いつも仲良くしてくれる彼らに、これからも頑張れるように書かせてもらいました!
読んで見て、面白いと思ってくれたら嬉しいので、どうかご覧下さい!
……つまらなかった。
中学生の僕、佐々木 真武(ささき まなぶ)はもう世の中に飽きて、未来に楽しみなんてないと思っていた。
クラスメイトの目指したい夢を聞くと、
(ほんと良く見つけられるよ……)と思い、少し羨ましく感じていた。
ただ通学して、勉強、部活をし、そして、帰宅するといういつもの日常しか僕は思い付かなく、きっとつまらない人生を歩むんだなと決めつけていた。
学校から帰宅して、何気なくテレビを点ける。
どうせ放送されてるのは面白くない番組だろうなと僕は思っていた。
……その時、初めて僕の興味を惹かれる3人組と出会う。
爽やかな青でヘッドホンを首に掛けているバンドマンのお兄さんと和風の服装をし、その姿はまるで新撰組にいたお姉さん、最後の一人はレッサーパンダみたいな可愛い姿の女性の3人組であった。
そんな彼らは様々なジャンルで活躍し、多くの人達を魅力する芸能人であり、段々と世の中に浸透し始めていた。
──その多くの人達の1人に僕も今、その1人になる。
彼らの1つ1つの動きは輝いてるように僕は見え、じっとテレビを見ていた。
音楽であれば盛り上げ、ドラマであれば迫力あるシーンを撮られ、少し明るかった外が気付いたらもう暗くなっていた。
ここまで僕が夢中で見れたのは久々で、僕自身でも驚いていた。そして、テレビを見終えた時
──ここで働きたい!
そう夢を見つけ、彼ら『stars』と共に働ける事を目指し、僕は努力するようになった。
そうして月日が経ち、真武は20歳となり、そして、念願の芸能事務所『stars』にスタッフとして入る事をが出来、これから初勤務として、事務所の中を動いていた。
舞台などに上がる芸能人とは違い、スタッフは目立たない裏方の仕事であるが、それでも学は心をワクワクしていた。
(やっと……入れた!!もしかして目の前でまおさん、桜陽さん、サランさんを実際に見れるかも!!)
と真武は若干オタク気質になっており、キビキビと動いていた。
とりあえず最初の仕事は清掃を始めており、芸能人達が使った机などを真武は吹いていると、誰かが声を掛けてくる。
「お?君が新しく入ってきたスタッフさん?よろしくねぇ~」
と、とても親しく話しかけて来る。
真武は一体誰だろうと振り返ると、話しかけてきた人に目を見開いてしまう。
──それは、真武を魅了した憧れの芸能人、 笹紅まお の姿だった。
憧れの人が目の前にいる事に真武の頭の中はパニックになり、あまりの緊張に体がガタガタと軽く震えていた。
あまりの震えに まお が、「え!?めっちゃ震えてるやん大丈夫!?」と驚かれてしまった。
「ああああ大丈夫ですぅぅぅ」
とまるで携帯のバイブのように震える真武。
まお は最初心配していたが、段々とは笑えてきてしまい、何とか口を塞いで笑わないように頑張っていた。
「まおちどうした~?」
「君が新しいスタッフさんか~、お勤めご苦労」
と まお の後ろから2人の声が聞こえ、真武は後ろへ視線を向けた。
そこにいたのは、ビジュアル系バンドでドラムの担当する爽やかなイケメンの サラン 。
ドラマ『女性剣士沖田、新撰組に属す』の主人公、沖田総司を演じ、人気が伸び続けている 沖田 桜陽(おきた はるひ)の2人がそこにいた。
まさかとても好きになった芸能人、まお サラン 桜陽 の3人が目の前にいる事に、 真武の身体が大きく震え、やがて……
──バタンッ!!
