GATE×PEACE GEAR―門の向こうの観測者―   作:最上 イズモ

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第10話 魔術師は、観測者を見る

街道。

 

というには。

 

かなり荒れていた。

 

土。

 

轍。

 

石。

 

ところどころ。

 

草。

 

車列は。

 

速度を抑えながら。

 

進んでいる。

 

イズモ「……やっぱ路面悪い」

 

伊丹「まだ言うか」

 

イズモ「車両側の負荷見てる」

 

伊丹「偵察しろ」

 

イズモ「してる」

 

窓の外。

 

森。

 

丘。

 

遠く。

 

家。

 

畑。

 

人。

 

少しずつ。

 

増えてきた。

 

アルヌス周辺より。

 

明らかに。

 

生活圏。

 

イズモ「人増えた」

 

伊丹「見れば分かる」

 

イズモ「いや」

 

少し。

 

前。

 

見る。

 

イズモ「こっち見てる人数」

 

沿道。

 

住民。

 

作業を止めている。

 

奇妙な。

 

車両。

 

音。

 

服。

 

武器。

 

当然。

 

視線。

 

集まる。

 

テュカ「珍しいから」

 

イズモ「それはそう」

 

ロゥリィ「あなたも珍しいわよ?」

 

イズモ「私?」

 

ロゥリィ「ええ」

 

イズモ「見た目は普通でしょ」

 

ロゥリィ「中身がねぇ」

 

イズモ「……」

 

伊丹「何言われた」

 

イズモ「中身が変って」

 

伊丹「正しい」

 

イズモ「味方いない」

 

テュカ。

 

少し。

 

笑う。

 

この数日で。

 

イズモの現地語は。

 

かなり。

 

伸びていた。

 

まだ。

 

語彙。

 

足りない。

 

文法。

 

怪しい。

 

それでも。

 

日常会話。

 

簡単な意思疎通。

 

ある程度。

 

できる。

 

ロゥリィ「覚えるの早すぎるのよ」

 

イズモ「音声量多いから」

 

ロゥリィ「そういう問題?」

 

イズモ「多分」

 

伊丹「多分多いな」

 

イズモ「未確認だから」

 

伊丹「はいはい」

 

前方。

 

隊列。

 

減速。

 

伊丹の顔。

 

変わる。

 

伊丹「何かある」

 

イズモ「止まった?」

 

伊丹「確認する」

 

車両。

 

停止。

 

隊員。

 

降りる。

 

イズモも。

 

降りる。

 

ロゥリィ。

 

続く。

 

テュカも。

 

前。

 

荷車。

 

一台。

 

横倒し。

 

道。

 

塞ぐ。

 

人。

 

数人。

 

その中。

 

一人。

 

青い髪。

 

小柄。

 

ローブ。

 

地面。

 

しゃがんでいる。

 

イズモ「……」

 

伊丹「怪我人?」

 

隊員「確認します」

 

近づく。

 

横倒し。

 

荷車。

 

車輪。

 

外れている。

 

軸。

 

折れ。

 

荷物。

 

散乱。

 

青髪の少女。

 

じっと。

 

車輪を見ている。

 

そして。

 

手。

 

小さく。

 

動かす。

 

空気。

 

揺れる。

 

イズモ「……」

 

止まる。

 

視界。

 

変わる。

 

周辺。

 

微弱な。

 

エネルギー。

 

集まる。

 

少女。

 

指先。

 

集中。

 

イズモ「魔法」

 

伊丹「分かるのか」

 

イズモ「銀座の火球と同系統」

 

少女。

 

短く。

 

呟く。

 

次の瞬間。

 

車輪の脇。

 

小石。

 

数個。

 

浮く。

 

伊丹「……」

 

イズモ「やっぱり」

 

ロゥリィ「魔術よ」

 

イズモ「術式?」

 

ロゥリィ「そう」

 

少女。

 

こちら。

 

気づく。

 

視線。

 

止まる。

 

車両。

 

自衛隊。

 

ロゥリィ。

 

テュカ。

 

最後。

 

イズモ。

 

数秒。

 

見つめる。

 

レレイ「……」

 

イズモ「こんにちは」

 

少女。

 

少し。

 

目。

 

細くなる。

 

レレイ「発音が変」

 

イズモ「勉強中」

 

レレイ「どこの人?」

 

イズモ「向こう」

 

門の方向。

 

指す。

 

レレイ「……門?」

 

伊丹「会話できてる?」

 

イズモ「一応」

 

少女。

 

自衛隊。

 

見る。

 

レレイ「アルヌスの?」

 

イズモ「そう」

 

ロゥリィ「レレイじゃない」

 

レレイ。

 

ロゥリィを見る。

 

レレイ「ロゥリィ」

 

伊丹「知り合い?」

 

イズモ「たぶん」

 

