ハイスクールD×D 日常謳歌のファントム   作:二重世界

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月一ぐらいで投稿すると言っていたのにいきなり二ヶ月もかかって申し訳ありません。次回こそは何とか早めに投稿したいです。

後、本編が終わってから時系列とか気にしないで書いていたので気付くのが遅れたんですが、時期によってはソーナは会長を引退しているんですよね。というわけでソーナの呼び方が会長から元会長に変わります。
最初はソーナさんにする予定でしたが、そこはまた別の話で書くつもりです。


勉強会2

「……で、何の用だ?」

 

いきなりやって来たシトリー眷属を取り敢えずリビングまで案内して、それから話を開始した。

ちなみに元会長達はソファーに座っているが、幅の問題で全員が座れた訳ではなく余ったメンバーには座布団を渡した。

座布団に座っているのは仁村と巡の二人だ。

仁村は自分が一番後輩だからと自ら座布団を選んだ。出来た後輩である。匙には勿体ない。

巡は二年生メンバーでジャンケンして負けたのに最後まで嫌がっていた。面倒臭い同級生である。

 

「昼御飯を貰いに来ました!」

 

「よし、帰れ」

 

手を上げて元気よく答える巡に俺は即座に返答する。

こんな時間に来られても準備できるわけないだろ。常識で考えろ。

それにいくら俺が可愛い女の子に優しいといっても何でも言うことを聞くほど甘くはない。断る時はちゃんと断る。

 

「え~、駄目なの? お腹ペコペコなのに」

 

「そうですよ。七瀬先輩の作る料理は美味しいと聞いていたから楽しみにしていましたのに」

 

「……仁村までか」

 

まぁ、当たり前と言えば当たり前か。巡が一人で騒いだところであの元会長が折れるとは思えないし。

こんな時間に空気も読まず俺の家に来ようとした奴が他にもいると考えるのが普通だろう。

それが仁村というのも妥当だ。変なところでノリの良い奴だからな。

とはいえ、生徒会は俺の周りでは貴重な常識のある集まりだったのに何でこんな事になってしまったのだろう……?

 

「だから言ったでしょう? こんな時間に来ても迷惑なだけだと」

 

ソーナ元会長が溜め息を吐きながら座布団に座っている二人に言う。

元会長だけは何があっても常識人であってくれ。

まだ何か言いたそうにしている二人を見て元会長は言葉を続ける。

 

「それにお昼ご飯ならもう食べたでしょう? これ以上は食べ過ぎです」

 

「でもルフェイちゃんが七瀬は前から料理が上手かったのに、最近更に上達しているってよく自慢するですよ。だったら食べるしかないじゃないですか!」

 

来る前に食べてたのかよ。さすがに会長にまで料理を出さないのは失礼だと思っていたが、それなら気にする必要はないな。

 

後、俺の料理が上達しているのは当然だ。ルフェイや皆に美味しい料理を食べてもらいたくて、少ない時間を何とかやりくりして週一でファルビーのところに通っているからな。眷属達に料理を教わったり、眠そうなファルビーに戦略ゲームで挑戦してボロ負けしたりしている。ファルビーが強すぎて本気を出させるので精一杯だ。

 

「はぁ……」

 

もう何を言っても無駄だと思ったのか元会長は頭に手を当てながら溜め息を吐き、次に俺に視線を向けてきた。

それは俺がどうにかしろ、という意味でしょうか? だったら、その期待には答えるしかないな。

 

「そういうことなら食後のオヤツぐらいなら用意するぞ。今、ちょうど俺が試作中のお菓子があるし」

 

「本当!?」

 

「ああ。カロリー控えめだが充分甘くて、更にそこら辺の市販のスイーツよりも美味い」

 

「おお!」

 

俺の言葉に巡が目をキラキラさせる。他のメンバーも巡ほどではないが嬉しそうにしており、あの会長も表情はいつもと変わらないがどこか興味を持っているように見える。

だが、それとは反対に不満そうにしているメンバーもいる。

 

