ニュースワイド・ジャパン!に出演してから、しばらく経ち。私は今日も、いつも通りさくら交番で仕事をしていた。
いつも通りとはいっても、やっぱり出勤や勤務中にも声が懸けられる。それも、町の人だけでなく、見慣れない人からも。
私としては、そろそろ落ち着いてほしいところなのだが。SNSというものは、一度火がつくとそう簡単には消えてくれないらしい。でも、人の噂も75日とも言う。いくら流行だからって、どうせ皆すぐに飽きるだろう。
そんなことを考えながら書類を整理していると、
「犬井巡査。少し、お話があります」
「はい?どうされましたか?」
向かいに座っていた佐藤巡査長が、こちらを見た。その手には、何枚かの書類がある。嫌な予感がした。佐藤巡査長が仕事中にこういう顔をしているときは、大体何か仕事を持ってきている。
「実は、テレビ局から出演依頼が来ています」
「……またですか?」
「はい。予想以上の大人気です」
私は思わず天井を見上げた。どうしてこうなるんだろう。私はただの地方交番勤務の巡査なのだが。
だが、ニュース系の番組ならば前回ので経験がある。慣れてはいないが、なんとかなるだろう。だが、私の少し余裕そうな表情をみて察したのか。
「残念ながら今回は、ニュース番組ではありません」
「えっ、じゃあ、何ですか?」
「チャレンジ系の番組です」
「……チャレンジ系?」
佐藤巡査長が、机の上に資料を置いた。そこには、見覚えがある番組のロゴが大きく載っている。
『ウルトラライダーDASH!』
年に数回しか放送されない、昔から根強い人気のあるTOKYOというアイドルグループが視界を務める有名番組だ。
「へえー、超有名な番組じゃないですか。私も見てましたよ。視聴率10%もあるんでしたっけ」
「はい。かなり人気のある番組です」
いわゆる、身体能力や特殊技能を使ったチャレンジ系の番組。毎回、アスリートや職人、様々な分野の達人が出演する。
もちろん、ただスポーツをするだけではない。番組側が用意した特殊なシチュエーションに対して、出演者が自分の能力を駆使して挑戦する。
タイトルにある特撮番組、ウルトラライダーの設定に従って、チャレンジの制限時間は三分だけ。その三分間で、どこまで課題を達成できるか。
過去の放送では、サッカー選手が動いているバスの中に、ボールへ貼り付けた子供の宿題をキックで届けるという企画をやっていた。ああいう、「いや、それどうやってやるんだよ」と言いたくなるような無茶な企画を、本気で成功させようとする番組である。
「どうやら番組側から熱心なオファーがあったようで」
「へえ。どうしてでしょうか」
「これまで獣人を呼びたかったけど、諸々の事情で呼べなかったみたいです」
「ああ……」
私は何となく察した。獣人は珍しいし、そして、人間とは身体能力が違う。番組としては当然、一度くらい呼んでみたいのだろう。
「そうなんですね。ちなみに拒否権は?」
「残念ながら」
我々の間に、しばしの沈黙。
「……是非もなし」
「そういうことです」
私はいやいやながら資料を手に取った。出演日はもうすぐ、収録場所は都市郊外の採掘場、番組内容はまだ秘密らしい。
そして、出演者欄にはしっかりと、『犬井ハル巡査』と書かれている。
「……私、本当に出るんですか?」
「出ます。上からも、獣人警官の信用向上のために進んで出演するようにと」
「そうですか……」
私は小さくため息をついた。広報担当に半強制的になった時点で、こういう仕事が来ることは覚悟していた。
覚悟していたが。
「……チャレンジは秘密って、何するんでしょうね」
「それについては、番組側から説明が軽く来ています」
佐藤巡査長が資料をめくる。
「犬井巡査には、獣人警察官としての能力を活かしたチャレンジに挑戦してもらいたいとのことです」
