ベル・クラネルのナイフを奪って売り払おうとしたソーマ・ファミリアの
「ふふ…私達の弟分から窃盗とは良い度胸だ小娘、ああ、安心しろ、今お前がこうして私達に捕まっているのはその件とは無関係だ。さる御方がお前の身をご所望でな」
「そういうことです、リリルカ・アーデちゃん、貴女もあのゴミカスファミリアで育って色々と事情があるのでしょうが、安心してください、あの御方は敵対しない限りはお優しい方ですから」
「どのみち
「こらこら喋りすぎですよ、カーラ」
「あの方がここまでさせるんだ、或いはこいつも身内になるかもしれんのだろう?セレス」
「まだ、早いですよ。確定ではありません、ですがそうなったら喜ばしいですね」
(カーラにセレスッ…間違いない、こいつら「魔人の使徒」だ!)
生き残るために情報通になるしかなかったリリルカ・アーデは当然「そいつら」を知っていた。状況から見てベル関係だと思うのだが…
「気になりますか?私達とベル君の関係が…彼はウチのアルフィアの甥っ子で、自身の子供と同じくらい可愛がってる、それは大切な大切な愛し子なのですよ…私達にとっても可愛い弟分ですしね、
そちらのカーラは今の師匠の1人でもありますしね、或いは
「ヒッ」
ベルがあの【静寂】の身内って…カモだと思っていた相手がとんだ罠だ。ヘファイストス・ファミリア製の武器はそういう繋がりか。
先程の酒場娘の
「叫んで助けを呼んでもいいぞ、我々も主達の手前評判をそれなりに気にはする。だがそれをしようとした瞬間に、命を取ることはせんが、お前の意識が落ちるだけだ。オススメはしないな、私は無駄が嫌いだ」
(なんでっなんでっリリがこんな目にっ…悪いことは…そりゃ結構したけど…でもっ今まで虐げられてきた分っ…)
「どんな理不尽で辛い目に遭っても、無関係な者にまで当たってしまえばただの八つ当たりですよ…ソレは復讐でもなんでもありません、ただの迷惑な子供の癇癪です…」
さっきから思考と行動を先読みされている気がする。単純に頭が良いというより、年季の違いを感じる。
(どの口で言っているんでしょうね…ジル様…)
セレスティアは「その女」を思い出して少し憂鬱になった。恐怖の象徴であったが、哀れな女でもあった。主に最も愛されながら苦しめていた原因でもあったのに憎悪より憐憫しか抱けない程度には。
だから彼女にそっくりで見目麗しい娘のルリが幸せそうにしているとこちらも救われたような気分になるのだ。そのまま言い返す気力も沸かなかったリリルカは魔人館に連れ込まれた。
直接彼らの人となりを知らない大半の一般冒険者達からすれば「魔王城」にしか思えないその建物に。そこでは魔人の片割れである館の主の娘が
「あらルリ様、その御姿は…」
「ふふ久々でしょ?偶に人の居ない所では戻ってたんだけどね、忘れないように」
「何故、今?」
「これから勧誘するなら一応本来の姿くらい見せなきゃ失礼かなって…」
その女は美しかった。美の女神のような魅了の力は当然備わっていないのだが、だからこそ単純な美しさが際立っていた。
「初めましてリリルカ・アーデちゃん、私はこの館の主クロノの娘、魔人のルリよ、
「は、はいっリリルカ・アーデですっ…」
「初めに言っておくけど貴女がベル君にどんな思惑で近付いたかは関係ないの、このままあの子といれば貴女も或るいは彼にベタ惚れしていたのかもしれないけど、どのみち報われない想いだからね、私の方が貴女を欲しくなっちゃったの」
「へ…リリを、ですか?」
「うんそう、セレス、まずこれ見て」
そう言ってリリルカの技能レベルを纏めた紙を見せる。
「軍師Lv.2、統率Lv.1、話術Lv.1、謀略Lv.1、交渉Lv.2…うっわぁ見事に頭脳特化ですね、軍師Lv.2久々に見ましたね、この技能持ち少ないんですよね、本当に」