ロゥリィ「有名な子よ」

 

イズモ「また有名人」

 

伊丹「この世界有名人多いな」

 

ロゥリィ「この子はレレイ・ラ・レレーナ」

 

イズモ「レレイ」

 

レレイ。

 

イズモ。

 

見る。

 

レレイ「あなたは?」

 

イズモ「最上イズモ」

 

レレイ「イズモ」

 

一拍。

 

レレイ「さっき」

 

イズモ「?」

 

レレイ「魔法って言った」

 

イズモ「言った」

 

レレイ「見える?」

 

イズモ「見えるというか」

 

止まる。

 

どう。

 

説明する。

 

イズモ「反応を観測できる」

 

レレイ「反応?」

 

イズモ「周辺のエネルギー変化」

 

レレイ「……」

 

明らかに。

 

目。

 

変わった。

 

興味。

 

ロゥリィの時とは違う。

 

静か。

 

でも。

 

強い。

 

レレイ「それ」

 

一歩。

 

近づく。

 

レレイ「詳しく」

 

イズモ「……」

 

伊丹「来たな」

 

イズモ「何が」

 

伊丹「お前と同類」

 

イズモ「違う」

 

レレイ「詳しく」

 

イズモ「圧が強い」

 

***

 

荷車。

 

修理。

 

自衛隊員。

 

手伝う。

 

ジャッキ。

 

工具。

 

車軸。

 

応急処置。

 

レレイ。

 

その横。

 

イズモ。

 

地面。

 

簡単な図。

 

描いている。

 

イズモ「魔法使う時」

 

円。

 

描く。

 

イズモ「ここ」

 

周囲。

 

示す。

 

イズモ「何か集まる」

 

レレイ「マナ?」

 

イズモ「マナ」

 

レレイ「そう呼ぶ」

 

イズモ「じゃあマナ」

 

レレイ「見える?」

 

イズモ「直接じゃない」

 

線。

 

描く。

 

イズモ「変化」

 

レレイ「変化」

 

イズモ「密度」

 

レレイ「密度?」

 

イズモ「集まる」

 

手。

 

中央。

 

寄せる。

 

イズモ「偏る」

 

レレイ「……」

 

地面。

 

見る。

 

イズモ「そのあと」

 

炎。

 

図。

 

イズモ「現象に変換」

 

レレイ「術式で」

 

イズモ「術式」

 

繰り返す。

 

イズモ「そう」

 

レレイ「あなたも使える?」

 

イズモ「似たことは」

 

レレイ「魔術師?」

 

イズモ「違う」

 

レレイ「じゃあ何?」

 

イズモ「AIH」

 

レレイ「えーあい……」

 

イズモ「説明すると長い」

 

伊丹「出た」

 

イズモ「聞いてた?」

 

伊丹「聞こえる」

 

レレイ「長くてもいい」

 

イズモ「え」

 

レレイ「聞く」

 

イズモ「……」

 

伊丹「逃げ道塞がれたな」

 

イズモ「助けて」

 

伊丹「嫌だ」

 

ロゥリィ「ふふっ」

 

テュカ「レレイはそういう子」

 

イズモ「知ってるの?」

 

テュカ「少し」

 

レレイ「説明」

 

イズモ「今?」

 

レレイ「今」

 

イズモ「荷車直るまで?」

 

レレイ「その後も」

 

イズモ「……」

 

伊丹「ご愁傷様」

 

***

 

数分後。

 

イズモ「人型統合知性体」

 

レレイ「もっと詳しく」

 

イズモ「身体と知性が一体化」

 

レレイ「人造?」

 

イズモ「一部」

 

レレイ「誰が作った?」

 

イズモ「……長い」

 

レレイ「聞く」

 

イズモ「そこ掘る?」

 

レレイ「重要」

 

イズモ「重要だけど」

 

レレイ「なら説明」

 

イズモ「……」

 

地面。

 

新しい。

 

図。

 

描く。

 

人。

 

構造。

 

レレイ。

 

座る。

 

完全に。

 

聞く姿勢。

 

伊丹。

 

少し離れて。

 

腕。

 

組む。

 

ロゥリィ「楽しそうねぇ」

 

伊丹「どっちが?」

 

ロゥリィ「両方」

 

伊丹「イズモは逃げたい顔してるぞ」

 

ロゥリィ「でもちゃんと説明してる」

 

伊丹「そういうとこ律儀なんだよな」

 

テュカ「レレイは止まらないと思う」

 

伊丹「だろうな」

 

***

 

イズモ「だから」

 

地面。

 

指。

 

イズモ「私は命令だけで動かない」

 

レレイ「自律?」

 

イズモ「そう」

 

レレイ「判断基準は?」

 

イズモ「状況」

 

レレイ「曖昧」

 

イズモ「全部規則化すると破綻するから」

 

レレイ「なぜ」

 

