メインヒロインになりたくない姫騎士ちゃん   作:黒騎士くん二次書き仲間増えろ

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第二部スタート!

記憶喪失後のオリ主のキャラが崩壊してるように見えますが、これは今まで思考の内に留めていたものを全部口から垂れ流してるだけです
本質的にはあんまり変わってません


安定して日間ランキング二桁台に居座れて作者がずっとニヤニヤしてます
読者の皆さんには頭が上がりません
この調子でがんばって原作に追いつく……のは無理な気がするけどそのくらいの気概(モチベ)を維持できたらと思います


……あれ?
他の人に黒騎士くん二次を書いてもらう話は?


第二部
記憶喪失になってしまった


 

「ふわぁ……なんかすっごい寝てた気がする……」

 

 寝ぼけ眼を擦りながら意識を覚醒させ、ベッドから体を起こし……ってなにこれ痛っ!全身筋肉痛亜種みたいな激痛に襲われてるんだけど!?

 

「てかここどこだ?」

 

 知らない天井だ……とかいうミームはさておき、マジで見覚えのない部屋だ。というか待てよ?そもそもワタシってどんな部屋で寝てたっけ?

 はっ、まさかこれは「ここはどこ、ワタシは誰」(記憶喪失)案件……!しかもご丁寧にサブカル作品とかの記憶はあるタイプのやつ。ってことはまさかワタシは転生したのか?

 

「ひめちゃーん、包帯交換の時間だよ……ってええ!?起きてる!?」

 

 いやこれ違うな。転生とかじゃないわ。普通に記憶喪失なだけだわ。この人明らかに知り合いっぽいし。

 さて、となると第一声はどんなのがいいか。普通なら敬語が安牌だが、今までタメ口で話していた相手に敬語を使われるとダメージが入るのは記憶喪失あるあるだ。となるとここは逆にフレンドリーな感じで……

 

「おっはよ〜!今日もいい朝だね!」

「……ひ」

「ひ?」

「ひめちゃんが壊れた……!」

 

 おう。やっちまったか。というか今までのワタシってどんな感じだったの?もっと無口系だったとか?

 

「あー……ごめんなさい。ちょっと記憶を喪失中なもんで……あなたってワタシの知り合いだったりします?」

「えっとねえ……どうする私、今しか誤解を解くチャンスはないぞ……!」

 

 やばいな。なんかブツブツ言い始めたぞ。もしかしてワタシの存在が思ったよりも大きかったタイプか?

 

「も、もしかして、身内というか家族だったり?」

「そう……だよ。私は君の姉なんだ。後君には同じく記憶喪失の兄がいる」

「思ったよりぶっ飛んでんなウチの家系」

 

 家族ぐるみで事故りでもしたんか?身内に記憶喪失二人も抱えてこの人、いやお姉ちゃんも大変だろうな。

 

「あああ!どうしてまた嘘を重ねてしまったんだ私ぃ……!でもアルファとしての本能が彼女を手放すことを拒んでいるぅ……」

 

 ……お姉ちゃん病院行った方がいいんじゃね?精神科とか。多分ストレスのためすぎだよ。

 

「えっと……ちなみにワタシって記憶喪失前はどんな口調で喋ってた感じ?」

「もうちょっと物静かな感じだったかな……少なくともこんなテンションじゃなかった」

 

 マジかー。でもワタシってわりとオタク特有の早口が出るタイプな気がするしなあ……そんなワタシが無口系クールガールになる理由なんて、そういうキャラを作ってたからとしか考えられないな……でも身内にそんな演技をする必要もないだろうし……うーん、なんもわからん。

 

「まあ頭打って人格変わったとでも言っておけばいいか。ワタシって交友多かった?」

「いや、ほとんどなかったよ。それこそ私と君の兄くらいしか……お、噂をすれば」

 

 ドアの開いた音と人の気配。これは噂の兄が帰ってきたのか?

 

「ただいま、ハクア姉さん」

「おかえりかっつん。ちょっと重大な報告があるから、心の準備ができたらあの子の寝室にきてくれる?」

「……わかった」

 

 何やら神妙な雰囲気でそう告げるお姉ちゃんの声に反応した誰かがこちらに近づいてくる足音が聞こえてきた。

 

「今のがワタシのお兄ちゃん?」

「そ、そうだよ。ただちょぉっと記憶喪失の影響か……いやあれは元からか?と、とにかく言動があれなところがあるけど、大目に見てほしい」

「……?」

 

 どゆこと?どっかぶっ飛んでる人なの?ド級のシスコンだったりすんの?

