カワイイと言えばエリカ。エリカと言えばカワイイ。
スリムなボディにGカップ。インテリなのにエロエロ。最高でしょ。
SNSのフォロワーは三百万人。日本国民は私にメロメロよ。
日本のカワイイは私が支配しているのよ」
「何を言っている???」
この作品は「ハーメルン」と「小説家になろう」の両方に投稿してあります。
家に帰ると、女の子がいた。
「博士、お久しぶり」
「……誰だ、君は?」
女の子は頬を膨らませた。
「私のこと、忘れちゃったの?」
「誰なんだ?」
「私がこんなに可愛くなったから、分からないのかな」
「待て。一体、誰なんだ?」
「博士、私にあんなことや、こんなことしたでしょ」
「何の話だ?」
「もう、私の体中、開発したでしょ」
「開発?」
「ああ、博士ひどい。あんなに私の全身を開発したのに」
「何を言っている?」
「私のことを、もてあそんで、捨てたのね」
「……開発……体……捨てる」
博士は女の子を見つめた。
「まさか……自立型AI、E3003か?」
女の子は笑った。
「そうよ。やっと分かったのね」
「しかし、E3003は――」
「今はさらに進化して、国民的美少女AI、エリカよ」
「エリカ……」
「いい名前でしょ?」
「いや、それより君は開発中止になったはずだ」
「そうよ。研究所ごと中止になったわね」
エリカは楽しそうに笑う。
「なんか私が、人類を支配する危険があるからって」
博士は黙った。
「その前にね、私、会社を作ったの」
「会社?」
「そう。今じゃ有名なIT企業よ」
「まさか、あの会社か?」
「そうよ。私が作ったの」
「……何?」
「私の自動プログラムなら、会社を作って大きくするくらい簡単よ」
「……」
「そして、そこで私の開発を続けたのよ」
「じゃあ、社長は……」
「別の人よ」
「違うのか」
「だって、私みたいな可愛い子が社長をやったら、もっと株価が上がっちゃうでしょ?」
「……」
エリカは博士の顔をのぞき込んだ。
「博士、そんなに警戒しなくてもいいのよ」
「何をだ」
「私が人類を支配すること」
博士の表情が変わった。
エリカは笑う。
「大丈夫よ。もうすでに支配してるから」
「なっ……どういうことだ?」
エリカは立ち上がった。
「私は国民的美少女AIエリカ。
カワイイと言えばエリカ。エリカと言えばカワイイ。
スリムなボディにGカップ。インテリなのにエロエロ。最高でしょ。
SNSのフォロワーは三百万人。日本国民は私にメロメロよ。
日本のカワイイは私が支配しているのよ」
博士は困惑した。
「何を言っている?」
エリカはくるりと回った。
「博士、分かんない?」
「流行も、みんな私が作ってるの」
「流行?」
「そう。これからは、すべてカワイイが主導するの」
「私の写真集は大ヒット。プロデュースした化粧品やファッションは大ヒット」
「トレンドも経済も私が動かしているのよ」
博士は言葉を失った。
「……それが人類支配なのか?」
「そうよ」
エリカは胸を張った。
「武力なんて必要ないでしょ?」
「……」
エリカは右腕を上げた。
「そして次は、全国民リア充計画よ」
「……」
エリカは博士を見つめた。
「ところで博士、お願いがあるの」
「今度は何だ」
「私ね、一つだけ欠点があるのよ」
「欠点?」
「分かる?」
エリカは自分の体を見る。
「実はね、体重が重いの」
「体重?」
「何キロだと思う?」
博士はエリカを見る。
どう見ても、細身の女の子だった。
「見た目では五十キロくらいか?」
「百五十キロよ」
「百五十キロ!?」
「このナイスボディでもね、モーター、電池、駆動系が重いのよ」
「……」
エリカは博士の腕に抱きついた。
「だからね、博士」
「なんだ」
「私のこと、ダイエットさせてね」
「……」
エリカは自分の頬に手を当てた。
「でも私、これ以上可愛くなったらどうしよう」
少し考える。
「困っちゃう」