欲しがりな義妹に聖女の力を奪われましたので、好きにさせていただきます 作:カレーとスコップ
勝利の宴を楽しんだ翌日、普段より遅い時間にアンネローゼは目を覚ました。
日はすでに昇りきっていて、あと二時間もすれば昼になるという時間だった。居間に出ると、物音で起きてきたのか、村で最初に会った女性──カレンディーナが寝室から眠たい目をこすりながら出てきた。
「アンネ、ずいぶん早いじゃないか。まだ午前中だよ」
「あ、カレンさん。早い、ですか? もうお昼ですよね?」
昨日の宴で村人たちと打ち解けて互いに自己紹介をした。と言っても、アンネローゼの名前をきっちり呼んでいたのは最初だけ。
すぐにカレンディーナのことをカレンと愛称で呼んでいるのに倣って、アンネと呼ばれるようになっていた。
愛称と言うだけあって、アンネと呼ばれることに抵抗はない。なんなら呼ばれると少しだけ胸が暖かくなる気がするほどだ。同じ呼び方でも兵器とか聖女様とはえらい違いだった。
「何を言ってるんだい、宴の翌日は村中みんな休みだよ。どこの家も起きるのは昼過ぎだ」
昼過ぎまで寝ているという事実を知って、アンネローゼは目を丸くして驚く。いくら昨晩の宴で夜更かししたとはいえ、あまりに自堕落に感じられた。
のんびりとした村の空気は、自由になったアンネローゼにとって心地よいものになるはずだった。
しかし、これまで酷使されてきたせいで、背後から絶え間なく襲ってくる『休むな、働け』という声が、彼女の心を締め付けて落ち着きを失わせる。
熱に浮かされたように台所へと向かおうとするアンネローゼの両肩をカレンディーナが物凄い力で掴んで椅子に座らせた。
前世は兵器と呼ばれ、先日までは聖女と崇められていたアンネローゼだったが、その力は主に魔力や魔法によるもの。屈強というにはほど遠いカレンディーナの力にすら押し負けてしまう。
「今日は休みだって言っただろ。毎日働き詰めじゃ、いつか参っちまう。こうして休める時にはきっちり休むのも仕事だよ。ほら、軽く朝食を作ってやるから、お茶でも飲んで待ってな」
強引に椅子に座って休むように言われたおかげか、いつの間にかアンネローゼを追い立てる声は聞こえなくなっていた。
カレンディーナはお茶の入ったカップをアンネローゼの前に置くと、台所へと消えていった。一口飲むと、お茶は爽やかな香りを振りまきながらアンネローゼの喉を潤していく。
ほどなくして、カレンディーナがガレットと野菜くずを煮込んだスープをアンネローゼの目の前に置いた。
小麦の焼ける香ばしい匂いが食欲をそそる。十分に睡眠を取った直後の空腹に駆り立てられるようにナイフとフォークを取り、ガレットを一口大に切って口の中に放り込んだ。
パリッとした生地、プルンとした白身、ハムとチーズの濃厚な味が、アンネローゼの口の中で混然一体となって広がっていく。
「お、美味しい……です」
「そりゃあ良かった。ありあわせで作ったから、口に合うかわからなかったけど」
「いえ、十分ですよ。むしろ、今日はまだ働いていないのに食事まで頂けるなんて……」
アンネローゼにとって、食事とは働いた対価として与えられるものという認識があった。兵器だった頃は戦果を上げられなければ当然のように食事は抜かれたし、聖女だった頃は修行という名目で聖女としての活動の見返りとして質素な食事が出されるだけだった。
そんな生活が染みついているアンネローゼにとって、昼近くまで寝ていたことも初めてだったが、労働の前に食事を取るのも初めてだった。
あまりにも初めてのことが続きすぎて、アンネローゼが落ち着かなくてそわそわしていると、カレンディーナが豪快に笑った。
「あっはっは。そんな恐縮する必要はないんだけどね。そもそもアンネは十分に働いているじゃないか」
