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後日、ボーダー本部・食堂。
午後の訓練を終えたライは、端末に届いていたメッセージを確認した。
『今日、少し時間をもらえる?食堂で待っているね』
送り主は常守朱だった。
何の用事だろうか。そう考えながら食堂へ向かうと、常守のほかに二人の姿があった。
「ライ。来たか」
片手を軽く上げたのは風間さん。そして、その隣には沢村響子が座っていた。
「風間さんもだったんですね」
「常守さんに誘われてな。お前もか」
「ええ。」
「座れよ」
風間に促され、ライは向かいの席に腰を下ろした。
「お疲れ、ライくん。今日も個人ランク戦?」
沢村が笑顔で尋ねる。
「はい。何戦かやってきました。沢村さんもですか?」
「もちろん! 最近はガンナー相手の立ち回りを研究してるんだ。銃型トリガーも増えてきたし、アタッカーとしては接近するまでの工夫が必要でしょ?」
「確かに。距離を詰めるまでにどれだけ消耗するかで、その後の展開も変わりますからね」
「そうそう! だから、あれこれ試してるところ!」
沢村は身を乗り出し、楽しそうに語る。
彼女はアタッカーとして個人ランク戦に参加しており、ライとは何度も顔を合わせていた。対戦したこともあり、お互いの戦い方についてもある程度知っている。
そんな沢村を見ながら、ライはふと疑問を口にした。
「ところで、沢村さんもなんですね」
「そうだよ。朱から話をもらってね」
ライは常守に視線を向けた。
「部隊を結成する構想が、具体的に動き始めたんでしょうか」
「ええ。その通りよ」
常守が答えかけたところで、気になっていたことを尋ねた。
「それなら、俺たちは隊員四人体制でいくんですか?」
常守、風間、沢村、そして自分。
四人がそのまま戦闘員として参加するのか。だとすると、別にオペレーターを加えるのか。
「そのことなんだけど――」
常守が説明を始めようとした瞬間、沢村が勢いよく口を開いた。
「私、オペレーターをやることにしたから!」
「……え?」
ライは思わず沢村を見た。
「沢村さんが、オペレーター?」
「うん!」
あまりにも明るい返事だった。
「いや、でも沢村さんはアタッカーですよね? 個人ランク戦にも出ているし……」
「そうだよ。まだアタッカーを辞めるわけじゃないけど、今回の部隊ではオペレーターを担当するの」
「どうしてまた?」
ライが尋ねると、沢村は急に視線を泳がせた。
先ほどまでの勢いはどこへやら、頬がほんのり赤くなっている。
「そ、それは……将来的に、忍田本部長の補佐をしたいなって思ってて」
「忍田本部長の?」
「うん。だから、まずはオペレーターの仕事を経験して、部隊全体を見る力を身につけたいんだ。戦闘員として戦うのとは違う視点も必要でしょ?」
そこまでは、十分に筋の通った話だった。
しかし、沢村はそこで一度言葉を切り、指先をもじもじと動かした。
「それに……忍田本部長の近くで働けるようになったら、その……いろいろと、いいなって……」
最後のほうは、ほとんど聞き取れないほど小さな声だった。
ライは数秒、沢村を見つめた。
「……なるほど」
「な、何、その反応!」
「いえ。沢村さんらしいなと思って」
「それ、どういう意味!?」
「目標がはっきりしていて、行動も早いという意味ですよ」
「ほ、本当に?」
「ええ。理由が何であれ、経験を積むこと自体は無駄にならないと思います」
ライが真面目な顔で答えると、沢村は少しだけ安心したように胸をなで下ろした。
「そ、そうだよね! うん、私、頑張るから!」
風間は二人のやり取りを眺めながら、淡々と口を挟んだ。
「動機はともかく、やるからにはきちんと仕事はしてくださいよ。戦闘員の経験があるのは、オペレーターとしても強みになるでしょうし」
「わかってるよ、風間君」
「ならいいです」
風間はそれ以上追及せず、常守へ視線を向けた。
「それで、肝心の話を聞かせてください」
「ええ」
その表情からは、先ほどまでの和やかな空気とは違う、真剣な雰囲気が感じられた。
「今回、私たち四人で結成する部隊は、一年間限定の試験的な部隊にしたいと考えています」
「一年間限定、ですか」
「ええ。私が目指しているのは、将来的にボーダーで編成される部隊の基礎となるコンセプトを確立することよ」
常守は言葉を選びながら続けた。
「現在のボーダーでは、個人の戦闘能力を高める訓練や、トリガーの開発が進んでいます。一方で、複数の隊員がチームとしてどう成長するか、どのような訓練が効果的なのかについては、まだ改善の余地があると思っています」
「チーム単位の訓練方法を確立して、実戦やランク戦を通して検証する……ということですね」
「その通り。個々の能力を伸ばすだけでなく、役割分担や連携、戦術の組み立て方まで含めて、部隊として成長できる仕組みを作りたいの」
ライは静かにうなずいた。
旧ボーダー時代には、実戦の中で経験を積むことが当たり前だった。しかし、新しいボーダーでは、隊員を育てる仕組みそのものを整える必要がある。
