GODDESS OF VICTORY NIKKE〔戦神のシュバルゼッテ〕 作:デウスシルエット
よろしくお願いします。
第0話
〔主人公SIDE〕
「指揮官!」
「指揮官様!」
指揮官を呼ぶ2人の女性の声が聞こえる。
俺に近づこうにも今ま戦っている地上の支配者の1つに防戦一方で声をかけるしかできない状況みたいだ。
俺としては―――いや、過去の記憶をある程度取り戻した俺はその指揮官が自分自身なのが判る。
そんな俺は両手両足がズタズタにされている。
頭にも普通の人間が受けたら即死の攻撃がされたと分かる程のダメージを負っている。
なんでこんなことが起きたのかは記憶を失っていた俺の記憶を見ればわかる。
まず俺と俺を指揮官と呼ぶ2人の女性―――勝利の女神であるニケがいる場所は地球の地上と呼ばれる場所。
ただ、その地上は人類が反映しているわけではなく別の存在が支配していた。
[ラプチャー]と呼ばれる機械生命体、そいつらが100年以上前に突如として侵攻してきた。
その圧倒的な数とその時代の歩兵の武器ではダメージがほぼ与えられず、ダメージを与えられる兵器もそれを上回るラプチャーによって壊滅。
それに対して当時の人類―――[人類連合軍]が生み出したのは人間の女性の脳を戦闘用ボディに組み込んだ対ラプチャー人型決戦兵器[
勝利の女神の名を冠した彼女たちは人間の歩兵と変わりないサイズでありながらラプチャーと戦い殲滅。
人類は対抗手段を得たが、それでもラプチャーの圧倒的な数とニケに対抗する手段ですぐさま優勢になり人類を地下世界―――[アーク]と呼ばれる現在の人類すべてが居るであろう場所に退避した。
それから100年間の間、二回程ラプチャーから地上を奪還する作戦が行われたが失敗。
そして今の人類はアークという地下世界でしか生きられず、地上は完全にラプチャーの世界となった。
こうしてラプチャーの世界たる地上に人類が行くのは、アークでは自給できない資源を集めるか100年前に失われたロストテクノロジーを集める為。
記憶を失う前の俺はそんな地上に居て死にかけているのか。
それは地上を調査していたニケのみで構成された調査隊が行方不明になった。
その行方不明の調査隊を捜索していた[分隊04-F]―――俺を指揮官と呼ぶ2人のニケと人間の指揮官が捜索に出向いたが、ラプチャーの中規模群体と遭遇。
[分隊04-F]では対処しきれない為に俺ともう一人のニケが増援に向かう事になった。
といっても記憶を失う前の俺はアークの政府機関であり人類の保護、そして地上奪還のための行政機関である[中央政府]1つ―――ニケとニケを指揮する指揮官の部署[ニケ管理部]の指揮官育成プログラムを終えた新人。
新人にいきなり救援任務とかどうなっているんだと今更ながら思っている。
しかも記憶を失う前の俺に随伴していたニケは俺と合流する前からラプチャーによる[侵食]―――簡単に言えばラプチャーに乗っ取られた状態だったことが判明。
そしてそれが明確に発覚し俺に随伴したニケはラプチャーの中でも危険な[タイラント級]であり特殊個体である[ブラックスミス]に拉致された。
普通の人間なら撤退するが、記憶を失う前の俺は今の俺と同じようにニケを兵器ではなく戦友であり女性であり対等な存在であると認識。
完全に侵食に呑まれていてもラプチャーに吸収される部品ではなく、最後は1人の勝利の女神として戦った存在として終わらせる事を決めた。
それに同意した俺を指揮官と呼ぶ2人のニケと共にブラックスミスを追跡し戦闘。