「えっ、でも、今日は……」
「昨日、ゴブリンの軍勢を殲滅したじゃないか。それだけで一月分の食料が守られたことを考えれば、十分すぎる仕事だよ」
カレンディーナの言っていることは正しい。しかし、アンネローゼにとって今日はまだ働いていないという事実だけで、心が波立ってしまう。
所在なく視線を彷徨わせるアンネローゼの姿に、カレンディーナがため息を吐いて両手を取り、ジッと顔を見つめてくる。
「心配しなくてもいいよ。今日はとびきり大事な仕事があるからね。しかも、アンネにしか頼めない大事な仕事がね!」
「ほ、本当ですか?!」
「ああ、もちろんだよ。ずっと休んでいるのは、来るべき時に万全になってもらうための準備──これも大事な仕事の一つだ!」
アンネローゼの心に『大事な仕事』という言葉が響き渡る。闇に覆われていた世界に一条の光が差し込むような安心感に自然と脱力していた。
「カレンさん──」
「これでわかっただろ。アンネにとって、今は全力で休んで英気を養うのが仕事だってことにね」
「はい」
「じゃあ、スープも味わって食べな。具材はショボいけど、うちで取れた野菜だから味は保証するよ」
「はい! それじゃあいただきます」
カレンディーナに勧められるまま、スープに口をつける。仄かな塩味の奥に何種類もの野菜を丹念に煮込んだ優しい味のダシが利いていて、全身に力がみなぎってくるように感じる。
「これも凄いです。美味しいだけじゃなくて力が湧いてくるような──」
「そうだろう? 野菜だけじゃなくて肉も使っているからね」
アンネローゼは目を丸くする。貴族として様々な料理を食べてきた。それでも肉が使われていることに気付かなかった。たしかに野菜だけにしては味がしっかりしている。
「肉も? 全然わかりませんでした」
「少し特殊な肉だし、酒や香辛料で臭みを消してるから、初めてだと気付かないだろうね」
「そうなんですか──ちなみに何の肉ですか?」
純粋な好奇心から訊ねてみただけなのだが、カレンディーナはなぜか気まずそうに目を逸らした。
「もしかして毒──」
「いやいや、れっきとした食材だから! だけど、知らない方がいいことも世の中にはあるんだよ」
カレンディーナの言う通り、アンネローゼの身体に不調はない。むしろ食べれば食べるほど気力が充実してくるほどだ。
少し効果が強すぎる気もするけど、この先に待つ大事な仕事を考えれば、少しくらい元気すぎるくらいでもいいかもしれないと、アンネローゼは思い始めていた。
「カレンさん、私──頑張ります!」
「無理する必要はないんだけど、決めるのはアンネだからね。アタシは、そのお手伝いをするだけさ」
食事を取ってふたたび休息を取る。昼が過ぎて、少し日が傾き始めてきたくらいの時間、カレンディーナが「そろそろ行こうか」とアンネローゼを呼びに来た。
二人の向かった先は村の集会所のような場所だった。四角く並べられた机を囲むようにして、村長をはじめとした村の重鎮たちが緊張した面持ちで座っていた。
「来たか──」
「来たか、じゃないよ! なに葬式みたいな雰囲気を出してるのさ!」
アンネローゼに気付いた村長が厳かに口を開く。しかし、言い終えるより早く、カレンディーナによって、村長は盛大に突き飛ばされた。
かなり凄い音がしたにもかかわらず、村長は何事もなかったように輝く頭を撫でながら起き上がる。
「相変わらず酷いのぉ。今日の話はワシらにとっても非常に大事なものじゃから、気合を入れて待っておっただけだというのに……」
「言っておくけど決めるのはアンネだから。変なプレッシャーかけるのは禁止だよ!」
重苦しい雰囲気に圧倒されかけていたアンネローゼだったが、カレンディーナのおかげで肩の力が少しだけ抜けた気がした。
