ここまで物語を読んでくださった方なら、そろそろ気になっているかもしれません。
結局のところ――ボク君って、何者なの?
そんな、意外と謎の多い彼について少しだけ解析してみました。
ただし、ここから先には今後の物語に関係する設定や、かなり先の未来に触れる内容まで含まれています。
先の展開を何も知らずに楽しみたい方は、このページをそっと閉じてください。
ボク
9歳・小学三年生
容姿のイメージとしては『ぼくのなつやすみ3』の主人公を採用しています。
背は小さく、クラスでは前から三番目くらい。
九歳という年齢を考えてもかなりの童顔で、性格はひょうきん。好奇心旺盛で、気になるものを見つければすぐに首を突っ込みます。
そのせいで余計な騒動に巻き込まれることもしばしば。
そして意外と精神攻撃には弱い。
予想外の出来事や恥ずかしい目に遭うと、あっという間にポンコツになります。
基本的には年相応の子供ですが、自分の得意分野になると突然、大人顔負けの表情を見せることがあります。
得意なこと
得意科目は理数系。
逆に社会は苦手です。
そして何より――大の機械好き。
機械オタクにして家電オタク。
家電製品の修理だけでなく、パソコンの組み立てや修理も得意としています。
ネット関係にも比較的詳しく、コンピューターウイルスの駆除や基本的なセキュリティ対策も可能。
両親が機械関係にあまり強くないこともあり、自宅の電化製品やパソコンに何か起これば、自然とボク君の出番になっていました。
その延長で近所の人から修理を頼まれることも多く、本人も、
「いろんな機械を触れるから勉強になる!」
くらいの感覚で引き受けています。
おかげで近所ではなかなかの人気者。
本人に商売をしているつもりはありません。
そのため、周辺の修理業者から見れば恐ろしいほどの価格破壊を起こしている可能性がありますが……本人はまったく気づいていません。
また、絵を描くことも得意で、過去には表彰を受けたこともあります。
博士
そんなボク君が「博士」と呼んで慕っている、近所に住む変わったおじさんがいます。
ボク君いわく、
「変なものばっかり発明してるけど、電気とか科学のことなら何でも知ってるおじちゃん」
ところが――。
実はこの人物、とんでもない人だったりします。
博士は世界的にも名の知られた科学者。
特に反物質の安定生成と保存技術に関する研究の第一人者です。
その研究内容は、エネルギー・宇宙開発、そして軍事分野にまで影響を及ぼしかねないもの。
研究成果を巡って各国や組織から狙われる危険性を感じた博士は、技術の一部を秘密裏に国へ譲渡。
その対価として得た資産を元に第一線から身を引き、現在は悠々自適な研究・発明生活を送っています。
そしてもう一つ、博士には小さな夢がありました。
科学や技術に興味を持った子供たちに、
「自分で考え、自分で作り、自分で理解する楽しさを知ってほしい」
そのため自宅の研究室の門戸を開き、興味を示した子供たちに科学や技術を教えています。
その中でも、ボク君は博士のお気に入りの一人。
好奇心が強く、分からないことがあれば自分で触り、壊し、考え、直す。
そんな少年を、博士は密かにかなりの有望株と見ています。
現在は将来のためにとORACLEやJAVAなども教えていますが、こちらは九歳児には少々難しいらしく、なかなか思うようには進んでいない様子。
博士の夢は、自分の研究をさらに先へ進めてくれる人間を見つけること。
あるいは――自分自身の手で、その人材を育てること。
もしかすると、その候補の一人がボク君なのかもしれません。
……もっとも本人にとって博士は最後まで、
「近所に住んでる、変な発明ばっかりしてるおじちゃん」
なのですが。
※博士の人物像は、某漫画・アニメに登場する「阿○博士」をイメージしています。
ちょっとだけ、反物質のお話
反物質とは、通常の物質を構成する粒子とは反対の性質を持つ「反粒子」から構成される物質です。
物質と反物質が接触すると対消滅を起こし、その質量が大きなエネルギーへ変換されます。
現代の技術でも反粒子そのものを生成することは可能ですが、極めて大量のエネルギーと設備を必要とするうえ、生成できる量はごくわずか。
さらに通常の物質と接触すれば消滅してしまうため、長期間かつ大量に保存することも非常に困難です。
