東方幻想譚 〜上条当麻の冒険〜   作:ぴょんぴょん

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さぁさぁ、今回はちょびっと紫さんが出てきます。

そして、今回は説明回!
進展ほぼなし。


どんな異能の力も打ち消す程度の能力。

学園都市、窓のないビル。

学園都市統括理事長、アレイスター=クロウリーが、誰かと話をしている。

「あなたでしょう?幻想郷にステファン=マグヌスと上条当麻(幻想殺し)を送り込んだのは…」

「さて、なんの事かな?」

「とぼけるのはやめて頂戴!分かってるのよ…アレイスター。彼女の脱獄を手引きしたことも、その際に魔法具を奪い、幻想郷へ来るように指示したことも、彼を幻想郷へ向かうよう仕向けたことも…これからやろうとしていることも……全て。」

「ほう…流石、仕事が早いね………八雲紫…。」

アレイスターはニヤリ、と怪しげな笑みを浮かべながら、満足気にいう。

「あなた、自分がしたことを分かっているの!?世界の理さえも覆しかねないのよ!?」

紫…と呼ばれた女性は、激しい口調で言う。どうやら、そうとう苛立っているらしい。

「生者は死に、死者は生き返り、思われし者は忘れられ、忘れられし者は思いだされる………実に面白いと思わないかい?」

「………あなた、本当に人でなしね…まぁいいわ。あなたと話していても、埒があかない…。とにかく、一つだけ覚えておいて。……もう二度と、幻想郷には関わらないでちょうだい。次、少しでも関わろうとしたなら、学園都市ごとあなたを消すわよ?」

八雲紫は、アレイスターに背を向けながら忠告をし、自らの能力で作った空間の裂け目に入り、幻想郷に帰っていった。

 

 

 

「………さて、上条君(幻想殺し)はこの状況をどう〝ぶち壊して〟くれるのかな?……」

 

 

 

と、学園都市でそんな会話が行われているとは露ほども知らない、上条たち。

 

「そういえば、そっちの2人、まだ名前を聞いていなかったよな?」

俺は、里をでて博麗神社へ向かう途中、霊夢とともに戦っていた2人に尋ねる。慧音と、妹紅と魔理沙が言っていたような気がするが、俺にはどっちがどっちか分からない。

「あぁ、そうだったな。私は上白沢慧音だ。」

「私は藤原妹紅だ。よろしく。」

「よろしくな、慧音、妹紅。俺は上条当麻だ。」

普段は人の名を苗字で呼ぶのが癖になってはいるが、ここにいるメンバーは下の名前の方が呼びやすい。

「…あなたがここへ来た理由は神社でゆっくり聞くとして…幻想郷のことを、簡単に説明しておかなくてはならないわね。」

霊夢が、俺が名乗り終わったタイミングで言う。

「あぁ、そうだな。いくつか聞きたいことがあるんだ。まず、この場所がどう言うものなのか、それから、妖怪とはなんなのか、あとは…霊夢たちの能力は一体なんなのか…。とりあえず、これくらいは知っておきたいかな。」俺は、とりあえず知っておきたい事を聞く。

「…まぁ、そんな所よね…。いいわ、私が説明してあげるから、ありがたく聞きなさい。…まず一つ目、幻想郷とは何なのか…これについては話すと長くなっちゃうから、手短にするわね。要するに、大昔、好き放題していた妖怪たちを集め、少しの人間と一緒に結界の中に閉じ込めた。それからは、外の世界で忘れ去られたものの溜まり場になっている…って所かしらね?その妖怪と人間の関係を調整するのが私、博麗霊夢なの。………まぁ、私はやりたくなかったんだけど……。」

「おーい、霊夢、心の声が聞こえているぜ?」

と、最後の一言に魔理沙が突っ込む。

「はっ!?いけないいけない!あっ…アンタ、今のは忘れなさいよ!?」

霊夢がこっちを睨んで言う。そんなこと言われても…ね。と、思ったが、どこかの誰かさんを思い出し、とりあえず首を縦に振っておく。あいつなら電撃を飛ばして来るだろうな…。

