ゼンドウ~鬼畜スキル『女子大生を安く買える』が最低過ぎて尊い。30円で購入したチート女子大生軍団でダンジョンを蹂躙する勘違いピカレスク~ 作:閃幽零
2話 30円で購入した女性とホテルへ。
近くのホテルに入り、
僕は、ベッドに腰を下ろしながら、
目の前にいる彼女を見つめた。
彼女の眼はどこかうつろで、
どこか、人形のように思えた。
「君は僕に買われた。理解しているか?」
「……はい」
「ふむ。だが、誤解をしてはいけない。僕は君を買ったのではなく、救済したのだ」
「……はぁ」
「僕の復讐が果たされた時、この醜悪《しゅうあく》な世界は正しい終焉《しゅうえん》を迎え、そして、絶対の神に統治された新しい時代を迎える。完全に完成した倫理が世界を包み込んだ時、この世界から罪は消えるだろう。僕にはもう見えている、原初の咎《とが》から解放されたエデン。そのパラダイスが」
「……は、はぁ……」
「シンプルに、僕のパーフェクトプランを語ろう。……すべての女子大生に僕の子供を産ませる。『最も尊く優秀な神』の子供は、当然、超高性能な御子《みこ》となるだろう。人類が僕の遺伝子だけになれば、この腐った世界も正常に戻る。世界は完全なる倫理を手に入れる」
「……申し訳ありません。ご主人様の意向をどうにか受け入れようと、色々考えてみたのですが……正直、言っていることが、よくわかりません」
「だろうね。これはあまりにも高次の英雄論。常人では理解できない。僕のように、世界に選ばれた超人だけが、この世界の理《ことわり》とコンチェルトできる」
そこで、僕は上着を脱ぎながら、
「……この世界の倫理レベルを引き上げるため……君には、御子《みこ》を産む許可を与える。君は女性として80点ぐらいだが、素晴らしい運をもっている。僕という神法の下では、すべての女が同列だが……君は事実として、イブ(最初の女性)となるのだ。光栄に思うがいい」
「……」
「さあ……はじめよう」
そのまま、彼女と神聖な儀式を始めようとした……が、
そこで、テーブルに置いておいたネクラロリコンが言う。
「――ギルティレベルが足りないので、性行為の命令は不可能です」
「……なに?」
なにやら、訳の分からんコトをほざいていたが、
僕の正義は止まらない。
これは大義である。
「ルールは僕が決める。僕という輝きの前にひざまずけ。それだけが世界のあるべき、たった一つの――」
そう言いながら、僕は、彼女の服を脱がそうとした。
が、そこで、
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
落雷にでも打たれたような、
とんでもない激痛と衝撃が僕の全身を襲った。
「が……ぁ……」
しばらく、しびれて、動くこともできなかった。
目の前がくらくらする。
★
5分ほど経って、動けるようになったところで、
僕は、彼女……春風キヨを、ベッドに座らせて、
ネクラロリコンと高次のディスカッションをする。
色々とルールを聞かされて、僕は、
「くそ!」
思わず、テーブルを殴ってしまう。
うしろで、キヨがビクっと体を震わせたが、知ったことじゃない。
「これじゃあ、僕の完璧な計画が台無しだ。せっかく女子大生を買っているのに、子供を産ませられないんじゃ意味ないじゃないか」
言うまでもなく、僕は性行為そのものを求めているわけじゃない。
超人である僕は快楽などという俗《ぞく》な肉欲からは解放されているのだ。
僕の人生は常に、正義の覇道と共にある。
僕の行動はすべて正しい。
完全なる正義の使者である僕の言動はすべてが、この世で最も高潔な神の啓示《けいじ》。
「おい、ギルティレベルってのはどうやったら上がるんだ?」
少し焦った声がもれる。
僕は、なるべくはやく、世界を修正したい。
だから、僕の邪魔をする壁は迅速《じんそく》に排除したいのだ。
「犯罪を行うことで上がります」
「犯罪だと? 絶対正義である僕にはふさわしくない行為だ。しかし、それが、最終的な倫理の完成につながるのであれば、致し方ない。それに、この世界では僕がルール。誰も、僕の行動を犯罪と定義することはできない」
そこで、僕はイスから立ち上がり、
窓の外の風景をにらみながら、
「僕を拒絶したこの世界を……僕は絶対に許さない。必ず復讐を果たす。その果てに……この世界は完成するのだ。けがれた世界よ……無能な人類よ……腐った社会よ……震えて眠るがいい」
そこで、それまで黙っていたキヨが、
「あの……」
と、声をかけてきた。
僕は、彼女に視線を向けて、
「なんだ?」
「最初から疑問だったのですが……ご主人様は、なぜ、そこまで、世界を恨んでいるのですか?」
その問いに、僕は一度だけ目を閉じた。
そして、ここではないどこかを見つめながら、
「早稲田の試験に落ちた」
「……」
「おっと、勘違いするな。『受験に落ちたから逆恨みしている』というわけではない。そんな愚かしさなど、僕という高潔な人間の中には存在しない。問題はもっと別のところにある。……前提として、点数は間違いなくとれていたんだ」
「は……はぁ……」
「おそらく、大学の中に、僕という完璧な英雄に嫉妬したゴミがいて、いやがらせで、僕から未来を奪い取ったんだ」
「そういったことは……ありえないのでは――」
「絶対に許さない。この世界は必ずぶっ壊す。そして、僕を神とする正しい世界につくりかえる。それこそが、この世界の真なる幸福。本来の、あるべき姿」
「……」