「そのへんだけでも超凄いし抱える価値あるけど…本命は、別。もっと下の方見て」
セレスティアがその他の雑多な技能レベルを読み飛ばして下の方に目をやると…
槍戦闘Lv.2
魔眼Lv.2
元英雄Lv.2
「どれどれ…!?なんですか、これ取り消し線とか元英雄なんて初めて見たのですが…」
「実際にそう見えたのよ条件満たすとその線が消えてきちんと適用されるようになるみたい」
「本当ならとんでもないですねフィンが槍戦闘Lv.2、軍師Lv.1、統率Lv.2…でしたっけ」
「元英雄、ってのも気になるの、ルドラサウム大陸では死ねば魂は一度完全に漂白されるから『前世』なんてものが引き継がれることはほぼ有り得ないんだけど…この世界は」
「そうか…肉体にある記憶は忘れて転生する…魂の方も大半は忘れているだろうけど、その残滓くらいはっ…そうなると前世は…
「うん、でも多分同じだと思う。
「【フィアナ騎士団】…でしたっけ?」
「その元団員か、或いはこの技能レベルからすると団長本人かも」
「そこまでの大物を【この世界】から引き抜いて大丈夫なんですかね?」
「だから『黒竜ぶっ殺してもいい』って言ってるんじゃないの。それに本人が望まなければ連れて行かないわよ」
「リリルカちゃん、貴女の今抱えている問題は、この私の名に懸けて全部解決してあげるわ。その前提で貴女には2つの選択肢がある」
ルリが人差し指を立てる。
「まずは1つ。このまま後方支援に徹して、指揮官
この街の連中は脳筋ばっかで個人の戦闘力重視だから貴女が冒険者達の信頼を勝ち取るのは困難だと思う。それに冒険者の主戦場は結局ダンジョンだから、貴女自身が強くなれないと危険度が高すぎる」
中指も立て2本の指を立てる。
「だから私が提示するのはもう1つの方。完全に【私達の身内】になること。貴女の戦士としての才能を無理矢理起こす。戦士と指揮官としての道の総取り。あの【
普通にやっても貴女の秘めたる戦士としての才が覚醒することは一生無いわ。でもこちらを選べば貴女はそこらの冒険者程度には負けない力を必ず手にすることが出来るでしょう。ただ
モンスターとは違うけど人間を辞めることになるから」
「是非そちらをお願いしますっ」
「全く悩まなかったわね…いいの?貴女は臆病で慎重そうだからもっと疑り深いものだろうと思っていたのだけど…」
「貴方達ほどの方が私程度を回りくどいマネしてまで騙すメリットなんて皆無でしょう。それに『冒険者に負けない力』はとても魅力的ですっ…モンスターみたいなバケモノみたいな外見になるとかじゃないですよね?」
「見た目は基本的に変わんないわ。寧ろ綺麗になることもあるくらいだし。」
「それじゃあっお願いしますっ…」
「そう。じゃあ、まず私の眼を見て」
ルリがリリルカと眼を合わせる。
「思い出して。
リリルカがガクガクと震えだし、その脳内に大昔の情景が浮かぶ。
「あっアアッ…見えますっ真っ赤な眼をした
「これで下準備はOKね、じゃあ…かぷり」
ルリがリリルカの首筋から魔人の血を流し込む。
「ア?アアアアアアアアアアッ!?アアアアアアアアアアアアアアァァァッ!!」
どくんと。自分の物のようではない大きな心臓の鼓動の音を耳にしたリリルカは、その場で痙攣をしながら意識が堕ちていく。その直前に───
「過去の貴女がどんなアナタだったとしてもこれだけは忘れないでね。
そんな言葉を耳にした。
「魂へのアクセス権───本来は魔人でも不可能な真なる神の御業…ですね」
「そうよ、最初にやったのはアイゼルの真似事の催眠だけど、当然アイツ如きの力じゃここまでの芸当は不可能だわ。魔人は世界から縛られている様々な制限が取っ払われるけど、それでも0じゃないんだろうね、こっちに来てから出来ることが更に増えたわ」
