びながら降って来た不審者がいるではありませんか。これが帝なら、ファンの人たちは新しい解釈の登場に咽び泣くでしょう
「ちぇっ、仕留め損なったか……」
「松陽!?えっちょっ、言いたい事は色々あるけど何でロードローラー!?何のためのロードローラー!?て言うかどっから持って来たのこれ!?」
「ふっ……ロードローラーは皆んなの心の中にあるもんさ」
「ちょっと何言ってるか分かんない」
これが分からないとは、まだまだヤチヨも未熟者と言わざるを得ないな!帰ったらロードローラーの素晴らしさをじっくりコトコトコーンポタージュ(?)
その後、しばらくヤチヨとの戦闘が始まった。だが、終始こちらの優位は揺らがなかった
やはり、遠距離からの援護がある分あっちは動きが制限される。実力が互角なら、その差は大きいだろう。このままジリジリ追い込んでやるよハハハッ
おっ、ヤチヨが傘を投げて攻撃して来た。……!いいこと思いついた
俺は飛んできた傘を自分にあたる前に掴んで受け止めた
「なあヤチヨ!!自分の武器で倒される気持ちはどうだ!?」
そう言った後、俺は傘をヤチヨに投げ返した。それは綺麗に回転しており、ヤチヨに直撃した
したのだが……
「え?ちょっと待って、何で俺の所に……あっ…」
「え?ちょっ……!」
何と傘はヤチヨの体をすり抜け、その傘の斜線上にいた乃依くんにクリティカルヒット、そのまま桜のエフェクトと共に消えてしまった
………松陽は、自分の武器は、自分には当たらない事を学んだ。テレテレッテレ〜
「乃、乃依くぅぅぅん!!ひどい!誰がこんな事を!?」
「いやいやいや、流石に無理があるよ?」
くっそ〜。何て酷いことをするんだ。許さん、許さんぞー!!絶対仇を取ってやるからな!!
「で、このままじゃジリ貧だよ?どうするのかな〜?降参なら受け付けてるよ〜」
そうヤチヨはニヤニヤしながら煽ってくる
確かに、このまま戦ってても距離取られて銃ぶっ放されてそのうち死ぬ
ここから打てる策は、もう一つも無さそうです
なら
「策がないなら力技です。うぉぉぉぉ!!何とかなれー!!」
俺はヤチヨに向けて全力で太刀を投げた。そう、かの鬼狩りの長男のように。あのなんか小さくて可愛いやつのように
しかし、太刀はヤチヨの髪を掠めたものの、ダメージ判定は無く、そのまま通り過ぎてしまった
「今、武器ないでしょ!このまま……」
そう言ってヤチヨは再び傘を松陽に向けて投げた
……だが
(いない……?どこ?どこに行った?)
さっきまでいた場所に松陽が居なかったのだ。それに対し、ヤチヨは周囲を確認するがどこにも松陽の姿は無かった
「じゃーん!ここでした!!」
「えっ!?」
気づいた時には太刀を持ってヤチヨの背後に松陽はいた
太刀の
その効果は三十秒間自身に透明化状態を付与する。透明化状態の時、他プレイヤーから視認されず、かつマップにも表示されない
尚、三十秒を過ぎても動く、または攻撃をしなければ透明化状態は解除されない
無防備の武器も手放したヤチヨに松陽は太刀を振り下ろし、そのままヤチヨの体を両断した
「……お見事。」
その一言だけを言い残し、桜のエフェクトと共にヤチヨは消えていった
「ふぅ……」
さて、後は帝のとこのかぐやと酒寄さんだけど……俺があの戦いに入れば確実に黒鬼は勝てるだろう。
でもそれを俺はしない。何故なら──
「黒鬼はみんなに夢を見せる……でしたね」
なら、俺はこの後……
「かぐや彩P、帝撃破!!そのまま天守閣に向かう!!」
かぐやが天守閣に向かう。帝もかぐや陣営の天守閣を攻めるが、やはりかぐやの方が早い
そしてついにかぐやがたどり着くと……
「うぇーい!勝ち確──────!!……え"?」
「ごめんね。かぐや」
天守閣の影から出て来たカラスによってかぐやは両断された。
ヤチヨとの戦いではその全てを使用せず、中断していた。
つまり、まだ松陽にはウルトが残っていたのだ
故に、松陽は帝の敗北も考慮し、ヤチヨとの決着がついた後からずっと天守閣でスタンバってたのだ
「逆転ー!!決まってしまった!!勝者!ブラックオニキス!!」
結局、帝により天守閣で突き上げられたのは帝の拳であった
その後の結末はヤチヨに聞いていた通り、黒鬼を押さえ込んでかぐやイロPチャンネルがヤチヨカップの一位を掻っ攫い、コラボが決定した
いやぁやっぱ結果良ければ全てよし!!めでたいなぁハッハッハ
「先生?」
「あっ……」
えっ?般若?
気がつけば周りにはヤチヨもかぐやも集まって来たではありませんか
「ちょっ待とう?ほら話せば分かりますよ。なっ、かぐや!?」
俺はこの中でまだ唯一光属性のかぐやに助けを求めた。
「……裏切り者」
その一言と共にかぐやはフイッとそっぽを向いてしまった。
「朝日くぅぅぅん!!助けて!お宅の妹さんが俺を虐めるんだ!乃依くんでもいいからぁぁ!!」
「虐める?心外やわぁ。先に裏切ったのは先生やのに。大丈夫ですよ。何にもしませんから」
「嘘だ!!大丈夫って言うやつは大体大丈夫じゃないから!!」
俺は朝日くん達に助けを求めた。今回一緒に戦った戦友ならきっと助けてくれるはずだ!
「あー、スゥーーっ。すみません、俺じゃちょっと無理そうです。頑張ってください」
「ヤダ」
「あぁぁぁぁぁぁ!!」
「彩葉〜!この人どうする?焼く?煮る?蒸す?」
「う〜ん、そうですね……出汁も出るんで煮ましょうか」
「りょ〜!」
「えっ、ちょっと待って!何そのおっきいドラム缶!っておいやめろ!縛るな!こんなプレイしたきゃ風俗いけ!!おい!!聞いてんのか!あ、やっぱ俺が悪かったですなのでお願いします助けてくださいお慈悲を」
「「せ〜の!」」
「ああぁぁぁ!!暑い暑い!ツクヨミじゃ感じるわけないのになんか暑いんですけど!?」
「ふふっ、それはね。ヤッチョが現実でも熱湯風呂に松陽を入れてるからだよ」
「はあ!?ふざけんな!今すぐ出せ!あっやばい、まじでやばい!出汁出ちゃう!鶏ガラスープ出来ちゃう!!」
俺がもがき苦しんでいる所を温かい目をして見つめてくるこいつら。怖い!苦しい!!100年ぶりくらいに死を感じてる!!
「さ、酒寄さん……もう限界……助けて……」
「っ………」
彩葉はこの瞬間、胸と背筋ら辺がなぜかゾクっとした。顔を紅潮させ、涙目でこちらに助けを求めてくる松陽の姿に来るものがあったようだ
「ジュル……」
「助けてぇぇぇ!!捕食者の目してるぅぅ!!食べられちゃう!!俺は食べても美味しくないですぅぅ!!」
そんな悲痛な叫びがツクヨミに響き渡った
お助けヤッチョはお互いの戦力差で強さが決まるので松陽が入ったことでヤチヨはもうスペックもりもりになってます