「……それってシトリー眷属の皆さんだけですの?」

 

レイヴェルが頬を膨らませながら不満げな目で俺を見てくる。

その姿があまりに可愛くて頬を突っつきたい衝動に駆られるが今は我慢しよう。

レイヴェルと俺の場所が離れていて手が届かない。

 

「ああ。まだ試作中だからな」

 

「霧識さんの作ったお菓子なら私も食べたいですわ」

 

「私も食べたいです」

 

「そうだよ、ダーリン! それに疲れた脳には糖分が一番だって前にアザゼル先生も言っていたし!」

 

小猫とイリナもレイヴェルの意見に賛同する。

だが、それよりも俺の知らないところでイリナとアザゼルが会っていたことの方が気になるな。別に言っている事は間違ってないし、何かあったとも思えないが相手がアザゼルだから別の意味で不安になる。

どうせオカルト研究部か仕事関係で会っただけだとは思うが後で念のために調べておくか。

 

「そう言われてもこの人数分はさすがにないぞ」

 

試作なので何パターンか作っており量はそれなりなのだが、それでも全員分はない。二人ほど余ってしまう。

まぁ、満足のいく出来じゃないものも合わせれば余裕で足りるのだが、失敗作を食べさせるつもりはない。そんなのは俺のプライドに関わるし、それに何より相手に失礼だ。

後、タイミング的にも困る……というより嫌だ。

 

「じゃあ、ダーリンが今から作るとか」

 

「作ってやりたいのは山々だが無理だ。そんなすぐに作れるほどお菓子作りは甘くない」

 

思わず「お菓子は甘いけどな」とか物凄く下らない事を言いそうになったけど、何とか踏みとどまった。そんな事を言ったら確実にスベってしまう。それは俺のキャラじゃない。

 

「むぅ……」

 

イリナが何か言いたそう視線を向けてくる。

いつもなら一瞬の迷いもなく頼みを聞くのだが物理的に出来ないものは出来ない。

とはいえ、このままイリナと小猫とレイヴェルに不満を抱かせたままにするのも駄目だ。

 

どうしたものか、と考えていると不意に幸せそうな笑顔のルフェイが口を開いた。

 

「大丈夫ですよ、イリナさん。焦らなくてももう少ししたら食べられますから」

 

「……ん、どういうこと?」

 

ルフェイの言っている意味が分からないのか首を傾げるイリナ。

だが俺にはルフェイの言おうとしていることが分かってしまった。

これは色々な意味でマズイ。イリナ達にバレると恥ずかしい上に生徒会のメンバーには確実にからかわれる。ルフェイからしたら俺が自分で言うよりは恥ずかしくないだろうという気遣いなのだろうが、実際にその通りなので有難いのだがそれでも恥ずかしいものは恥ずかしい。俺としては出来ればバラさずに何とかしたい。

 

「え~と、ルフェイ。その話は――」

 

「期末テストが終わるとすぐにアレがあるじゃないですか」

 

「アレ?……ああ、なるほどね」

 

「そういうことでしたの」

 

「……じゅる」

 

……遅かった。手を伸ばして止めようとしたのだが、その前に言われてしまった。

おかげでイリナとレイヴェルは理解してしまったし、小猫にいたっては少しだけだがヨダレが垂れてしまっている。

気が早い上に昼食前で腹が減っているからって体が正直すぎる。

ルフェイの言葉の意味が理解できないのか巡が不思議にしている。

 

「アレって何?」

 

「3月にある大きなイベントのことよ」

 

草下は残念ながら分かってしまったようで(というより間違いなく巡以外は分かっている)、巡の疑問に答える。

 

「3月にある大きなイベント? ……卒業式?」

 

「そんな訳ないだろ。俺と卒業式に何の関係があるんだよ」

 