「警察官としての能力?一体なんでしょうか。不安だなぁ」
私は耳をぺたんと下げた。佐藤巡査長が、それを見て少しだけ苦笑する。
「まあ、犬井巡査なら大丈夫でしょう」
「その根拠のない信頼、やめてもらえます?」
「根拠はありますよ」
「何ですか?」
「貴方の頑張りを一番近くで見てますから」
彼はまっすぐな目で、私を見ながら伝える。よくもまぁ、こんな台詞が言えるものだ。私にはこんなこと出来ない。
「なんですか。口説かれてます?」
「い、いえ。そんなつもりは。…まぁ犬井巡査は大丈夫です。あなたの、こと獣人としての能力はピカイチでしょう」
私は自分の耳を触った。鼻も、ほのかにたばこのにおいを拾った。交番の影で隠れてたばこを吸っている軽井沢巡査によるものだろう。
「……まあ、そうなんですけどね」
こうして私は、またしても全国放送のテレビ番組へ出演することになった。
「佐藤巡査長。またいつものところで、だれかさんがたばこを吸っているようです」
「またですか。反省文5枚じゃ足りなかったんですかね…」
そして、収録当日。私は指定された収録場所へ向かった。
今回の収録場所は、郊外に作られた大規模なロケ施設。どうしてだか、特撮でよく見る採掘場。その一角に、これまたりっぱな災害現場が作られている。
崩れた建物、大量の瓦礫、倒れた柱、ひび割れた壁、狭い通路。
「……すごい」
思わず声が漏れた。テレビのセットとは思えない。まるで本当に何かの災害現場へ来たような光景だった。どこぞのヒーローたちが救助活動のシュミレーションで使うような、ウソの災害や事故現場が用意されている。
「犬井さん!」
スタッフが駆け寄ってくる。
「本日はよろしくお願いします!今日はかなり期待していますよ!」
「はい、よろしくお願いします。……あの」
「はい?」
「私、一体何するんですか?」
スタッフが一瞬、黙った。
「それは……本番まで秘密です!」
「えぇ……」
またそれか。この前のワイドショーでもそんな感じだったな。やっぱり嫌な予感がする。私がそんなことを思っている間にも、カメラの準備が進んでいく。
やがて本番。
中継されているスタジオには、番組司会の人気アイドルグループ。そして、今回のチャレンジを見届ける共演者たち。その様子が、設置された仮設ステージのモニターに映し出される。お金かかってそう(小並感)
「さあ、今回の挑戦者はこちら!」
司会者が声を張り上げた。色とりどりの照明が私に向く。
「SNSで話題となった、かわいすぎる警察官!獣人初の、警察功績賞受賞!」
観客席から、
「かわいいー!」
という歓声。不自然なくらい、若くて綺麗な女性がエキストラとして座っている。視聴者としてテレビで見ていたときから思っていたが、これなんでなんだろ。
「犬井ハル巡査です!」
「……どうも、よろしくお願いします」
私はぺこりと頭を下げる。鳴り止まないかわいいコールと、大きな拍手。なんだろう、前回のテレビ出演といい、私はいつからこんな扱いになったんだ。
「犬井さんは現在28歳!警察官歴は、なんと10年近く!」
「はい。…あの、年齢は大きく言わないでくださいね」
「そして、犬獣人ということで――今回は、その驚異的な身体能力と感覚を活かしたチャレンジに挑んでいただきます!」
観客から、大袈裟なくらい「おおー!」と声が上がる。その様子に私は苦笑した。
「いや、そんな大したことはできないですよ。私、ただの一般警官ですから」
司会者が笑う。
「本当にそう思ってます?」
「はい。あまり無茶なお願いは辞めてください」
「では、今回のチャレンジを発表します!」
巨大モニターに映像が映し出された。そこに映ったのは――採掘場の、崩れた坑道、大量の瓦礫。そして、その中に取り残された人々。丁寧に、顔に黒いすすをつけている。
