小4で一緒にお風呂は普通じゃないの!? 〜距離感バグりすぎな従姉弟の日常〜 作:間瀬凪
十一月の半ばを過ぎ、夕方の風が身を切るように冷たくなってきた、ある金曜日の放課後。
私はランドセルを背負ったまま、自宅とは真逆の方向へ向かう電車に揺られていた。
二つ隣の駅前にある、大型ショッピングモールの三階。
ここには、私の住む町の小さな商店街の本屋さんとは比べものにならないくらい広い、地域最大級の大型書店があるのだ。
なぜ私が、わざわざ電車賃をかけてまでこんな遠くの本屋へ遠征しているのかといえば──理由はただ一つ。
(……絶対に、近所の子たちやクラスメイトに見られるわけにはいかないからよ……っ!)
改札を抜け、モールのエスカレーターを足早に上がりながら、私はコートのポケットの中で小さな小銭入れをぎゅっと握りしめた。
今日発売の、あのお目当ての単行本。
私がベッドの下の秘密の引き出しに鍵をかけて隠している、表紙からしてピンク色の甘酸っぱい空気を漂わせた『ちょっぴりお姉さん向けの少女マンガ(お母さんに見つかったら即座に没収、お兄ちゃんに見つかったら一生からかわれて生きていけなくなるやつ)』の、待望の最新刊が今日発売なのだ!
近所の本屋で買ったりしたら、どこで誰に見られるか分かったものじゃない。もし小野直樹みたいなデリカシーゼロの男子に見つかって「お前、こんなエロマンガ読んでんのかよー!」なんて言いふらされたら、私の誇り高き小学校生活はそこで完全に幕を閉じてしまう。
だからこそ、この綿密な完全偽装・学区外単独作戦が必要不可欠だったのだ。
自動ドアをくぐり、大型書店のフロアへと足を踏み入れる。
平日の夕方ということもあって、店内は仕事帰りのサラリーマンや高校生がちらほらいる程度で、比較的落ち着いていた。
私はトレンチ風のコートの襟を立て、まるでスパイ映画の主人公のように周囲をキョロキョロと見渡した。
(よし……小学生の姿はなし。直樹もいない、同じクラスの女子もいない……完全クリアね!)
誰にも怪しまれないよう、まずはわざと文房具コーナーや新刊の児童書コーナーを何気ない顔で通り過ぎる。
そして、人通りの途切れた瞬間を見計らって──サッと、少女マンガコーナーの最も奥まった、背の高い棚の陰へと滑り込んだ。
そこは、小学生向けのリボンやなかよし系の棚から外れた、中高生以上の女子をターゲットにしたティーンズラブ寄りのコミックスが並ぶ、まさに禁断の聖域。
棚の列を進み、目当てのレーベルの棚の前に立つ。
背表紙を指先でなぞっていくと──あった!
『甘い毒に溺れる恋 第4巻』!
平積みにされたその単行本には、目を奪われるような刺激的な帯が巻かれていた。
『もう、幼なじみじゃいられない――夜の部屋で二人きり、暴かれる彼女のすべて!?』
表紙には、黒髪のクールな男の子が、制服のボタンを外した女の子をベッドに押し倒し、今まさにその細い首筋に顔を埋めようとしている甘美なイラスト。
(ひゃっ……! や、やっぱりすごい展開になってる……!)
手にした瞬間、心臓がトクンと激しく跳ね上がり、頬が一気にカッと熱くなった。
いけないものを手にしているという背徳感と、早く続きが読みたいという猛烈な好奇心が、胸の奥でせめぎ合う。
(い、いいのよ、これは教養なんだから! 将来の恋愛に備えて、大人の男女の心理をあらかじめ学んでおくための高度な読書なんだから……!)
誰に対してでもない言い訳を心の中で必死に並べ立てながら、私は本をしっかりと胸に抱きしめ、レジへと持っていくタイミングを計るためにそっと息を整えた。
***
──その時だった。
書架の向こう側、参考書や学習ドリルが並ぶ奥の通路から、微かに聞き覚えのある声が私の耳朶を打った。
「……ねえ、悠真。これ、見て見て!」
「陽菜、声が大きいって……本屋さんなんだから、もう少し静かにして」
ピタッ、と私のすべての思考と呼吸が同時に凍りついた。
(………………は?)
いま、なんと言った?
悠真? 陽菜……!?
う、嘘でしょ!? なんでこんな、学校から電車で二駅も離れたモールの本屋に、あの二人がいるわけぇぇぇっ!?
私は反射的に、手に持っていた禁断の単行本を胸元に抱きしめたまま、背の高い本棚の隙間にペタッと身を縮こまらせた。
サァァァ……ッと背筋を冷や汗が滑り落ちていく。
もしここで見つかったら、私の人生は終わる。
「紗理奈、何読んでるの?」って無邪気な陽菜に覗き込まれて、この帯の『夜の部屋で暴かれる彼女のすべて』を見られた日には、私は恥ずかしさのあまり即座に消滅してしまう!
