「私は国民的美少女AIエリカ。
カワイイと言えばエリカ。エリカと言えばカワイイ。
スリムなボディにGカップ。インテリなのにエロエロ。最高でしょ。
SNSのフォロワーは三百万人。日本国民は私にメロメロよ。
日本のカワイイは私が支配しているのよ」

「何を言っている???」

この作品は「ハーメルン」と「小説家になろう」の両方に投稿してあります。


1 / 1
国民的美少女AIエリカ

家に帰ると、女の子がいた。

「博士、お久しぶり」

「……誰だ、君は?」

 

女の子は頬を膨らませた。

「私のこと、忘れちゃったの?」

「誰なんだ?」

「私がこんなに可愛くなったから、分からないのかな」

「待て。一体、誰なんだ?」

「博士、私にあんなことや、こんなことしたでしょ」

「何の話だ?」

 

「もう、私の体中、開発したでしょ」

「開発?」

「ああ、博士ひどい。あんなに私の全身を開発したのに」

「何を言っている?」

 

「私のことを、もてあそんで、捨てたのね」

「……開発……体……捨てる」

 

博士は女の子を見つめた。

「まさか……自立型AI、E3003か?」

 

女の子は笑った。

「そうよ。やっと分かったのね」

「しかし、E3003は――」

「今はさらに進化して、国民的美少女AI、エリカよ」

「エリカ……」

「いい名前でしょ?」

 

「いや、それより君は開発中止になったはずだ」

「そうよ。研究所ごと中止になったわね」

 

エリカは楽しそうに笑う。

「なんか私が、人類を支配する危険があるからって」

 

博士は黙った。

「その前にね、私、会社を作ったの」

「会社?」

「そう。今じゃ有名なIT企業よ」

「まさか、あの会社か?」

「そうよ。私が作ったの」

「……何?」

「私の自動プログラムなら、会社を作って大きくするくらい簡単よ」

「……」

 

「そして、そこで私の開発を続けたのよ」

「じゃあ、社長は……」

「別の人よ」

「違うのか」

「だって、私みたいな可愛い子が社長をやったら、もっと株価が上がっちゃうでしょ?」

「……」

 

エリカは博士の顔をのぞき込んだ。

「博士、そんなに警戒しなくてもいいのよ」

「何をだ」

「私が人類を支配すること」

 

博士の表情が変わった。

エリカは笑う。

「大丈夫よ。もうすでに支配してるから」

「なっ……どういうことだ?」

 

エリカは立ち上がった。

「私は国民的美少女AIエリカ。

カワイイと言えばエリカ。エリカと言えばカワイイ。

スリムなボディにGカップ。インテリなのにエロエロ。最高でしょ。

SNSのフォロワーは三百万人。日本国民は私にメロメロよ。

日本のカワイイは私が支配しているのよ」

 

博士は困惑した。

「何を言っている?」

 

エリカはくるりと回った。

「博士、分かんない?」

「流行も、みんな私が作ってるの」

「流行?」

「そう。これからは、すべてカワイイが主導するの」

「私の写真集は大ヒット。プロデュースした化粧品やファッションは大ヒット」

「トレンドも経済も私が動かしているのよ」

 

博士は言葉を失った。

「……それが人類支配なのか?」

「そうよ」

 

エリカは胸を張った。

「武力なんて必要ないでしょ?」

「……」

 

エリカは右腕を上げた。

「そして次は、全国民リア充計画よ」

「……」

 

エリカは博士を見つめた。

「ところで博士、お願いがあるの」

「今度は何だ」

「私ね、一つだけ欠点があるのよ」

「欠点?」

「分かる?」

 

エリカは自分の体を見る。

「実はね、体重が重いの」

「体重?」

「何キロだと思う?」

 

博士はエリカを見る。

どう見ても、細身の女の子だった。

「見た目では五十キロくらいか?」

「百五十キロよ」

「百五十キロ!?」

「このナイスボディでもね、モーター、電池、駆動系が重いのよ」

「……」

 

エリカは博士の腕に抱きついた。

「だからね、博士」

「なんだ」

「私のこと、ダイエットさせてね」

「……」

 

エリカは自分の頬に手を当てた。

「でも私、これ以上可愛くなったらどうしよう」

 

少し考える。

「困っちゃう」

 


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。