その男子生徒はかつて人類種の天敵と呼ばれた 作:ウォルターパパ
「よお、首輪付き。ちょっと今からクレイドルを落としに行く。付き合えよ」
15歳になったばかりのリンクス…やがて後に人類種の天敵と呼ばれることになる彼は1人のリンクスに大量虐殺に誘われた。
彼は母親代わりだったセレン・ヘイズという元凄腕のAC乗りにスラム街で素質を見出だされ、様々な組織や企業に傭兵として雇われながら戦場を渡り歩いていた。しかし、このとき…既に地球は壊滅的な汚染が進み、満足に人間が暮らせるのは遥か上空に揺り篭のように飛ぶ居住飛行機『クレイドル』だけであり、やがてそのクレイドルが飛ぶ上空まで汚染が少しづつだが、広がろうとしていた。では宇宙に進出すれば良いのでは?たしかにそうだろう、だが宇宙進出を他の企業に出し抜かれたくない人達の手で迎撃衛星兵器 アサルトセルが地球を覆っており、人類は地球の外に出ることが出来ない。そんな地球と人類を救うためアサルトセルを焼き払うことを目的とした『オルカ旅団』という武装組織に誘われた彼はオルカに身を寄せた。
「少し、考えさせて」
「いいぜ、良い返事を期待するよ」
彼…やがて人類種の天敵と呼ばれる少年は考える。彼はオールドキングというオルカの中でも過激派と呼ばれる男から誘われたのだ。
たしかにクレイドルは結果的に落ちることになる。それが不時着なのか撃墜の違いしかないのだが、どちらにせよオルカのプランでもオールドキングの意見でもそれは変わらない。オルカのプランでアサルトセルを焼き払えば、人類は宇宙に行ける…だが宇宙に再進出するまでどれほどかかる?それまでに新たな戦争が起きないとは確実に言えないし、クレイドルに乗ってる富裕層の民間人は汚染された地上では間違いなく生きていけず…殆どが死ぬ。ではオールドキングのプランはどうだ?快楽のまま無抵抗な人を虐殺するのだ。
オールドキングのプランは間違いなくアウトだ。しかし、オルカのプランでも変わらず大勢の人々が死ぬし数多の火種も残る。足らない頭で考えた少年は答えを出した…人類と地球を両方救う方法を。ただし、少年自身は未来永劫…最悪の大量殺人鬼として歴史に語られる。
「わかったよ、連れてってよ」
「いいぜ、首輪付き…殺しを楽しもう」
そして彼はオールドキングの誘いに乗り、人類の虐殺を始める。もちろん、目的はオールドキングとは異なるのだが。
「良い長めだな…首輪付き」
落ちていく数多のクレイドル。それを圧倒的な性能を持つアーマード・コアネクストのコックピットから眺めるオールドキング。だが、その瞬間…コックピットから警告音が鳴り響き、オールドキングは何者かにロックオンされる。
「なっ!?」
方向に向けて機体を向けたその刹那。オールドキングのコックピット目掛けて鉄の杭…パイルバンカーの一撃が突き刺さり、コックピットはグシャリとプレス機で押し潰されたように潰れて真っ赤な潜血が吹き出した。
「騙して悪いな。お前は俺の計画にはいらないから」
真っ白なアーマード・コアネクスト…その左腕にはパイルバンカーが装備されており、オールドキングを殺したのはそのパイロット…つまり、少年である。
その後、少年は秘匿メッセージで養母であり恩師であるセレン・ヘイズに遺言を遺した。どうしてこんなことをしたのか、これから何を行うのかを彼女だけには本心を伝えたかったのだ。
『拝啓、セレンへ。このメッセージを貴女が呼んでいるってことは、俺は世界最悪の犯罪者ってことになってると思う。
オルカのクローズプランでアサルトセルを焼き払う。この汚染された星から出て命を繋ぐにはそれしかない。だけど、それじゃ…温室育ちのクレイドルに住んでる人達、特に弱い子供達は助からない。だから、俺は全ての人類の共通の敵になるよ。人類が手を取り合い、リンクスという絶対悪を倒すため全人類は団結する。そうすれば、時間をかけてでも、クレイドルの人達が無事に地上に降りて…皆で星を脱出するぐらい団結が出来てると思う。
だからセレン。自分の意思で必要の絶対悪となった俺を殺しに来て欲しい。もちろん、一部のクレイドルは落とさないといけないけど…出来るだけ金の亡者達がすんでいる所を選ぶよ。
最後にセレン…いや母さん。俺の本当の思いは誰にも言わないで、言ったらリリウム辺りは俺に同情して殺しに来ないからさ。そして、スラム街に居た俺を育ててリンクスにしてくれてありがとう』
「あの…バカ息子がぁぁ!!お前がそんなことをする必要はないんだよ!!」
そのメッセージを呼んだセレンは泣き崩れ、端末に企業連からメッセージが届いた。リンクス討伐に出撃した、上位ランカーは全員撃墜され、その内…生存者は僅か3名のみであり五体満足で後遺症が無かったのはリリウム・ウォルコットだけである。