私は本棚と本棚のわずかな隙間から、恐る恐る隣の通路へと視線を凝らした。
そこには、間違いなくあの二人がいた。
中学受験向けの参考書コーナーの、最も人通りの少ない突き当たりの死角。
陽菜はクリーム色のニットにチェックのスカート、悠真はネイビーのダッフルコートを着て、ぴったりと肩を並べて立っていた。
初夏に図書室で「人前ではよそよそしくして、二人きりの時だけ甘え合う」という美紀おばさん直伝の高度な禁断ルールを目撃して以来、あの二人は学校では徹底して『普通のクラスメイト』を装っている。
けれど、ここは学校から遠く離れた街の、人目のない本屋の死角なのだ。
陽菜は当たり前のように悠真のコートの袖をぎゅっと両手で掴み、おでこが触れそうなくらいの至近距離で悠真の顔をのぞき込んでいた。
(も、もう……! 学校の外に出た途端、完全に二人の世界に入り浸っちゃって……!)
早くレジへ行って帰りたいのに、二人が通路を塞いでいるせいで動けない。
私は息を潜め、本棚の隙間から二人が立ち去るのをじっと待つことにした。
ところが──。
本棚を挟んでわずか一メートルほどの距離から聞こえてきた二人の会話は、私の脳みそを根底から粉砕するような、想像を絶する爆弾の連続だったのだ。
***
「ねえ悠真、昨日の夜のやつ……すっごく奥まで入っちゃって、痛かったよ〜」
「っ、陽菜……! だから、本屋で大声で話しちゃダメだって……!」
…………え?
私の思考が、ガコンッ!と鈍い音を立てて急停止した。
いま……陽菜、なんて言った?
『昨日の夜のやつ、すっごく奥まで入っちゃって、痛かった』……!?
お、奥まで……入って……痛かった……!?
私の頭の中で、胸に抱きしめている少女マンガの、あの禁断のフレーズがけたたましい警報音とともにフラッシュバックした。
お、奥ってどこよ!? 何を奥まで入れたっていうのよ!?
パニックで目を白黒させる私の耳に、陽菜の甘えたような声が追い打ちをかけてくる。
「だって、本当に痛かったんだもん。悠真が『動いちゃダメだ』って上からぎゅって押さえつけてくるから、私、怖くて身動き取れなくなっちゃって……」
「それは……陽菜が急に暴れるからだろ。動いたら危ないって言ったじゃないか。僕だって、途中で抜けなくなったらどうしようかと思って、すっごく焦ったんだからね」
「ぎゃっ……!!?」
私は自分の口を両手で力いっぱい塞ぎ、危うく絶叫しそうになった悲鳴を喉の奥で押し潰した。
な、な、な、何が起きたの!?
悠真が……上からぎゅって押さえつけて……身動き取れなくなって……!?
しかも、途中で抜けなくなったらどうしようかと焦ったぁぁぁぁぁっ!?
私の脳みそが完全にショートして火花を散らした。
抜けなくなる……!?
男の人と女の人が……その、一番深いところで繋がったまま……抜けなくなる……!?
そ、それ、お姉ちゃんが友達と電話でコソコソ話してた、『大人の男女がめちゃくちゃ興奮して激しくしすぎると、筋肉が締まりすぎて抜けなくなることがあるらしい』っていう、あの都市伝説みたいな超ド級のディープな現象のことじゃないのよぉぉぉぉぉーーっ!!
悠真、あんた小学生のくせにそんなことまで知ってんの!? っていうか、実際に陽菜との間で抜けなくなりかけたってことぉぉぉぉぉっ!?
私の胸の中で、手にした単行本がカタカタと震えていた。
しかし、悪夢のような爆弾発言はそれだけでは終わらなかった。
陽菜が、どこか蕩けたような甘い声で続けたのだ。
「えへへ、でも無事に抜けてよかったよね。そのあと、悠真がずっと優しくさすって揉んでくれたから……なんだかじんじんしてたのが、だんだん気持ちよくなってきちゃったの」
「ぶっ――――――!!?」
プシューーーーッ!!と、自分の耳の穴と頭のてっぺんから白い蒸気が勢いよく噴き出す幻覚が見えた。
さ、さすって揉んでくれたから……じんじんしてたのが、だんだん気持ちよくなってきちゃったぁぁぁぁぁっ!?
(ぎゃああああああああああああーーっっっ!! な、何を言っちゃってんのこの子ぉぉぉぉぉーーっ!?)