イズモ「例外がある」

 

レレイ「例」

 

イズモ「……」

 

伊丹「完全に授業だな」

 

ロゥリィ「先生はどっちかしら」

 

伊丹「両方生徒だろ」

 

イズモ「例えば」

 

地面。

 

二人。

 

描く。

 

イズモ「敵」

 

一人。

 

描く。

 

イズモ「味方」

 

次。

 

民間人。

 

イズモ「この敵を殺せば民間人助かる」

 

レレイ「殺す」

 

イズモ「非殺傷で止められるなら?」

 

レレイ「止める」

 

イズモ「そう」

 

レレイ「でも時間がないなら?」

 

イズモ「殺す可能性」

 

レレイ「絶対ではない」

 

イズモ「絶対にすると危ない」

 

レレイ「……」

 

少し。

 

考える。

 

レレイ「合理的」

 

イズモ「倫理もある」

 

レレイ「合理と倫理は分ける?」

 

イズモ「分けるけど」

 

止まる。

 

イズモ「最終的には一緒に見る」

 

レレイ「……」

 

少し。

 

目。

 

上げる。

 

レレイ「面白い」

 

イズモ「また?」

 

ロゥリィ「ふふふ」

 

イズモ「なんでこっちの人みんな私に面白いって言うの」

 

伊丹「お前が面白いからだろ」

 

イズモ「納得いかない」

 

***

 

荷車。

 

修理。

 

終わる。

 

だが。

 

レレイは。

 

終わらない。

 

レレイ「次」

 

イズモ「まだあるの?」

 

レレイ「あなたの術式」

 

イズモ「術式じゃない」

 

レレイ「現象操作」

 

イズモ「そっち」

 

レレイ「見たい」

 

イズモ「今?」

 

レレイ「今」

 

イズモ「危ないのはなし」

 

レレイ「同意」

 

イズモ。

 

周囲。

 

見る。

 

石。

 

一つ。

 

指。

 

イズモ「これ」

 

小石。

 

地面。

 

ロゥリィ「何するの?」

 

イズモ「軽いので」

 

手。

 

上。

 

小石。

 

ふわ。

 

浮く。

 

レレイ「……」

 

近づく。

 

イズモ「近い」

 

レレイ「術式がない」

 

イズモ「使ってない」

 

レレイ「詠唱も」

 

イズモ「しない」

 

レレイ「マナは?」

 

イズモ「周辺のはほぼ動いてない」

 

レレイ「……」

 

小石。

 

横。

 

移動。

 

回転。

 

停止。

 

ゆっくり。

 

地面。

 

戻る。

 

レレイ「何で?」

 

イズモ「力学的に」

 

レレイ「魔法じゃない?」

 

イズモ「違う」

 

レレイ「でも触ってない」

 

イズモ「そう」

 

レレイ「念動?」

 

イズモ「違う」

 

レレイ「術具?」

 

イズモ「ない」

 

レレイ「……」

 

今度。

 

レレイ。

 

小石。

 

拾う。

 

見る。

 

普通。

 

石。

 

レレイ「もう一回」

 

イズモ「はい」

 

また。

 

浮く。

 

レレイ。

 

見る。

 

マナ。

 

反応。

 

少ない。

 

レレイ「……分からない」

 

イズモ「私も魔法分からない」

 

二人。

 

止まる。

 

視線。

 

合う。

 

レレイ「交換」

 

イズモ「何を」

 

レレイ「知識」

 

イズモ「……」

 

レレイ「あなたは魔法を知りたい」

 

イズモ「うん」

 

レレイ「私はあなたの技術を知りたい」

 

イズモ「全部は無理」

 

レレイ「私も全部は無理」

 

イズモ「危険なものは出さない」

 

レレイ「同意」

 

イズモ「無理強いしない」

 

レレイ「同意」

 

イズモ「やめたくなったらやめる」

 

レレイ「同意」

 

イズモ「……」

 

少し。

 

笑う。

 

イズモ「それなら」

 

手。

 

出す。

 

イズモ「交換」

 

レレイ。

 

その手。

 

見る。

 

昨日。

 

ロゥリィと。

 

同じ。

 

握手。

 

まだ。

 

この世界では。

 

馴染みの薄い。

 

合図。

 

レレイ「これは?」

 

イズモ「約束の合図」

 

レレイ。

 

少し。

 

考える。

 

手。

 

握る。

 

レレイ「交換」

 

イズモ「交換」

 

ロゥリィ「……」

 

少し。

 

離れたところ。

 

見ている。

 

伊丹「何だ」

 

ロゥリィ「別に?」

 

伊丹「顔が別にじゃない」

 

ロゥリィ「面白い子が増えたなって」

 

伊丹「増えたっていうか」

 

イズモ。

 

レレイ。

 

もう。

 

地面。

 

図。

 

