メインヒロインになりたくない姫騎士ちゃん 作:黒騎士くん二次書き仲間増えろ
後はもうちょっとで色バーが埋まるので是非高評価をよろしくお願いします!
今回は原作第二部一話目を参考にしたらなんか思ったより長くなりました
原作知識前提の立ち回りをしてきた関係で原作の内容の大半をスキップしてきた第一部と違い、第二部は原作沿いの展開が多くなりそうです
原作沿いの展開が多くなるとどうなる?
知らんのか
気を抜くと原作とあんまり変わらない展開が続くからそうならないように作者の考えることが増える
吾輩は記憶喪失系美少女である。名前は白川姫華。
一般常識とかは覚えてるのでそこまで困ることはない……かと思いきや、スーパーヒーローが普通に存在する世界に絶賛困惑中だ。わけがわからないよ。
「かっつん、ひめちゃん、お腹空いたー」
「ハクア姉さん。今できるから着替えなよ」
「毎度のことだけど朝に弱いよね、お姉ちゃん。あ、お兄ちゃんそれ取って」
キッチン併設のリビングにそんな声が響く。
一緒に朝ごはんを作っているのがワタシと同じく記憶喪失の克樹お兄ちゃんで、まだ寝ぼけたままの女性がワタシたちの命の恩人である伯阿お姉ちゃんだ。
詳細は不明だが、ワタシたちは揃って事故に巻き込まれて死にかけたらしく、そんなワタシたちを救護してくれたのが彼女なのだ。ぶっちゃけ足を向けて寝られない感じの相手である……はずなのだが、普段の生活態度があれなので尊敬度合いも半減している。マトモな時はマトモなんだけどなあ。
「ハクア姉さん。普段が三歳児みたいなんだから、朝くらいちゃんとしてくれよ」
「うぐ……ま、まあ、私一歳児未満だからね。しょうがないしょうがない」
「出た、お姉ちゃんの年齢ジョーク」
お姉ちゃんはなにかにつけて実年齢が一歳児未満であることを
第六感か、失われた記憶か、はたまたただの勘違いか。理由ははっきりしないが、これだけはわかる。お姉ちゃんは善人で、恩人だ。たとえその正体が人ならざるものだたとしても、この想いは変わらない。
「はい、愛弟妹弁当だよ」
「微妙にゴロが悪い」
「でも事実だし。それに、今日のは自信作だよ?」
「ああ、お米の白と梅干しの赤のコントラストが映える最高の弁当だ」
「もしかしなくても日の丸弁当だよねそれ!?」
「じょーだんだって。中身は普通にオムライスだよ」
こうやって気安く冗談を言い合えるような家族。それが今のワタシたちとを表す関係だ。時々違和感を感じることはあるけど、それ以上にとても居心地がいい。まるで夢みたい、なんてのは言い過ぎかな?
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまー」
「ごちそうさんでしたー」
朝食を取り終わったワタシたちは、それぞれ仕事に向かう。お姉ちゃんは看護師として近所の病院へ。ワタシたち二人はアルバイトとしてお姉ちゃんに紹介してもらった喫茶店へ。目が覚めたばっかりの頃は仕事なんてしてなかったんだけど、流石にそれはまずいよなあってことでお兄ちゃんの職場に転がり込んだのである。「ここで働かせてください!」なんて言ってね。
「……ねえ、かっつん、ひめちゃん」
「ん?」
「どうかした?」
「今、楽しい?」
外出の準備をしていたワタシたちに、お姉ちゃんがシリアスな雰囲気を纏ってそう言ってきた。
「はは、変な姉さんだな。楽しいに決まっているよ。姉さんも姫もいるしな。ま、記憶はないけどねっ!」
「右に同じく。まあこれで記憶が戻ったらベストって感じではあるけど」
「……っ。う、うん、そうだよね。それなら……いいんだ……うん」
こんなことを暗い顔して聞いてくるってことは、お姉ちゃんにも何かしらの事情があるのだろう。それでもワタシは今の生活が気に入っているのだ。手放す気はあんまりない。
「さてと、それじゃ行きますか!」
「そうだな。……っと、そうだ。お前もつれてかなきゃな」
お兄ちゃんが持っているカバンに入りこんできたのは、機械っぽい見た目の手乗り犬「シロ」。正直この子もだいぶ謎ではある。一見普通のお姉ちゃんとかよりよっぽど。どう考えても常識の範疇にある存在じゃないよね?