「で、次は妖怪について…だったかしらね。さっきも言った通り、ここには人を喰らう妖怪と、それを退治できる人間、それからなんの力も持たない人間、大まかにこの三種類がいるわ。まぁ、近頃じゃ、本気で人を襲おうとする妖怪はめっきり減ったけれど…危ないことに変わりはないわ。精々気をつけることね。」

「なるほどね、妖怪なんて本当にいたんだな…。」

俺は少し驚いて言う。そんなものは、絵本の世界だけ…だと思っていた。

「そうやって人間たちに忘れ去られて、だんだんと姿を消したのよ…。」

なるほど…。おそらく、時代とともに科学が進歩し妖怪は幻化…してしまったんだろう。

「で、最後に私達の能力についてね。これについては、それぞれから説明してもらうわ。まず私は…霊気を操る程度の能力…って所かしら?博麗神社を守るのが主な務めだけど、度が過ぎた妖怪を退治したり、異変を解決したりしているわ。ちなみに異変って言うのは、主に妖怪たちが起こす事件の事。今回のことも異変に入るわね、多分。」

と、聞こうとしたことを先に答える霊夢。どうやら、なかなか察しがいいらしい。今回の異変…か。そのことは、あとで詳しく説明しないとな…。

「で、私は魔法を使う程度の能力だ。私は日々、魔法の研究をしているぜ!たまに霊夢のやつを手伝ってやったりしているけどな。」

「あんた、邪魔しかしたことないでしょ…?」

「何!?お前、私が居なきゃ、ヤバかったことが何回あったと思ってるんだ!?」

「そんなことあったかしらね〜?…っと言うか、そういうあんただって、私が行かなきゃ死んでたかも知れなかったことだってあったでしょ!」

「なんだと!おい霊夢…やるってのか!?」

魔理沙が懐から六角形の物体を出しながら言う。

「何?やるの?この機会に、格の違いってのを見せてあげるわ!」

霊夢も自らの持つ大幣を構えながら言う。

「まぁまぁ、二人とも落ち着けって…。」

「そうだぞ…全く、仲が良いのか悪いのか…。」

「ケンカするほど仲が良いっていいますから…。」

慧音と妹紅、阿求が2人をなだめる。なんとか落ち着いたところで、慧音が口を開く。

「はぁ…すまないな、当麻。改めて、私は人里で教師をしている。私は満月の夜だけ妖怪になるんだが…それはまぁ説明しなくてもわかるだろう。能力としては、人間の時は、歴史を喰らう能力、妖怪の時は、歴史を創る能力だ。」

満月の夜だけ…。そういう、特定の条件を満たさないといけない物もあるのか…。

「次は私か?私は…老いることも死ぬこともない程度の能力だ。」

彼女は少し寂しそうな表情で言う。要するに不死身…ということか…。

「最後は私ですか。私は皆さんみたいに戦ったりできる力はほとんどありませんが…一度見たものを忘れない程度の能力…といったところでしょうか?人里で、幻想郷縁起という、幻想郷についての書物を書いています。」

一度見たものを忘れない…か…。インデックスと同じか。

「と、言う事よ当麻!だいたい分かったかしら。神社にも着いたし、丁度いいわね。」

気がつくと、いつの間にか神社の前の階段にいた。いつの間にかここまできてしまったようだ。

今度は俺が話す番……。さて、何から話したものか……。やはり、ここへ来た理由、それからこの場所で異変と呼ばれるものについて俺の知っていること、そしてこの〝右手〟について…の順に話すのが妥当か…。

 

「トウマ〜、置いてくぞ〜!」

少し先で、魔理沙が呼んでいる。考え事をしているうちに、いつの間にか先まで進んだらしい。

「あぁ、今行くよ!」

と言い、階段を一段飛ばしで駆け上がる。

 

 

上に着くと、まず俺は、置いていった今晩のおかずを回収した。野菜が少ししなびてしまったが、水につけておけば戻るだろう。肉は、保冷剤をつけてもらっておいたので、腐ってはいないはずだ。とりあえず、無駄にならないよう、霊夢に頼む。

