目を開けると目の前にはもうララとレオがいた。
「オーディン、おはよ…」
「ララちゃん、おはよう」
俺はララに挨拶を返す。
ララが俺より早く起きるとは珍しいな。
「オーディン、準備終わったら行こ」
俺はララにそう言われ、俺はパパッと荷物を纏めてリュックを背負った。
「ララちゃん行こうか」
そう言うとララはレオの背中に乗った。
「オーディンも乗って」
ララが自分の後ろをポンポンと叩く。
……てか俺も乗っていいのか。
「じゃあ乗るよ」
俺はレオの背中に乗った。
レオは二人も乗っているのに苦しそうな表情は一切見せなかった。
レオは全長3mほどの犬だ。
二人乗るぐらい、どうって事ないのだろう
遺跡の外に出てみると砂嵐は収まっていて、陽の光がさんさんと降り注いでいた。
外に出るとララから地図を貰った。
地図を見るとここは、リカリスの町から100km程北東に行った場所にある半島らしい。
名前はキリシア半島と言うんだと。
「オーディン、魔力眼を発動して」
レオに乗って歩いているとララにそう言われた。
言われた通り俺は魔力眼を発動させた。
「ララちゃん何で?」
俺は疑問を聞いた。
「古代龍族の遺跡は魔力を纏っているから」
そうなのか…。
きっと俺の魔力眼で魔力の動きを見るんだ。
だったら俺は魔力の動きをしっかり見とこう。
そんな事を考えていると、レオがどんどん進んでいく。
ララが言うには5日間ほど走った場所に古代龍族の遺跡がある可能性が高いらしい。
今日は途中休憩を入れながらも合計8時間ほど移動した。
ララの言った通り一日中移動と魔物と戦闘するだけで終わった。
出てくる魔物はパクスコヨーテやアシッドウルフなどの群れてAランクレベルの魔物だ。
今のところ魔大陸の魔物達は強いが、俺一人でも相手出来るぐらいだった。
夜は比較的安全な場所にテントを立てた。
夜は俺が見回りをする事にした。
俺は長寿な種族な為、一ヶ月ほど寝なくても問題はない。
俺は見回りを定期的にしていたら、すっかり朝になっていた。
テントの中に戻るとララとレオは準備万端なようだ。
俺達はテントを片付けて、レオの背中に乗り早速出発した。
ー
そんな事を5日間繰り返したら、多くの魔力を纏っている山を見つけた。
山の高さは1000メートルは優に超えている。
そして山の後ろは荒れ狂う海だ。
「ここの山凄い魔力です」
俺はララにこの事を報告をした。
「オーディンありがとう、ここで降りるよ」
ララが降りた為、俺もここでレオから降りた。
もう太陽も下がり始めているため、ここで一夜を明かそうか。
「今日は遅いから、行くのは明日にしよう」
俺はそのことをララに伝えた。
「そうする」
ララからの了承も貰った為、テントを準備して一夜を明かした。
次の日の朝。
全員が起きたらテントをたたんだ。
今日の目標は山を一周してどんな様子かを確認する事になった。
俺とララはレオの上に乗り山の近くまで近づいた。
崖ぎりぎりから反時計回りにだ。
山の海側は山の斜面に続くように崖になっていた。
ー
山の周りを探索して三時間ほど経った。
恐らく三分の一ぐらいは見れたと思う。
というか、そう思ってないとキツい。
今のところ何も変なところはなかった。
ただ1つ言うのであれば、大量の魔物が出てくるようになってきたことだ。
今まで魔大陸を旅してた時の3倍以上の魔物が出てくるようになってきた。
魔物のランク自体はAやBだが、一気に来る事が多く手こずっている。
まあ、今のところはなんとか処理は仕切れてはいるからいいだろう。
俺はそんな事を思いながら魔大陸の不毛の地をレオの上に跨り探索していた。
すると急にそいつは現れた。
遠くの地面が急に膨れ上がり、膨大の魔力がこちらに猛スピードで近づいてきた。
「敵襲!」
俺は言うと同時にレオの体から降り体勢を作った。
ララもレオから降り杖を構えている。
俺は凰雅龍剣を下段に構える。
ソイツは俺たちから十数メートル前で姿を現した。
毒々しい黄色と緑色をした巨大な蛇だ。
大きさは20mほどだ。
バジリスク
俺はそんな魔物を思い出した。
オースティンが昔話の時そんな魔物の話していた。
魔大陸にしか生息しない石化ブレスを吐く魔物で単体でSランク値する魔物だと。
そして頭には光る赤い魔石が埋まっていると。
だが話に聞いていたのより随分と大きい。
だがバジリスクで間違いないだろう。
頭に光る赤い宝石のような物が埋まっているのだ。
するとバジリスクがこちらに向かって戦闘体制を作る。
「電撃!」
俺は扱う魔術の名前を叫ぶ。
そして俺は片手で『電撃』をバジリスクに向かって放つ。
『電撃』は確かにバジリスクに直撃した。
動きは鈍った、だがバジリスクは関係なしに距離を縮めてくる。
あまりバジリスクに電撃は効かないようだ。
一応、もう一度電撃を放ったが効果は見込めなかった。
意味もないことに魔力を使う必要はない。
同時にバジリスクとの距離が近くなる。
「ワン!」
そして横にいたレオがバジリスクの尻尾目掛けて飛びつきに行った。
だがレオはバジリスクの尻尾で弾き飛ばされた。
レオは数回地面を転がり立ち上がった。
続いて俺もバジリスクの横を走り、背中に切り掛かりに行った。
そしてジャンプをして切り掛かろうとした時、尻尾が鞭のように向かってきた。
俺は何とか衝撃波で尻尾の攻撃を避ける。
だが体勢が悪すぎた。
流れのまま背中に切り掛かったが、体勢の悪かった俺の攻撃では硬い鱗ごと切れず表面に傷をつけるだけだった。
「土落弾」
地面に戻った瞬間ララの声が聞こえた。
俺はバックステップで距離をとった。
すると上から3つの大きな岩がバジリスク向かって落ちていった。
バジリスクは二つの岩は上手く避けたが、残った岩の一つが尻尾にブッ刺さった。
バジリスクは自由動けない尻尾を振り回しながら暴れている。
もちろんこんな隙を見逃すはずがない。
俺は斬りかかろうとした。
だが急にバジリスクは頭を持ち上げこちらを睨んできた。
何かが来る。
俺ですら直感的にわかった。
何が来る…?