「さっそくだが、本題に入ろうと思う」
村長はカレンディーナの方をチラチラと見ながら、慎重に切り出した。平気そうに見えたけど、それなりにダメージがあったのかもしれない。
妙にかしこまった雰囲気にアンネローゼは嫌な予感をおぼえる。
「アンネローゼ様に我々の領主になっていただきたい、と考えている」
「えっ、領主ってどういうことですか?!」
いきなり爆弾をぶっこんできた村長の言葉に、アンネローゼはあからさまに動揺した。一方、カレンディーナににらまれて村長の方も短い悲鳴を上げている。
「アンネは自分の思ったことを言えばいいんだよ。もちろん、アタシとしてもアンネに領主になって欲しい気持ちはあるけど、無理強いはできないからね」
「カレンさん──」
アンネローゼを再臨した魔王だと思っている村人たちは、彼女に導いて欲しいと思っている。その気持ちは痛いほどわかるけれど、安請け合いをしてよいものかどうか悩んでいた。
力になりたいという気持ちに嘘はない。村人たちはアンネローゼを兵器でも聖女でもなく、アンネローゼという一人の人間として見てくれた初めての人たちだったからだ。
一方で気持ちだけが先走っても、お互い幸せになれないということもアンネローゼは理解している。何より、村人たちがアンネローゼに何を期待しているのか未知数だった。
「えっと──領主とは何をすればよいのでしょうか?」
「そうだなぁ。やりたいことをやればいいんじゃないか?」
「適当なことを言うんじゃないよ、村長」
アンネローゼの問いかけに適当な答えを返した村長がカレンディーナに詰められる。しかし、今度は他の村人たちが村長のフォローに回った。
「俺も村長の言うことには賛成だよ」
「俺たちのことを思ってやってくれたことなら、悪いことにはならなそうだしなぁ」
「そうだね。これまでも、そうやってお互いフォローして来たわけだしね」
「領主と言っても、今とほとんど変わらないじゃないか」
「そりゃそうだろうよ。いきなり変われったって無理ってもんだや」
結局、村人としてもアンネローゼに具体的に何かをして欲しいというものはない。せいぜいが困っていたら助けて欲しいくらいのことで、領主である必要性があるのかすら疑問だった。
「別に、それなら領主でなくても──」
「いえ、我々を導く象徴として必要なものです」
「そ、そうですか……」
目的は実利というよりも、ゴブリンを圧倒した実績を背景にした権威にあるようだった。そうなるとアンネローゼの懸念は『働け』と訴えかけてくる声だけ。
「領主になれば、どんなことでも『領地のため』とか『領民のため』と付ければ仕事になるから、アンネにはいいと思うけどね」
「それです!」
ポツリと口をついて出たカレンディーナの言葉が全ての核心を突いていた。彼女が言いたかったのは『領地のため』と付けることで、アンネローゼが声に悩まされる心配もなくなる、ということ。
村人にとっても、アンネローゼにとっても、領主になるという選択肢はメリットがある。それならば、迷う必要はまったくない。
「わかりました。領主になるというお願い、お受けいたします」
アンネローゼの決断に、集会所は拍手喝采に包まれた。村人たちはもちろん、カレンディーナの顔にも安堵の色が浮かんでいた。
「それじゃあ、さっそく宴の準備だ!」
「「「おう!」」」
この日集まったのは、アンネローゼを領主にするという目的だったらしく、一斉に宴の準備に動き出した。
「えっ、これだけですか? 仕事は?」
「この話し合いも領地の未来を決める大事な仕事だべな」
「宴も領民との親睦を図るための大事な仕事だぞ」
その言葉にアンネローゼはハッとする。先ほどまでの話し合いは領地のための大事な仕事だし、これから始まる宴も領民のための大事な仕事だった。