「今回の舞台はこちら!災害発生直後の採掘場!」
司会者が叫ぶ。観客がざわめく。
「犬井巡査には、災害によって崩落した採掘場に取り残された被災者役のアクターを見つけていただきます!」
「なるほど」
私は頷く。確かに、獣人らしい企画だ。
「制限時間は――」
巨大な数字が表示される。きっとこれはお決まりの、
3:00
「3分!」
観客から歓声。
「そして今回、犬井巡査には一切のヒントを与えません!」
「……え?」
私はモニターを見る。
「つまり、どこに被災者がいるかは教えないということです」
「なるほど、分かりました」
「目視で探していただくこともできますが、瓦礫の下、建物の中、様々な場所に被災者役が隠れています!」
「……ちなみに何人ですか?」
「それも秘密です!」
なるほど。この番組はそういう感じだった。無茶ぶりともとれるような、鬼畜難易度の挑戦企画。
「それでは、犬井巡査。準備はよろしいですか?」
「はい、頑張りますよ」
私は採掘場を模したセットへ入る。
目の前には、瓦礫と崩れた建物。奥へ続く暗い通路。普通なら、まず周囲を目視して、手掛かりを探すだろう。
私は周囲を見回す。そして鼻を動かしながら、耳を澄ます。
スタッフの足音、カメラの駆動音、土の匂い、風の音。流石に血のにおいはしなかった。これがあったら、見つけるだけなら数秒だっただろう。
違和感のある、小さな音が混ざっている。ご丁寧に、「助けて」と小さな声で何度も呟いてた。
「……いますね」
「え?」
司会者が反応する。
「もう分かったんですか?」
「はい、全部で5人です」
私は一方向を見る。不自然なほど盛り上がった瓦礫の山。
「まず、そこに一人」
「ええ!?」
カメラを構えたスタッフさんが驚く。
「犬井さん、まだ何も見てませんよ!?」
「でも、聞こえます」
私は耳を立てる。微かな呼吸。そして、人間にはほとんど聞こえないであろう、衣服が擦れる音。
「スタート!」
合図と同時に、私は走り出した。すぐにタイマーが動き始める。
3:00
私は瓦礫を飛び越えた。崩れた壁の隙間を抜け、狭い通路を走る。そして、一つの瓦礫の前で止まった。
「ここですね」
目星をつけて、しゃがみ込む。
「え?」
必死についてきたスタッフがカメラ越しに見る。
「犬井巡査、何を……」
私の制服のグローブは、爪を出し入れするための穴が空いている。大体の獣人警官は、この穴から爪などを出すのだ。
私はニュッと爪を生やし、犬のように瓦礫を掘る。私の爪は、瓦礫なんかじゃびくともしない。それに、私は穴掘りが大好きなのだ。こんな瓦礫なんて、余裕余裕。
中の人が怪我しない程度まで瓦礫を掘り進めて爪をしまい、できた隙間へ手を入れる。
「大丈夫ですか?」
「……はい!」
中からは声が返ってきた。
「犬井巡査、早速一人目発見です!」
私は周囲の瓦礫をどかす。
普通の人間なら一つずつ動かすところだろう。私は両手でまとめて持ち上げた。
「えっ、犬井巡査、見つけるだけで…」
瓦礫が動く。その隙間から、被災者役のアクターが這い出てくる。
「大丈夫ですか?立てますか?」
「え?いえ、足が潰れた設定と…」
「分かりました」
私はその人を抱き上げた。いわゆる、お姫様抱っこ。
「えええええ!?」
「犬井巡査!?」
「そのまま抱えてる!?」
中継のタレントや観客席から大歓声が上がった。私は気にせず走り、安全な場所まで運ぶ。そこにアクターを丁寧に降ろす。
スタッフが叫ぶ。
「残り時間、2分10秒!」
「……次」
私は再び耳を澄ませる。今度は右。
「……あっちですね」
全力で走る。カメラマンはついて行けないスピードだ。大荷物を持っていないスタッフだけがついてきており、私の姿は既に設置されたカメラだけが捕らえている。
