異世界でロードアウトを組んで生き残る~FPSゲーマーの転生記~ 作:眼鏡丸
結局閉店間際まで飲み食いし、翌日。
今回は二日酔いはしていない。反省したのだ。
ユウとレンも今日は休みのようで、朝ごはんを食べたあとはゆっくりしている。
さて、そろそろギルドに行こうかと家を出ると、ライカと会う。
昨日判明したことだが、家が近くだったのだ。
ライカも二日酔いなんて全く感じさせない様子だ。おかしい、倍以上飲んでたのに。
挨拶を交わし、いい依頼が残ってるといいな、なんてのほほんとギルドへ向かう。
ギルドに入ると、様子がおかしい。
受付嬢の二人も慌ただしく動き、普段は解体をしている職員も荷物を運んだりとバタバタしている。
冒険者たちも依頼を受けずに留まって、何かを待っているみたいだ。
なんだ?
ライカと顔を見合わせるが、何も知らないようだ。
奥からバタバタとランバートさんが出てきた。
「おお!いたか、お前ら!悪いが、ちょっと来てくれ!」
呼ばれたので奥に向かう。
ギルドの奥は書類を保管している部屋や解体場につながる扉や階段があり、ランバートさんに案内されたのは2階の奥にある部屋だった。
入ると執務室兼応接室なのだろう。
部屋の中央には革張りソファと机、部屋の奥に執務机があった。
「悪いな、茶を出したいところだがそんな状況じゃない。」
「どうしたんだよ、オッサン。そんな慌てて。」
「まずは二人に話しておこうと思う。
昨日、ゴブリンの討伐に行ってもらったよな。他の冒険者たちにも行ってもらったんだが、あちこちで中規模以上の集落が確認された。」
「たまたまゴブリンが多くいたんじゃ?」
「いや、怪しいと思ってギルドの調査員を出したら、森の奥に超大規模の集落が見つかった。
ファイブはまだここにきて浅いから知らないかもしれないが、廃砦のところだ。」
「廃砦?」
「戦争の名残だよ。ここは国の中では辺境なんだが、隣の国が大回りしてこの町から攻め入ろうとした時があった。その時の砦が一応ってことで残してたんだが、ほとんど廃墟になってたんだ。」
なるほど、話が見えてきた。
昨日、集落を後始末した理由。廃墟となった砦。十中八九ゴブリンが”再利用”したのだろう。
「それで偵察にいった奴の話では、少なくとも1000体以上はゴブリンがいるだろうって話だ。上位種の姿も確認されている。ゴブリンキングもいるかもしれない。」
「オッサン、そのデカさの集落ってことは…」
「あぁ、人間が捕まっている可能性が高い。近くを通る商人や、砦の奥には小さいが村がいくつかある。調査員の報告だと…」
「ダメだったか。」
「あぁ…それでも生き残りがいるなら救わなきゃならん。」
昨日俺たちが潰した集落は、どうやらこの町に向けた前線基地のようなものだったらしい。
「ライカ、ファイブ。お前らには冒険者たちの中でも戦闘の主軸となってほしいと思っている。今回はシルバーランク以上の冒険者は強制で出動としている。ブロンズ以下は万が一のために町の避難誘導要員だ。」
「ライカはゴールドランクなんでわかるが、俺もか?」
「あぁ、別に軍のように指揮しろっていうわけじゃねぇ。だがお前の魔道具を考えると、弓矢より遠距離から確実に仕留めれるはずだ。予想だが、新しいほうの魔道具だと群れたゴブリンどもを蹴散らしもできるだろう?」
新しいほうの魔道具はMP5のことだろう、
すごいな、演習場でちょっと試射を行っただけなのに、そこまでわかるのか。
顔に出ていたのか、ライカが教えてくれる。
「このオッサンはこれでも元プラチナランクの冒険者だ。修羅場はアタシなんかよりよっぽど潜ってる。変わった魔道具も結構見たことあんのさ。だろ?」
「まぁな。威力は実際俺も見た。だからファイブは遊撃に回ってほしいんだ。
ライカは中央突破だな。」
つまり、全体を見ながら足りないところを補えと。
難しいことを言う。
言うが…案はある。
昨日の報酬で貯まったCPでARの購入だ。
「わかった。なら新しい魔道具を使う。少しだけ演習場を借りたい。」
「あぁ…構わねぇが。あまり時間はないぞ。」
「わかってるよ。」
そう言い執務室を後にする。
演習場につくと早速アサルトライフル一覧を探っていく。
必要なものは一発当たりの火力、そして射程。
欲を言えば、状況が読めないのである程度汎用性があること。
あった。
今不足している部分を補い、汎用性の高いアサルトライフル。
SCAR-H
7.62mm弾を使用しているため火力は十分。
上下左右につけられたレールでは、シーンに合わせて様々なアタッチメントを装着できる。
中遠距離で、必要な時に必要な個所に必要な火力を送り込める、そんな銃だ。
そしてなにより、FPSゲームでの愛銃である。
早速購入し、まずはアイアンサイトでADS。
セミオートで試射を行うと的は吹っ飛んだ。
そりゃそうだな。
フルオートも試射を行い、ゲームで散々聞いた銃声が鼓膜を揺らす。
不謹慎かもしれないが、テンション上がってきた。
リコイル制御もゲームで覚えてる感覚でできる。
ほぼぶっつけ本番で実践でつかうことになるのだが、不安が全くない。
愛とは偉大なり。
満足のいく試射を行った後、いくつかアタッチメントを追加購入、装着した。
ゲームだとあんまり使わないものも一応装着。見た目がゴツくなった。
今回はサプレッサーは無しだ。どうせ隠密性なんて必要ないし、味方に音でわかってもらったほうがいいだろう。
倍率が少し高いスコープを採用し、MP5との運用を切り分ける。
弾薬やマガジンなんかもきっちりと補充した。
リグのポケットが足りなくなってきた…
そうして20分ほどを演習場で過ごし、受付スペースへ戻っていく。