勇者と竜王、二人がどんな話をするのか、自分が読んでみたくて作ってみました。

 全部自分でつくると自分の趣味嗜好が入りすぎるので、AIに全体の骨格を用意させ、自分が肉付けした感じです。

 完全に自己満足のお話なので、戦闘は一切無しです。

 AIの使用には様々な意見があると思いますが、自分がみてみたい短編を作らせて、自分が楽しむには有効だと思ってます。

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 自分が読んでみたくて作ってみました。

 全部自分で作ると自分が楽しめないので、AIに骨格を作らせて、自分が肉付けした感じです。

 AIの使用には様々な意見があると思いますが、自分がみてみたい短編を作らせて、自分が楽しむには有効だと思ってます。



夢の中の対談、或いは妄想 勇者と竜王 BAR竜王の城にて

 

「お前が来るのは、いつもこの時間だな、(りゅうおう)」

 

若い男が、磨き上げられたカウンターの向こう側に向けて声をかけた。

 

男の名はアレフ。

 

かつて世界を闇に閉ざそうとした巨悪を打ち倒し、アレフガルドに光を取り戻した伝説の勇者である。

 

しかし、今の彼は、どこか色褪せたバーのマスターとして、静かにグラスを拭いている。

 

「クク……。夜の帳が下りねば、我らは相容れぬ。そうであろう? 勇者よ」

 

低く、地を這うような声が返ってきた。

 

店の最奥、薄暗い唯一のボックス席に腰掛けているのは、紫のローブを身にまとった大柄でダンディな渋い男。

 

かつて竜王の城の玉座で世界を震撼させた、邪悪の化身――竜王の人間態だった。

 

ここは、現実と幻の狭間に存在する不思議な酒場、『BAR竜王の城』。

 

看板もなければ、地図にも載っていない。

 

ただ、かつて命を賭して戦った二人の魂が、眠りに落ちた夜にだけ交錯する「夢の中の対談」の舞台である。

 

勇者アレフは、手元で琥珀色の液体を琥珀色のグラスへと注いだ。

 

氷がカランと涼しげな音を立てる。

 

彼はそれをトレイに載せ、静かに竜王の席へと運んだ。

 

「『ラダトーム・サンセット』だ。強い酒だが、お前の口に合うかどうかはわからないな」

 

「ほう、かつて我が呪いの炎で焼き尽くそうとした、あの忌々しい城の名を冠するか。皮肉が利いているな」

 

竜王は不敵な笑みを浮かべ、長い指でグラスを取り、一口すすった。

 

「……フム。悪くない。喉を焼くような熱さの後に、かすかな甘みが残る。まるで、あの時の『光の玉』の輝きを思い出させる味だ」

 

「それは光栄だな。元引きこもりの魔王に褒められるとは」

 

アレフは竜王の向かいの席に腰掛けた。

 

二人の間に流れる空気は、かつての死闘が嘘のように静かで、しかしどこかぴりっとした緊張感を孕んでいる。

 

「引きこもり、か。手厳しいな。私はただ、我が城で静かに世界の半分を統治する計画を練っていただけだ。それを、たった一人で乗り込んできた無礼な若造に台頭されたのだから、たまったものではない」

 

「無礼なのはどちらだ。世界の半分をやるから味方になれ、などと、どの口が言ったんだ? 私はあの時、本気で耳を疑ったぞ」

 

アレフが苦笑しながら言うと、竜王はグラスを回し、氷の音を楽しんだ。

 

「あれは私なりの、最大の慈悲であり、合理的な提案だったのだぞ? アレフガルドの人間どもは、常に何かを恐れ、互いを妬み、奪い合っている。ならば、私が闇を以てすべてを統括し、お前のような傑出した英傑に半分を分け与えて管理させる。それ以上の平和がどこにある?」

 

「お前の言う『平和』は、誰も声を上げられない恐怖の静寂だ。人間は確かに不完全だし、間違いも犯す。だけど、誰かに支配されるために生きているわけじゃない」

 

「綺麗事だな、勇者よ。現に、私が倒れた後の世界はどうだ? お前がもたらした光ののち、人間たちは本当に幸せになったのか?」

 

竜王の鋭い眼光が、アレフの瞳を射抜く。

 

アレフは一瞬、目を伏せた。

 

その問いは、彼が現実の世界で常に抱え続けている、小さく、しかし決して消えない刺(とげ)だったからだ。

 

「……完璧な平和なんて、最初から求めていないさ」

 