常守が取り組もうとしているのは、そのための土台作りなのだ。
「もちろん、私一人でできることではないわ。だからこそ、実際に部隊を組んで、試してみたいんです」
常守はそこで、ライをまっすぐに見た。
「ライ君。あなたにも、同じ目的意識を持って参加してほしい」
「もちろんです」
「あなたにはもう一つ、期待していることがあります」
常守は少しだけ表情を和らげた。
「それはね、あなた自身の経験値を上げることよ」
ライは意外そうに眉を上げた。
「俺の経験値?」
「あなたは分析力も高いし、状況に応じて戦い方を変えることもできます。でも、まだ経験していないことも多いでしょう。個人戦で勝つことと、チームの一員として勝つことは違うわ」
「……確かに」
「この一年で、仲間との連携や部隊戦術を身につけてほしい。あなたなら、そこで得たものを将来のボーダーにも還元できると信じてる」
自分の力を伸ばすこと。それは、これまでも意識してきたことだった。
しかし、個人の技術を磨くだけでは届かない領域がある。
「わかりました。俺も、この部隊で学ばせてもらいます」
「ありがとう」
常守はうれしそうに微笑んだ。
続いて、風間へと視線を移す。
「風間くんにも目的がありますよね」
「はい」
風間は腕を組んだまま答えた。
「俺は将来的に隊長を務めたい。そのためには、自分一人が強くなるだけでは足りない。隊員の能力を把握し、戦況を判断し、チーム全体を勝たせる方法を学ぶ必要がある考えています」
「風間さんなら、もう十分にできそうですけど」
ライが口を挟むと、風間はすぐに返した。
「個人の戦闘能力と、隊長として部隊を動かす能力は別物だ。実際に経験してみなければ、わからないこともある」
「なるほど。確かにそうですね」
「だからこそ、この一年を利用する」
風間の言葉に、迷いはなかった。
個人ランク戦で上位に立つことと、隊員それぞれの強みを活かして部隊を勝利に導くこと。
両者の違いを、風間自身も理解しているのだろう。
「そして、沢村さんは忍田本部長の補佐になるための経験を積む、と」
ライが確認すると、沢村は勢いよくうなずいた。
「そう! オペレーターとしての仕事を覚えて、部隊全体を見られるようになりたいの!」
一瞬だけ、沢村の頬がまた赤くなる。
「そ、それに……いつか本部長のお役に立てるようになりたいから!」
「いい目標だと思います」
「でしょ!?」
「ただ、忍田本部長の前でも同じように話せるといいですね」
「そ、それは……別の話!」
沢村が慌てて言い返すと、風間が小さく息を吐いた。
「話が逸れてますよ」
「ああっ、ごめんなさい」
三人のやり取りを見て、常守はくすりと笑った。
そして、改めて全員を見渡す。
「目的はそれぞれ違います。でも、だからこそ、この四人で組む意味があると思っています」
常守はもう一度目的を確認する。
「私は、将来のボーダーを支える部隊の基礎を作るために」
「俺は、自分の経験を増やし、チームで戦う力を身につけるために」
「俺は、隊長になるために必要なことを学ぶために」
「私は、オペレーターとして経験を積んで、いつか忍田本部長を支えられるようになるために!」
それぞれの目的は異なる。
けれど、全員がこの一年を自分の成長につなげようとしている点は同じだった。
常守は最後に告げた。
「それでは、常守隊として――一年間、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
ライが答える。
「よろしく頼みます」
風間も短く応じた。
「みんな、頑張ろうね!」
沢村が明るく声を上げる。
こうして、常守朱、ライ・アッシュフォード、風間蒼也、沢村響子による一年間限定の部隊が動き始めた。
それは、四人がそれぞれの未来へ進むための一年であると同時に、ボーダーの未来を形作るための一年でもあった。
全部隊編成図
今回のチーム結成を機に、ボーダーの初期各部隊も一覧にまとめておく。
# 1. 既存キャラクター中心のチーム
## 東隊
| 隊員 | ポジション |
| 東春秋 | スナイパー |
| 二宮匡貴 | シューター |
| 加古望 | シューター |
| 三輪秀次 | アタッカー |
* 隊長:東春秋
* オペレーター:月見蓮
言わずとしれた戦術の鬼である東が隊長となり、二宮、加古、三輪といった有望な隊員を引き連れて集団ランク戦を暴れ回るか?
## 常守隊
| 隊員 I ポジション I
| 常守朱 | ガンナー |
| ライ・アッシュフォード | オールラウンダー |
| 風間蒼也 | アタッカー |
* 隊長:常守朱
* オペレーター:沢村響子
旧ボーダー隊員である常守を隊長に将来隊長を任せられる逸材の二人が点を取るチーム
## 玉狛第一
| 隊員 | ポジション |
| 木崎レイジ | オールラウンダー |
| 迅悠一 | アタッカー |
| 小南桐絵 | アタッカー |
* 隊長:木崎レイジ
* オペレーター:林藤ゆり
小南と迅が近距離で暴れて、木崎がフォローする部隊 旧ボーダー時代からある連携で他の部隊より有利か?