「霊夢?悪いんだけど、冷蔵庫と水入りのボウルかなんか貸してくれないか?傷む前にしっかりと処理しておきたいんだ。」

「そういうことなら…いいわよ、それ、貸しなさい。ついでにお茶も汲んでくるから、ちょっと待っていてちょうだい。」

霊夢は俺から袋を受け取り、何処かへ行った。どうやらやってくれるようだ。意外と気が利くところもあるらしい。

「ささ、トウマたちも、上がって待っていようぜ!」

と、魔理沙が勝手知ったりという様子で上がりこむ。俺たちは魔理沙に案内され、順番に上がっていく。魔理沙は玄関の直ぐ前の、広めの部屋の襖を開ける。

「とりあえずここでいいか…。ほら、座布団だ。」

魔理沙が端に寄せられていた座布団を敷いてくれる。

「あぁ、悪いな。」

とりあえず魔理沙に礼を言い、座布団に座る。

 

それからしばらく雑談をしていると、霊夢がお茶と煎餅を持って来て、それぞれの前に湯呑みを、真ん中に煎餅を置く。

「さて…それで、当麻。とりあえずあなたがここに来た理由、それからあなたの右手について…教えてくれるかしら?」

「あぁ、まず俺がここへ来た理由は…霊夢達の言う〝外の世界〟で、極悪魔術師が刑務所から脱獄したらしい。そいつが持っている霊装が、俺の右手でしか壊せないらしくて、俺は知り合いに頼まれてそいつを探していたんだが、探している途中に空間の裂け目みたいなものを見つけて、俺の右手が触れた瞬間、ここに引きづりこまれたって訳なんだ。多分なんだが、霊夢たちの言う〝異変〟も、そいつが起こした可能性があるんだ。」

「根拠はあるのかしら?」

お茶をすすりながら霊夢が言う。

「あぁ、さっきの化け物が、その魔術師の兄が使う魔術によく似ていたんだ。」

「なるほどな…」

と、魔理沙が言う。

「あ、そういやトウマ、私と初めて会った時、里の人間とか言ってなかったか?どうして嘘を?」

何かを思い出したように魔理沙が言う。そういえば、適当に話を合わせたんだったな…。

「魔理沙、ちょっとは考えてみたらどうだ?来たこともない世界にいきなり引きづりこまれたんだ。そんなどこだかわからない場所で、おいそれと自分の能力を語るやつはいないさ。」

と、俺が答える前に慧音が魔理沙に教える。流石先生といったところか…。説明する手間が省けたな…。

「それもそうか…。で、肝心のトウマの右手の話は?」

そうだった。それを説明しておかないと。

「そうだな…………俺の右手には、物心ついたころから、〝幻想殺し=イマジンブレイカー〟っていう能力が宿っているんだ。幻想郷風に言うと…どんな異能の力も打ち消す程度の能力…ってところか?」

とりあえず、五人の自己紹介を真似、自分の右手について説明する。

「なるほどね…どんな力も打ち消す…か…。だからアンタが結界の切れ目に触れた時、一時的にひらいちゃったのね…。」

と、合点がいった…という様子で霊夢が言う。続けて、「で、アンタはどうするの?向こうの世界に帰る?今ならすぐに返してあげられるわよ?」

「………。いや、俺はここに残るよ。外の人間が関わっているのも放っては置けないが、そうでなくても、困っている人を放って置くなんて、俺にはできない。」

俺は言う。どっちかと言うと、後者が本音だ。どこの人間だろうが、そんなことはどうでもいい。ただ、目の前に俺の右手で救える人がいるのなら…俺はその人たちを助けたい。ただそれだけだ。

「アンタって本当に変わってるわね…。」

「全くだ…。」

「全くだぜ…。」

「はぁ…。」

「それが上条さんのいいところ…かもしれませんね。」

阿求以外の四人はこちらを呆れ顔で見、同じような感想を口にする。

「ま、なんでもいいわ。……アンタがしばらくこっちにいるとすると…宿が必要ね…。人里はあんなことになってるし…。魔理沙と妹紅のうちは狭いし……。」

「お前のとこしか…ないな。」

霊夢を横目で見ながら言う。

「………やっぱりそうなるわよね…。ま、仕方がないか…。こうなったら、めいいっぱいこき使ってやるんだから、覚悟しなさいよ!」

 

俺は思った…。野宿でもしたほうがまだマシなのではないか…と。

 

 

 

 

to be continued…




いかがでした?
説明回でしたけど。いやぁ、登場人物多いって、なかなか辛いっすね、汗


では、つぎをお楽しみに!
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