アレフは静かに答えた。

 

「私が旅をしていたとき、出会った人々は皆、怯えていた。けれど、誰もが明日を諦めていなかった。ラダトームの兵士も、ガライの街の詩人も、マイラの村で温泉に浸かっていた男たちも……みんな、自分の足で立って生きようとしていたんだ。私は、その『生きようとする意志』を守りたかった。ただそれだけだ」

 

「意志、か。脆く、移り気なものを信じたものだな」

 

竜王は鼻で笑ったが、その言葉に棘はなかった。

 

彼は二口目を飲み干し、背もたれに深く身を預けた。

 

「だが、認めざるを得んな。お前のその『意志』の強さが、我が竜の鱗を貫き、呪いの炎を消し去ったのだからな。あの時、ロトの剣を持ったお前が玉座の前に現れた瞬間、私は久しぶりに震えたのだ。恐怖ではない。期待に、な」

 

「期待?」

 

「そうだ。私に並び立つ者が、ようやく現れたという期待だ。だからこそ、世界の半分を提案した。お前とならば、神の創りしこの不条理な箱庭を、より高みへと導けると思ったのだ、ただし………」

 

「ただし?」

 

「あの言葉には呪い(まじない)が掛けてあった。世界に対する呪いだ」

 

「呪いだと?」

 

「そうだ、希望と言っても良い」

 

「勿体振るな、まどろっこしい」

 

「要するにだ、我に比肩する力…、武力だけではないぞ、心も含めて世界を背負うだけの力を、気概を持つかどうか。もし、力足らずな身の程知らずであれば永遠の暗闇に囚われる呪いだ」

 

「それだけの呪い、断られてさぞかしプライドが傷ついたろうな」

 

「ククク、全くだ。世界の半分を蹴って、私の首を獲りに来るとは。おかげで私は、真の姿を晒して暴れる羽目になった」

 

二人は、どちらからともなく小さく笑った。

 

かつて世界を二分する戦いを繰り広げた当事者同士にしか分からない、奇妙な連帯感がそこにはあった。

 

ドラゴンクエストⅠという、たった一人の勇者と、たった一柱の竜の物語。仲間もいなければ、複雑な連携戦もない。

 

ただ一対一で、世界の命運を賭けて向き合った二人だけの記憶だ。

 

「なぁ、竜王。お前は今でも、世界を滅ぼしたいと思っているのか?」

 

アレフの問いに、竜王はグラスを見つめたまま、しばらく沈黙した。

 

「滅ぼす? いや、違うな。私はただ、形を与えたかったのだ。人間だけが覇権を握る世界に、それ以外の者による絶対的な秩序という形を。だが、お前に敗れ、こうして夢の狭間で過ごすうちに、少しばかり考えが変わった」

 

「どう変わったんだ?」

 

「お前が守ったあの頼りない光が、どこまで続くのかを、特等席で見物してやるのも悪くない、とな。もし、人間どもが自らの愚かさでその光を消すようなことがあれば……その時は、私がいつでも世界の全てを貰い受ける。半分ではなく、全てをな」

 

「そうか。なら、私は現世(うつしよ)で、お前にそんな隙を与えないように、人々の中に光を繋ぎ続けなきゃいけないな」

 

アレフが立ち上がり、自分の分のグラスに、今度はノンアルコールの炭酸水を注いだ。

 

「まだ夜は長い。もう一杯、付き合えよ。次は、『ドムドーラの砂漠』をイメージした、少し辛口のやつを作ってやる」

 

「フッ、いいだろう。ただし、今度は世界の半分に値するほどの、極上の味を期待しているぞ、マスター」

 

カウンターの向こうとこちら側。

 

かつての敵同士は、夢が覚めるその瞬間まで、言葉という名の剣を交わし続ける。

 

夜明けが来れば、彼らは再びそれぞれの現実に帰り、勇者は光の道を、竜王は闇の底を歩むのだろう。

 

しかし、この『BAR竜王の城』がある限り、二人の魂が孤独に震えることはない。

 

遠くで、夜明けを告げるラッパの音がかすかに響いたような気がした。

 

夢の終わりは近い。だが、二人の対談は、まだ終わらない。

 

 

 

           ~fin~

 

 

 





 大人に成ってストーリーを読むと同じ話でも子供の頃とは別の見え方があるのに気付かされます。

 ドラクエ2次で戦闘が全く無い話が一つ位あっても良いかな。

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