その男子生徒はかつて人類種の天敵と呼ばれた 作:ウォルターパパ
「リンクス…仕事の時間だ」
輸送機の中に格納された1機の機動兵器 AC…アーマード・コアのコックピットに座った白髪の少年が目をゆっくりと開ける。
彼に名前はない。名乗る名前が無いのではない、本当に本名がないのだ。その代わりだろうか、他人から呼ばれる名前らしき物なら沢山存在する。首輪付き、リンクス、傭兵、先輩、そして人類種の天敵と。リンクスや傭兵そして先輩は分かるが、人類種の天敵は無いだろうって?それが本当に彼はそう呼ばれたのだ。彼は人類を救うため、自分の意思で人類種の天敵へとなり、かつての人類の9割以上を抹殺し…進んで人類の共通敵へとなり、そして撃墜されたのだから。
「これよりペロロジラの撃破任務を開始する。ハッチが解放し、電磁カタパルトでお前の乗ったAC、そしてACを超音速飛行でペロロジラの縄張りに送り込むVOBを射出する」
指示を出す人物はキヴォトスでは先生と呼ばれる若者。自分からはハンドラー・レイヴンと名乗り、現在の人類種の天敵の首輪を掴んでいる人物であり、保護者と言えるだろう。かつて621やG13と呼ばれており、今はその名前で呼んでくれる理解者はもういない。
レイヴンは先代ハンドラーが残したスーツを着こなし、その上から特殊部隊レッドガンのジャケットを羽織っている。ジャケットに関しては元の人物がムキムキだったこともあり、少しサイズが大きいようだ。
「先生!大変です!アビドス砂漠方面の部隊が押されてます!」
慌てるようすで、1人の美少女がモニターを見て慌てながらそういった。彼女は早瀬ユウカ。レイヴンやリンクスと違って頭の上に天使の輪っかのような物がある。実はこれ、ヘイローと呼ばれる物であり、キヴォトスの人類種の女性に基本的にある物であり、キヴォトスの人類種は女性以外は基本的に動物のような獣人だったり機械人だ。なので、このキヴォトスでは外見上は普通の人類種であるレイヴンとリンクスの方が普通ではないと言えるだろう。
「わかった。俺が対応する。ナイトフォールの準備は出来てるな?」
「えっ?はい…ウタハ先輩とカーラさんが言うには出来てますけど」
「ウタハにナイトフォールにVOBを連結させろ。直ぐに出る」
「待ってください!先生のナイトフォールはリンクスくんのACと違って、専用のVOBはありません!試作品の欠陥品だけですよ!?」
レイヴンはそう言い、レッドガンのジャケットを脱ぐと…そのまま指令室を出て格納庫に向かうとする。
「ユウカ。リンクスへのオペレートはお前に一存している。以後の指示はお前が出せ」
最後にそう言って、歩いて格納庫に向かっていった。指揮官であり先生、そして文字通り最高戦力のレイヴンがユウカにオペレートを一任し、出ていったことで必然的にここの現時点の責任者がユウカになってしまった。
「あーもう!!リンクスくん聞こえてるわね!?此方の準備は出来てるわ。ハッチ開けるわよ!」
こうなっては仕方がない。ユウカはボタンを操作して、リンクスが乗り込んだAC…そのACを現地まで超音速飛行で送り届けるため、ACを挟み込むように装着された戦闘機のようなデザインの専用VOBを出撃する最後の準備にとりかかる。
「電磁カタパルトの電圧クリア!最終安全装着解除!専用VOBの熱核ジェットエンジン作動!発進タイミングをパイロット リンクスに譲渡します」
最後の準備を終えたユウカはモニターを見る。そこには操縦桿を握り、少し動かして主導権が自分に移ったことを確かめるリンクスが映る。顔は女性に近い顔立ち、色素を失った癖毛の白髪、普通の人間に見えるが…外皮の大半と中身が有機素材を用いた作り物に変わっているのだ。
ユウカがリンクスと出会ったのは丁度1年前。カーラと名乗る謎の女性がメカニックの講師として赴任して数ヵ月たった頃であり、浜辺に大破した巨大戦闘兵器 アーマード・コアネクストが流れ着き、そのコックピットからどうして生きてるのか分からない程の損傷を負ったリンクスが居たのだ。ミレニアムの学生の手で救助されたリンクスであったが、脳死してないのが奇跡であり…下半身は殆どぐちゃぐちゃに潰れており、内臓も大半が損傷。しかし、カーラの手で強化人間改造処置を受けて、身体の大半を有機素材を用いた物でサイボーグに改造されたことで復活。
「リンクスくん!聞いてるの!?」
『聞いてる』
感情の起伏が一切感じられない声を出すリンクス。そして、操縦桿を握りしめて...かつて人類種の天敵と呼ばれた彼はペダルを踏み込んだ。
『リンクス。AC アーマード・アーカイブ出撃する』
そして電磁カタパルトと専用VOBの熱核ジェットエンジンの出力で、彼を乗せたACは出撃した。
因みにリンクスは2年生です
リンクスのヒロインはユウカだけど、621先生は?
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ウォルター『621…孫の顔が見たいぞ』
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ミシガン『G13!ハーレムだ!』
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エア『いいえ、私が正妻ですよレイヴン』