【完結済み】SF世界に転生したら人類どころか人外で人類史の空白だった件~人間じゃないけど超優秀な配下を従えてます~   作:黴男

136 / 136
136-パワーコア・ディスラプター

『ジアン様、後退命令が発令されました』

「何故だ?」

 

Ve’zワームホール内に停泊していたジアンは、クロペル共和国軍司令官の報告に首を傾げる。

 

『不明です。ただ、指定された範囲から離脱せよ、と.....』

「何かする気でしょう、強者に従うのも戦士の務め。策があるのであれば乗るべきです」

『はっ! 全艦隊を後退させます』

 

同時に、オルダモン艦隊もラエリス艦隊から離脱し、後退していく。

 

『敵艦隊、後退していきます』

『Ve’z艦隊は依然沈黙!』

 

そして、連合軍の残党の内部で通信が響く。

生存している司令官はオーベルンのカルナートゥイエ助祭だけである。

助祭は、艦隊中に司令を飛ばす。

 

『全艦隊、再集結せよ。艦隊を再編し、撤退戦に備えるのだ』

 

それは、至極真っ当な判断であった。

だが、Ve’zの思うつぼでもある。

そうとも知らずに、艦隊は友軍の残骸を避け、密集隊形へと陣形を変更し始めるのであった。

 

 

 

『エリガード、本体とのリンクを確立』

 

僕はカプセルの中で眠っていた。

周囲の液体は、精神波をより伝導しやすくする液体である。

エリガードの操縦は、人間の使うコンソールではなく、マインドリンク....精神同調により行われるのだ。

 

『係留解除』

 

エクスティラノス達はこの巨大な機体から装備を分離し、普段使いしているが.....僕はたまにしか使わないので、船と一つになるという感覚には慣れない。

 

『ジャンプドライブを起動する』

 

Ve’zの空間操作技術は時間にも干渉できるほどだ。

なら地球に戻れるのではないかと思ったのだが、観測できない領域には到達できないようだ。

僕はジャンプドライブを起動し、何十もの星系を超えてシルターエルト星系の、連合軍艦隊のど真ん中に直接ジャンプする。

 

『........』

 

物体が重なった事で、シールドが少しだけ減衰する。

逆に耐えられなかった連合軍の艦船は、その部分が抉られて爆発した。

 

『パワーコアディスラプターにエネルギーを充填、出力最大で起動する』

 

エネルギー増幅波の照射は、たった一度だけだ。

だが、たった一度で充分だ。

今、連合軍の艦船のパワーコアのエネルギーが1、最大値が100しかないとすれば、この増幅波はそのエネルギーを200倍にする。

それだけなのだから。

増幅波が艦隊全体に到達し、急激な熱量増加の後に幾つかの小型艦が自爆した。

逆に大型艦は何も起こっていないように見えるが、内部の熱量が急速に拡散し、冷えていく。

 

『敵艦隊の無力化に成功。帰還する』

 

僕はエリガードを再ジャンプさせ、アロウトに帰還した。

エリスの時は長く留まらざるを得なかったが、本来はエリガードはこういう役回りの船なのだ。

 

『同盟軍全体に通達する。シルターエルト星系の艦隊は沈黙した。共和国、連邦軍は通常通り帰還せよ。スカベンジャーノクティラノスを出撃させ、遺体の作成と回収を行え』

 

僕はそう命じる。

今回、各国に力を示すために一つのプランを実行しているのだ。

遺体は欠かせない。

 

『両軍の司令官は情報共有の後、報告書を提出せよ。諸君らの健闘に称賛を送る』

 

命令とはいえ、ちゃんと戦ってくれたのでお礼はしておく。

これで、損得勘定による盟約は成立したと言っても過言ではないだろう。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

TS女神の地球救済政策 ~26年かけて異世界を救った元勇者、絶世の女神になって帰還したら地球が滅びかけていたので、ダンジョン災害で救います~(作者:TS女神)(オリジナル:現代/冒険・バトル)