描き始めている。

 

伊丹「完全に捕まったな」

 

ロゥリィ「ふふっ」

 

***

 

出発。

 

準備。

 

レレイ。

 

普通に。

 

荷物。

 

持つ。

 

イズモ「……どこ行くの」

 

レレイ「あなたたちと」

 

イズモ「なんで」

 

レレイ「交換」

 

イズモ「ここでじゃないの」

 

レレイ「資料が足りない」

 

イズモ「……」

 

伊丹。

 

横。

 

通る。

 

伊丹「また増えたな」

 

イズモ「私悪くない」

 

伊丹「今度は誰だ」

 

イズモ「レレイ」

 

伊丹「名前じゃなくて」

 

イズモ「魔術師」

 

レレイ「賢者を目指してる」

 

イズモ「賢者志望」

 

伊丹「年齢は」

 

イズモ「聞いてない」

 

レレイ「十五」

 

伊丹「……」

 

イズモ「十五」

 

伊丹「未成年じゃないか!」

 

イズモ「こっちの基準分からない」

 

伊丹「それはそうだが!」

 

ロゥリィ「若いわねぇ」

 

イズモ「九百六十一歳が言うと重い」

 

ロゥリィ「何か言った?」

 

イズモ「何も」

 

テュカ「レレイなら大丈夫だと思う」

 

伊丹「何を基準に?」

 

テュカ「多分」

 

伊丹「多分か……」

 

車両。

 

準備。

 

レレイ。

 

見る。

 

目。

 

明らかに。

 

輝いている。

 

レレイ「これも聞きたい」

 

イズモ「車?」

 

レレイ「全部」

 

イズモ「全部?」

 

レレイ「どうして動く」

 

イズモ「エンジン」

 

レレイ「エンジンとは」

 

イズモ「……」

 

伊丹「説明すると長い」

 

イズモ「それ私の台詞!」

 

レレイ「長くても聞く」

 

イズモ「逃げられない」

 

ロゥリィ「楽しそうね」

 

イズモ「楽しさ半分、負荷半分」

 

レレイ「続き」

 

イズモ「はい」

 

***

 

車列。

 

再び。

 

動く。

 

伊丹。

 

前。

 

テュカ。

 

窓。

 

外。

 

ロゥリィ。

 

イズモの横。

 

そして。

 

その反対側。

 

レレイ。

 

イズモ「……」

 

右。

 

ロゥリィ。

 

左。

 

レレイ。

 

イズモ「伊丹さん」

 

伊丹「何だ」

 

イズモ「席変わって」

 

伊丹「嫌だ」

 

イズモ「なんで」

 

伊丹「静かだから」

 

イズモ「ひどい」

 

レレイ「イズモ」

 

イズモ「はい」

 

レレイ「マナを観測する方法」

 

イズモ「まだ仮説」

 

レレイ「仮説でいい」

 

ロゥリィ「ねえイズモ」

 

イズモ「はい」

 

ロゥリィ「今度戦いましょう?」

 

イズモ「嫌」

 

レレイ「なぜ?」

 

イズモ「必要ない」

 

レレイ「戦えばデータ取れる」

 

イズモ「そっち側に回らないで」

 

ロゥリィ「ほら」

 

レレイ「条件を限定すれば危険は減らせる」

 

イズモ「理屈で攻めてこないで!」

 

伊丹。

 

前。

 

少し。

 

笑っている。

 

イズモ「聞こえてるからね!」

 

伊丹「俺は何も言ってない」

 

テュカ。

 

窓の外。

 

見ながら。

 

少し。

 

笑う。

 

異世界。

 

未知。

 

危険。

 

帝国。

 

炎龍。

 

門。

 

まだ。

 

分からないことは。

 

多い。

 

だが。

 

その中。

 

また一人。

 

妙な同行者が。

 

増えた。

 

ロゥリィは。

 

イズモの戦い方に。

 

興味を持った。

 

レレイは。

 

イズモの技術に。

 

興味を持った。

 

そして。

 

イズモは。

 

二人の存在から。

 

この世界そのものを。

 

少しずつ。

 

理解し始めていた。

 

ただ。

 

一つだけ。

 

確実に。

 

言えること。

 

イズモ「……静かな偵察任務どこ行ったんだろ」

 

伊丹「最初からなかったんじゃないか?」

 

イズモ「そんなぁ」

 

車列は。

 

次の街へ。

 

向かう。

 

その先。

 

帝国。

 

魔術。

 

神。

 

文明。

 

国家。

 

そして。

 

門。

 

まだ。

 

誰も知らない。

 

繋がったのは。

 

二つの世界だけではない。

 

知識。

 

価値観。

 

技術。

 

そして。

 

それまで。

 

交わるはずのなかった。

 

人と人。

 

その最初の小さな交換が。

 

今。

 

始まっていた。

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