GATE×PEACE GEAR―門の向こうの観測者―   作:最上 イズモ

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第9話 誰が神の使徒を連れてきた

 

アルヌス。

 

門を中心に築かれた自衛隊の拠点は、数日前とはもう別物になっていた。

 

車両。

 

テント。

 

通信設備。

 

仮設施設。

 

資材。

 

人員。

 

そして。

 

その中へ。

 

見慣れない一団が入ってくる。

 

エルフの少女。

 

村の避難民。

 

負傷者。

 

そして。

 

黒いゴシック調の服。

 

巨大なハルバート。

 

笑顔。

 

ロゥリィ・マーキュリー。

 

門衛の視線が。

 

止まる。

 

隊員A「……」

 

隊員B「……」

 

ロゥリィ「?」

 

イズモ「見られてる」

 

伊丹「そりゃ見るだろ」

 

イズモ「私も初日は見られた」

 

伊丹「お前とは種類が違う」

 

イズモ「どう違うの」

 

伊丹「説明したくない」

 

ロゥリィは。

 

基地を見回す。

 

興味深そうに。

 

車両。

 

兵士。

 

建物。

 

何より。

 

門。

 

ロゥリィ「へぇ」

 

イズモ「気になる?」

 

ロゥリィ「ええ」

 

イズモ「門?」

 

ロゥリィ「全部」

 

イズモ「それは分かる」

 

伊丹「会話成立してきてるな」

 

イズモ「語彙増えた」

 

伊丹「早いな」

 

イズモ「観測量が多いから」

 

ロゥリィ「?」

 

イズモ「勉強中」

 

ロゥリィ「偉いわねぇ」

 

イズモ「今たぶん褒められた」

 

伊丹「良かったな」

 

イズモ「雑」

 

その時。

 

前方。

 

数名。

 

こちらへ。

 

明らかに。

 

歓迎ではない。

 

伊丹「……来た」

 

イズモ「誰」

 

伊丹「偉い人」

 

イズモ「あ」

 

イズモは。

 

少し。

 

姿勢を直した。

 

ロゥリィ「?」

 

イズモ「たぶん怒られる」

 

ロゥリィ「どうして?」

 

イズモ「あなた」

 

指。

 

ロゥリィ。

 

ロゥリィ「私?」

 

イズモ「うん」

 

ロゥリィ「ふふっ」

 

イズモ「笑い事じゃない」

 

***

 

仮設会議室。

 

伊丹。

 

イズモ。

 

その前。

 

上官。

 

そして。

 

少し離れた場所。

 

ロゥリィ。

 

普通にいる。

 

上官「……まず確認する」

 

伊丹「はい」

 

上官「今回の任務は偵察だったな」

 

伊丹「はい」

 

上官「炎龍被災地を発見」

 

伊丹「はい」

 

上官「生存者救助」

 

伊丹「はい」

 

上官「エルフ一名保護」

 

伊丹「はい」

 

上官「そこまではいい」

 

イズモ「……」

 

伊丹「……」

 

二人。

 

黙る。

 

上官「では」

 

資料。

 

置く。

 

上官「これは何だ」

 

写真。

 

ロゥリィ。

 

ロゥリィ「?」

 

イズモ「人です」

 

伊丹「お前は黙ってろ」

 

イズモ「はい」

 

上官「最上氏」

 

イズモ「はい」

 

上官「君に聞いているわけではない」

 

イズモ「すみません」

 

伊丹「……」

 

上官「伊丹二尉」

 

伊丹「はい」

 

上官「説明」

 

伊丹「現地協力者です」

 

上官「どういう協力を」

 

伊丹「まだ具体的には」

 

上官「では何故いる」

 

伊丹「……」

 

視線。

 

イズモ。

 

イズモ。

 

視線。

 

逸らす。

 

伊丹「おい」

 

イズモ「何」

 

伊丹「こっち見るな」

 

イズモ「見てない」

 

上官「二人とも」

 

同時。

 