俺は剣をバジリスクに向かって構える。
大きく持ち上げた頭でバジリスクは大きく息を吸うような仕草を見せる。
「近くに寄ってください!」
石化ブレスが来る。
そんな気がしたのだ。
ララとレオが俺の近くに寄ってくる。
レオは賢い犬だ。
こちらの言っている事が理解しているとしか思えない程に。
レオとララが近寄って来たのを確認してから土砦を発動した。
俺たちを覆うように岩のドームが出来る。
ドームが出来ると同時に外から風を切る音が聞こえてくる。
またドームに対して強い圧力がかかって来る。
常に多くの魔力を込めていないと崩壊してしまうほど強い圧力だ。
少し経ち、外から音が聞こえなくなった。
一応があるので、少し中で待ってから土砦を解除してみた。
すると外には尻尾がないバジリスクがいた。
バジリスクの隣には噛み跡がついた尻尾が残っている。
自分で尻尾を切ったのだ。
バジリスクの尻尾はもう蘇生しかけている。
凄まじい回復能力である。
俺達が出てきたことに気づいたバジリスクは、こちらに姿勢を向けた。
バジリスクに対して俺は剣を構え、ララは杖を構えた。
レオはララの隣で姿勢を作っている。
バジリスクは俺たちに向かって移動をしてきた。
「フロストノヴァ」
俺はバジリスクに向かってフロストノヴァを放った。
フロストノヴァはバジリスクの尻尾部分の大半が凍らせバジリスクの行動を不能にする。
「岩砲弾」
すると後ろからララの声が聞こえた。
俺が下がると、同時に巨大な岩砲弾がバジリスクに向かっていった。
岩砲弾はバジリスクの胸を突き抜け体に大穴を開けた。
だが、その状態でもなおバジリスクは倒れる事なく体制を保っていた。
尻尾の蘇生がある。
まだ蘇生されるかもしれない。
俺は剣でバジリスクの首を切り落としにかかった。
俺が近づいた瞬間、バジリスクは最後の抵抗で少ない量だが石化ブレスを放ってきた。
咄嗟に避けたが足にブレスがかかってしまった。
だがブレスはかかったが、流れのままバジリスクを首を切り落とす事に成功した。
切り落とした瞬間にバジリスクの目と魔石から光が失った。
倒せたとわかった。
切り落とされたバジリスクの頭が地面に落ちた。
そして俺も同時に地面に落ちた。
だが俺の足に感覚がなくなってしまった。
見てみると右足は全体が左足は膝より下が石化していた。
「オーディン大丈夫!?」
流石のララも心配して駆け寄ってくれた。
「大丈夫…ではないかな」
この状況は流石に大丈夫ではない。
確かバジリスクの石化ブレスは帝級解毒魔術で治せるはずだ。
だが俺は使えない。
望みはララだ。
「ララちゃん帝級解毒魔術使える?」
「聖級までしか」
ララが使えないとは困った。
いや、もうあれしか使えない。
自分で足を切るしかない。
不死魔族の血が薄いと言っても足ぐらいであれば恐らく治るはずだ。
治らなかったら町で国級治癒魔術師を探すしかない。
ララも国級治癒は使えないし、スクロールも聖級までしか持ってきてない。
これは賭けだ。
命を賭けたゲームである。
「で、どうするの。リカリスの町まで戻る?」
1人で考えすぎて、ララに聞かれた。
「いや大丈夫。1つある事をするから」
「一つって何?」
「自分で足を切って、治るのを待つ」
「えっ!?」
俺の返答にララはびっくりしている。
俺だって怖いさ。
人族がやったら自殺行為なんだもの。
俺も出来る限り冷静に受け答えしているが内心ビクビクだ。
だが、やると決めたんだったらやるしかない。
俺は震える手で剣を持つ。
そして剣を右足の付け根に押し付ける。
「本当にするの…?」
ララに心配そうに聞かれる。
「うん、迷惑かけたくないからね」
ここで町に引き返す選択はララに迷惑もかけるし、時間もかかる。
それに、男なんだったら、ここでやっぱりやめる選択など出来ない。
「わかった、頑張って…」
「すぅー、はぁー」
俺は一息つき、一気に右足と左足を切った。
ひどい痛みと同時に、俺の意識は遠のいていった。
ララちゃんはパパの得意魔術ばっか練習してるから、泥沼と岩砲弾が得意なんだよね。
戦闘描写が初心者で、あまり納得できる感じではないのでいつか書き直すと思います。