後日、ラインアークを単独で襲撃したリンクスはロールアウト間近のワンオフ機 ホワイトグリント3号機(アルバフレームのような正統派ロボフェイスにしたブラックグリントを白くして、パワーケーブルを無しにした感じ)を強奪。
ホワイトグリント3号機から音声変換を用いて、全世界に宣戦布告。次々と企業連を破壊していく。もう、誰もが勝てず…ここから彼は人類種の天敵と呼ばれるようになった。
だが、勝てる戦力とパイロットは遺されている。パイロットは生ける伝説、アナトリアの傭兵と呼ばれた英雄だ。
「しかし…3号機は奪われて…4号機(後のブラックグリント)はまだ未完成。人類種の天敵と最新型ワンオフネクスト ホワイトグリント3号機に勝てる機体なんて」
だが、ただのACではホワイトグリント3号機には勝てない。それはネクストでも同じであり、企業連がボコボコにされた今…勝てる組み合わせは有るのだろうか?アナトリアの傭兵が乗っていたネクストは行方を眩ませるために廃棄、更にUNKNOWNと名乗って乗っていたホワイトグリント2号機は海底に沈んでいる。
「性能は間違いなく負けてるが…俺の良く知る機体が有るじゃないか。そうだろ、ジョシュア」
アナトリアの傭兵は格納庫を見上げる。そこには彼の親友 ジョシュア・オブライエンが遺した初代ホワイトグリントが帰らぬ主を待つように動体保存されていたのだ。
「調整を頼む。彼を停める」
「はい!!」
メカニック達はアナトリアの傭兵の要望に答えるように、ジョシュアの初代ホワイトグリントにアナトリアの傭兵のホワイトグリント2号機の予備パーツと武装を組み合わせた改修と調整を最速で終わらせ…いよいよ全世界の運命をかけた決戦が始まる。
「来たんだね…」
とある海上。その宙域に浮かび…両手にレーザーと実弾2つの銃口を持つブルバップ式デュアルマシンガンを持つホワイトグリント3号機が居た。もちろん、乗ってるのは人類種の天敵と呼ばれた少年だ。
そんな少年とホワイトグリント3号機を停めるため、新生された初代ホワイトグリントに乗って英雄 アナトリアの傭兵はやってきた。
「もう…言葉なんて意味ないよ。見せてみてよ、お前の力」
かつての親友 ジョシュアと似た言葉を吐き出した人類種の天敵。そしてアナトリアの傭兵との決戦が始まり、戦いは3日3晩続き…勝ったのはアナトリアの傭兵だった。
「どうして…攻撃をわざとそらした?」
しかし、結果を見ればホワイトグリント3号機の攻撃は初代ホワイトグリントの右腕を吹き飛ばしたが、その攻撃を中心に寄せていれば…今のでアナトリアの傭兵は死んでいた。
『これで…これで…良いんだ……』
武装が無くなり…初代ホワイトグリントの左こぶしの一撃で陥没したホワイトグリント3号機。押し潰されたコックピットの中では下半身が押し潰れて…胸から下の感覚が消えた人類種の天敵の声が聞こえる。
『これで…人類は汚染された星を出て…その準備の間に、クレイドルの人達も無事に…地上に降りれる』
機能を停止したホワイトグリント3号機は重力の力で海面に落下し、そのまま海底に向けて水没していった。
「カーラさん!?本当に彼を目覚めさせるんですか!?リオ副会長だって、待つように言ってましたよ!?」
ミレニアムサイエンススクール。キヴォトスにある最近出来た最先端を行く学舎だ。そんなミレニアムサイエンススクールの廊下を1年生のユウカ、そしてユウカの先を歩くヘイローの無い女性講師 シンダー・カーラと名乗るメカニックが進む。
「責任は私が持つよ。あのビジターを見てると、若い頃のビジターを思い出すのさ。
まあ、機能は殆ど死んでる。私がアーキバスの遺品から手にした強化人間改造手術を施したけど、暫くはACに乗ること以外は出来ないよ」
カーラはそう言い、扉を開ける。そこにはミレニアムの浜辺に打ち上げられていた大破したAC ホワイトグリント3号機が吊り上げられていた。
その前にはサランラップぐるぐる巻きで冷凍保存され、身体中に管が刺さった誰かが居たのだ。
ぶちゅぶちゅと音をたてながら、管が引き抜かれていき…サランラップぐるぐる巻きの人物の鼓動が始まる。
「目覚めな、ビジター。いや、かつて世界を救うために人類種の天敵となった少年。アンタに使命を与えてやる」
こうして人類種の天敵はミレニアムで目覚めたのだった。
次回…人類種の天敵、サランラップを外されるってよ
リンクスのヒロインはユウカだけど、621先生は?
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ウォルター『621…孫の顔が見たいぞ』
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ミシガン『G13!ハーレムだ!』
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エア『いいえ、私が正妻ですよレイヴン』