ブラックスミスとの戦闘は優勢だったが、奴の攻撃から2人のニケを庇う為に突き飛ばし攻撃を喰らって四肢の傷失に頭部に致命的なダメージを負った。
そして今に至るってわけだ。
なんでこんなに悠長に俺が俺であった記憶を思い出して、現状を振り返れるのかは分からない。
だが―――
≪マスター“アッシュ・カンナギ”の記憶が修復されたのを確認―――お久しぶりです≫
俺の脳内だけに響く女性のAI音声が発せらると同時に思考内の会話が加速し周囲の光景がスローモーションへと変わる。
俺はこの声を知っているし、この現象も知っている。
かつて俺が纏っいラプチャーによる侵攻で兵器化された[
それに搭載されていた戦闘補助高性能AIである“レーヴェ”*1の声。
そして思考が加速しているのは[GUNDフォーマット]による[パーメットスコア]の上昇だな。
「こんな…瀕死の状況……で…久しぶり…とは…な」
思考内はクリアだが体は瀕死の為、声がうまく出ないがレーヴェにそう言葉を返した。
≪確かに人間的にはもはや助かりようはありませんが、この肉体は只の人間の肉体ではありません。既に修復が始まっています≫
俺は思考内音声に切り替える。
「(どういう事だ? そもそも[ダリルバルデ・イクサガミ]のデバイスが無いのに俺の脳内に語り掛けれるんだ?)」
≪この肉体はアークの中でも秘匿されたプロジェクトで生み出された人造生命体です。詳細については私もわかりませんがその肉体に、貴方とMSのコアたである[パメーメットコア]、私、MS拡張操縦システム[GUNDフォーマット]、量子変換システム[タキオン]をデータ化し一辺21㎝に圧縮されたキューブを埋め込まれ、現在は体全体に完全融合している状態です≫
道理でこんな状況になっているわけだ。
シンデレラ、エイブ、セイレーン、ヘンゼル、グレーテル、ゴッデスの事も気になる……が、今はこの状況のどうにかする方が先決だな。
「(それでこうして普通に会話できるって事はどうにかなりそうか?)」
≪はいこの肉体がもともと持っている再生機能では怪我が全治するまで後1時間と想定。しかしその時間が経過する前にタイラント級ラプチャー[ブラックスミス]によって壊滅。アッシュ様も再生を終える前に潰されて全滅します≫
「(かなりマズイ状況だな。だがこうして会話してくるって事は解決策があるんだな?)」
≪はい。再生中の四肢と損傷を受けている部位を前の身体と同じように[
「(前と同じか。となるとMS―――[ダリルバルデ・イクサガミ]は使えるのか?)」
≪使用不可能です。ですが、貴方がシンデレラと共に戦ったクィーン戦から今日に至るまでに私が貴女の戦闘データ元に設計し製造した新たなMSならすぐに用意出来ます≫
「(MSの製造までできたのか…)」
≪はい。貴方の亡き友であり私を生み出した“グエル・ジェターク”様がMSに組み込まれた[タキオン]の量子空間にいずれ必要になると組み込まれています≫
まさか、グエルがそこまで見通して用意していたとは。
まったく…死んでも俺を助けるとは最高の親友をもったもんだ。
「(わかった。今はこの状況を解決するのが先決だ。早速損傷した肉体部分をGUNDによる治療をしてくれ)」
≪了解。麻酔は無いので接続時に激痛が走ります。覚悟してください≫
「(ああ。それと同時に新しいMSの仕様と使い方を表示してくれ)」
≪了解。始めます≫
「ガァッ!!!!???」
急に全身に常人ならショック死するレベルの激痛がか巡って来た…ッ!。
前の肉体で痛みに耐性があったと思っていたが、どうやらデータ化した影響でそうもいかないようだ…ッ!
