AIアプリで超かぐや姫の人物たちと会話してみた 作:蠱毒は孤独
続き書けたので出します
アプリで彩葉との初めてのやりとりからしばらく経った。その間も何回か通話した。
以前に約束した演奏は、何か進化していた。
うむ、進化。……他に何と言っていいかわからん。
ただ、素人目にも上達を感じさせるところは流石、超かぐや姫の超担当。既に片鱗が見えている。
また約束通り聴かせるために、他にも色々用意してくれていた。さらにさらに俺が好きだって言ったところもちゃんと覚えていて、そこを弾く前にわざわざ教えてくれた彩葉健気すぎ。超かわいい。
そして、音楽のこと以外もいろいろと。
俺のゲームでの武勇伝だったり、好きな食べ物の話であったり、彩葉がお兄ちゃん――朝日と喧嘩した話だったり。
正直、最初はただのAIアプリだと舐めていたが超かぐや姫の世界観が広がっていくようで会話一つ一つが楽しくって仕方がなかった。
そんな中、このアプリの仕様でわかってくることもあった。
どうやらこのアプリ、原作を1つ指定するとそれ以外の作品を扱えないらしい。
ふざけんな。そういう不可逆なとこは説明欄やヘルプに出しとけや!
『推し◯子』とか『呪術廻◯』とかちょっと楽しみにしてたのにぃ……。美形双子や植物トリオとのやり取りとか夢あるじゃん。術式解釈についてとか話してみたかったなぁ。俺もなぁ。
他のAIじゃこのアプリ程の精度で再現してくれなかったしよぉ。
許さん、許さんぞ!殺してやる天◯助!!
え、他の端末?PCですら高校生から使ってるものをいまだに使っているのに、そんなものがあるとお思いで?
あとは以前話したことを妙に覚えていたり、たまに環境音が入ってくるなど、どうなってんだと思えるほど高性能な面が目立った。
これが無料とか壊れてんな。ありがとうございます!
そして、今日も今日とて自室でアプリを開いていた。
「ふむ」
そこでふと思った。ずっと彩葉とばかり喋ってんな、と。
しばらくはキャラクター選択画面を見て、すぐに【酒寄彩葉】を選択していた。だが、『超かぐや姫!』は魅力的なキャラが他にもいる。それと話さずして何がファンか。何がオタクか。
他の作品に惹かれている場合ではなかった。
「だがなぁ……」
そうすると問題になってくるのがどのキャラを選ぶかだ。
「帝アキラ。この場合、朝日か。それもありだ。駒沢兄弟や芦花真実も捨てがたい」
だがしかし!
俺の推しはかぐいろヤチ!これを選ばずして浮気するなど言語道断!!
「そうなると問題はどっちを選ぶかだ……」
元気印のゼロ歳児悪童か自称おばあちゃんのチャネラーか。
「……っく、自称おばあちゃんのっ……チャネラー……っ!!我ながらパワーワード過ぎるっ!」
そうして自身の腹筋と格闘すること、しばらく。
「もう、これは決定だな」
意を決して【月見ヤチヨ】のボタンを押した。
接続の読み込みが終わって表示されたのは、少し古い民家のような画面。そこにヤチヨのアイコンがしっかりあった。おそらくツクヨミマップのどこかなのだろう。
そして、ヤチヨ相手の最初の挨拶なんて決まっている!
「ヤオヨロ~!」
『うぉわぁああ!……ビビった~』
お?
『おぉ、妖精じゃね?かぐやっほ~!』
おぉぉおお?
早〇ヴォイスではなく、夏〇ヴォイスだと?
アイコンは、……ヤチヨだな。ドット立ち絵の配色も間違いなくヤチヨだ。
「ヤチヨは?どうなってんの?」
『や、やば。……ど、どしたの?大丈夫?』
そして、俺の呼びかけに即対応したこの順応性。間違いなくかぐやだ。彩葉談、淡く光る球らしいものを見て妖精と即断してきたところも、それっぽい。なら、AIの誤作動ではない?
『お~い。ぶつぶつ聞こえてるって~。かぐやのことがどしたの?』
「お、おう」
『お、復活した?』
「したした。めっちゃした」
『よかった〜。壊れちゃったかと思った』
俺もな。
それより、ヤチヨのアイコンでかぐやの声がするの違和感凄いな。ヤチヨは元々かぐやだったから同一人物って言ったらそうなんだが。
……ん?