「取り敢えず客室のベッドに運んでちょうだい。過去の事例から見ても使徒化の途中に粗相することはないはずだからこのまま寝かせておけば大丈夫でしょう」
それから別室に運び込まれたリリルカは長い時間を使徒化に使いながら、時折寝言のように
「あの愚王があああああああああああああ」とか「毒婦めええええええええ」とか「ディムウウウウウウウウウウウウゥゥゥ」
と、一晩中叫び続けた。その声が収まってきた頃にリリルカ・アーデは再誕した。
「起きたのね、リリ。勝手に武器庫から槍なんて持ち出してどうしたの?」
「ちょっとソーマ・ファミリアをぶっ潰しに」
「未だやめてちょうだい、然るべき手順を踏まなきゃ問題が大きくなるわ」
「分かりました、新たな主の頼みなら…私、どれくらい寝てました?」
「一晩だけよ、それで貴女は
「【聖女】なんて柄じゃないですがたしかに私は元
そういう貴女は…異世界人…魔王の24の眷属が1人…魔人四天王筆頭、魔軍ホーネット派参謀…でしたか?更に魔王と魔人筆頭の娘…」
「な!?」
「私は…2人分の人生を追体験しました。と言っても貴女様の人生はとびとびで断片的で印象的であろう場面しか見えなかったんですけどね。まあ一晩で2000年分の人生が見れるはずもありませんね」
「…この世にあんな地獄が顕現することがあるんですね…こちらの神様が良心的に思える日がくるとは思いませんでした、リリが味わったものなんて、てんで大したことなかったんですね」
「人の数だけ地獄はあるわ。魔人である私達があの中でも被害を受けなかったように…貴女の
「…自分の状態は正確に把握出来ているつもりです…『リリルカ・アーデ』は
不安そうな雰囲気からニッコニコに笑うルリ。
(嬉しそうにしちゃってまあ…)
そんな気持ちが「自分のことを知ってほしい」という想いになり自分の中に記憶の断片が流入してきたのだろう。
「まあ新たな主様が夜な夜な
「キャアアアアアキャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアナニ言ってるのおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
「というか向こうの世界
「あーまーランス君はねえ。まあ遠くで眺めている分には面白いけど…大半の女の子は災難よねえ。私が幼女形態でいた主な理由でもあるからねえ、というかオイ結構深い部分まで見たでしょ?」
「あ、じゃリリも守備範囲外ですね、安心しました」
それから───
「ハイ、じゃあ自己紹介」
時刻は早朝、セレスティア達、古参使徒は裏庭で稽古をしている。ベルやアイズ、アリスィアも居る。アリーゼ達は昼間が暇な時間が多いのでもっぱら鍛錬している分、早朝訓練には不参加なことも多い。
そして参加しなかったこの日のアリーゼと輝夜は、というと───
「皆様初めまして。ルリ様の第一使徒になりました、
「へールリもとうとう使徒作ったんだ。何気に他の魔人の使徒に会うの初めてだよ。というか魔人も未だ2人しか知らないからねっ直接の先輩じゃないけどよろしくっ」
「よろしくお願いします、アリーゼ様」
「あれ?表じゃ故人の私のことすぐ分かるんだ?」
「ええ『ルリ様が大切に想っている友人』のことは大体把握出来ましたので…使徒になった際にそういった記憶が流れ込んできました」
「え、私の時はそんなの無かったのに…いいなあ、私もご主人様のこともっと知りたいのに、でもルリありがとうっ私大切?」
屈託なく笑いながらルリの顔を覗き込むアリーゼ。
