我が道を往くいじめられっ子は人生を変えたい 作:名無しのなな
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菜々はミスコンが開催されている野外ステージの人ごみに紛れて身を隠すことにした。
そうしていると何者かとぶつかる。
「わっ!ちょっと!危ないでしょ!って、あれ?もしかしなくても、七海さんじゃぁ~ん!」
「川並さん・・・!」
菜々がぶつかった人間は川並弥巴子という菜々が東京女子高校に通っていた時の同級生だった。
川並は海常高校の制服を着てさらにはコンタクトにして薄化粧をしてツインテールにした菜々の姿を上から下まで見て言う。
「うわぁ~なにそれ~?編入デビューみたいなのぉ~?だっさ~!イケてると思ってやってんだったらやばいんですけどぉ~!」
川並弥巴子は目じりを下げて口角をあげているがどこか下卑た笑みを浮かべて菜々を馬鹿にする。
「なになに~?そんなに急いでどうしたわけぇ~?またいじめられてんの~?」
「…」
以前の菜々なら感情的に言い返していたがゆゆの断罪を終えた菜々は川並程度の挑発には乗らないくらいに肝が据わっていた。
「な~に~?その態度!面白くないんだけど!海常に編入しても東女(東京女子高)にいたときもさぁ~。佐保がいて目つけられて悪評流されたりしてたのに何で不登校にも退学にもならないわけ?!イライラするんだけどw」
川並はイラついているような笑っているような口調で菜々に言う。
川並弥巴子は東京女子高校に通っていた時に菜々に直接いじめて来ることはないが、菜々がいじめられる状況を面白がって燃えている場所にさらにガソリンをまくようにして嘘の噂を流して菜々がさらにいじめられるように仕向けて、菜々へのいじめが加速するのを楽しんでいた。
(川並さん、私がいじめられてるのをゲームみたいに楽しんでたんだ)
「私、今、急いでるから・・・ん?」
菜々は相変わらず下賤な性格の川並に呆れながらその場を去ろうとした時に、川並の周辺に財布が複数落ちていることに気付く。
「あれ?なんでこんなに財布が落ちてるの?」
菜々は不思議に思いながら財布を拾おうとした時、川並が叫ぶ。
「それ、あたしのなんだけど!勝手に触んないでよ!」
川並は地面に落ちた複数の財布を自身が持っているトートバックにしまおうとする。
「あんたがぶつかってきたせいで!」
「ごめんってば・・・てか川並さんなんでこんないろんな財布もってんの・・・」
川並が拾っている財布は子供っぽいキャラクター財布からチェーンのついた10代の男が持つような財布や中高年が持つような革の財布まで様々だった。
そして、床に落ちた財布から見えたボタンがない二つ折りの革財布の透明なカバーの部分から他人の免許証が見えていた。
「え?これって落とし物じゃ・・・・!」
菜々がそうつぶやくと
「え、あの財布、私のじゃん!」
菜々の後ろから他校の制服を着た女生徒が叫ぶ。
菜々はその声に驚いて振り向く。
その女は川並の持っていた財布を見て言う。
「その財布、私のです~!」
そう言いながら近づいている女の姿を見て川並はその場から逃げようと走り出す。
「ちょっとまって!川並さん!」
菜々はそう言うと走り出そうとしていた川並の持っていたトートバックの持ち手を引っ張る。
すると川並の持っていたトートバックの中身が地面に散乱する。
川並はバックの中身が地面に落ちたことに驚いて慌てて拾い集める。
「何してくれてんだよ!」
「川並さん、この財布って全部、川並さんのものじゃないよね?この皮財布とか免許証入ってるし。写真は中高年の男性のものだし」
「だからどうだっていうんだよ?!おぉん!さっき拾ったから届けようと思ってただけだし!」
「ふ~ん・・・他の財布ももしかして拾ったもの?」
「ちげーし!その財布以外の他の財布は全部あたしのだし!」
「ただの学校の文化祭に来たにしては財布の数多すぎない?」
「そんなの、あたしの勝手だろ!」
川並弥巴子は菜々から財布をひったくってとそのまま走り去ろうとするが菜々は財布を川並が拾ったと言う渡さないように胸に両手で抱き込む。
「私、今日の文化祭実行委員だから忘れ物として届けてあげる!」
「余計な事すんじゃねぇよ!てめぇになんて渡すかよ!」
菜々は川並が持っている複数の財布が今日の文化祭で盗んだものだと勘づいていた。
しかし、川並は盗んだ財布を返したくないので菜々から奪って逃げようとしていた。
(まずい!このままじゃ川並さんのスリの証拠をつかむための証拠の財布奪われる!)