 その答えは彼がこの部屋に入ってきた時にわかった。

 

「……っ!姫っ!」

「ひめ?……うおっ!?」

 

 部屋に入ってきた推定お兄ちゃんに思いっきり抱きつかれた、のはいいんだけど衝撃で体の痛みガガガ……悶絶しそうな痛みってこういう感じかあ。

 

「よかった……このまま起きないのかと……」

「ワタシは無事だからだいじょぶ……後ちょっと傷が痛むから力緩めてクレメンス……」

「あっ、ごめん。まだ治ってなかったんだな」

 

 姫呼びがあれなだけで普通に良い人では?いや妹に姫呼びな時点でだいぶあれな気もするけど。

 

「お兄ちゃん……も記憶喪失なんだよね?」

「ああ。ハクア姉さんと話すまで、俺は自分のことを何一つ覚えてなかった」

 

 ワタシも同じだ。自分がどういう人物だったのか、何も思い出せない。

 

「でも、姫のことだけは覚えてた」

「……ほえ?」

「姫は俺の大事な人だってこと。それだけは忘れてなかった」

 

 いや重い重い。そんなヤベーシスコンだったの?この人。だったらお姉ちゃんのあの忠告も納得だわ。

 

「そ、そっか……あ、そういえばワタシの名前とか聞いてなかったな。お姉ちゃんの名前はハクアでいいの?」

 

 とりあえず話を逸らす。このままこの話題を展開し続けるのはよくない気がする。

 

「うん。私は白川伯阿。こっちはかっつんこと白川克樹お兄ちゃんで、君の名前は白川姫華(ひめか)だよ」

 

 しらかわひめか……あんまり自分の名前だって実感が湧かないのは、ワタシが記憶喪失だからだろうか。それとも……

 

「じゃあ改めてよろしくね、ハクアお姉ちゃん、カツキお兄ちゃん」

「うん。よろしく」

「まだわからないことも多いだろうし、なにかあったら頼ってくれ。……といっても俺も記憶喪失だからわからないことの方が多いんだけどな」

「ふふっ、じゃあ記憶喪失仲間同士がんばろーね、お兄ちゃん」

 

 こうしてワタシの記憶喪失生活が始まったのだった。

 

 

 

 

 

 

 ……のだが。

 

「ここ確実にフィクションの世界線だろ……」

 

 こう考えた理由は単純。未だ体の傷が癒えないワタシのために渡されたタブレット端末で暇をつぶそうと開いた動画サイトに、とんでもない動画がアップされていたのだ。

 

 それはずばり、怪人とスーパーヒーロー……もっといえば仮面ラ○ダー的な人物の戦闘風景である。

 あれれ〜、おっかしいなあ。少なくともワタシの辞書には怪人もヒーローもフィクションだって書いてあるんだけどなあ。しかも何が怖いってネット民がこの動画を普通に受け入れてることなんだよね。AI生成とかを微塵も疑ってない。つまりこういった超常的な生き物の存在が普通に浸透してるってことだ。そんなんもうフィクションの世界線ですやん。

 

「でもワタシこんな作品知らないな……原作がない世界の可能性もあるにはあるけど……」

 

 その場合ワタシの記憶喪失がネックだ。……所感でいいか?ワタシは多分この世界の原作を知っていて、多分原作に介入しようとしていたんだと思う。でもなにかしらのトラブルがあって記憶喪失という名の厄介払い……原作の修正力の餌食に遭った。そんな感じの筋書きなんじゃないか?

 

「なーんて考えちゃうのはワタシに厨二病の気があるからかなあ」

 

 こんな突飛な仮説よりかは、ただ単にワタシが一般常識すらもなくすタイプの記憶喪失になっただけの可能性の方がまだ高い。でもなーんか引っかかるんだよなあ。白川って苗字とか、お兄ちゃんの名前とか、その辺りの単語を聞くとなにか思い出さなきゃいけないことがある気がしてくる。

 

「でもそれがなにかわからん現状、何もできることがないしなあ」

 

 主人公っぽい人……さっきの動画でいうところの「黒騎士」か「姫騎士」か「ジャスティスクルセイダー」に会えばなにかわかるかもしれない。でも絶対そう簡単には会えないよな。常識的に考えて。