高校二年生だった高瀬悠真は、気まぐれな邪神によって異世界へ放り込まれた。▼そこは魔王によって人類が最後の一国まで追い詰められた、滅亡寸前の世界。▼それから二十六年。▼勇者となった悠真はついに魔王を倒し、さらには自分を異世界へ送り込んだ邪神まで撃破する。▼しかし、その代償――というより邪神からの余計な置き土産によって、悠真は絶世の美女神へと姿を変えてしまった。…


総合評価:2812/評価:8.45/連載:28話/更新日時:2026年11月06日(金) 07:05 小説情報

【TS】世界樹から実ったハイエルフ(中身は元社畜)、八百年ぶりの上位種として崇められていますが、人間の町でのんびり暮らしたいだけです(作者:月白イツキ)(オリジナル:ファンタジー/日常)

目が覚めたら、木の実の中だった。▼過労で倒れた元社畜が転生したのは、世界樹から八百年ぶりに実ったハイエルフ。銀髪の美少女になったうえ、数百人のエルフに神様扱いされてしまう。▼けれど、欲しいのは玉座でも永遠の礼拝でもない。熱い串焼きと、気安く話せる相手と、のんびり暮らせる場所だ。▼精霊たちを共犯に神殿を抜け出したリアは、辺境の町で赤毛の剣士マルタと、腹ぺこの少…


総合評価:1116/評価:8.76/連載:43話/更新日時:2026年10月30日(金) 08:10 小説情報

【TS】神様のミスで死にましたが、補償内容が羞恥プレイなんですけど(作者:もろきゅー)(オリジナル:ファンタジー/コメディ)

寝て起きたら死んでました。▼女神様の手違いであの世行きになった、普通のサラリーマンの俺。▼お詫びとして異世界転移させてもらえることになった……までは良かったんだが、▼どうして俺の姿が、女神そっくりのハイレグ美少女戦士なんですか!?▼おまけに渡されたのは、やたらと物騒な髑髏の魔剣と、勝手に装着される露出度の高すぎる鎧。▼目立たず平穏に暮らしたいだけなのに、冒険…


総合評価:1279/評価:8.29/連載:138話/更新日時:2026年10月30日(金) 17:00 小説情報

TS異世界転移したので最強無双ダウナーお姉さんごっこをします(作者:ゆきゆき(ダウナーお姉さん(本物)))(オリジナル:ファンタジー/冒険・バトル)

大学生の主人公は、いつの間にやら美女ボディで異世界に居た。でっけぇ胸にでっけぇ夢を詰め込みながら、彼……あるいは彼女はこう考える。▼「ダウナーお姉さんごっこがしたい!」▼片手には小さな竪琴を。もう片方の手は握り締めて敵をぶん殴る。▼吟遊詩人系TSダウナーお姉さん(要審議)の爆誕である。▼カクヨムでも掲載しています。


総合評価:1437/評価:7.98/連載:32話/更新日時:2026年10月26日(月) 07:01 小説情報

転生したら異世界の宇宙最強の龍でした!〜0から星と生命を作り出して一大文明の支配者になったので現代日本へ帰還します。自分は日本が一番暮らしやすい。〜(作者:電動ガン)(オリジナル:現代/コメディ)

目覚めたら無だった。何も無い。宇宙さえも。自分の身体を見る。銀色の甲殻、長い尻尾これモンスターだ!?よく見ると俺の他にも二頭のモンスターが。ドラゴンだこれ!!▼俺たち三頭の女神龍は宇宙創成の前の世界にいる。俺たちを生み出した主神の指示で世界を作り生命を繁栄させることとなったけど・・・・・・それ何年掛かるの?▼何億年も掛けて生命が宿れる星を何個も作り、失敗し、…


総合評価:2990/評価:7.61/連載:147話/更新日時:2026年10月22日(木) 10:01 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>