IS~二人目の男性操縦者は魔法剣士!?~ IFルート(リメイク版)   作:ピーナ

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リメイク前の第二話とほぼ同じ話です。


第四話 諸刃の剣

新学期が始まってからの一月、私は依頼された霧島君の監視(政府、学園、ひいてはIS委員会)と護衛(バニングス社、というよりアリサ)をしていた。この一ケ月で一番感じた事は彼には謎が多すぎるというものだった。

まず、なぜ彼はあそこまで人を遠ざけようとするのだろうか? 我が家が調べた、彼の経歴を見る限り、小学三年のクリスマス前後に何かがあったとしか分からない。機会が有ったら本人……は話してくれなさそうだし、彼の幼馴染であるアリサに虚ちゃんと本音ちゃんと一緒に聞きに行こうと思う。霧島君の過去だからアリサも話してくれないかもしれないけど。

次に彼の強さ。彼はとてもISの初心者とは思えないほどの技量を持っている。恐らく国家代表、しかもその中でもトップクラス。いや、世界最強と謳われる織斑先生とも互角かもしれない。それだけでなく、間違いなく戦い慣れしている。そうでなければ専用機を持った代表候補生を手玉に取る事など出来ないだろう。ならその経験はどこから来たのか? もしかしたら、前者と関連するものがあるのかもしれない。

でも、私が訓練をしていた日に虚ちゃんと本音ちゃんにあった、霧島君との出来事やその時の二人の思った事を聞く限り、彼の今は後で作った物で、本質はその出来事の方だと思う。……なら、一体何時どこで今の様になってしまったんだろう? こう思うと分からない事だらけだ。

 

 

 

新学期が始まって約一ケ月。学園は初めてのイベント、クラス代表戦なるものが始まっている。が、僕は全く興味無いのでいつも通り過ごす。……つもりだったんだけど、何だ、この嫌な予感は? こういう悪い予感はよく当たる。思えばあの日もそうだった。……いや、今は思い返すような時じゃない。この予感が杞憂であれば良い。打てる手は打っておこう。

 

(叢雲、魔力サーチャーを広範囲散布、嫌な予感がする)

(了解)

 

何時でも、動けるように外に居よう。アリーナの近くのベンチで待機だな。

少しして

 

(マスター、アリーナ直上に魔力反応。対象はISに模してありますが、内部にロストロギア『ゴーレム』に似た反応があります)

 

と叢雲の報告が。はあ……面倒事だよ。まあ、良いや。敵が強ければ僕が死ぬ。弱ければ死なない。それだけだ。しかし、似た反応とはどういう事だ? 叢雲はあまり曖昧な表現をしないはずだし。まあ、それは後でゆっくり考えよう。

 

「さあ、行こうか」

 

僕はISを纏って飛び立った。燃え尽きるのは僕の命の炎か、相手か。まあ、どっちでも良いか。

 

(マスター、アンノウンは攻撃態勢。高エネルギー砲でアリーナのシールドを突き破ろうとしています)

「たとえ、どんなんでもやる事は一つだけだね。貫け」

 

僕は手に魔力で出来た漆黒の槍を作り出す。

 

「デモンズランス」

 

そしてそれを投擲する。僕の腕力+ISで強化された力で音速を優に超えるスピードで飛翔する槍。しかし、相手は攻撃態勢を解除して避ける。

 

「やるねえ……」

 

初撃を避けられたので、僕はまず、高度を取る。敵認識をしてくれたのなら、上を取って地上への被害を減らさないと。にしても……

 

(叢雲、あれは無人機だよね? スラスターがどう考えても人が耐えれるように設計されていない)

 

僕の牽制射撃を回避するための動きを見て、僕は叢雲に問いかけた。

いくらISに操縦者保護があるにしても、瞬時加速中に方向転換すれば骨折の可能性があるように、無茶な動きをすれば怪我をしてしまう事がある。だから、危ない機動は基本的な事として教えられるし、そこを狙えれば攻撃を当てる事だって出来る。なので僕は機動の限界だと思うタイミング、角度で足を止めさせるためにスラスターを狙おうとしている。

しかし、今僕が相対している相手はそんな事などお構いなしのスラスター配置と回避方法だ。だから、かなり無茶な機動で避ける事が出来ている。

考えられる事は自分の事を考えていないバカか、傷つく事を喜ぶ変態か、そもそも乗っていないかになる。その中から戦った感じ割と回避パターンが一定だった事から、無人機だろうと思ったのだ。

