夏休み。

東京で暮らす小学三年生の「ボク」は、母親の出産をきっかけに、夏休みの間だけ田舎に住む叔母の家へ預けられることになった。

たった二輌の電車。
どこまでも続く田んぼ。
山と川と、蝉の声。

コンビニもなければ、遊園地もない。
東京では当たり前だったものが、ここには何もない。

けれど――。

虫を追いかけ、川で遊び、秘密の場所を見つけて、知らなかった人たちと友達になる。

そこで出会ったのは、ちょっと不思議な小学一年生・宮内れんげをはじめ、一条蛍、越谷夏海、越谷小鞠たち。

「何もない」と言われた田舎には、ボクの知らないものがたくさんあった。

今日という日は、一度しかない。
そして子供の頃の夏休みは、いつか終わってしまう。

これは、そんなひと夏を駆け回った「ボク」と、田舎で暮らす少女たちの物語。

大人になっても決して忘れない――

ボクの、なつやすみ。