伊丹・イズモ「はい」

 

上官「誰が連れてきた」

 

沈黙。

 

伊丹。

 

左。

 

見る。

 

イズモ。

 

右。

 

見る。

 

上官「……」

 

さらに。

 

沈黙。

 

上官「誰が」

 

伊丹「向こうからついてきました」

 

イズモ「本当に」

 

上官「理由は」

 

また。

 

伊丹。

 

イズモを見る。

 

イズモ「……私?」

 

伊丹「お前だろ」

 

イズモ「私何もしてない」

 

伊丹「炎龍と戦った」

 

イズモ「それだけ」

 

伊丹「それが原因だろ」

 

上官「最上氏」

 

イズモ「はい」

 

上官「彼女は何者だ」

 

イズモ「ロゥリィ・マーキュリー」

 

上官「名前ではない」

 

イズモ「あ」

 

少し。

 

止まる。

 

イズモ「エムロイって神様の使徒らしいです」

 

会議室。

 

静か。

 

上官「……神」

 

イズモ「はい」

 

上官「使徒」

 

イズモ「はい」

 

上官「らしい」

 

イズモ「現地情報と本人申告」

 

上官「確認は」

 

イズモ「未確認」

 

上官「年齢は」

 

イズモ「九百六十一」

 

上官「……」

 

伊丹「俺も最初そうなりました」

 

上官「外見は」

 

イズモ「見た通り」

 

上官「人間か」

 

イズモ「たぶん人間由来」

 

上官「たぶん?」

 

イズモ「普通の人ではないのは確か」

 

上官「根拠」

 

イズモ「身体能力」

 

イズモ「感覚」

 

イズモ「あと」

 

ロゥリィを見る。

 

イズモ「本人が神の使徒って言ってる」

 

上官「最後が一番弱い」

 

イズモ「それはそう」

 

上官。

 

深く。

 

息。

 

吐く。

 

上官「戦闘能力」

 

イズモ「不明」

 

上官「推定」

 

イズモ「かなり高い」

 

上官「君より?」

 

イズモ「比較不能」

 

上官「何故」

 

イズモ「戦い方が違いすぎる」

 

ロゥリィ。

 

笑う。

 

イズモ「……たぶん会話内容分かってないけど楽しんでる」

 

伊丹「それは俺も分かる」

 

***

 

別室。

 

観測。

 

記録。

 

ロゥリィのハルバート。

 

形状。

 

重量。

 

材質。

 

測定しようとして。

 

ロゥリィが。

 

ひょい。

 

持ち上げる。

 

隊員「……」

 

隊員「それ、少し貸してもらえます?」

 

ロゥリィ「?」

 

イズモ「貸してって」

 

通訳。

 

ロゥリィ。

 

少し考える。

 

ハルバート。

 

差し出す。

 

隊員。

 

受け取る。

 

落としそうになる。

 

隊員「重っ……!」

 

二人目。

 

支える。

 

ロゥリィ「ふふっ」

 

イズモ「……」

 

隊員「これ何キロあるんだ」

 

別の隊員「測れ」

 

計量。

 

数字。

 

表示。

 

隊員「……」

 

イズモ「どれくらい」

 

隊員「百キロ超えてる」

 

イズモ「……」

 

ロゥリィ。

 

片手。

 

戻す。

 

軽い。

 

まるで。

 

傘。

 

イズモ「普通じゃない」

 

伊丹「今さら」

 

イズモ「実測できたから」

 

ロゥリィ。

 

ハルバート。

 

くる。

 

回す。

 

隊員たち。

 

一歩。

 

下がる。

 

イズモ「室内で振らない」

 

ロゥリィ「?」

 

イズモ「危ない」

 

手。

 

止める。

 

ロゥリィ「はぁい」

 

止めた。

 

伊丹「お前の言うことは聞くんだな」

 

イズモ「なんでだろ」

 

ロゥリィ「面白いから」

 

イズモ「また面白いって言われた」

 

伊丹「好かれてるな」

 

