ジン「現在も、書いてる途中か、だ!」ドン「書き終わったから帰ってきたぞ」   作:笑嘲嗤

21 / 21
( ˙ω˙ )なんかまた帰って来たぞ。

では語りましょう。

西側の五大厄災のことを。


西側五大厄災編
第1話 北西『空への不自由落下栗鼠・ラタトスク』


「西側で最初に見つけたリスクは?」

 ジンが『新大陸紀行・西』を開いた。

「これ( ˙ω˙ )」

 メビウス湖の北西。

「……栗鼠?」

「ラタトスク」

 ページには巨大な樹木と、その幹を駆ける黄金色の小動物が描かれている。

 どう見ても栗鼠だった。

「空への不自由落下栗鼠・ラタトスク?」

「うん」

「なんだ不自由落下って」

「落ちる方向を守らない( ˙ω˙ )」

「は?」

「上に落ちたりする」

「…………」

「横にも落ちる」

「それは落下って言わねえよ」

「だから不自由なんだろ( ˙ω˙ )」

 ジンは嫌な予感がした。

     ◇

 ラタトスクを発見したのは、ドンが世界樹を登っていた時だった。

 それも、まだ暗黒大陸へ渡ってから百年も経っていない頃。

 服はもう形を保っておらず。

 ドンはずきゅーんを外気に曝していた。

「……待て」

「何?」

「お前…ずきゅーんって……」

「うん。裸だったぞ( ˙ω˙ )」

「やっぱりかよ!!」

「100年もたてば服なんて洗い過ぎでボロボロになるからな」

「世界樹を裸で登るな!!」

「別に誰もいないぞ」

「そういう問題じゃねえ!!」

 ともかく。

 裸のドンは世界樹を登っていた。

 数ヶ月かけて。

 来る日も来る日も。

 登った。

 ある日、頭上から何かが落ちてきた。

「おっ( ˙ω˙ )」

 黄金色の栗鼠だった。

 ドンは避けた。

 ところが栗鼠は地面へ落ちなかった。

 途中で方向を変えた。

 真横へ落ちた。

「…………」

 さらに方向を変えた。

 上へ落ちた。

「なんだあいつ( ˙ω˙ )」

 黄金色の栗鼠は、そのまま幹へ着地した。

「今の着地なのか?( ˙ω˙ )」

 栗鼠は答えない。

 手には黄金色の果実を持っていた。

     ◇

「食ったのか」

「食った( ˙ω˙ )」

「なんでだよ!!」

「美味そうだったから」

「未知の生物が持ってる未知の果実を!?」

「ちょっとだけだぞ」

「量の問題じゃねえ!!」

 一口。

 酸っぱかった。でも甘い香りが何とも言えない美味さだったのだ。だが。

「…………」

 次の瞬間。

 ドンは世界樹の根元にいた。

「…………」

 見上げる。

 世界樹。

 見慣れた景色。

 足元には、自分が登り始める前に置いた目印。

「…………」

 手帳を確認した。

 日付が戻っていた。

 怪我も消えていた。

 途中で拾ったものもなくなっている。

「…………」

 ドンは世界樹を見上げた。

「ふざけんなよ( ˙ω˙ )」

     ◇

「そこなのかよ!!」

 ジンが机を叩いた。

「何ヶ月登ってたと思ってるんだ( ˙ω˙ )」

「時間が巻き戻ってんだぞ!?」

「だから困ったんだろ」

「とんでもないリターンだろそれ!?」

「木の根に戻るだけに?( ˙ω˙ )」

「誰が上手いこと言っていいって言った!?」

 その後、ドンは調べた。

「もう一回食った」

「懲りろ!!」

「今度は少しだけ」

「最初も少しだろ!」

「二口食べたら二日前に戻った」

「…………」

「三口目はやめた」

「珍しく理性が働いたな」

「また登るの嫌だったから( ˙ω˙ )」

「人類史級の発見を登山の手間で評価するな!!」

 黄金の時果。

 ラタトスクが食料として利用しているらしい果実。

 人類側から見れば、時空間そのものへ干渉する可能性を持つ、途方もないリターンだった。

「持ち帰ってないのか?」

「旅行先のもの勝手に持って帰っちゃダメだろ( ˙ω˙ )」

「お前、本当にそこだけはブレねえな……」

     ◇

「でも」

 ジンはページをめくった。

「果実がリターンなら、リスクは?」

「ラタトスク」

「栗鼠が?」

「俺には何もしなかったぞ」

「じゃあなんでリスクなんだよ」

「これ」

 ドンが一箇所を指した。

 巨大な鳥のスケッチ。

 その横には文章がある。

 ――大型飛行生物。翼長推定■■

 そこで文章が途切れていた。

「なんだこれ」

「俺も分からない( ˙ω˙ )」

「お前が書いたんだろ」

