ゼンドウ~鬼畜スキル『女子大生を安く買える』が最低過ぎて尊い。30円で購入したチート女子大生軍団でダンジョンを蹂躙する勘違いピカレスク~ 作:閃幽零
13話 あまりの怒りで、スキル『女子大生を安く買える』が進化!!
信じられない。
本当に信じられない。
あの夜城院優聖とかいうイカれたバカ男……
世界の王である、この僕の顔に……ツバを……
そこで、夜城院は、ジョカに、
「はやく目をさませ、ジョカ。お前は強くて美しい。俺と共に戦うべきだ」
そう言って、去っていく。
僕は、頬に張りついたツバを、ゆっくりと、手の甲でぬぐった。
「怒りが灰になる。……冷たくなっているよ……ここまでくると、逆にね」
じくじくと痛む腕の響きすら遠く感じる。
頭の中で、何かが、ぐつぐつと煮え立っている。
耳の奥で、自分の鼓動だけが、やけに大きい。
視界の端が、白く点滅する。
全身の血が、沸騰しているような感覚。
怒りの熱量が、限界を超えて、逆に、冷たく澄んでいくような、奇妙な静けさ。
そこで、
――ネクラロリコンスキル『女子大生を安く買える』が進化!!
スキル2『購入した女子大生を調教できる』を獲得!!
僕の可能性が沸き立った。
世界が僕にささやく。
……復讐を果たせ、と。
購入した女子大生を調教し、あのクソを殺せと……
僕は、地面に転がっていた自分の腕を拾い上げると、
「ジョカ……この腕をなおせ」
と命令するが、ジョカは首を横にふり、
「わちは前衛型だから、回復スキルとかは使えないですよぉ」
「そうか……」
仕方なく、僕は綾大路に、
「回復系の力をもっている奴を紹介してくれ。いるだろ。ヒーラーも。……あんたの組織のトップランカーが、理不尽に切りかかってきて、僕は、こんな大ケガを負っているんだ。責任はとってもらう」
「委員会が責任をとる問題じゃない。これは、君と夜城院の問題だ。君が直接、夜城院に医療費を請求すればいい」
「ふっ……ふふ……」
やっぱ、こいつも殺す……
どいつもこいつも必ず殺す……
この世界で最も偉大な僕をバカにして……
ただで済むと思うな……
それは何より、おぞましい罪だ。
必ず、正義を執行させてもらう。
「すぅ……はぁ……」
僕は何とか怒りをコントロールし、
冷静に頭を回し、
綾大路に、
「……春風キヨと、賢崎スルメを正式に紹介させてもらう。その二人に、水晶を使わせてくれ……おそらく、どちらか回復系のスキルがつかえるはずだ」
「? その二人のどちらかが回復スキルが使えるはずだという根拠は?」
「今の僕に必要なことだから。この世界は僕のためにできている」
「……目つきも言動もイカれているようにしか見えない。……夜城院の判断は正しかったように思えるな……」
★
その後、キヨとスルメがここに来るまでの間、僕は、綾大路からもらった包帯で、自分の腕の止血をしていた。
信じられないことに、あのクソ女、包帯代を請求してきやがった。
ここにいる連中は、僕の怒りを買うのが上手だ。
覚えておけ。
必ず地獄を見せてやるから。
「……ちっ」
片手では、うまく巻けない。
何度も歯を使い、布の端をくわえながら、不格好に、右肩の断面をぐるぐると縛っていく。
ジョカに手伝いを命令しなかったのは、自分の心に『この屈辱』を刻みこむためだ。
夜城院優聖が僕にしたことを……僕は絶対に忘れない。
この包帯を巻く作業は、その決意表明。
いわば一つの儀式だ。
……無理して包帯を巻いている間、僕は、進化したスキル2の性能について、ネクラロリコンに質問する。
「具体的に調教というのは? まさか、SMプレイができるという訳じゃないだろう? そんなものは、スキルに頼らなくても、ギルティレベルさえ上がればいつでもできることだ。……もっとも、肉欲から解脱《げだつ》している尊い僕は、SMプレイなどに興味はないが」
「購入した女子大生のレベルやスキルを強制的に強化することが可能」
「コストは? 無限に強化できるわけじゃないだろう」
「ギルティレベルを注ぐことで強化できる」