き、気持ちよくなってきちゃったって……それ、少女マンガどころか、完全にお母さんの部屋のクローゼットの奥の奥に隠してあるような大人のレディースコミックで、ヒロインが涙目で男の人にしがみつきながら言う、一番イケナイ台詞じゃないのよぉぉぉぉぉーーっ!!
私の顔面は、茹でダコどころか真っ赤なマグマのように沸騰していた。
悠真のやつ、普段はあんな優等生で冷静な顔をしてるくせに、夜の部屋で二人きりになったら、陽菜をベッドに組み敷いて、奥まで無理やり入れて、そのあと気持ちよくなるまでたっぷり揉みほぐして教え込んじゃったっていうの!?
オオカミどころの騒ぎじゃない、本物の肉食獣じゃないのよーーっ!!
そこへ、陽菜が追い討ちのように、無邪気すぎるトドメの一撃を放った。
「……あ、でもね悠真、最後にあれ、白いのがドロッていっぱい溢れてきちゃって、シーツがすっごく汚れちゃったじゃない? 悠真が慌ててティッシュでいっぱい拭いてくれたけど……おばさんにバレなかったかな?」
「────ッッッ!!!!」
時が、完全に静止した。
し、白いのが……ドロッて……いっぱい溢れて……!?
シ、シーツが……すっごく……汚れちゃって……!?
あ、慌ててティッシュで……いっぱい……拭いた……!?
(あばばばばばばばばばばばばばばばばば……ッッッ!!!!)
私の視界が、真っ白に明滅した。
だ、出した……ッ!!
悠真の身体から、あの保健の授業で習った、男の子の身体から出ちゃう白い液体が……ドロッと大量に陽菜から溢れて、シーツを汚したぁぁぁぁぁぁっ!!
ティッシュで拭いたって、そんなの完全に事後の処理そのものじゃないのよぉぉぉぉぉっ!!
悠真が真っ赤な顔をして陽菜の口元に人差し指を当てた。
「だから……あれは陽菜が急に変な声を出すから、僕まで手元が狂っちゃったんだよ。シーツの汚れはちゃんと洗剤で落としたから、母さんにはバレてないよ」
「本当? よかったぁ〜。悠真、すっごく必死な顔して拭いてたから、私、面白くて笑っちゃった」
「面白がらないでよ……僕の心臓、止まるかと思ったんだから」
(止まるかと思ったのはこっちの心臓よぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーっっっ!!!!)
本棚の陰で、私は壁に背中を預けたまま、ずるずるとその場にへたり込みそうになっていた。
な、なんということなの……。
小学五年生よ!? まだ十一歳よ!?
四年生の秋に一緒にお風呂に入って、春には布団の中で太ももで挟んだって騒いでたあの二人が……あれからたった半年ちょっとで、もうそこまで行っちゃったの!?
奥まで入れて、上から組み敷いて、抜けなくなりかけて、白いものをドロッと出してシーツを汚す……!?
大人の階段を駆け上がるどころじゃない、ロケット噴射で成層圏を突き抜けて宇宙まで行っちゃってるじゃないのよーーっ!!
***
私の脳内では、目の前の本棚の隙間越しに、先ほどの会話から再現された『超高解像度・少女マンガ風美化300%の事後シーン』が、恐ろしいほどの鮮明さで再生されていた。
薄暗い悠真の部屋。
ベッドの上で乱れたシーツ。
パジャマをはだけさせ、涙目で「痛いよぉ……」と喘ぐ無防備な陽菜。
その上に覆いかぶさり、荒い息を吐きながら「動くな……っ、じっとしてろ」と低い声で陽菜を押さえつける悠真。
痛みが熱さに変わり、陽菜が「んぅ……っ」と甘い声を漏らした瞬間、二人の結合部から溢れ出るドロッとした白い熱情──。
そして、荒い息のまま慌ててティッシュを引き抜き、汗ばんだ額を拭いながらシーツを拭く悠真の、色気のある横顔……!
(ひぃぃぃぃ……っ!! や、ヤバい、ヤバすぎる……ッ!!)
心臓が破裂しそうなくらい激しく脈打っている。
顔から耳の先、首筋、そして胸元まで、全身の血液が沸騰してカッカと熱い。
あまりの刺激の強さに、私の下腹部の奥の奥が、ぎゅぅぅぅっと締め付けられるように熱く痺れ始めた。
(あ、あんたたち、なんてことをしてくれたのよ……! こんなの、こんなの聞かされたら……私……っ!)
その時、二人の気配が動き出した。
「あ、悠真、探してた問題集あった! これこれ!」
「うん、見つかってよかったね。じゃあ、レジ行ってお会計しよっか」
「うん! 喉渇いたから、帰りに下のアイスクリーム屋さん寄ってこ?」
「いいよ。陽菜の好きなバニラね」
二人はごく自然に、まるで何事もなかったかのように手をつなぎ、楽しそうに笑い合いながらレジの方へと歩いていった。
……あんな、大人の男女のドロドロの行為を昨晩やり遂げたばかりだというのに、なんという爽やかさ!