## 嵐山隊
| 隊員 | ポジション |
| 嵐山准 | オールラウンダー |
| 柿崎国治 | オールラウンダー |
* 隊長:嵐山准
* オペレーター:桐谷美咲(18歳)
この時期はまだ綾辻が入隊してないためオリジナルキャラを設定しました。
広報部隊として戦う部隊 二人のオールラウンドな戦いで点をとる。
オリジナル隊
## 佐伯隊
| 隊員 | 年齢 | ポジション |
| 佐伯 | 22歳 | スナイパー |
| 朝倉 | 15歳 | スナイパー |
| 西野 | 17歳 | ガンナー |
| 池田 | 15歳 | アタッカー |
* 隊長:佐伯
* オペレーター:早乙女玲奈(22歳)
* 特徴:ベテランの分析力を活かした堅実に点を取るチーム。
## 藤沢隊
| 隊員 | 年齢 | ポジション |
| 藤沢 | 22歳 | スナイパー |
| 石橋 | 16歳 | スナイパー |
| 岩崎 | 19歳 | ガンナー |
| 安藤 | 21歳 | シューター |
* 隊長:藤沢
* オペレーター:水原香澄(21歳)
* 特徴:射撃を中心に距離をとって戦うチーム。
## 高瀬隊
| 隊員 | 年齢 | ポジション |
| 高瀬 | 20歳 | スナイパー |
| 秋山 | 16歳 | スナイパー |
| 青木 | 17歳 | アタッカー |
* 隊長:高瀬
* オペレーター:成瀬真帆(20歳)
* 特徴:遠距離支援と近接戦闘を組み合わせるチーム。
## 中原隊
| 隊員 | 年齢 | ポジション |
| 中原 | 21歳 | スナイパー |
| 白石 | 17歳 | スナイパー |
| 岡本 | 18歳 | アタッカー |
* 隊長:中原
* オペレーター:桐生紗季(19歳)
* 特徴:アタッカーを斥候に使い、スナイパーを重視するチーム。
## 三宅隊
| 隊員 | 年齢 | ポジション |
| 三宅 | 15歳 | スナイパー |
| 久保 | 15歳 | ガンナー |
| 遠藤 | 16歳 | アタッカー |
* 隊長:三宅
* オペレーター:相原千尋(17歳)
* 特徴:若手中心。三宅が狙撃で支え、久保と遠藤が前線を担当する。
## 大川隊
| 隊員 | 年齢 | ポジション |
| 大川 | 20歳 | ガンナー |
| 水野 | 18歳 | スナイパー |
| 木村 | 17歳 | アタッカー |
* 隊長:大川
* オペレーター:小暮奈緒(16歳)
* 特徴:中距離射撃を軸に、狙撃と近接戦闘で対応するチーム。
## 神谷隊
| 隊員 | 年齢 | ポジション |
| 神谷 | 21歳 | ガンナー |
| 原田 | 19歳 | ガンナー |
| 島田 | 19歳 | アタッカー |
* 隊長:神谷
* オペレーター:篠宮彩花(21歳)
* 特徴:ガンナー2人の射撃で敵を制圧し、島田が攻め込むチーム。
## 竹内隊
| 隊員 | 年齢 | ポジション |
| 竹内 | 16歳 | ガンナー |
| 吉岡 | 21歳 | ガンナー |
| 長谷川 | 20歳 | アタッカー |
* 隊長:吉岡
* オペレーター:小暮奈々(16歳)
* 特徴:射撃で相手を動かし、長谷川が近接戦闘を仕掛けるチーム。
小暮奈緒と小暮奈々は双子で、別々のチームに所属する。
## 松岡隊
| 隊員 | 年齢 | ポジション |
| 松岡 | 20歳 | ガンナー |
| 小野寺 | 19歳 | スナイパー |
| 福田 | 22歳 | アタッカー |
* 隊長:松岡
* オペレーター:藤崎美月(19歳)
* 特徴:福田が前線で暴れて、周りがフォローするチーム。
## 藤井隊
| 隊員 | 年齢 | ポジション |
| 藤井 | 22歳 | シューター |
| 川村 | 18歳 | スナイパー |
| 森 | 19歳 | アタッカー |
* 隊長:藤井
* オペレーター:立花琴音(18歳・女性)
* 特徴:藤井の弾道戦術を中心にして、川村の狙撃、森の近接戦闘を組み合わせるチーム。
ちなみに太刀川と寺島はこの時点でチームに入ってない。(太刀川は東さんとチームを組みたかったが二宮に拒否された)
やっちまったぜ(テヘペロ)
今回はかなりオリジナル設定いれた。ちなみに原作キャラと同じ名字のキャラは親戚設定っす
この辺の話まだ描かれてないから勝手に補完します。