【完結】我が道を往くいじめられっ子は人生を変えたい   作:名無しのなな

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第29話 苦肉の策

「うらぁぁ!」

「うわっ!」

菜々たちは長谷川が去ったことでひとまず一件落着だと思ってたいたが、まだステージ上にいた北村が菜々に向かって拳を振り上げて来た。

菜々は後ろに後退して身を翻して北村の拳をよける。

会場は菜々の華麗な身のこなしに感心していた。

「北村さ~ん!さっきまでおとなしかったじゃん?!まだ私のことぶん殴りたいの~?」

「うっせぇ!てめぇが東京女子高校に入学してこなきゃあたしも佐保も今宮も他のみんなも楽しく平和に過ごせたのに!お前がいなければ!」

「え~?全部、わたしのせい?クラス内でいじめが起こるのも長谷川さんが整形バレして恥かいて海常の文化祭で公開説教されたのも、今宮さんが長谷川さんに使役されておかしくなったのも美間さんと乗山さんが薬物依存になったのも川並さんがスリで捕まったのも、北村さんが私になりすましたゆゆに騙されて大恥かいたのも全部全部、私のせいだっていうの~?」

菜々は冷静に北村に問いかける。

北村はステージに登って来た菜々を殴り殺すつもりで襲い掛かって来る。

しかし、ひらり、ひらりと蝶のように舞いながら躱し続ける。

「北村さんが本気なら仕方ないね。私も死にたくないから戦うよ」

そう言うと菜々はステージに再び上がり、無表情で制服のジャケットの裏に隠していた武器である長鞭を取り出して床に向かってバシンと勢いよく叩きつけてそれで、菜々を追いかけて同じようにステージに上がってきた拳を向けて来る北村に応戦する。

「自分の尊厳と自分の身は自分で守らないとね~」

菜々は長鞭を器用に操り北村の攻撃を弾き返した後、菜々自身も北村に攻撃を仕掛けた。

菜々が長鞭で攻撃する度に会場内に歓声が上がる。

「なんだ?あの長い武器!」

「また何か起こるのか?!」

そんな声が観客席から上がる。

 

「なんなんスかアレ?!」

「あいつ、またなんか物騒なこと始めたな」

黄瀬と灰崎は菜々が手に持つ武器の長鞭を見ながら言う。

「なぜあんなものを持っていたんでしょうか?」

黒子は菜々が一本鞭を持っていたことを不思議がる。

「・・・マジで意味わかんねぇ。日本の学校の文化祭ってこんなんなのかよ」

火神は次から次へと起こる展開の情報量に脳がキャパオーバーしたかのように頭を抱える。

「でも、なんかかっこいいかも・・・」

荻原は菜々が菜々が鞭で戦う姿を見て呟くように言う。

キセキたちと黒子と火神と荻原はステージ上で戦う菜々を呆然と見ていた。

 

「お前ら、なにぼ~っと見てんだ!なんとかして止めねーと収集つかねーだろ!」

笠松は菜々と北村が戦う姿を呆然と見ている関係者たちに叫ぶ。

しかし、菜々と北村の戦いはすさまじかった。

菜々が操る武器の長さから考えてリーチの差は歴然であるはずなのに菜々の操る長鞭を器用に操り攻撃を躱して反撃する北村に会場内もどよめく。

 

「でもどうするんだ?北村さんは女子だけどかなり強いぞ?生まれつきな身体能力に恵まれてて、強豪の東京女子高のバスケ部で連日ハードに鍛えている上に、今はリミッターが外れていて並みの男以上の力を出している。正直、俺は勝てるか自信がないよ」

森山が険しい顔で言う。

「そうだよなぁ。北村さんを大勢の男で取り押さえて後から「セクハラ!訴えてやる!」とか言われたら大変だしな・・・」

小堀が冷静に分析する。

黄瀬はそんな小堀に言う。

「でも、そんなこと言ってる場合じゃないッスよ!このままじゃ七海さん、今は良いけど体力持たなくてやられちゃうッス!ていうか、七海さん、今は北村さんの攻撃を避けてるけど限界来てるのか息切れしだしてるッス!」

小堀と森山は黄瀬の言葉を聞いて確かにそうかもしれないと思い始める。

笠松も北村からの攻撃を躱すのに限界が来て舞台上を小走りで北村から逃げ回り始めた菜々の姿を見て心配そうな表情で言った。

「そうだな。こうなったら、不審者対策用に職員室に置いてるさすまた借りて北村を取り押さえるか・・・」

菜々は額から大量の汗を流しながら荒い呼吸を繰り返していて、体力の限界だったのか前のめりになりかけるもなんとか踏ん張っていた。

観客やバスケ部員たちに見られていたのでかっこよく見せたいという見栄と根性である。

キセキたちはそんな菜々を心配そうに見ていた。

 

「こうなったら・・・封印されていたあれを復活させるしかないわね」

「そうですね、あれをやる時が来たんですね」

笠松達の近くに眼鏡をかけた海常高校の男子と女子が現れる。

「うわっ!お前らどこから・・・」

突然現れた男女は海常高校演劇部の部長の唐沢こはくと副部長の碇タダシだった。

「あの特設ステージ上で拳をふるって暴れてる北村さんって女子は大勢の男で取り押さえないといけないレベルの子だけど一応、生物学的には女子だからそういうことをしたら訴えられるリスクがあるから躊躇してるんでしょう?それなら、あれはステージ発表の一部という体にして北村さんを悪役怪人っていう設定のヒーローショーに仕立て上げれば自然に彼女(菜々)を助けられるんじゃないかしら?」