 

(同意です。私もそう思い、念のために生体スキャンしましたが、確認できませんでした。無人機と判断してもよいでしょう)

 

それなら、容赦なくぶっ壊しに行こう。まずは、瞬時加速をいつでも使えるように用意しておく。後は、突っ込むタイミング。ひたすら、それを待つ。

相手は今までしていた牽制射撃を止めてアリーナのシールドに撃とうとしていた砲撃をこっちに向ける。来た。待っていたタイミングが。僕は近寄ろうとする。

発射される砲撃。

それをギリギリで回避し、用意しておいた瞬時加速を発動、一気に近寄る。

 

(コアは、相手の左胸、人の心臓に当たる部分に有ります)

(ありがとう、叢雲)

 

僕は言われたところに剣を突き立てる。そして、魔力により雷を落とす。技の一つ、雷神剣。

 

(叢雲、コアは剣に刺さってる?)

(はい)

 

確認が取れたので、コアごと、剣を引き抜く。これで相手は行動不能。さて、先生に報告しないと。

 

 

 

クラス代表戦。IS学園新学期始まってすぐのイベントであり、各クラスの現在の指標にもなる、結構重要なトーナメントでもある。

かくいう私も、クラスの代表ではないので参加はしないが、のちのちライバルになりそうな子がいないか確認の意味を込めて見に来ている。生徒の実力を把握するのも生徒会長の仕事の一つだから。

それで今日は一年の部が行われる。私の妹もクラス代表なのだが、とある事情で参加はしていない。四クラスだけなので、専用機持ち同士がぶつかる初戦の一組VS二組が事実上の決勝戦と言える。十中八九この試合で勝った方が優勝するだろう。

その試合の最中、私が見ていた管制室に一本の通信が入った。相手は何と霧島君。

 

「どうした、霧島」

『散歩がてら歩き回っていたら、アリーナの上に謎の機影を発見したのでISを無断展開して迎撃しました。事後報告ですみませんが、指示お願いします』

 

いつも通り冷静な霧島君。でも、その報告を受けたこっち側はかなり慌てている。まあ、解決済みとはいえ、襲撃がありましたって言われたんだし、当たり前の反応だとは思うけど。

 

「分かった。今空いている第二アリーナに搬入しろ。その後、無人機との戦闘のログの提出だ。今回は緊急事態なので、無断展開については不問とする。……よくやってくれた、霧島」

『いえ、やれるところに僕が居ただけですから。では』

 

彼は、移動しながら、管制室に戦闘ログを送って来た。

最初奇襲に近い感じで開戦した、誰も見ていない戦い。奇襲にしようした時の霧島君が使用した武器は彼のIS『出雲』の第三世代兵装だろう。効果はエネルギーを任意の形に形成し、それを武器とするだったかな? その後お互いの牽制射撃を避けつつ、膠着した展開。

先に動いたのは正体不明機。不明機は映像でも分かるレベルの高エネルギー砲を躊躇なく霧島君に放っている。たとえ、ISに絶対防御があると言っても、あんなのを食らったらひとたまりもない。しかし、彼はそれで怯みすらせず、切り込みながら回避、そしてその瞬間に瞬時加速をし、一気に飛び込む。そして、不明機の左胸に剣を突き刺す。そしてコアごと引き抜き、鎮圧完了。

 

「……織斑先生」

「なんだ、更識?」

「霧島君と同じ事出来ます? 今までを含めて」

 

映像を見た私は率直な感想を世界最強に聞いてみた。

 

「訓練なら出来る。しかし、あの状況で同じ事をやれと言われれば、恐らく無理だろう」

 

私も織斑先生と同意見だ。彼の機動自体は特に難しい事をしていない。それこそ、やろうと思えば現状の織斑君でも可能だろうし、みっちり訓練出来れば一般の生徒も一月もあれば出来ると思う。少し、瞬時加速が難しいだけだから。

問題は当たれば大怪我確実の攻撃に向かってそれをしたという事。度胸があるという次元じゃない気がする。それはまるで……自分の命を投げ捨てるようなものだ。

ちなみに、霧島君が正体不明機の襲撃を防いだお蔭で予定通り進んだクラス代表戦は織斑君の瞬時加速を凰ちゃんが上手く衝撃砲でカウンターして勝利、そのままの勢いで二組の優勝となった。




細かい所は変えていますが、話の大筋に変更は無いお話でした。

次回は二巻の内容に入っていきます。
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