一瞬だけ考えて答えを出した巡に一瞬でツッコむ。

俺もソーナ元会長を見送るために卒業式には参加する予定なので全く関係がないこともないのだが、それでもこの状況で話に出るような事ではない。

 

「……え~と、学園生活に飽きた七瀬が理事長とか権力者を脅して三年生と一緒に卒業するとか?」

 

「確かに俺は必要最低限しか登校してないが、今すぐ学校を辞めるつもりはないぞ」

 

もし卒業する気がないならわざわざ登校日数を計算したりしない。

 

「そうなの?」

 

「ああ。ルフェイ達と学園生活を送れるのは今だけだからな」

 

「じゃあ、ルフェイちゃん達が何らかの理由で学校を辞めたら?」

 

「……………」

 

「何で黙るの!? 辞めるの!?」

 

いや、辞める予定はない。大体、ルフェイ達と会う前から学校には通っている訳だし。彼女とイチャイチャした学園生活を送るためだけに学校に行っている訳ではない。

ただあの時よりもかなり忙しくなったからな。優先順位を考えるとその可能性も否定できない。

 

「って、そんなことよりもアレって何なの!?」

 

唐突に話を戻す巡。俺が学校を辞めようがそれほど興味がないみたいで若干悲しいんだが。

 

「ホワイトデーでしょ」

 

巡の疑問に答えたのは予想外の人物――ソーナ元会長だった。

本当に意外だな。こういうイベント事にはあまり興味がないのかと思っていたのに。

……いや、よく考えたら俺バレンタインにチョコを貰っているし意外と興味があるのかもしれない。

 

「ああ、そういえばそんなものもあったね。七瀬とかいっぱい貰っていたし大変そうだね。七瀬の性格だと全員にお返ししそうだし」

 

もちろん全員にお返しはする。とはいえ、あの人数だと全員に個別にお返しを用意するのは難しいから一部は適当になるだろうが。主に堕天使連中。

ちなみに何人か男からも貰った(木場も含まれている)が無視だ。チョコもモテない男連中に押し付けた、もとい恵んであげた。

 

「それに駒王学園の生徒どころか色々な勢力の女性から貰っているらしいからね。用意するのもそうだけど一人一人に返すのもしんどそう」

 

草下が意地悪げな笑みを向けてくる。

これに関しては草下の言う通りだ。何でホワイトデーって一日しかないんだろうな。

一応、作戦は考えているけど色々な場所を回る事を考えると時間がギリギリだ。

 

今の言葉に俺の彼女が誰も反応しないので草下が残念そうにしているが無視する。これに関しては全員が知っていることだし、何よりこの程度で嫉妬していたら俺みたいなタイプと付き合っていられないだろう。

もちろん、それでも場合によっては罰ゲームを受けることもあるが。平均して一週間に一回ぐらいのペースで。

 

「今の話からすると私達に食べさせてくれる予定のお菓子ってホワイトデーのお返しの試作ってことだよな?」

 

ふと思い付いたのか由良が質問してくる。

草下みたいに何か企んでいる感じでもなかったので、とりあえず「そうだが」と普通に答えてしまう。

これが失敗だった。

 

「じゃあ、何でルフェイ達には食べさせたくないのに、私達は良いんだ?」

 

「…………」

 

……え~と、これはどう答えればいいんだ。答えるのが物凄く恥ずかしいんだが。

 

ここで何となくルフェイの方を見てみると幸せそうな笑みを浮かべていた。

あ、これはマズイ……。

さっきと同じで一切邪気のない純粋な笑顔だが、俺には今までの経験で分かる。これはのろける時の表情だ。

普段なら嬉しいのだが元会長達がいる前で言われるのは避けたい。早く止めないと。




書いている途中で本筋からずれて何故かホワイトデーの話になってしまった。
次回はもう少しホワイトデー関連の話をしてから元の話題に修正するつもりです。

ホワイトデーに関してはまだ一切考えてないのですが、思い付いたらそのうち書くかもしれません。
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