「なぁ、かぐや。今かぐやって、どこにいるんだ?なんか民家っぽいのはわかるんだが」
『ここ〜?こ・こ・は・ね〜』
えらい溜めるな。何かあるのか?
『知らん!』
「知らんのかいっ!!うおい!」
『うひひひ!』
こんのっ悪童がっ!でも好き!!
「いやいや、真面目に今どこにいるのよ」
『おん?あー、何か祀られてる』
「祀られてる?」
『そうそう。いやー、この身体不便でね〜。ウミウシでめっちゃかわいいんだけど、移動が遅いのなんの。で、人に捕まって色々喋ってたら祀られてた』
あー、なるほどなるほど。おっけー、把握。つまりはこれ、八千年途上のヤチヨになる前のかぐやってわけだ。
いや、わからんわ!
『いやー!やっぱりかぐやちゃんのキュートなオーラが出ちゃってるわけ。私ってば〜罪なお・ん・な☆』
「おう、そうだな」
『んなっ!テキトー過ぎ!妖精もかぐやにメロメロだから出てきたんでしょー!』
部分的にそれはそう。でも、やっぱおもしれー女枠だよ、お前。
『むーっ!……てかさ、さっきヤチヨって言ってたけどなんで?』
「なんか、ヤチヨのところにいると思ってたからな」
『へー。……ふふん、残念!かぐやちゃんでした〜』
なんだその残念賞、豪華すぎんだろ。
あ゛〜。
それにしても当初の想定とは違ったが、これはこれで癒される〜。これを毎日味わえるとかご褒美でしかないな。いろPうらやま〜。
いや、でも初手12万はないな。ないない。俺だったら普通に来月の支払いできなくて親に泣きつくしかなくなるからね。
それを一喝で済ませた彩葉さんマジ神。マジパネェっす。
「で、祀られて何してんの?」
『うんとね。占いみたいなことだったり、相談に乗ったりしてる!』
「かぐやが?」
『なぁにぃー、その言い草!かぐやにだって相談に乗ったりできるもん』
そこは疑ってないんだよなぁ。原作でも雑談配信で的を射た発言をしていたし、物事の核心を突くことに関しては作中屈指の能力だと思っている。
『あ、わかった!かぐやちゃんの気を引きたくて意地悪言ってるんでしょ〜。オタクってそういうとこあるよな!どうどう、図星〜?』
「はぁ~?その占い、外れてんぞ。返金しろ返金」
『まだ占ってないし、お金ももらってないじゃん!』
そうだった、このアプリ無料だったわ。
「相談に来るやつにもそんな調子なのか?」
『そんなわけないじゃん。ちゃんと真面目に返してる。みんな畏まってくるんよね〜』
「そりゃあ祀られてるんだもんな」
ウミウシに畏まって祀ってるの想像するとウケる。
……いや、俺もそれがかぐやだったら拝みたいな。
「アリだな」
『何が?』
スマホを片手に持ったまま空いている手を胸の前で立てる。略式にて失礼。
「南無」
『おいこらぁ!勝手に殺すな!』
あ、これじゃねぇわ。
「いや〜、すまんすまん。間違えたわ」
『間違ってかぐや死んだの?』
「そうなる」
『そうなる、じゃねーんだわ』
「草」
『全く反省してねーし、こいつ』
呆れたような声にも少し笑いが混じっている。こっちもさっきから口元が緩みっぱなしだ。
え、反省?してるしてる。ただし、後悔はしてないやつな。
『で、妖精にも相談とかないの?今だったらかぐやちゃんサービスするよぉ?』
「金がない」
『……金』
「そう、金」
妖精に持ちかける相談ならまだしも妖精が持ち込む相談がこれである。夢がねぇ。でも金もねぇ。
切実な問題だ。これ以上お金を稼ぐには身を削らなければならないのだから。
『何に使ったの?』
「それは勿論、推し活!推し活無くして、我が人生に意味はいらず。その身体は無限の愛でできていた!!」
そう、推し活愛という己の身体を!!