倒れてしまった。
例えるなら、推しの3人が丁度揃い、目の前にいる事で「尊死」という感じで倒れたのだ。
急に倒れた真武に まお 達3人は驚き、急いで真武の看病し始めた。
……まさか初出勤で倒れるとは、と真武自身でも驚いていた。
「ほんと君大丈夫??」
と心配そうに声をかける サラン 。
それに対し、真武は鼻を抑え、「大丈夫です。むしろ憧れの3人が目の前で見れて、興奮し過ぎました」
と、キリッとした顔で話す。
「「「お……おお……」」」
そう話す真武に、まお 達3人は若干引いており、(とんでもないスタッフ来たなぁ)と思っていた。
ふと まお はこの部屋にある時計へ目を向ける。
今の時間は2時30分と指しており、「お?そろそろじゃん」と話す。
そう話す まお に真武はこれから何かあるのかな?と察していると、
「そうだ!これから真武、うちら舞台の練習を始めるけど、来る?これもスタッフの経験として学べるからさ、もしも来るなら、真武に仕事教えてた人に伝えるから、安心してね☆」
そう まお 誘われる。
まさか誘われるとは思わず、(え!?この僕が誘われた!?嘘でしょ!?)と今、夢を見ているのかと思っているぐらいに取り乱しそうになった。
だが、ここでまた倒れたらいけないと、真武は心を何とか落ち着かせ、耐える事が出来た。
そんな まお の誘いに対し、真武は元気よく、
「はいッ!!行かせて下さいッ!!」
と答える。
元気に返事をした真武に、3人は微笑み迎えてくれた。
まお 達は事務所から車で移動し、残り数日で始まるドラマの撮影場へ着く。
今回のドラマは、なろう系で若い層から人気になり始めてる小説からで、物語は平凡に過ごしている高校生の主人公が、ある日、友達から『survive』というゲームを誘われ、そこから非日常の世界に迷い込むという物語だ。
主人公は本心を隠して、周りと合わせて過ごしている引っ込み思案だが、非日常に巻き込まれ、そこで仲間と共に心を成長していくのが売りであった。
真武もこの小説をとても好きで、実写ドラマすると噂で聞いた時は、とても喜んでいた。
撮影場はまるで本物と似た学校を用意し、まずは最初の学園生活から始めようとしていた。
まお 達と他の役者達もおり、それぞれスタンバイ始める。その中、サランさんも出演していて、「行ってくる~」と爽やかに手を振り向かった。
最初の舞台は、主人公がいつもの日常がつまらないと思い、教室の窓から空を見ている時に、友人が声を掛けてくるというシーン。
そのシーンに早速サランさんが友人役として出演する。
そう始まると思った瞬間……
──ガシャンッ!!
急に天井から照明が落ち、主人公役の人がその下敷きになる。
まさかの事故の発生に、全員が下敷きになった俳優さんを急いで助け出した。
命の危機ではなかったが、足を怪我し、このまま演じる事が出来なかった。
何故照明が落ちてきたのかは、点検ミスで、この照明はかなり古く、電線が何時でも切れそうな程弱くなっていたからだ。
まさかの事故にその場にいた全員が驚いていて、主人公役が居ないと、残り数日しかないこの撮影はどうすればいいのかと悩み、もしかして間に合わないという絶望が周りの空気を重くする。
主人公役の人は「クソッ!!」っと今動かす事が出来ないを殴り、悔しがっている。
段々と皆の顔が暗くなり始め、これからどうするかと話し合い始める中、真武も考え始める。
(折角ここまで準備出来たのに、こんな事になるなんて……もし、もしもこれで皆が助かるなら、やるしかないッ!!)
──すいませんッ!!
皆が難しい顔をしている時、真武は大声で話す。
いきなりの大声で、皆の視線が真武へと集中する。
あまりの視線の数に、かなりプレッシャーを感じ、少し呼吸をするのが苦しくなるが、それでも真武は思った事を話す。
「もしも、僕が主人公を演じられるでしたら、代わりに出演すること可能ですか……?」
そう心配そうに話す真武に、監督は叱る。
「素人がやれるわけないだろ!!こんな時に変な事を言うな!!」
「いや!!僕なら出来ます!!このドラマの小説を愛読し、全ての流れを覚えてます!!」
そう言い返す真武の目は真っ直ぐに監督を見つめ、その目に監督は揺れ始める。
「……へぇ、言うじゃん真武」
と まお は後ろから真武の左肩を叩き、隣に立つ。
急に話しかけられた事に真武は驚いているが、それを横目に、まお は監督に話す。
「こう言ってくれてるし、やらせて見ない?この責任は私たちstarsが持つから」
と勧める。
まお の口から出た事に、真武は目を大きく開く。
まお だけでなく、桜陽とサランも続いて、
「私からもお願いします」
「僕からもお願い、もし真武が困ったときは僕がサポートするから」
と勧めてくれる。
3人から勧められて、真武はまさか大物3人がこんな僕を勧めてくれるとは思っておらず、驚いてしまうが、この3人が味方になっている事が、真武の心は温かくなる。
そう力強く押された監督は、
「~~んん、わかったよッ!やってみな!」
とOKを貰えた。