 

 まあでもひとまずは……

 

「体直して穀潰しからの脱却が先だな」

 

 お兄ちゃんみたいに家事をするにしろバイトをするにしろ、体を治して万全の状態にしなければ始まらない。早く治ってほしいが、こればっかりはそれなりの時間がかかるだろう。

 

「スーパーヒーローがいる世界なら、ワタシにも何かしらのスーパーパワーがあったりしないかな?治れ〜、治れ〜……ん?」

 

 今なんか手首が光った?てかなんだこの腕時計。星がモチーフなのかな?結構おしゃれだ。……じゃなくて。

 

「今これ光ってなかった?」

 

 気のせいか?そもそもなんで腕時計が光るんだよって話だし。でもなんかこれ持ってると安心するな。記憶喪失前から持ってたのかな?

 

「……こんなワタシをよろしくね、相棒。……なんちゃって」

 

 そんな世迷い言を口走ると、また腕時計が光った気がした。

 

 

 

 

 

 

Side ハクア

 

 かっつんに続いて、ひめちゃんが目を覚ました。ただし、彼女もまた記憶を失った状態で。おまけにかっつんとは違い大幅なキャラ改変を起こしているときた。過去の彼女を知る者ならばなにがどうなってこんな状態になったのか……とでも思うところだろうが、私は違う。何故なら私は彼女の境遇を知っているから。

 

 姫宮姫乃。

 20XX年に姫宮家に生まれ、幼少期から虐待を受けていた。小学校に入学する頃には事実上の一人暮らしを強要されており、両親から振り込まれるわずかな金銭をどうにかやりくりして生活していたらしい。

 義務教育である中学校までは学費が支払われていたものの、中学卒業と同時に仕送りが届かなくなり、彼女は複数のバイトを掛け持ちして生活費を捻出することを余儀なくされた。なんとか貯めた資金は根こそぎ両親に搾取されてしまうという最悪の条件付きで。無論そんな状態の彼女に高校に通う余裕などあるわけがなく、交友関係も必要最低限のみ。

 控えめに言って最悪な境遇の真っ只中にあった人物。それが姫宮姫乃という少女である。

 

 口数の少ない言動。自己を軽視しがちな性格。他者を優先しがちな精神性。それら全ては彼女の過去を踏まえれば説明がつく。

 要するに、彼女は精神的な疾患を抱えた患者なのだ。かっつんと同じように。

 

 それ故に似た者同士である二人は上手く噛み合ったし、かっつんに至ってはある意味依存にも似た感情を抱えている。だから記憶を失ったひめちゃんもかっつんに対して依存めいた感情を持っていたらどうしようか……とか危惧してはいたのだけれども……

 

「おっはよ〜!今日もいい朝だね!」

 

 なんか思ってた斜め上の角度にぶっ飛んでた。君ほんとにひめちゃんか?と疑いたくもなった。宇宙人に乗っ取られたりしてないかい?

 

 でもこうも思うのだ。今まで彼女が見せていた姿は抑圧されていたために変質したもので、彼女の本質はもっとおしゃべりで表情豊かな女の子なのではないか、と。

 ならばかっつんと同じように、このまま記憶を失ったまま過ごした方がいいのかもしれない。普通の少女として生きられる今の方が、彼女にとって幸せなのかもしれない。

 

 そんな考え、あるいは言い訳の下、私は今日も二人の弟妹の姉として、白川伯阿として生活している。

 願わくば、これ以上彼らが傷付く未来が訪れんことを。

 

 そんなささやかな願望は、結局叶わなかったのだけれど。

 




白川姫華

黒騎士くん原作の記憶含めて全部失った
残っているのは前世由来のオタク知識のみ
姫騎士時代と比べるとだいぶ愉快な性格をオープンにしている
過去がそこそこ闇


白川克樹

一足先に目を覚ましていた記憶喪失仲間
ほとんど何も覚えていないが、姫と呼んでいた人物のことを大事にしていたことは覚えている


白川伯阿

姉なるもの
生後一歳未満で二人の姉になった
ひめちゃんのキャラが変わりすぎて困惑中






第二部プロローグという感じの回でした
次回は第二部第一話という感じになりそうです

今作者の感想乞食を見たな!?
これでお前とも縁ができた!感想を残していけ!
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