ゼンドウ~鬼畜スキル『女子大生を安く買える』が最低過ぎて尊い。30円で購入したチート女子大生軍団でダンジョンを蹂躙する勘違いピカレスク~ 作:閃幽零
22話 このままだとスルメが死ぬな。別にいいけど。
「あのボケ、とんでもないモンスターを連れてきているじゃないか」
と、僕がつぶやくと、横にいた綾大路が、
「ま、まさか! モンスターがダンジョンの外に出てくるなんて!」
とあわてふためいている。
どうやら、現状は、だいぶ稀なことらしい。
クモの攻撃をさばきながら、夜城院は、ジョカに、
「ジョカぁああ! 救援要請!! 俺たちは、こいつの第一形態を倒すのに、魔力も気力もほとんど使ってしまった! メンバー全員が、もうガス欠なんだ! どうか助けてくれ!」
その叫びを受けて、
ジョカはアクビをしながら、
「というわけらしいですけど、どうしますかぁ、ごしゅぅ」
こんな状況であくびができるとは……
やはり、こいつは頭のネジが飛んでいる。
気持ち悪い。
「もちろん、気持ち的には、あんなカス、放置したいが……」
そこで僕は考える。
『見下していた相手に助けられる』……その屈辱は計り知れない。
貸しをつくることもできる。
『序列1位の夜城院でも勝てなかった敵を倒すジョカ』を従えている僕の価値は当然上がる。
色々と考えた結果、
「全員、出撃。あのクモを殺せ」
「はいはぁい」
「了解!」
「……わ、わかりましたっ」
命令に従い、ジョカ、キヨ、スルメの3人は、
クモの巨体からわずかに離れた場所まで移動して、連携を組む。
スルメが、
「弱点部位……足関節。すべての足を切断しないかぎり……本体にはダメージが入らない……らしいです」
解析の結果を伝えると、キヨが、
「わかった。ありったけのバフ魔法をかけるから、ジョカさん、アタッカーをお願い」
「はいはぁい」
キヨの手のひらから、光の粒子が舞い上がり、ジョカの全身にまとわりつく。
次の瞬間、ジョカの動きが、目に見えて速くなった。
「くくくぅ……悪くない感じぃ!」
ジョカが、地面を蹴って、クモの足元に潜り込む。
振り下ろされる太い脚を、するりとかわしながら、ナイフで関節を斬りつけていく。
――ザシュッ。
一本の足が、根元から斬れて、地面に転がった。
クモが、耳障りな絶叫を上げる。
「ジョカ! 救援、感謝する! やはりお前は俺とチームを組むべきだ!」
夜城院チームも、残った力を振り絞って、傷ついた足の部分に、次々と攻撃を叩き込んでいく。
クモは、次第に体勢を崩しながらも、なおも、暴れ続けた。
太い脚を、地面に叩きつけるように振り回す。
そんな中、振り回された太い脚の一本が、
……スルメの脇腹に、まともに叩き込まれた。
「――きゃぁあっ!」
スルメの身体が、勢いよく吹っ飛ばされる。
コンクリートの壁に激突し、そのまま、ずるずると崩れ落ちた。
頭から血を流し、ぐったりとしたまま、動かない。
「スルメちゃん!」
キヨが声を上げる。
助けにいこうとしたが、しかし、そこで、クモがキヨにむかって糸を吐いた。
その糸にからめとられて、その場から動けなくなるキヨ。
その、みっともない一部始終を見ていた僕は、
「ちっ……どっちも情けない。キヨはともかく、スルメは、あのままだと死ぬかもしれないな……まあ、でも、そうなったら、そうなったで仕方ない。弱いのが悪い」
と吐き捨てた。
雑魚はいらない。
解析スキルは便利だが、ないとどうしても困るものじゃない。
魔法特化のキヨに、物理火力担当のジョカ、そして、パーフェクト司令官の僕。
……戦力としては、それだけでも十分。
なんだったら、相手の弱点など見抜けなくとも、僕の完璧な指揮があれば、それで問題ない。
だから、スルメは、最悪死んでもいい。
と思った直後のこと、
――ネクラロリコンが、
「購入した女子大生の生命力が大幅に低下したため、警告します」
「警告? なにを」
「ケンザキスルメが死亡した場合、彼女の購入者も死亡します」
「へぇ……ん? ……え、なんて?」
「購入した女子大生の生命と、スキル使用者の生命はリンクしておりますので、ケンザキスルメが死亡した場合、彼女の購入者であるゼンドウトクシンも死亡します」
「……ちょっと待て……なんだと? はぁ? え? なっ……えぇえ!!」