OKを貰えた真武は心の中でホッとなり、主人公役であった役者から「……頼んだぞ」と託される。
撮影を始める前に、これから真武のメイクアップが始まる。
メイクリストさんが真武へ化粧を施し、あの眼鏡の付けた何処にでもいる目立たない青年が、アニメや漫画に出てくる好青年へと変貌を遂げる。
真武自身もこう変わる事には全然思わず、メイクアップし終えた時に鏡を見た瞬間、「おお…」と驚きの声を上げていた。
主人公へと変わった真武の姿に、
「似合うじゃん☆」「かっこ良くなったね」
「いいじゃんいいじゃん!!」
とまお、桜陽、サランの3人は褒めていた。
褒められた真武は、少し照れ臭くなり、顔が赤くなりそうになっていた。
「……ところで、真武は本当にやれるの?信じてるけど、いきなり初めて舞台に立つってすごいプレッシャーになるよ?」
と直ぐに まお は仕事モードになり、そう質問をする。
まお の質問に真武は少し考えながら答える。
「……主人公の動きやセリフは大丈夫で覚えてます……だけど、きっと演じる時の感覚はすごい緊張すると思います」
「昔、まおさん達と同じようになろうと、演技を一生懸命にやってたけど、どうも まおさん達みたいに輝けないと感じて、僕は出来ないんだなと感じたんです」
そう話す真武の声は先ほどより段々と弱くなる。
そんな真武の姿を3人は、きっと自信がないんだなと3人は感じていた、
「だけど、今は頑張ってやらないといけないと思った。折角準備出来たのが一瞬で台無しになってしまうのが、もう見てられないから……」
と、真武は強く手を握る。
その握った手はこれから舞台で動く事に対するプレッシャーの緊張感で震えていた。
自分達の為に、真武は何とかしようと勇気を出してくれた事にまお達は微笑んでいた。
そんな真武に まお は腰に携えたバックからあるものを取り出し、それを真武へ手渡す。
真武は急に まお が何かを渡された物を気になり、手を広げ、確認する。
「……星のコンタクト?」
それは まお と同じ瞳になれるコンタクトであった。
どうして渡してきたのだろう?と真武は疑問に思っていると、「真武、それをあげるよ☆」と まお は話す。
「え?何で?」
「今の真武は、かなり緊張していて、きっといい演技出来ないと思うんだ。だから、それを着けてれば、私たちが傍に入れると思えるし、おもいっきりやってこいっという勇気を与えられって思ってね!☆」
そう真武の背中を まお が押す。
いいや、まお だけでなく、サラン、桜陽もしっかりと真武へ見つめ、3人が真武の背中を押した。
そんな3人の温かい優しさに、先ほどまで震えていた手は収まり、強いプレッシャーも無くなっていた。
「よし!頑張ってきて!☆」
「はいっ!!」
そう まお は送り出し、真武は元気に返事をする。
サランも同じく出番なので、「一緒に頑張ろう!」と互いに高め合い、2人は舞台へ向かう。
そこからの真武は凄かった。
一回も演技の練習をしてない筈なのに、しっかりと主人公が言うセリフを一言も間違えず言え、堂々とした演技に本当の主人公がいると思うほど、この場の全員が見惚れていた。
そして、まお から貰った星のコンタクトを着けており、その星が輝いて見えていたという。
そして、無事に撮影は終え、真武の超人的な記憶力に全員が驚いていた。
「……いいじゃん真武☆」
と最後に まお はニヤッと何かを思い付いたように笑っていた。
……撮影を終えて数日後、撮影されたドラマはテレビで放送され、原作の小説を読んでいた人達が楽しみに見ていた。
結果はまだ見たい!次が楽しみ!っと好評であった。
特に主人公役の演技が、小説の主人公が本当に居るみたいという感想が多かったという。
好評であった事に真武は良かったと心の中で喜んでいたが、ある新聞を見て驚き、急いで まお 達がいる部屋まで向かう。
まお、桜陽、サランはある新聞を見ていた。
その新聞を見て、
「うん、しっかり書かれてよい☆」
「これはいきなり過ぎるけど、真武のあの演技には入れたいの分かるな~」
「僕も同じく同意」
と、話し合っていた。
ドタドタと廊下から聞こえてから、部屋の扉を思い切り開けた人がいた。
それは真武であった。
真武はゼェゼェと息を切らし、3人に向けて新聞見せる。
「これどういう事ですか!?」
新聞に載せられていたのは……
『stars』所属 佐々木 真武
そう書かれていたのだ。
確かにstars には入っているが、真武の主な仕事は裏方の仕事で、まお 達みたいな芸能人になった覚えが無かったので、こうして急いで来たのだ。
それには まお は「あ~それは」っと言い、これから驚きの事を話す。
「真武、スタッフから芸能人に採用ね☆」
「……へ??」
まさかの情報に真武の頭の中は処理が追い付けなかった。
「これから宜しくね真夏君」
「僕たちと一緒に頑張ろう!」
そう桜陽とサランも迎え入れようとしていて、真武は逃げられなかった。
「よし☆これで新たな仲間が増えて良かった」
と まお は喜び、それに対し真武は「ふぇぇ」と情けない声で少し泣かそうになっていた。
これから真武は芸能人として走り始めたのだ。