ゼンドウ~鬼畜スキル『女子大生を安く買える』が最低過ぎて尊い。30円で購入したチート女子大生軍団でダンジョンを蹂躙する勘違いピカレスク~ 作:閃幽零
7話 女子大生はダンジョンで無双できる人材。
「わちが自由でいられる理由は、わちがS級のダンジョン探索者だからですよぉ」
「……なに言ってんだ、君は」
「実は、この世界には、『モンスターが沸《わ》く謎のダンジョン』があってぇ。裏の世界政府である『300人委員会』は、それを管理しているんですよぉ」
「……僕に変な嘘をつくな。命令だ」
「嘘なんかついてないですよぉ」
「……じゃあ、本当だというのか? そのゲームみたいな話が……」
「そのダンジョンって不思議な性質があってぇ、20歳前後の女性とかだと、すごい有能なスキルを獲得しやすんですよねぇ。あと、レベルが上がりやすいんだったかなぁ? ……で、わちが持っているスキルは超チートなんですよぉ。だから、わち、シャバで何をしても、だいたいは許されるんですぅ。ふふふぅ」
「ちょっと情報量が多すぎるな……」
そこで、ネクラロリコンが、さらに、
「購入した女子大生が、ダンジョンでモンスターを殺すことでも、ギルティレベルを上げることはできます」
情報量を増やしてきた。
……しかし、
よくよく考えてみると、
だいぶシンプルな話だなとも思う。
僕には女子大生を救済できる『王の力』がある。
ダンジョンとやらは『女子大生が最大限の力を発揮できるところ』であり、そこで女子大生がモンスターを殺すと、僕のギルティレベルが上がる。
僕にとって都合よく、一本の線でつながっている。
……素晴らしいじゃないか。
どうして、この世界は、こんなにも僕を愛するのだろう。
この世界の僕に対するメンヘラぶりにも困ったものだ。
「ジョカ……命令だ。その300人委員会とやらのところに僕を案内しろ」
「はいはぁい」
「はいは一回だ」
「はいはぁい」
「……ちっ。変な女だ。こんなイカれた人間は見たことがない」
「わちも、ごしゅレベルの狂人を見たのは初めてですねぇ」
「狂人? 愚かなことを。僕は正義の使者だ。狂人から最も遠いところにいる真の英雄」
「すごいですねぇ。まさか、この世に、わち以上の変態がいたとはぁ……」
「だから、僕は変態ではないと言っている。……狂人に言っても無駄か。愚かしさを煮詰めたような君では、僕の高みなど、一生かけても理解できまい」
★
タクシーを乗り継ぎ、たどり着いたのは、国会議事堂だった。
「……ここが?」
「そうでぇす。ここの地下に、300人委員会の日本支部があるんでぇす」
正面からではなく、裏手にある、『関係者以外立ち入り禁止』と書かれた小さな通用口。
ジョカが慣れた様子でカードキーをかざすと、重々しい音を立てて扉が開いた。
中に入ると、無機質なエレベーターがあり、
ボタンには、数字が振られていない『行き先の分からないパネル』が一つだけ光っていた。
ジョカがそこに親指を押し当てると、
エレベーターは、僕の予想よりもずっと長い時間、下降を続けた。
「悪くない演出じゃないか……僕という選ばれし者を迎えるにふさわしい、荘厳《そうごん》な入り口と言えよう」
国会議事堂の権威と、地下に潜っていく背徳感。
僕の高貴さと合わさって、今この瞬間が、まるでダヴィンチの絵画のよう。
……だが、少しかび臭いな。
いずれ、僕が王になったあかつきには、豪奢《ごうしゃ》で清潔な城を建設したいところ。
★
通された応接室で、僕たちはしばらく待たされた。
少し不愉快だな。
王を待たせるなど、言語道断。
まあ、しかし、ここの雰囲気は悪くない。
一目で最高級と分かる革張りのソファに、艶やかな一枚板のテーブル。
出された茶は、香り高く、味わい深い。
「さすが300人委員会の日本支部……裏世界を牛耳る組織というだけはある。僕という至高の存在を迎えるのに、最低限の格は保っているようだ」
数分ほど経って、ドアが開いた。
入ってきたのは、隙のないスーツに身を包んだ女だった。
歩き方一つで、エリートだと分かる。
おそらく、相当な学歴を積んでいることだろう。
つまり、僕と対話できる権利を得ている。
胸につけられた金のネームプレートには『綾大路《あやのおおじ》』と記されていた。
綾大路は、僕の隣にいるジョカを、キっと睨んで、
「ジョカ。ダンジョンに関しての情報は絶対に他言無用だと言ったはずなのに……君は本当に、言うことを聞かないな。あまり問題ばかり起こすようだと、本格的に処分を検討するぞ。君が有能であるのは事実だが、デメリットの方が大きいのであれば排除することも厭《いと》わない」