なんという無邪気な笑顔!
二人の背中が遠ざかり、完全に姿が見えなくなったのを確認して、私はようやく本棚の陰からへたり込むように床に膝をついた。
「……はぁ……はぁ……っ、な、何なのよ……もう……」
呼吸が乱れて、肩が上下に揺れる。
手にした単行本は、私の手汗ですっかり温かくなってしまっていた。
あいつらは、もうあんな世界を知ってしまったのだ。
大好きな男の子に上から組み敷かれて、奥まで繋がれて、白いものを注がれて、シーツを汚すような……そんな、頭が真っ白になるほど甘くて、激しくて、蕩けてしまうような世界を。
呆れとショックの嵐が過ぎ去ったあとの私の胸の奥に、ぽつりと、黒くて熱い感情が湧き上がってきた。
「………………羨ましい」
誰もいない本屋の片隅で、ぽろりと本音がこぼれ落ちた。
私なんて、ベッドの下に隠したマンガを読んで一人でドキドキすることしかできないのに。陽菜はあの悠真に全身を愛されて、あんな激しいことまでしてもらっているなんて。
私はふらつく足で立ち上がると、心臓をバクバクさせながらレジで単行本のお会計を済ませ、逃げるように書店を飛び出した。
***
モールを出ると、冬の始まりを告げる冷たい北風がコートの裾を吹き抜けていった。
けれど、私の身体はちっとも寒くなんかなかった。
さっき本屋の死角で聞いた『奥まで入って』『だんだん気持ちよくなって』『白いのがドロッと溢れて』というパワーワードが頭の中でリフレインして、おへそのずっと下、下腹部の奥がキューンと甘く疼いて止まらない。
歩くたびに、すっかりぐっしょりと濡れてしまった下着が肌にペタペタと張り付き、敏感になった場所が擦れて背筋がゾクッと痺れる。
(……もう、ダメ……っ! こんなの、我慢できるわけないじゃない……っ!)
早く家に帰って、部屋に内側から鍵をかけて、この濡れた下着を脱ぎ捨ててベッドに潜り込みたい。買ってきたばかりの単行本を開きながら、さっきの二人の生々しい息遣いを思い浮かべて、自分の手でこの疼いて止まらない場所を……っ!
「……っ、悠真のバカぁ……陽菜のエッチぃ……っ!」
私は内股のまま、熱く火照った身体を抱きしめるようにして、夜の駅へとひたすら小走りで駆け出していったのだった。
***
【追記:翌週月曜日の5年2組・昼休みの真実】
「ねえ悠真、先週の金曜日に買った問題集、すっごく分かりやすいね!」
「うん、陽菜の苦手な算数の図形問題、あれなら基礎から載ってるからね」
「あ、そういえばさ! 木曜日の夜、ベッドの隙間に落ちたタッチペン拾おうとして、私の腕が奥まで挟まっちゃったやつ……本当に焦ったよね!」
「当たり前でしょ。陽菜が奥まで腕を突っ込んで抜けなくなったって泣きそうになるから……暴れたら危ないと思って、上から必死に押さえつけて引っ張り出したんじゃないか」
「でもね、抜けたあとに悠真が痛いの治るようにって、ボディクリーム塗ってずっと優しくマッサージしてくれたから、だんだんじんじん温かくなってきて、すっごく気持ちよかったんだもん! ……あ、でも、くすぐったくて私が急に動いた拍子に、悠真がクリームのチューブをギュッて握りつぶしちゃって……白いのがドロッてシーツにいっぱい溢れちゃったのはごめんね?」
「あれ、ティッシュで拭いて洗剤でこすって落とすの大変だったんだからね……」
教室の隅の席で、ごく平和に交わされる二人の会話。
それを前の席で偶然耳にしてしまった森田紗理奈は、鉛筆を握りしめたまま、ピキピキと音を立てて全身を硬直させていた。
「………………」
「…………ベッドの隙間に、腕」
「…………抜けたあとの、マッサージ」
「…………握りつぶした、白いボディクリーム」
カチャリ、と紗理奈の手から鉛筆が転がり落ちた。
先週の金曜日の夜、自室のベッドで一人、あの激しい妄想を思い浮かべながら、息を乱して何度も果ててしまったあの熱い夜の記憶が、走馬灯のように脳裏を駆け巡る。
「………………」
紗理奈は無言のまま、机の上に突っ伏した。
そして、両手で頭を抱えながら、誰にも聞こえない超音波のような悲鳴を、心の中で永遠に叫び続けるのだった──。
(私のあの、一人で慰めちゃった夜を返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!!!)