「たぶん」

 ページ番号を見る。

 一枚飛んでいる。

 だが破り取った痕跡がない。

「後から思い出したんだ。ラタトスクを捕まえようとしたでかい鳥がいた気がする」

「……気がする?」

「うん」

「どうなった?」

「いなくなった」

「逃げた?」

「違うと思う」

「死んだ?」

「死体はなかった」

「じゃあ」

「最初からいなかったみたいになった( ˙ω˙ )」

 ジンが黙った。

「その鳥の記録も?」

「なくなってた」

「記憶も?」

「ほとんど」

「…………」

「だから仮説だけど」

 ドンはラタトスクの絵を指した。

「こいつ、敵を倒してるんじゃなくて、敵がいたこと自体をなくしてるのかもしれない」

「……被害数を測れねえじゃねえか」

「そうだな」

「成功したら被害記録そのものが消える」

「かもしれない」

「被害者ゼロだから安全、が成立しない」

「うん」

 ジンは栗鼠の絵を見る。

 可愛らしい。

「お前はなんで平気だった?」

「戦ってないからじゃない?」

「攻略法は?」

「知らない」

「どう接触した」

「挨拶した」

「…………」

「隣に座った」

「…………」

「尻尾触らせてもらった。ふわふわだったぞ( ˙ω˙ )」

「お前は暗黒大陸で何してんだよ」

「旅行( ˙ω˙ )」

「……果実の味は?」

「酸っぱい。皮も硬い。でも香りはとてもいい」

「評価は」

「星二つ」

「低っ!?」

「また登らされたからな」

「まだ根に持ってんのかよ」

「木の根だけにな( ˙ω˙ )」

「二回目は許してねえぞ!?」




ジン「俺をツッコミ役としてこき使うんじゃない!!原作みたいな強者ムーブさせろよ!!」

ドン「お茶でも飲んで落ち着けよ♤」

ズキューン。

ジン「試験官ごっこやめろぉおお!!」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

速すぎたSTONE!!~千空に従兄を投入した結果!!(作者:石の上にも3泊)(原作:Dr.STONE)

千空の従兄である戦闘力EX言語力EXお調子者EX問題児度SS調理スキルA~SS、他称冒険家、職業民俗学者、趣味探検な20代前半の人類をぶちこんだ結果=千空の目覚めが3700年速くなり、秒で司が仲間のままであり、白夜が未婚となる。▼しかし、原作どっこいどっこいのハードモードである。▼千空「地震か!?」▼従兄「違う…海外の原子力発電所がメルトダウンして核爆発した…


総合評価:1432/評価:7.97/連載:13話/更新日時:2026年07月27日(月) 20:56 小説情報

うちは一族生存戦略(作者:far)(原作:NARUTO)

NARUTO世界で、オリ主に前世の記憶が覚醒。▼そのタイミングはうちは一族のクーデター決起集会。▼さあこのオリ主は、生き延びることが出来るか。


総合評価:8049/評価:8.44/連載:14話/更新日時:2026年10月12日(月) 22:16 小説情報

最強はポットクリン(別題:その無敵性を絞り上げる)(作者:淵岳 月夫)(原作:HUNTER×HUNTER)

死にたくない。▼だが、死なないだけでは終われない。▼日本で死に、スラムに生まれ落とされた男は心に生と死の天秤をかかげながら、綱を渡るように物語を歩む。▼目指すのは、まだ見ぬ物語の続き──暗黒大陸。▼※念能力の考察を中心とした話です。考察を元にした独自設定もあります▼※おおよそヨークシン編を本編とする短い連載です▼※ sesamer様の『流れ者の考察記録』から…


総合評価:5477/評価:8.61/連載:7話/更新日時:2026年09月04日(金) 18:02 小説情報

転生したのに念能力が使えない男(作者:ゴリラ廻戦)(原作:HUNTER×HUNTER)

ざけんなや オーラが無いんじゃ ドブカスが▼


総合評価:5092/評価:6.29/連載:10話/更新日時:2026年09月04日(金) 12:00 小説情報

とある付与師の帰還録(作者:さくさくの森)(原作:HUNTER×HUNTER)

剣と魔法のファンタジー世界の住人(超上澄み)がハンター世界でなんやかんや頑張りながら、元の世界への帰還を目指す話。▼※67話で本編完結済み


総合評価:6896/評価:8.31/完結:72話/更新日時:2026年10月14日(水) 20:23 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>