いずれ破滅する悪役貴族に転生した俺は、規格外の『精霊魔法』で魔法を極めて無双する~ラスボスと出会って得たスキルで、破滅フラグを回避したいだけなのに最強の聖人扱いされている~ 作:Hiruandon
魔法適性の義、当日。
「魔法適性の義はもう今日だな」
ファフニール家の私有地にある、神聖なる大聖堂の地下に設置された『適性の間』がその会場だ。
「あの子供たちはどうしている?」
「今はファフニール家所有の家にて、基本的な読み書きから学ばせております」
「そうか」
「カイル様は……意外とお優しいのですね」
優しい、か。
自分にその自覚はないけど……否定する意味もない。
ウルルはふと、心配そうな顔をして付け加えた。
「カイル様。本当に大丈夫ですか?」
「何がだ?」
「ファフニール家にとって、魔法適性は絶対です。特に光属性を重んじるこの家で……もし、万が一」
言葉を濁すウルルの意図は分かっている。
カイル家における『闇属性』の判定、あるいは無能力の烙印がどれほど恐ろしいものか。
原作の知識を持つ俺ならよく理解している。
「心配するな、ウルル。すべて計算の内だ」
「……不敵な笑みですね。最近のカイル様は、どこか見違えるほど頼もしいです」
どこか信頼を寄せるようなウルルの視線を受け止めながら、俺はステータスを確認した。
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【身体状況】
深影病:進行状態 50/100
【能力】
精霊魔法:解放済み(マナ循環適性・深影の力)
※魔法適性の義が終了後、決まった適性の魔法が使えます。
人類魔法:使用不可(魔法回路は精霊魔法へ移行)
スキル:
潜在属性:万能属性
(魔法適性の儀にて、すべての属性を選ぶことができます)
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すべて選べる……か。
属性には五大元素と光、闇、万能属性……様々な属性がある。
炎、水、風、土、雷、光、闇
そして万能属性だ。
合計で八属性あると考えれば分かり易い……かな。
群を抜いて強い属性が、炎と光、それと万能属性だ。
炎は自身の魔力を活性化させ、火力や防御力にも応用できる。
光は攻防に優れ、なんといっても不可避の攻撃が強力だ。原作のゲーム内では命中率がすべて100%で、会心を盛ることで破格のダメージを叩き出す属性だった。
そして、万能属性はすべての属性を内包しつつ、原初の理を扱える規格外の属性。
特別なNPCキャラクターしか持ち合わせておらず、プレイヤーが扱うことはできなかった。原作でもほとんどが謎に包まれていた代物だ。
主人公ですら、万能属性ではない。
一方、問題の闇属性は習得までの難易度が高く、術者の精神状態に左右される不遇な性能だった。ゆえに、この世界でも忌み嫌われている。
ともかく、人類魔法はダメだが俺には精霊魔法がある。
これさえ扱えれば、なんとかなるはずだ。
問題は……この世界のシステムと、待ち受ける適性試験だ。
そして、なぜ俺に【深影】の呪いがあるのか。これは原作でも最後まで明かされることはなかった謎だ。
「……行くか」
カイル・ファフニールの運命を狂わせる最初の試練。
その幕が、いよいよ上がろうとしていた。