カスのかぐや姫   作:上条@そぉい!

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実は以前からこの小説は隠し文字を使ってます。探してみてください


カスはちからを溜めている……!

 抜き足差し足、貴方はツクヨミ内でこっそりと移動していました。理由は簡単で、貴方が今からやろうとしている事がバレたらヤチヨに本気で監禁される事も視野に入るクラスにヤバいからです。

 かつて十年の間に二回に渡ってツクヨミの天守閣に軟禁された事がある貴方が言うのです、間違い無いでしょう。

 

 ツクヨミの管理人たるヤチヨにバレない様、というのは無理じゃないか?と考える方もいるでしょうが、このカスは以前にもヤチヨの睡眠時間を狙って本人ヤチヨの真似をしていた実績があります。

 

 今回もその手を使う事でバレない様に計画していました。念の為FUSHIにもバレない様、かぐやの姿をしていますが今のところセーフです。一般ユーザーにもバレない様に、と結構ハードな条件ですが貴方は保身の為なら全力を尽くす系のカスです。

 そこまでして何がしたいのか。それは月に一度顔を出す事です。素直に言えばヤチヨはいい顔をしないでしょうし、彩葉は特に拒否反応を起こすでしょう。

 

 良い思い出がないのだから仕方ないかもしれませんが、貴方からすると月人をそこまで悪く見れないのです。

 月では十年の間職場として働いていましたし、意外と待遇も良かったので。暇なら月人達巻き込んで貴方は遊んでましたから。

 

 そんな訳で、ツクヨミの仮想空間から飛び出し、月へとひとっ飛び。ちゃんと正規の手続きで月に入った貴方に向こうにいた月人は仕事をする手を止め、こちらを見て久しぶり〜、元気してたん?と手を振っています。

 ほどほどっすよ、と適当に返す貴方に、平社員みたいな扱いのリョウサン月人達が皆貴方に群がってきます。皆貴方の来訪を喜び、肩に手を回し背中をバシバシ叩いています。

 

 なんか、部活動中に突如現れたOBの先輩みたいな扱いを受けている貴方です。しかし、いつもお世話になっていた上司の月人の姿は見当たりません。他の担当をしているのでしょうか。つまり、今この場にはブレーキ役がいません。

 

──いつもの、やらんのか?

 

 月人達は、ウキウキで、そんな事を言いそうな目で貴方を見ます。月人の目が何処にあるのかわかりませんが、貴方もやぶさかではありません。しょうがねぇなぁ……とどっかの戦闘民族みたいな返事を返す貴方は、ゴソゴソと取り出すはもはやお馴染みとなったラジカセ。適当に選んだカセットを差し込み、再生ボタンを押せば、そこはもうライブ会場。

 

──FOOOOO!

 

 そんな感じで月人達は貴方を中心にして踊り出します。きっと仕事ばかりで鬱憤が溜まっていたのでしょう。いつもの二割増しくらいで激しくて、そして貴方に対して馴れ馴れしく、ちょっとウザイです。

 しかし一度その気になってしまえば貴方もはっちゃけます。過去にタイムスリップしたマーティがステージで一足早いロックを演奏している時みたいな気分ですね。

 そうして貴方がはっちゃけ続けていると、何処からか騒ぎを聞きつけたのでしょう。貴方がよく知る上司の月人が全力疾走でこちらに向かってくるのが見えました。

 

 久しぶり!と手を振る貴方に、ノンストップでこちらに迫った上司は振り上げた腕を貴方の首に引っ掛けるようにして叩きつけます。

 

──何やってんじゃぁぁああ!!

 

 そんな言葉が何故か貴方には聞こえました。見事なラリアット雷犂熱刀です。これが忍者であれば首が飛んでたかもしれませんね。

 ゲフゥ!?と後頭部から地面に叩きつけられた貴方は悶絶しますが、上司は追い打ちをかけるように、倒れ伏す貴方の両足を掴むと、海老反りの如く持ち上げます。

 

──がぁぁぁああ!

 

 今日の貴方にそれ以上いけない、と止める者はいません。上司が満足するまで続いたその責め苦が終わる頃には真っ白に燃え尽き地面に横たわりました。口から魂が出てるかもしれませんが、カスの貴方にはこれくらいやる人がいた方がいいと思います。

 

 そんな貴方に腕を組みながら、上司は何をしに来たんだ?と尋ねます。ようやく本題に入れそうです。そもそも貴方が余計な事をしたのが悪いのですが。

 そうして、上司は半ば呆れ、半ば諦めたような視線を貴方に向けました。

 

 そう、貴方はかぐやの復活ライブに向けて一つの計画を立てています。貴方の心はこんな大舞台でふざけないなんてあり得ない!真面目に不真面目と叫んでいるのです。カラオケに歌いに行って真面目に歌うだけとかあり得ない、と考えるタイプのカスです。

 そして、貴方の計画には月人の協力が必要不可欠。だからこうして頭を下げにきています。既に地面に倒れ伏したままの貴方は物理的にも頭が底についています。土下寝?

 

 カスの貴方にしては珍しい、本気の声色で上司にお願いします、と告げました。倒れ伏したままなので格好がつきませんが。良い加減立ったらどうです?足の感覚がないから無理?

 

──時間制限付きなら許す。

 

 妥協してくれたのでしょう、そんな条件の元、貴方の提案を上司は呑んでくれました。その言葉に貴方は歓喜。ライブには月人達も招待するね!と約束しました。

 その言葉に周りで事の成り行きを心配そうに見ていた平社員の月人達は大歓喜。娯楽の少ない月にとってツクヨミは間違いなく刺激の塊。嬉しいのでしょうね。

 さぁ、ここからが本番。貴方のやらかし罪に一つ所業が追加されるでしょう。月人の協力を得て向かう先は──8,000年前の日本です。

 

 


 

カス

こいつが真面目にライブとかやる訳ない。やる時は周りを死ぬほど巻き込んで自分だけ満足するタイプのカスです。でもそれで周りも笑わせちゃうからタチ悪い。

 

ヤチヨ

寝てた。でも不審な動き自体は後で分かるのでカスを正座させるのは確定的に明らか。

 

かぐや

はやく配信したい!それまでは外でジョンを振り回しながら色んなところを巡ってる。

 

彩葉

ん?かぐやに貰った手首のリングアクセサリーが光った様な……

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