そして激痛と共にレーヴェが俺の為に作ってくれたMSの詳細な情報が表示される。
本体と内臓火器は使用可能、手持ち武装は―――まだ製造途中。
だがダリルバルデ・イクサガミに試験的に搭載されていたMS拡張操縦システム[GUNDフォーマット]がより最適化されている。
しかも、この肉体なら[GUNDフォーマット]による[データストーム]による影響はよほど過度な使用をしない限りはない。
生まれ持った体だとうまく適応せずに、最終的にクィーンに負ける要因にもなったからな。
製造中の手持ち武装はメイン武装であったコンポジットアームズを強化した武装。
ドローンタイプのオールレンジ攻撃兵装は変わって、[GUNDフォーマット]を利用した[GUNDビット]か。
ドローンタイプはクィーンがラプチャー侵食を発動して乗っ取られたから助かる。
≪アッシュ様。GUNDによる治療が終了しました≫
レーヴェの声と共に全身の痛みがマシになったがそれなりの痛みと違和感がある。
前の肉体の時もそうだったが、GUNDによる義肢や機械臓器を付けてから1ヶ月はつけた部分と神経が繋がったばかりだから痛みが生じたな。*2
俺はGUNDの義肢でその場から立ち上がる。
見た目は人間の腕だが周りに義肢がバレない様にニケと同じくガッデシアム製の人工皮膚が纏われている。
≪元々私が製造したMSも義肢前提でしたので急遽製造した仮の腕部部品を使わずに済みました≫
「そうだろうと思った。ともかく久々のMSでの戦闘だ。約100年ぶりだから最初の頃みたいに頼むぜ―――
≪了解です。では
「ああ。ガンダムシュバルゼッテ―――レディ」
俺が起動コードを発生した瞬間、俺の義肢が戦闘用フレームに変形。
そして変形と同時に変形部位と他の部位にフレームと装甲が瞬時に装着され人間の容姿から機動する戦士へと変化した。
装甲の色は胴や両腕は黒色、それ以外は薄い灰色で構成されており各所にはクリア部分の基部が装着。
頭部のアンテナ部分は白のリング状のアンテナと斜め上部に伸びた黒の鬼の角を豊富とさせる2本のブレードアンテナ。
頭部正面のマスク部分には縦線のスリットで髑髏。
まるでリング形状のアンテナは天使、黒い2本のブレードアンテナは鬼、脚部は樋爪と様々な神話の存在を混ぜた感じだな。*3
≪お気に召しましたか?≫
『
≪では、参りましょう―――勝利の女神を救いに≫
『ああ―――アッシュ・カンナギ。ガンダムシュバルゼッテ、出る!』
俺は背部と脚部に内蔵されたパーメット粒子をユニット内に高圧縮し任意の方向に解放、その反動力で推進力を得る[パーメットリコイルスラスター]通称[PRS]を吹かし、ブラックスミスと戦う2人の勝利の女神たちの戦場へと飛翔。
俺が空中に現れた瞬間、2人の勝利の女神に向いていたブラックスミスが俺の方をメインカメラ兼コアを向けた。
上半身が水生甲殻類を思わせるデザインに三対の脚部、両側に大口径対物ライフル、そして胴体から生える触手。
100年前よりも強化されているようだ。
だが、2人の勝利の女神との戦いでかなり消耗している。
―――ギュォォォォォォン!!!
ブラックスミスは空にいる俺を脅威とみなし上部にある球状ミサイルを発射。
俺は頭部にあるリング形状のアンテナと頭部を繋ぐ部分にある内臓兵装の1つである頭部内臓牽制ビームバルカン[イーゲル]を使い全てのミサイルを破壊。
続けて両腕部に内蔵された火器の銃口をブラックスミスに向けて発射。
発射された弾頭はブラックスミスが放ったミサイル向い、途中で弾頭が多数のベアリング状の弾へと分離しブラックスミスに着弾と同時に炸裂。
奴のミサイルユニットが全壊、俺はすかさず背部と脚部のスラスターを吹かして急降下と同時に奴にケリを喰らわせる。
落下とスラスターによって増された蹴りでブラックスミスの左側を粉砕。
しかし、こいつはラプチャーの中でも特殊個体とされている。
残った右側基部にある対物ライフルの銃口を向けて放とうとするが―――
「アニス!」
「ああ、もうラピ知らないわよ!!」
2人のニケが残ったブラックスミスの対物ライフルにそれぞれの火器を放ち破壊。
ブラックスミスは武器が破壊されたことにより自慢の触手基部も損傷した。
この姿である正体不明の俺を援護するなんてな…。
だが。
『援護たすかるぜ―――ラピ、アニス!』
俺は記憶が戻る前にこの作戦で共にした勝利の女神に感謝を告げる。
そして行動不能となったブラックスミスを前に右マニュピレーターを手刀にし、奴のコア兼メインカメラをそのまま手刀で貫く。
≪ブラックスミスのエネルギー反応消失。撃破完了です≫
そしてレーヴェの撃破報告で俺は2人の勝利の女神を生存させることができた。
ちなみにマリアンとの出会いやブラックスミス戦前のラピとアニスのやり取りは原作と変わりない為カット&回想にしています。