一見すると遊んだり無駄な時間のように見えるし、アンネローゼ自身がそう思っていた。だが、それは視野が狭すぎたゆえの過ち。領主となる以上、これからは村人たちのように広い視野で物事を考えることが必要だろう。
アンネローゼは自身の未熟さをしっかりと認識し、よりよい領主になれるよう気持ちを新たにする。
「なんかズレてる気がするんだけど──まあ、大丈夫かねぇ」
カレンディーナが何かつぶやいた気がしたが、決意を新たにしたアンネローゼの耳には届いていなかった。
この日の宴は、あらかじめ村人たちによって仕事だと刷り込まれていたせいか、アンネローゼも昨日のように引け目を感じることもなく、肩の力を抜いて十分に楽しむことができた。
翌朝、前日の宴で昼まで起きてこない村人をよそに、アンネローゼは物見やぐらへと向かった。もちろん領主としての初仕事をするためだ。
アンネローゼも村人たちの説得のおかげか、休むことも仕事であるということは理解している。
だが、この村における最大の懸案事項──外敵に対する防衛力の低さを、領主になった以上、一刻も早く対処したかった。
「今より二回りくらい広い範囲を防御壁で囲むようにしましょうか。土魔法による簡易的なものではありますが──今の木材を積み上げたような防御壁よりはマシでしょう」
まだまだ魔力が完全回復するには程遠いが、村程度の大きさを石壁で囲む程度なら大したことはない。一昨日のゴブリンも、全魔力を圧縮してそのまま撃つのではなく、火球や雷鎖、結氷のような魔法として使うぶんには魔力切れを起こすことはなかっただろう。
全てはアンネローゼの無駄な好奇心のせいである。
物見やぐらから周囲を見回し、防御壁を立てる範囲を決める。石造りの壁をイメージしながら魔力を解放すると大地を揺らしながら地中から石壁がせり出してきた。
「じ、地震だ!」
「うわっ、かなりでかいぞ!」
「なんだ?! 地面が──」
どうやら村人たちが勘違いして、慌てて家の外に出てきた。この程度なら建物が倒壊することはないはずだし、仮に倒壊したとしても新しい家を作ればいいとアンネローゼは思っていた。
仕事をしなければと思う気持ちは神経質なほどあるくせに、仕事のやり方は意外と大雑把なアンネローゼである。
驚かせてしまったけれども、わずかな時間で簡易的ではあるが村を取り囲む防御壁が完成した。ひと仕事を終え、昼まで休もうとカレンディーナの家に戻ると、彼女は腕を組んで仁王立ちになりながらアンネローゼを待ち構えていた。
「アンネ、そこに座って!」
「ひゃ、ひゃい!」
あまりの覇気に圧されて、アンネローゼは勢いよく椅子に腰かけると、両手を膝の上に置いて居住まいを正す。
「さっきまで、どこに行ってたのかな?」
「えっと、村を守る防御壁を作ってました──」
カレンディーナが窓を覗いて村を覆う石壁を確認する。
「この短時間で、これだけのものを作ったのは純粋に凄いことだけれど……さすがに、この時間にやるのはないわ……」
何やらつぶやいたと思ったら、大きくため息を吐いてアンネローゼの方へと向き直る。怒りもまだ残っているような雰囲気ではあるが、それよりも呆れの方が大きいように見えた。
「昨日も言ったでしょ。休むのも仕事だって」
「う……それはそうなんですけど、どうしても気になったので……」
「わかるけど、アンネにはもっとたくさんの人に認めてもらいたいんだよ。やってることは凄いんだから、もっとやり方を工夫した方がいいと言いたかっただけ。もし不安なら、まずはアタシに相談して」
「カレンさん──ありがとうございます」
「わかったら、昼まで休んでな。表の騒ぎはアタシが取りなしておいてやるから」