崩れた建物の中。極めて暗く、普通ならライトが必要な場所。でも、犬は人間の5倍以上夜目が利くのだ。私は迷わず奥へ入った。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
スタッフの声がするが、私は構わず進む。犬の特性をフル活用して全力で走るのは、警察学校で訓練した以来で、なんだか懐かしくなった。例えるなら、昔習い事でやってたスポーツが学校の体育大会で課目となり、無双できると張り切っているような、そんな気持ち。
人の匂い。呼吸。そして、微かな咳。
「見つけました」
また瓦礫の下。今度は成人男性のアクターだった。
「大丈夫ですか?今助けます」
「はい……」
私は一際大きな瓦礫を持ち上げる。
「う、うわぁ……」
男性が驚く。若干ドン引きしているような気がするが、今は制限時間がある、気にしてられない。
「失礼しますよ。しっかり捕まっててください」
体格的に、今度はおんぶだ。
「ええええ!?」
また観客が沸いた。私はそのまま走る。走る。走る。風が心地良い。
「速っ!」
「人一人背負ってるんですよ!?」
「犬井巡査、速すぎる!」
私は安全地帯まで戻った。
「二人目!」
タイマーを見る。ここまで来たら意地だ。チャレンジとは言え、失敗なんてしたくない。
1:35
「まだ時間はありますね」
私は再び採掘場へ向かう。
「いや、まだ行くの!?ちょっとスタッフついていけてないよ!」
「救助です、人命が優先ですよ」
司会者が叫ぶが、私は雑に答えた。
次は左のさらに奥。倒壊した建物の二階だ。
階段は崩れているように見える。
私は壁を蹴って飛んだ。瓦礫を掴み、そのまま上へ。私は二階へ着地した。
「……いました」
奥の部屋、かすかに声がする。その扉のドアは瓦礫で塞がっている。私はドアを押したが、開かない。
「……仕方ない」
少し力を入れる。ミシッと、ドアが歪む。
もう一度。バキッと音がして、開いた。中には、女性のアクター。
「大丈夫ですか?」
「はい!」
「では行きますよ」
今度は横抱き。女性を抱えたまま、私は来た道を戻る。
「三人目だぁ!」
0:58
私は止まらない。耳を動かす。まだいる。
「……あと二人」
私は呟いた。即座に瓦礫を飛び越え狭い通路を抜ける。
今度はかなり遠い。だが、弱い呼吸が聞こえる。
走るだけなら、私の得意分野だ。
「……いました!」
瓦礫の影に隠れて震えていた、四人目を救助。
残り時間は
0:31
「あと一人!」
私は最後の一人を探す。目を閉じ、耳を澄ます。周囲の音を遮断する。
全部、聞こえる。
「……そこ!」
私は走った。採掘場の奥の崩れた建物。そのさらに下、小さな空間。
「います!」
瓦礫を無理矢理どかすと、アクターの姿が見えた。
「大丈夫ですか!今助けます!」
抱き上げ、背負う。そして走る。来た道を戻り、瓦礫、壁、段差。全部飛び越える。
0:10
「間に合うか!?」
戻ってきた私に、司会者が叫ぶ。さらに加速。
0:03
私は被災者役のアクターを安全地帯へゆっくり下ろした。
0:02
その身体を完全に安全区域へ。
0:01
そして――タイマーが止まった。
不気味なぐらいの静寂。
ほんの一瞬、誰も声を出さなかった。
そして。
「――全員、救助成功です!」
司会者が叫んだ。次の瞬間、中継のスタジオから、大歓声が巻き起こった。
「うおおおおおおおお!!」
「すげえええええ!!」
「嘘でしょ!?」
「全部見つけたの!?」
私は息を整えながら、周囲を見る。
「……これで終わりました?」
「終わりました!」
司会者が興奮した様子で駆け寄ってくる。
「犬井さん!すごすぎますよ!」
「そうですか?」
「そうですかじゃないですよ!」
司会者が笑う。
