バイオハザード:コードレゾナンス   作:プロトコル・アンデルセン

2 / 3
ラクーンシティの孤児院で発生した実験体60号シリーズの暴走。
それらを鎮圧すべく併設された地下研究施設アークから送り込まれた生物兵器ヴォーパル。
彼女はバイオハザードを防ぐべく無傷で60号シリーズを制圧、70号シリーズの一人であるクロエと出会う。
スキャン時には異変は見られなかったため彼女を無視し地下の霊安室へと向かうが…。


第2話 好奇心とプライド

1990年ラクーンシティ孤児院理事長室

 

ヴォーパルは残りの60号シリーズを探していた。

理事長室には誰もおらず、鹿や虎の剥製が大事に生きているかのように飾られていた。それを見たヴォーパルは頬を虎の剥製に当てるも体温は感じられず冷たい。今度は両手で虎の腹を撫でるも、呼吸時の膨張と収縮も見られない。

虎の剥製の目を見つめるもそれは、温もりの無い無機質なガラス玉に絵の具で描かれた瞳だったので驚愕した。〈生命反応無し。エネルギー補給による保存食でも無い。行動原理不明。〉とまるで無垢な子供のように首を傾げた。

 

「待って!」後ろから声がしたので振り返ると先の青白く髪も灰色がかった少女が栗色の目を震わせながら駆け寄ってきた。

今度は生きた生物…いや、人間だったようだ。目も絵の具で描いた瞳では無い。

 

「私だけ…一人になるのはいや…!先生もみんなも…いなくなった…。どうしたら良いの…?」と俯いたためヴォーパルは移送先を検索していた…。ヨーロッパ第6研究所にシーナ島、ロックフォート島や南極基地…。あるいは海底研究所バイオスフィアか…。

いずれにしても小規模とはいえ実験体の反乱を許してしまった以上、ラクーンシティはおろか郊外のアークレイにある施設への移送はリスクがある。

 

ヴォーパルは各移送先の責任者あてに70号シリーズのクロエの移送許可を送信しようとするも、まだこの少女という生物がどうやって息をし動いているのかを知りたかった。ヴォーパルは彼女を背中に乗せると彼女の生体構造をどう調べるかを考えながら地下へと降りていった…。

 

 

ラクーンシティ郊外アークレイ研究所

 

わずか18歳で主任研究員となったウィリアムバーキンは、自分より歳下の10歳の天才少女アレクシア·アシュフォードにプライドをズタズタにされ無意味な研究を繰り返していたが、去年の末に研究中の事故により死亡したと知ってからは思わず歓喜した。

おかげでTウィルスの研究…正確には師であるマーカス博士からスペンサーの命令で奪った研究も落ち着いて続けることが出来るようになるも、かつてのライバルであり学友のアルバート·ウェスカーはすでにおらず自身の能力に限界を感じたとの理由で情報部へと転属していた。

 

ウィリアムは実戦派のアルバートがスパイでもやるのか?と疑問に感じていた…。新世界を実現させると語っていたにも関わらずにもだ。さらに驚いたのは計画中の明るいラクーン21というラクーンシティをより住み良い街にするプロジェクトの一つである、R.P.D(ラクーンシティ警察)に設立されるS·T·A·R·S(特殊戦術及び救助隊)のアルファ部隊及び総隊長に、アンブレラの推薦で就任予定だと言う。

 

それを聞いたウィリアムはついにウェスカーも狂ったか?ヒーローごっこだと?バカげてると嘲笑していた矢先、ラクーンシティにあるアークから緊急連絡が入ったとの報告があった。どうやらスペンサー肝いりの研究中に実験体が暴走し職員を次々と殺害していたとの事だ。

ウィリアムはまずR.P.Dはおろかマスコミに知られるのは時間の問題だと悟り、特殊工作部隊U.S.Sか、場合によっては隊長以外人造生物で構成されている掃討部隊U.Tを派遣しようか焦りながら考える…。

すると監視室に来てくれと呼ばれ、孤児院内を映したモニターを見て驚愕した。そこには黒いボディスーツをまとった180センチの青白い髪と肌をした女が孤児院フロアの床を突き破ったかと思うと、両手を叩き60号シリーズ達を痙攣させ一瞬で制圧したのだ。

 

 

それを見たウィリアムは「美しい…。直接的な武力を行わず的集団を制圧する人型兵器…。ク…クク…!誰だあれを生み出したのは?」と嬉しさと嫉妬の入り交じった声で隣にいた研究員に尋ねる。

「いえ…わかりません…。情報漏洩の為誰かさえ解らな…」と言いかけたためウィリアムは拳が白くなるまで握り喉が腫れるほどの大声で罵声をあびせた!

「誰だと聞いてるんだッ?!アレクシアか?ビンセントか?モーフィアスか?アイザックスか?キャメロンか?!さあ!誰だぁ!!」と凄む。

研究員は震えながら「私にも解らないのです…!知ることさえ、それよりも博士!いい案があります!」

ウィリアムは「なんだ?」と睨み返す。「あの女を越える究極の生物兵器を生み出しましょう!そうすればあの女を生み出した研究者も悔しがるはず!」と震えながら提案する。

 

「そうか…ありがとう。究極の兵器か…素晴らしい…!」ウィリアムは先ほどの怒りが嘘であるかの様に優しい顔になり、罵声を浴びせた研究員の肩を優しく叩く。そしてモニターに映るヴォーパルに言い聞かせる様に「名はそうだな…Tウィルスの頭文字から取って…タイラントという名前にしよう!」

更にウィリアムはある事を秘めていた、それはリサ・トレヴァーという実験体の女の体内で発生した未知のウィルスを完成させること…。

 

そうすれば幹部はおろか次期総帥も夢じゃない!と野望を抱いていた。

 

そのウィルスの名は…Gウィルス。

 




実験体70号シリーズのクロエに剥製とは違う生きた生物という好奇心を抱いたヴォーパル。彼女は鎮圧という命令を忘れ、クロエを持ち去ろうとする。果たしてクロエの運命は?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。