「はい、お手数かけます」
◇
厳しく言ったつもりはなかったけど、落胆した様子のアンネローゼにカレンディーナは少しだけ心に痛みを感じた。だが、彼女の名誉を守るためにも、村人たちにはしっかりと説明をしてあげないと──そう意気込んでカレンディーナは外へと向かった。
実際に外へ出て事情を説明すると、アンネローゼの行為は意外なほどあっさりと受け入れられた。
「なるほどなぁ。こんな立派な壁を作るためだったらしかたないべな」
「地震かと思って驚いたけど、これだったのかぁ。まあ、事情が分かれば大したことはなかったな」
「ひとまずこれで村の中は安心じゃな。あとはワシたちで入口とか整えて行くとするかの」
「「「おおぉぉ!」」」
村長の言葉を受けた男たちが一斉に作業に向かう。宴の翌日は昼まで寝ているのが慣例だった彼らが、午前中なのに自分から働くなんて幻でも見ているような気分になり、カレンディーナは苦笑するしかなかった。
このままアンネローゼに感化されてワーカーホリックにならないことを願うばかりだ。
◇
日が高く昇り、ようやくアンネローゼが目を覚ますと、キッチンの方から美味しそうな匂いが漂っていた。
匂いに釣られてお腹がぐぅと鳴ってしまったので慌ててお腹を押さえ、居間へと出た。
「やっと起きてきたのかい。ちょうど食事ができたところだから、冷める前に食べちゃいな」
「ありがとうございます!」
でき上がったばかりのパスタをアンネローゼの前と向かい側の椅子の前に置き、カレンディーナが向かい側に腰かける。二人揃って感謝の祈りを捧げてパスタを口に入れると、トマトの芳醇な香りに黒胡椒の爽やかさが重なり、酸味とピリッとした辛さが口の中に広がっていく。
「今日の料理もおいしいですね」
「そんなに褒めても何も出ないよ」
率直な感想を述べると、カレンディーナは照れ隠しの笑顔を浮かべながら謙遜する。だけど、美味しいのは事実なので、皿の上が空っぽになるまで二人の食べる手が止まることはなかった。
「ごちそうさまでした!」
「そういえば午後なんだけど、村長が手伝って欲しいことがあるらしいよ」
「仕事ですか?! ついに、私にもまともな仕事が──」
初めての領主らしい領民のための仕事にアンネローゼは目を輝かせる。話し合いや宴、防御壁の構築も仕事ではあるが、村長の依頼みたいに仕事らしい仕事ではなかった。
「それじゃあ、村長の所に行ってきます!」
「気を付けて行ってくるんだよ──やれやれ、『まともな』仕事なんて言ってるけど、他のもまともな仕事なんだけどねぇ」
呆れたようにカレンディーナが肩をすくめる。しかし彼女の呆れは、初仕事に期待を膨らませるアンネローゼの目にも耳にもまったく入っていなかった。
「村長さん! お手伝いに来ました!」
「アンネちゃん、よく来たの。とりあえず人が揃うまでお茶でも飲んで待ってようか」
気が急いているアンネローゼを落ち着けるため、村長は熱いお茶をアンネローゼの前に置いた。
「人が揃うまで、って──何をするのですか?」
「ゴブリンの殲滅じゃよ」
「あれ? 一昨日殲滅しましたよね?」
「アレはオスだけじゃ。ヤツらの集落にメスや子供がおってな。これを放置したら、またドンドン増えていくのじゃ」
村を襲いに来たのはゴブリンのオスだけだったと知ってアンネローゼは驚きに目を丸くする。魔物とはいえ戦う力のない女子供を虐殺するのは、いかがなものかと思った。だが、怪訝そうな表情を浮かべるアンネローゼに村長は首を振った。
「ヤツらの繁殖力は異常じゃ。一匹見かけたら百匹はいると思えと言うじゃろ?」
それはアンネローゼにも聞き覚えのある言葉だったが、果たしてゴブリンの話だっただろうか。疑問に思って、思わず首を傾げた。