イズモ「その言い方やめて」

 

***

 

午後。

 

正式な聞き取り。

 

今度は。

 

テュカも。

 

同席。

 

簡易通訳。

 

イズモ。

 

まだ。

 

単語。

 

文法。

 

不完全。

 

でも。

 

かなり。

 

理解できるようになっている。

 

テュカ「ロゥリィは有名よ」

 

イズモ「有名」

 

テュカ「知らない人の方が少ない」

 

イズモ「……」

 

伊丹「何だって」

 

イズモ「超有名人らしい」

 

伊丹「マジか」

 

イズモ「しかも」

 

テュカ。

 

続ける。

 

イズモ。

 

聞く。

 

顔。

 

少し。

 

変わる。

 

伊丹「何」

 

イズモ「戦争とか死とか担当する神の使徒」

 

伊丹「嫌な肩書きだな」

 

ロゥリィ「失礼ねぇ」

 

イズモ「今ちょっと怒られた気がする」

 

伊丹「通訳進みすぎだろ」

 

テュカ「ロゥリィは」

 

少し。

 

視線。

 

ロゥリィ。

 

テュカ「戦場に現れることもある」

 

イズモ「戦場」

 

テュカ「死が多い場所」

 

イズモ「……」

 

ロゥリィ。

 

笑顔。

 

でも。

 

昨日から。

 

一度も。

 

殺意は。

 

イズモへ向けていない。

 

好奇心。

 

それだけ。

 

テュカ「でも」

 

イズモ「?」

 

テュカ「誰かについて歩くのは」

 

ロゥリィを見る。

 

テュカ「珍しいと思う」

 

イズモ「……」

 

伊丹「何」

 

イズモ「やっぱり私がおかしいらしい」

 

伊丹「知ってた」

 

イズモ「違う」

 

イズモ「ロゥリィが誰かについてくのが珍しいらしい」

 

伊丹「ああ」

 

一拍。

 

伊丹「やっぱお前目当てじゃん」

 

イズモ「……」

 

ロゥリィ「?」

 

イズモ。

 

ロゥリィを見る。

 

ロゥリィ。

 

にこ。

 

イズモ「帰らない?」

 

ロゥリィ「帰らないわよ?」

 

イズモ「即答された」

 

伊丹「諦めろ」

 

***

 

その日の夕方。

 

自衛隊内部。

 

会議。

 

議題。

 

《ロゥリィ・マーキュリーの扱い》

 

担当者「現地住民証言によれば、宗教的にも極めて高位の存在」

 

別担当「政治的影響は」

 

担当者「不明」

 

「ただし」

 

資料。

 

テュカ。

 

他の現地住民。

 

聞き取り。

 

担当者「帝国内を含め知名度は非常に高い可能性があります」

 

幹部「つまり」

 

担当者「下手に拘束すれば」

 

少し。

 

間。

 

担当者「宗教問題になる可能性がある」

 

別担当「拘束できるのか?」

 

沈黙。

 

ロゥリィ。

 

百キロを超える武器。

 

片手。

 

回す映像。

 

全員。

 

画面。

 

見る。

 

担当者「……推奨しません」

 

幹部「最上氏との関係は」

 

担当者「本人は興味を示している」

 

幹部「それだけ?」

 

担当者「今のところは」

 

幹部「最上氏側は」

 

担当者「困惑しています」

 

画面。

 

イズモ。

 

ロゥリィから。

 

少し。

 

横。

 

離れる。

 

ロゥリィ。

 

同じだけ。

 

詰める。

 

イズモ。

 

また。

 

離れる。

 

ロゥリィ。

 

詰める。

 

数秒。

 

全員。

 

無言。

 

幹部「……」

 

担当者「以上です」

 

幹部「映像そこ要るか?」

 

担当者「関係性資料として」

 

幹部「……」

 

別の幹部。

 

咳払い。

 

幹部「現状」

 

指。

 

資料。

 

幹部「敵対行動なし」

 