菜々は川並に力と勢いで負けそうになっていた時に菜々を追いかけてきていた黒子と荻原の姿を見つける。
「あ、シゲヒロくん!黒子くん!パス!その財布離さないでいてね!」
菜々はそう叫ぶと川並の拾ったといいはるがおそらく盗んだと思われる他人の革財布を二人に向けて投げて渡す。
「はぁ?!なにすんだよ!てかお前らなんなんだよ!」
そして地面に落ちた川並が盗んだであろう他の財布もまとめて拾い上げて確認していく。
「これ、どの財布の身分証も川並さんのものじゃないよね?!それに財布に入ってるキャッシュカードやクレジットカードも他人の名義だし!」
「拾ったんだよ!どれも!」
「え~?さっき全部自分のだって言ってなかったっけ~?」
菜々はそういいながら川並の拾ったといっている財布を川並のものなのかどうか確認する為に開けていく。
黒子と荻原も先ほど菜々にパスするように手渡された財布の中身を確認する。
財布には免許証、キャッシュカード、クレジットカード、保険証や学生証など入っていたりしてそれには顔写真付きで名前も書かれてある。しかし、どれも川並以外の別人のものだった。
「どの財布もこの人(川並弥巴子)のものではないようですね。」
黒子も財布の中身を確認しながら言う。
「川並さん、この財布は全部あなたのものではないですね」
「別に!拾っただけだし!」
「でも最初は全て自分の物だと主張してましたよね?」
黒子はそう言いながら川並に言う。
菜々はそれを見て言う。
「川並さん・・・泥棒してたの?みんなが今日の海常の文化祭を楽しんでた時に・・・」
「はぁ?!あたしがやったっていう証拠はどこにあんだよ!あたしは拾った財布を鞄に入れて持ってただけだし!それをお前らが勝手に泥棒扱いしてきたんだろ!」
川並弥巴子は開き直ってそう主張する。
すると黒子が言う。
「川並さん、あなた、最初の発言と矛盾した発言をしてますよ」
黒子がそう言うと川並は黒子を睨みつけて言う。
「あぁん!やんのか!おぉん!あぁ!うぉぉんん!ヴぉおおん!」
川並はチンピラのように吠えて威嚇しだす。
「川並さんは自分の嘘や悪事がバレそうになるとこうやって吠えるからクロだね~」
「あぁん!勝手なこと言ってんじゃねぇよ!やんのか!やんのか!」
菜々と黒子と荻原に調べられている最中、川並弥巴子は不良のような口調で3人を威嚇する。
「あの人です!あの人がスリをしていた犯人です!」
菜々と黒子と荻原が川並のスリ疑惑を調べている最中に自撮り棒をつけたスマホを持った海常高校のクラスTシャツを着た女子二人組が警備員を連れて走ってくる。
そして、警備員は川並を捕まえて拘束する。
「ほら!講堂でのステージ発表で私たちが軽音楽部の演奏のときに動画撮影してたらたまたま前にいた観客がこの人(川並弥巴子)に財布をすられててその場面が動画に残ってたの!ほら!」
女子のうちの一人が持っていたスマホの動画を再生して川並に見せる。
その動画には、文化祭でライブをしている軽音部の演奏を聞いていた隣の観客のカバンを開けて鞄に手を突っ込んで財布を抜き取っている川並弥巴子の様子が映っていた。
黒子と荻原はその動画を確認して言う。
「これは・・・川並さん、あなたですね」
荻原はそう言うと黒子と菜々に言う。
「そうだね。川並さん。どうしてこんなこと・・・」
「はぁ?!知らねぇし!別に金が欲しくてやったわけじゃねぇし!ただのゲームだし!遊びだし!簡単に盗まれるような奴が悪いんだろ!」
川並は警備員に取り押さえられながら言う。
荻原がその姿を見て言う。
「川並さん、君がやったことは犯罪だ」
荻原がそう言うと黒子も言う。
「そうですよ。川並さん、あなたがやったことは立派な犯罪です」
荻原と黒子がそう言うと菜々が言う。
「川並さんはそういう遊びだっていうけど人を傷つけたり困らせたりすることが遊びっていうのは最低だよ。悪いことするのがかっこいいっていう価値観はもう捨てなよ」
「うぜえんだよ!うっせぇんだよ!あぁん!」
川並がそう言うと荻原は川並に言う。
「川並さん、自分のやったことを認めて罪を償いなよ」
荻原がそう言うと菜々が言う。
「そうだね。川並さん、これから先の人生では、犯罪に手を染めないようにしなよ」
「はぁ?!意味わかんねーし!こんなのただの遊びだし!ゲームだから!金目当てじゃねぇからあたしぜってー捕まんねぇし!七海!テメェ!今度は東京女子高にテメェが気にくわねぇ奴を冤罪で陥れてるって噂流してやるからな!覚えてろよ!ゴルァ!」
川並弥巴子は警備員に取り押さえられながら言うが川並はそのまま警備員に連行されて行った。
「川並さ~ん。さすがにもう現行犯でスリで捕まったら東京女子高に戻れないから私の悪評は流せないと思うよ~。はぁ…今日は次から次へと・・・。私のこと逆恨みしてる人間の一層処分セールなの?」
菜々は川並弥巴子が連行される様子を見てそう呟いた。
すると、そこへ美間と乗山がニヤニヤしながら現れる。
「ぷぷぷ~。川並の奴ってばスリがバレて捕まってやんの~!」
「ざまあ~!人生終了お疲れ様で~すw」
美間と乗山は川並弥巴子が警備員に連行される様子をスマホで撮影しながら言う。
(うわぁ・・・美間さんと乗山さんだぁ~)
菜々は美間と乗山コンビの登場でさらなるカオスなめんどくさいことが起こる予感を感じていた。