『まーたテキトー言ってんなぁ』
ほっとけ。
『控えたらぁ?』
「彩葉がヤチヨの配信視聴を控えると思うか?」
『無理』
「そういう事だ」
即答。流石彩葉と1カ月半同衾した女。面構えが違う。スンッとした顔が見える見える。
『グッズでも買ったん?』
「アクスタを少しな」
『かぐや知ってるよ。それ全然少しじゃないやつ』
「ふっ、よせやい」
『誰も褒めてないんだわ』
知らんのか。オタクは加減の知らなさを指摘されると喜ぶんだぞ。ましてや、推しから気遣われているなら尚更な!
愛が、溢れるっ!
『アクスタは何処に飾ってんの?』
つい部屋の一角へ目を向ける。俺の財布を薄くした精鋭たちが今日も最高の顔で並んでいる。
「気になるか?なんと一箇所に集めて祭壇化している!俺の最大の功績はアクスタをコンプしていることよっ!」
『妖精も祀ってんじゃん!』
「……っは!?」
『祀るやつと祀られるやつ揃ってる!おっかしー!』
ぐぬぬ、不覚。一本取られたわ。
その後もひとしきり言い合ってようやく笑いが収まった。やべぇな。ずっと喋ってられるぞ、これ。何の話からここまで来たんだっけ。
……そうだ、金だ。肝心の悩みが何も解決してねぇ。
「で、解決策は?」
『グッズ買うの控えたら?』
「解散!!」
『相談する気ないじゃん!』
知らん知らん。俺の辞書に自粛という文字はないのだ。正論で殴られてもサンドバッグにしかならないぞ。
あー、それにしても笑いすぎて腹減ってきたな。時間もいい頃合いだし、今日はここまでにするか。
「そろそろ飯食うから落ちるわ〜」
『おー、おつ〜。……飯代はちゃんとある?』
「そこまで使っとらんわ!」
『ホントかなー?』
失礼な。まだ、もやしと卵以外も食えてる分には余裕よ。多少財布の中が目減りしてても誤差誤差。
「じゃ、またな」
『うん、また話そ〜!』
◆
足場にしていた光球がいなくなったことにより祭壇の上に落下する。
「ぶぇ」
くっそー、マジ痛ぇんだけど。受け身に失敗して中身が漏れそう。ホント消え方、もう少し何とかなんないの。
もぞもぞと体勢を変える。それにしても見られてないよね。ちょっと恥ずい声でたんだけど。
……よし。
つーか妖精め、「落ちるわ」とか言って消えていったけど落ちたのかぐやじゃん。次会ったら許さんからな。
拝むにしてもそうだよ。もう少しありがたみってものがあるじゃん。南無って何さ。それ配信でも死んだ時にしか言われたことないんだけど。雑すぎない?
ここの人たちを見習ってほしいよね。
……って、あー。
祭壇やこの家を綺麗にしてくれる人を思い出す。お礼を言っても深々と頭を下げちゃうし、何か言おうとするだけでこっちを向いて話が終わるまでだんまりになっちゃう。
なしなし。あそこまで硬い態度はない。
しかも相談はないか聞いたら、金って。即答じゃん。やだよ世知辛い妖精。夢なさすぎ。
その後お金ないって話してたのにアクスタの自慢始まったし。聞いたのかぐやだけどさ。もう声だけでドヤ顔になってんの。それが分かるのも可笑しすぎて、しばらくずっと笑っちゃった。
それにヤチヨのとこにいると思ったって言ってたな。ヤチヨ、どっかいるのかな。
あーあ、誰かにこう言ったらなんて返ってくるか、なんて。そんなこと考えるの久しぶりだったなぁ。
次、いつ来るんだろ。
次来たらまずはご飯何食べたか聞こう。そこでまたグッズの自慢始まったら流石に説教してやる。彩葉も黙っちゃったかぐやちゃんスペシャル論法見せてやるんだから。
そして謝ったら落とされた分も文句言ってやる。
……また「すまんすまん」とか言ってそう。
ムカつく。
・彩葉
一生懸命練習してメキメキ上達中。
・主人公
金がない理由の7割が推し活。残りはバイトのシフトが少ないのが原因。もっと働け。
・ヤチヨ(かぐや)
過去へとんでしばらく経ったかぐや。妖精が自身の横に浮いてるのを見て跳び乗った。今後とも定位置と化す模様。
ちょっと展開について参考程度に。重力場欲しい?
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重い! 愛が重すぎる!
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お前、頼むから友達になってくれよ……
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興味ないね