担当者「はい」

 

幹部「避難民への攻撃なし」

 

「はい」

 

幹部「自衛隊への攻撃なし」

 

「はい」

 

幹部「最上氏の指示にはある程度応じる」

 

「はい」

 

幹部「なら」

 

資料。

 

閉じる。

 

幹部「監視下で行動を許可」

 

担当者「了解」

 

幹部「ただし」

 

少し。

 

止まる。

 

幹部「最上氏と模擬戦をさせるな」

 

担当者「……はい」

 

別担当「本人たちは」

 

担当者「ロゥリィ側が希望しています」

 

幹部「最上氏は」

 

担当者「拒否」

 

幹部「そのまま拒否させろ」

 

担当者「了解」

 

***

 

同時刻。

 

アルヌス。

 

車両整備区画。

 

イズモは。

 

しゃがみ込んで。

 

タイヤを見ていた。

 

伊丹「今度は何だ」

 

イズモ「摩耗」

 

伊丹「なんで」

 

イズモ「道路悪かったから」

 

伊丹「整備員に任せろ」

 

イズモ「見てるだけ」

 

伊丹「触るなよ」

 

イズモ「触ってない」

 

その後ろ。

 

ロゥリィ。

 

じー。

 

イズモ「……」

 

ロゥリィ「……」

 

イズモ「車、興味ある?」

 

ロゥリィ「あるわ」

 

イズモ「乗る?」

 

ロゥリィ「乗る」

 

伊丹「勝手に乗せるな」

 

イズモ「聞いただけ」

 

ロゥリィ。

 

車体。

 

触る。

 

金属。

 

軽く。

 

こん。

 

音。

 

ロゥリィ「硬い」

 

イズモ「金属」

 

ロゥリィ「馬はいないの?」

 

イズモ「馬」

 

理解。

 

車。

 

指す。

 

イズモ「いない」

 

ロゥリィ「どうして動くの?」

 

イズモ「エンジン」

 

ロゥリィ「えんじん?」

 

イズモ「……」

 

少し。

 

考える。

 

イズモ「中で」

 

手。

 

爆発。

 

表現。

 

イズモ「燃やす」

 

ロゥリィ「火?」

 

イズモ「小さい火」

 

伊丹「説明雑すぎるだろ」

 

イズモ「この言語力で内燃機関説明できる?」

 

伊丹「無理だな」

 

ロゥリィ。

 

車。

 

見る。

 

イズモ。

 

見る。

 

ロゥリィ「あなたが動かしてるの?」

 

イズモ「違う」

 

ロゥリィ「作った?」

 

イズモ「違う」

 

ロゥリィ「じゃあ」

 

イズモ「私は」

 

止まる。

 

何て。

 

説明する。

 

ロゥリィ「?」

 

イズモ「作るの好き」

 

ロゥリィ「何を?」

 

イズモ「色々」

 

伊丹「お前の色々は範囲広いんだよ」

 

イズモ「事実だから」

 

ロゥリィ「作る人?」

 

イズモ「うん」

 

ロゥリィ「戦士じゃなくて?」

 

イズモ「違う」

 

即答。

 

ロゥリィ。

 

少し。

 

驚く。

 

ロゥリィ「でも戦える」

 

イズモ「戦える」

 

ロゥリィ「炎龍とも」

 

イズモ「必要だったから」

 

ロゥリィ「……」

 

ロゥリィ。

 

少し。

 

笑う。

 

ロゥリィ「ますます変ねぇ」

 

イズモ「また?」

 

ロゥリィ「戦えるのに戦士じゃない」

 

イズモ「うん」

 

ロゥリィ「強いのに強さに興味がない」

 

イズモ「そんなに」

 

ロゥリィ「殺せるのに殺したくない」

 

イズモ「必要ないなら」

 

ロゥリィ「それなのに」

 

距離。

 

少し。

 

近づく。

 

イズモ「近い」

 

ロゥリィ「必要なら」

 

笑顔。

 

少し。

 