唐沢が笠松に提案する。

荻原はステージの上で戦う菜々を見て言う。

「確かに・・・普通にステージに登壇して北村さんと戦って俺たちが勝ってしまうと男が女に暴力をふるったってことで問題になってしまうし・・・」

黒子は荻原の言葉を聞いて言う。

「ヒーローショーであるという体にしてしまえば北村さんを捕獲してステージ上で北村さんと戦っている菜々さんを自然に助け出すことができますね」

「やる気なってくれた?!じゃあ、衣装はこれだから腕っぷしに自信があって彼女(菜々)を助け出したい勇気ある人はこれ着てね!」

そういうと唐沢と碇は色とりどりの戦隊もののヒーローが着用する全身タイツのボディスーツとヘルメットを出す。

「メンバーカラーは任せるから~。あと、戦隊名はお助け戦隊カイジョージャーとでも言えばいいわ!」

そこにいた面々はヒーローショーという体で菜々を助けるかどうかを話し合う。

「どうする?俺は・・・助けたいが・・・」

小堀は森山に言う。

「俺もそう思う。あんな自分よりもか弱い女子を殴るなんて北村さんどうかしていると思う」

黒子と黄瀬も賛同するように言う。

「そうですね、いくらなんでも暴力ふるうのはいけないことですし・・・なにより私怨でこんなことするのは間違っています」

「俺も同意ッス!」

小堀と森山と黒子と黄瀬は菜々を助けるためにヒーローショーという体で菜々を助けるために渡された戦隊ものの衣装を着ることになった。

「ったく、世話のやけるやつ」

笠松はそう愚痴ると唐沢に言う。

「おい、唐沢!俺はどうすればいいんだ?」

「あぁ、あなたもヒーローショーで悪役をやっつける役ね。衣装はこれだから腕っぷしに自信があって彼女を助けたい勇気がある人は着なさいな」

そういうと唐沢は戦隊ものの赤の衣装を笠松に渡す。

笠松はそれを見て言う。

 

「・・・これか・・・まぁいいぜ!」

笠松もヒーローショーをやることになり、赤のボディスーツとヘルメットをかぶって笠松は戦隊ヒーローのレッドの姿になる。

他にも、海常高校バスケ部の部員の森山と小堀もヒーローに扮装する。

お助け戦隊カイジョージャーのメンバーカラーは笠松が赤で、黄瀬は黄色、黒子は青、小堀が緑で森山がピンクである。

そして、5人はステージの上で戦う菜々を助けるべく舞台裏で演劇部の部員たちに指示を聞きながらあわただしく準備していた。

火神と荻原とキセキや桃井や高尾や氷室やそのほか海常高校バスケ部の部員たちはそんな5人の姿を舞台裏まで来て見ていた。

「なんかすげーことになってんな」

火神は他人事のように呟く。

黒子は火神に言う。

「そうですね。ところで火神くんはやらなくて良いんですか?」

「あぁ?なんで俺がそんなことしなくちゃいけねーんだよ!」

「・・・そうですか。それじゃあ僕たちが菜々さんをヒーローショーという体で助ける様子を観客席から見ていて下さい」

「あぁ?なんでだよ!俺もステージに上がればいいのか!?」

「はい、そうしてください」

黒子は火神に言う。

「途中加入するキャラとして人気のメンバーカラーですよ」

そういうと黒子は火神に黒の戦隊ものの衣装とヘルメットを渡す。

「仕方ねぇな…」

火神もしぶしぶ火神もヒーローショーにでることにする。

「なぜ、あんな危険を侵してまであいつ(菜々)を助けようするのだ?あんなみょうちきりんな衣装まで着て・・・」

緑間はヒーローショーという体で菜々を助けるためにステージに上がろうとする6人の姿を見て呆れていた。

しかし、高尾はそんな緑間に対して言う。

「真ちゃん、そんな冷めた顔しないでよー。せっかく七海さんを助けるためにヒーローショーをするんだからさー」

緑間は高尾に言う。

「ヒーローショーというものを観るのは初めてだよ」

「えっ?!赤司くん、戦隊ものの番組とか見たことないの?!」

桃井は赤司の発言に驚く。

赤司は言う。

「あぁ。そもそもテレビを観る習慣がないからね」

「へぇ~、そっか~」

「赤司はいいとこの坊ちゃんだからテレビ観てる時間なんてなさそうだしな」

桃井は赤司の言葉に納得して高尾が赤司に言う。

緑間は菜々を助けるためにステージ上に戦隊ものの衣装で登壇しようとしてヒーロー役の衣装に着替えている黒子と火神を見て言う。

「俺もヒーローショーという体であいつ(菜々)を助けに行くぞ」

緑間はそう言うとステージに向かって歩く。

「えぇっ?!真ちゃん?!どしたん?!急に」

高尾は緑間の行動に驚く。

赤司はそんな緑間に言う。

「真太郎、お前までどうしたんだ?」

緑間の言葉に荻原は反応する。

「そうですよ。それに戦隊ヒーローって5人か6人が限界のような気がするし・・・あれ?7人とか8人とか9人とか10人とかでもいいのか?」

荻原はヒーローショーという体で複数人がヒーローとして菜々を助けに行ってもいいのかという疑問に思う。

すると青峰が言う。

「行きたきゃ、行きゃあいいだろ。」

すると

「そうだな。僕も行こう」

「おれもいくしー」

赤司が言うと続けて紫原もヒーローショーの体で菜々を助ける作戦にヒーローとして出演すると言い出す。

そんな3人の姿を見て荻原はいう。

「あの人たちまで、本当にヒーローショーをやるつもりなんだ・・・」

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