「そりゃアリィは大切な友人よ…勿論輝夜もね、セレス達は付き合い長すぎて、そういうのとちょっと違うけど」
赤面しながら答えるルリ。自分から結構グイグイくる割に偶に相手からこられると弱い。
「それにしても
「なんか含みがあるねえ、輝夜?まあ普通はあんま強くない種族だしね、小柄だから当然だけど」
「いや、こう言っては何だが武力には乏しい分、小狡い奴が多い印象でな、お前好みではないと思ったのだ、私達のかつての仲間もそんな感じだったしな」
「どんな方だったんですか?」
「あーライラはピンク髪の可愛い娘でねえ、「知識は武器だ」って言うような賢い子でね、輝夜と並ぶ
「ピンク髪…まさかっ…あのぅっその方の似顔絵有りますかっ?」
「ああ、それなら書庫に
それからほどなくして輝夜が旧アストレア・ファミリアの資料を持ってくる。
「持ってきたぞ、これだ…ライラはこのへん…これだ」
「二つ名は
急に
「ちょっと、ちょっとなんでリリルカちゃんが泣くのぉ!?もしかしてライラと知り合いだった?『ヘルガ』って何っ?ライラの本名?」
ルリに耳打ちするかのいかにもなひそひそ話で質問するアリーゼ。
「私も知らないわよ、それに多分…『ライラ』のことは全く知らないはず…きっと
「失礼しました…引っ張られすぎましたね…元仲間達の多くが割と元気でやっているよう、だというのに…アリーゼ様達のような仲間がいたのならあの娘の人生もそう悪くなかった、と思いたいですね…」
涙を拭いながら笑うリリルカ。
「おい、どういうことだルリよ…私達はついていけていないぞ、お前は全く驚いていないしっ…」
「先程から全部聞こえてますよ、今の私の聴覚はかなり鋭くなっているので丸聞こえですよ、ただ私の前世が『フィアナ』という名前の女でそれを思い出したというだけですよ…」
「え、フィアナって確か…てか前世!?」
「なんか架空の神にされちゃっているらしいですね、私…」
「と言うのが一般論で、本当は実在した騎士団の頭領なんだってさ『
「フィン…ディム…あのう今すぐでなくていいからその内【
「およ、やっぱ彼も元騎士団の一員?『ディム』って名前も叫んでたもんね、大切な人だったんでしょ?もしかして元恋人とか?」
「いえ、腹違いの姉弟です。と言っても向こうはそれを知らなく、教えたのは私の
「うわちゃーそれ絶対生涯にわたって引き摺ったやつだと思うよ、打ち明けたくなった気持ちは凄く分かるけど…」
「それはそうだろうな」
「タイミングが劇的過ぎてねえ…」
「使徒になったことも早めに教えてあげたほうがいいだろうねえ、今のリリならすぐ名を上げるだろうから、そうしたら多分年齢差考えないで求婚してくると思う『伴侶探してる』って言ってたし」
「さて、まずは性能実験ね、体格の近いアリスにから相手させようかしら」
朝の訓練に来ていたアリスィアだけを呼び止めて残す。アイズとベルとヘスティアは帰って行った。アルフィアは自分から残る。
「ルリ姉、なにさ『槍で相手して欲しい子が居る』って。そんなに使い込んでいないとはいえ、私は槍でも技能Lv.2持ちの超天才だよ?相手になる子なんているの?」
裏庭で珍しく槍を持って適当に振るうアリスィア。適当に振るっているその槍の軌跡はフィンにもなんら劣らない。少しすると槍を持った
「流石に未だ本気出しちゃダメよ、身体能力に差が有りすぎるから。でもその子の技能レベルは3よ。槍だけなら貴女を上回れるわ。そのつもりで相手しなさい。」
「は?槍のLv.3?お兄ちゃんに最近纏わりついていたその
「昨日はレベル2って言ってませんでしたっけ?」
セレスティアから当然の疑問がとんでくる。
「昨日の時点では、ね。使徒化や魔人化のような『劇的な変化』を迎えると技能レベルは成長することもある。貴女達もそのクチでしょう?