もし将来、反物質を効率よく生成・保存できる技術が確立されれば、極めて高密度なエネルギー源として利用できる可能性があります。
そのためSF作品などでは、宇宙船の動力源などとしてたびたび登場します。
ここでは物語を楽しむための参考程度に考えてください。
作者自身の認識にも間違いがあるかもしれませんので……。
ボク君の家族
現在は父、母、ボク君の三人家族。
ただし、この夏休みの間に妹が生まれる予定です。
父親の弟が『ぼくのなつやすみ3』に登場する吉本のおじちゃん。
そして母親の姉が『のんのんびより』の一条家のおばちゃんにあたります。
「それならボク君の名字も吉本なのでは?」
と思われるかもしれませんが、ご安心ください。
本作では吉本のおじちゃんが結婚の際、牧場を営むおばちゃんの家へ養子に入ったという設定になっています。
そのあたりも一応、辻褄は合っております。
そして――ボク君の未来
ボク君は東京在住。
比較的防犯意識の高い地域で育ち、機械に弱い両親に代わって、幼い頃から家の機械やパソコンに触れてきました。
近所の人から頼られるようになってからは、修理を経験値稼ぎくらいに考えて、いろいろな物を直して回っています。
そんな彼の現在の夢は――科学者。
いつか博士の研究内容を理解できるようになりたい。
そして、その研究を自分が引き継げるほどの科学者になりたい。
九歳の少年は、今のところそんな未来を思い描いています。
けれど。
ボク君自身はまだ知りません。
この夏休みに経験する出来事や出会いが、自分の人生を大きく変える分岐点になることを。
彼の前には、希望に満ちた未来もあれば、決して望ましくない未来もあります。
まず思い描けるのは、博士の背中を追い続け、その研究を引き継ぐ未来。
反物質を安全なエネルギーとして実用化し、人類のエネルギー問題に大きく貢献する未来。
さらにその技術を発展させ、小型宇宙船の動力源を完成させる未来。
かつて夏休みに田舎を走り回っていた少年が、今度は人類を地球の外へ連れ出す――そんな、胸の躍る未来もあるかもしれません。
しかし、同じ科学技術が、別の未来を招く可能性もあります。
科学技術は、使う人間を選びません。
博士から受け継いだ研究を完成させたものの、その成果を心ない者たちによって軍事利用されてしまう未来。
反物質兵器が実用化され、世界の軍事バランスが崩壊する未来。
やがて第三次世界大戦へと発展し――。
その先に待っているのが、人類文明そのものの崩壊だとしたら。
希望を生み出すはずだった研究が、最悪の結末を引き寄せる。
そんな未来さえ、彼の前には存在しています。
けれど――。
そもそも、ボク君が科学者になるとは限りません。
この夏休みに描き続けた絵をきっかけに、その才能を伸ばしていくかもしれない。
やがて画家となり、世界中を旅しながら、自分が見た景色や人々を描き続ける人生を送るかもしれません。
あるいは――。
この夏に経験した、たくさんの出来事。
田舎の風景。
虫取り。
魚釣り。
海水浴。
友達との喧嘩。
笑ったこと。
泣いたこと。
そして、大切な人たちとの思い出。
それらを文章として残すことに喜びを見つけ――。
いつの日か、小説家になる未来だってあるでしょう。
科学者。
技術者。
宇宙開発者。
画家。
小説家。
あるいは、今はまだ誰にも想像できない何か。
九歳のボク君の前には、まだ無数の道があります。
その道の先には、誰かを救う未来もあれば、誰かを傷つけてしまう未来もある。
大きな夢を叶える未来もあれば、夢そのものを手放す未来もある。
どの道を選ぶのか。
どこへ辿り着くのか。
それは、今の彼にも分かりません。
なにしろ現在の彼にとって重要なのは、自分の将来などではなく――。
今日、何をして遊ぶのか。
明日、どこへ行くのか。
ジェットサイダーの王冠を全部集められるのか。
珍しい虫を捕まえられるのか。
そして――。
この夏休みを、どれだけ楽しく過ごせるのか。
彼はまだ九歳です。
この夏がいつか、自分にとってかけがえのない時間だったと気づく日は来るでしょう。
けれど、それはずっと先のお話。
今はまだ、希望も不安も、すべて遠い未来の可能性にすぎません。
これはあくまで、未来に存在する無数の可能性の一例。
ボク君の将来は、まだ何一つ決まっていません。