消える。

 

ロゥリィ「殺す」

 

イズモ「……うん」

 

ロゥリィ「やっぱり」

 

また。

 

笑う。

 

ロゥリィ「面白い」

 

イズモ「それしか言ってない」

 

ロゥリィ「だってそうなんだもの」

 

***

 

翌朝。

 

自衛隊。

 

新たな任務。

 

周辺地域。

 

偵察。

 

住民接触。

 

情報収集。

 

伊丹「編成出たぞ」

 

イズモ「行く」

 

伊丹「まだ内容言ってない」

 

イズモ「外でしょ」

 

伊丹「外だ」

 

イズモ「行く」

 

伊丹「まあ最初から入ってるけどな」

 

イズモ「ならなんで聞いた」

 

伊丹「反応見たかった」

 

イズモ「性格悪」

 

伊丹「お前に言われたくない」

 

その横。

 

ロゥリィ。

 

普通に。

 

立つ。

 

伊丹「……」

 

イズモ「……」

 

伊丹「お前も?」

 

ロゥリィ「?」

 

イズモ「行く?」

 

ロゥリィ「もちろん」

 

イズモ「行くって」

 

伊丹「だろうな」

 

さらに。

 

後ろ。

 

テュカ。

 

荷物。

 

持つ。

 

伊丹「……君も?」

 

イズモ。

 

通訳。

 

テュカ「行く」

 

イズモ「行くって」

 

伊丹「増えたな」

 

イズモ「パーティーみたい」

 

伊丹「ゲーム感覚やめろ」

 

イズモ「比喩」

 

伊丹「知ってる」

 

ロゥリィ。

 

イズモの横。

 

テュカ。

 

少し。

 

離れる。

 

伊丹。

 

前。

 

車両。

 

待つ。

 

その光景を。

 

遠くから見た隊員。

 

隊員A「……二尉」

 

隊員B「何」

 

隊員A「いつの間に異世界人二人も増えたんです?」

 

隊員B「知らん」

 

隊員A「しかも片方神の使徒らしいですよ」

 

隊員B「知ってる」

 

隊員A「なんであの人の横にいるんです?」

 

視線。

 

イズモ。

 

ロゥリィ。

 

隊員B「……」

 

しばらく。

 

見る。

 

ロゥリィ。

 

何か。

 

イズモへ。

 

言う。

 

イズモ。

 

嫌そうな顔。

 

ロゥリィ。

 

笑う。

 

隊員B「本人にも分かってないらしい」

 

隊員A「じゃあ誰に聞けば」

 

隊員B「神様?」

 

隊員A「嫌ですよ」

 

隊員B「俺もだ」

 

車両。

 

エンジン。

 

動く。

 

新しい。

 

偵察。

 

今度は。

 

ただの軍事偵察ではない。

 

異世界人。

 

神の使徒。

 

AIH。

 

自衛官。

 

まだ。

 

互いのことを。

 

ほとんど知らない。

 

妙な一行。

 

伊丹「よし」

 

前。

 

見る。

 

伊丹「行くぞ」

 

イズモ「了解」

 

テュカ「……」

 

ロゥリィ「楽しみねぇ」

 

車列が。

 

アルヌスを出る。

 

誰もまだ。

 

知らない。

 

この先。

 

街。

 

商人。

 

帝国。

 

亜人。

 

魔法使い。

 

そして。

 

日本では。

 

絶対に出会うことのなかった者たちと。

 

接触していくことを。

 

ただ一人。

 

ロゥリィだけは。

 

その先よりも。

 

隣にいる。

 

妙なAIHの方を。

 

楽しそうに。

 

眺めていた。

 

イズモ「……何」

 

ロゥリィ「別に?」

 

イズモ「絶対何かある」

 

伊丹「もう放っておけ」

 

イズモ「監視役がそれ言う?」

 

伊丹「俺にも限界はある」

 

その会話を乗せて。

 

車列は。

 

異世界の道を。

 

進んでいった。

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