ちなみに魔眼もLv.3になって、『元』が取れて『英雄Lv.2』になった。効果は全ステータス超上昇と獲得経験値の超増加、だってさ」
リリルカの基礎能力はまだ、レベル1の上位程度だ。だがステータス上昇のお陰でレベル2の下位程度の身体能力は有った。
それを踏まえて、アリスィアはレベル2くらいの身体能力で相手をしていたがリリルカは
結局アリスィアはLv.3くらいの身体能力で相手せざるを得なくなっていた。リリルカの槍がアリスィアの喉元に突きつけられる。
「ぬあああああああああああああああああああああっ!槍じゃ勝てないいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ」
「貴女も、動きの制限緩くすればいいじゃないの」
「それじゃ負けた気しかしないのっ
「
「ふぅ…恐ろしい才能ですね、あれ以上動きを速くされていたら押し切られていました」
「今の貴女がソレを言うの?」
他の使徒達は開いた口が塞がらなかった。
「クク…面白い、後で私も相手してやろう」
「フィアはダメ手加減ヘタクソだし、出来る技術はあっても興が乗るとすぐ力込めちゃうし」
「ぐぬっ…」
「それより【本番】だよ、ルドラサウム大陸史上でも有ったかどうか分からない対戦カードだ。近接戦闘技能Lv.3同士の戦い、武神一歩手前の武の局地だよ。はぁあの豚でもLv.3有ったのにどうして私は…」
「魔法Lv.3が何を言っているんですか…」
「そりゃ便利だし、超強いのは分かっているけど、近接戦闘も強いほうが、楽しいし、格好良いじゃん?」
それが彼女の思考回路だった。魔法使いに徹すれば簡単に最強に近くなれたのに、わざわざ独自の戦法を編み出してまで近接戦闘に拘るのは彼女の偏屈なある意味での
「肉を殴る感触が好き」というどうしようもない性癖的な部分も有ったが。アリスィアとは可愛い妹だから鍛錬として魔法戦に付き合っていただけに過ぎない。レッドアイが魔法勝負を仕掛けてきても普通に近接戦闘で撲殺するだろう。
アリスィアが庭の端に立てかけていた刀を腰に差してからリリルカと向き合う。初めにキンと甲高い音がした。アリスィアの抜刀術をリリルカが槍で捌いたのだ。
そこから始まる達人同士の立ち合い。見た目はどちらも幼い。その動きの苛烈さが無ければ傍から見れば滑稽だっただろう。
「ハハッアハハハハハハハァアッ!」
アリスィアは歓喜していた。まさか近頃ベルに纏わりついていた虫風情がここまでの
自分に向いてなければ見惚れていただろう。間合いの差が大きい槍と刀の戦いがここまで拮抗することは普通は有り得ない。だが、人間離れした身体能力と技量があれば別だ。
アリスィアがぬるりと間合いに入る。槍の間合いから刀の間合いに。普通ならここで斬りつけて終わりだ。だが、次の瞬間には即リリルカが一飛びで間合いを離し、槍の間合いに戻す。
(
というかこんなのが太古の人類側に自分の他に居たら当時の状況も大分マシになっていただろう。騎士団の仲間と武器での打ち合いの鍛錬が無かったわけではないが、ここまでの使い手は当然居なかった。
自身の呪われた魔眼の力は何故か大半がごっそり消失していたが、その僅かな残滓が魔人の血と結びついて、肥大化し、活性化した。
使徒化や魔人化は、ある程度、主や素体の意志が反映された方向に進化するのだろう。自身の呪われた扱いにくい魔眼の力も非常に使い易くなったようだ。
魔王の衝動ほどではないが、魔人や使徒にも闘争本能はある。魔人の血と自身の魔眼は非常に相性が良いようだ。闘争本能をそのままに自身の
時間をかければ間違いなく
状況と頭の巡りが良くなって冷静に俯瞰出来るようになって分かったが、今世の自分もそこまで捨てたものではなかったらしい。少なくとも頭の出来は前より上だ。
取り敢えずは今の全力を試すか。自身の今の魔眼の能力はかなり使い易い。ここまでも低出力で使用してきた。それを意図的に100%にすれば…
「動きが…速くっ…?」
輝夜が漏らす。先程までの動きは理解不能な部分が多々有っても眼で追える速さだったが、それが今はレベル5くらいの速さにまで上昇していた。
リリルカの眼は真っ赤になっていた。
(この状態は保って5分か…)
アリスィアの基礎
「きれい…」
ルリも一応は武人の端くれだ。格闘のみの鍛錬や立合いもこれまで結構積んできた。やがて先に力尽きたリリルカをルリが抱きとめる。
「素晴らしい成果だわ。リリ。貴女を私の
「はいっ」
涙で顔を濡らしながら満面の笑みで応えるのであった。
n番煎じのリリ魔改造。ナイツ・オブ・フィアナ以来いつもこの展開やってる気する。軍師タイプはそれ活かすための展開考えなきゃいかんから面倒なのよね。
神出鬼没の
人間界にしばしば出没する謎の魔人。特に魔法使いの前に現れることが多い。ミラクルとは友達。6の後のゼスには結構来ている。