「今回の目標は、被災者役を全員見つけることでした!」
「え?見つけるだけだったんですか?」
「ですが犬井巡査は全員を見つけるだけでなく、自力で救助して!」
私は困った。
警察学校の訓練では、全員を救助するまでがノルマだったし、今回もそんな感じかと早とちりしてしまった。というか、それなら内容を早めに伝えておくれよ。
だが、そんな文句を呟いては角が立つ。社会人として、そんな嫌味のような言い方はすべきでないだろう。私は少し考えてから答えた。
「救助するなら、ちゃんと安全なところまで運んだ方がいいかなって」
スタジオが静かになった。そして。
「……かっこいい」
「まさに、ウルトラライダーだ…」
誰かが呟いた。
とたんに、大きな拍手が起こる。今度は、今ほどまでとは少し違う拍手だった。
単純な「かわいい」ではない。驚きと感嘆。そして、純粋な称賛。
「正直、最初はかわいい獣人警察官ということで来ていただいたと思っていたんですけど……」
司会者が言う。
「これはもう、普通にすごい警察官ですよ」
「いや……」
私は少しだけ照れた。耳が勝手にぴんと立つ。
「普通なんですけど……」
「それが普通じゃないんですよ!」
司会者が笑う。私もつられて笑った。
――獣人なら、このくらいは普通だ。少なくとも、私にとってはそうだった。獣人の警察学校では、こんなの大したことではない。
けれど、こうして人間の社会の中で警察官として働いていると。自分にとっての「普通」が、誰かにとっては「特別」になることもあるらしい。
私は少しだけ周囲を見渡した。大勢の人が、私を見ている。さっきまでなら、きっと「かわいい犬耳の警察官」として見ていたのだろう。
でも今は少なくとも、この場にいる人たちは。私を、ちゃんと一人の警察官として見てくれているような気がした。
「……ありがとうございます」
だから私は、今度は少しだけ胸を張って、そう答えた。これで、広報活動も少しは成功しただろうか。……まあ、私自身はいつも通り仕事をしただけなのだけれど。
そう思っていると、司会者が突然、何かを思い出したように声を上げた。
「それでは! 今回、見事チャレンジを達成した犬井巡査には、特別なご褒美があります!」
「ご褒美ですか?」
「ええ、こちらです!」
スタッフが持ってきたのは、綺麗な光沢を放つ一個の巨大なりんごだった。
「……りんご?」
「ただのりんごではありませんよ!」
司会者が得意げに続ける。
「りんごの最高峰とも呼ばれる、幻の品種――『セカイイチ』です!」
「セカイイチ…………」
私は、りんごを見る。そして、もう一度見る。
「はい!非常に希少な品種です!これが大好物な、ある探検隊の親方は、専門の採取チームまで作ったという――」
「セカイ、イチ…………」
ながったらしい説明が続いている。でも、もう聞いていなかった。私の視線は、完全に目の前のりんごへ釘付けになっていた。
尻尾が、ゆっくり動き始める。
「……犬井さん?」
「……はい」
「嬉しいですか?」
「べ、別に……」
そう答えながら、尻尾がぶんぶん振れている。
「めちゃくちゃ嬉しそうじゃないですか!」
「……いや、これは……その……」
私は必死に平静を装う。そして、少しだけ恥ずかしそうに。
「……ありがとうございます。いただきます」
りんごを受け取った。
その瞬間、私の耳がぴんと立った。そして尻尾が、今までにない勢いで振られ始める。
「あはははは! 犬井巡査、めちゃくちゃ嬉しそう!」
「いや、だから犬扱いしないでください!」
そう言いながらも、顔はどうしても緩んでしまう。そんな私の姿を、カメラがばっちりアップで抜いていた。
――この日の放送は、最後まで大盛況のまま収録を終えた。
評価バーに色がついていました。
皆さんご愛読ありがとうございます。