「いってきまーす」
「いってきます」
「……いってらっしゃい」
秘密を抱えた姉に、多分過去に何かしらの地雷を抱えた兄。そして自分でも自分のことがよくわかっていないワタシ。どこか異質で歪な家族。それでも、ワタシは今の生活が好きだ。記憶を失う前のワタシがどんな暮らしをしていたのかはわからないけど、こんな経験も悪くはない。
そんなことを考えながら、ワタシは今日という日を過ごすのであった。
「いらっしゃいませー!」
カフェでの仕事に慣れるのは早かった。マスターもお兄ちゃんよりだいぶ手際がいいと言っていたので、これはワタシの驕りではないだろう。記憶喪失前にもこういう感じのバイトをしていたのかもしれない。
「ごゆっくりどうぞー!」
お冷を人数分テーブルに置き、注文された料理を提供するためにカウンターに向かう途中でお客さんが食べ終わった皿を回収する。手慣れたものである。
「黒騎士くんと姫騎士ちゃんが……」
「まだ見つかってないんだっけ?今どこに……」
「まだ子供なのに可哀想……」
仕事に集中しているのではっきりとは聞き取れないが、お客さんの中にはこうやって黒騎士やら姫騎士やらのことを話題に上げる人がいる。この世界におけるスーパーヒーローである彼らは、宇宙人との戦いの末行方をくらませてしまったらしい。ちなみにその戦いが起きたのはワタシが目覚める少し前だ。……うーん、物語だったら確実にフラグだけど、ここは現実だからなんとも言えない。偶然の一致の可能性の方が高い。お姉ちゃんもワタシたちの記憶喪失の原因はその戦いだって言ってたし。
「おい、姫華。三番テーブルの料理ができたぞ」
「はーい!」
まあ考察は後回しだ。今は仕事に専念しよう。
「さっきお兄ちゃんと何話してたんですか?マスター」
「なに、ちょっと記憶喪失についての話をな」
客足の途絶える夕暮れ時。テーブルの拭き掃除をし終わったワタシは、この店のマスターに気になったことを問いかけた。
「あいつは不安がってたが……お前はそうでもなさそうだな」
「あー……まあワクワクの方が強いかったんで」
「ワクワク?記憶喪失になるのがか?」
「だってそんなの、フィクションの中の出来事みたいじゃないですか?」
正確には今もそういう気分は抜けていない。だってこの世界にはヒーローと怪人がいるのだ。後者はもう全滅したらしいが。それでもワタシの主観で現実離れした世界の設定を密かに楽しんでいるのは事実だ。
「フィクション、ねえ。ならもしお前が本当に……いや、なんでもない」
「……?」
「まああれだ。そういう考えの方が気に病まなくていいのかもな」
「お兄ちゃんはそうではないと?」
「あいつはお前程お気楽じゃないからな。だからこそお前に依存しているとも言える」
さらっとワタシはお気楽だとディスられたことは置いておいて、お兄ちゃんがワタシに依存しているというその言い分には心当たりがある。
それは例えば朝目を覚まして挨拶を交わす時に見せる安堵の表情であったり、過保護とも言えるワタシを危険から遠ざけようとする態度だったり、さり気なくワタシの近くから離れようとしない立ち回りであったり。それらの行動の理由は恐らくワタシがほとんどの記憶がないお兄ちゃんが唯一記憶している「大事な人」だからなのだろう。それを家族愛ではなく依存と言い切るのは、マスターが一歩引いた視点でワタシたちを見ているが故か。否定しづらいのが厄介なところだ。
「だったらそれは共依存ってやつかもですね。だってワタシはその行為を満更でもないと思ってますし」
ワタシだってお兄ちゃんのことは好きだ。一緒にいると安心するというか、心がお兄ちゃんを求めているというか、とにかくお兄ちゃんが押せ押せな分にはウェルカムなのだ。そう思ってしまっている時点でもう駄目な気がするが。
「そうか。まあお互いに支え合える関係ってのはいいもんだが、あんまり寄りかかりすぎないようにな」
「わかってますよ。その辺りはわきまえてますし、お兄ちゃんも理解はしてるはずです。……多分」
「多分っておい……」
だってしょうがないじゃん。お兄ちゃんの場合駄目だとわかっていてもワタシに縋ってきそうなスゴみがあるし。ちょっとワタシのこと好き過ぎない?そういうレベルじゃない?それはそう。
「……まあいい。ほれ、お前らんとこの姉に持ってけ、まかないだ」
「ありがとうございます!ウチお姉ちゃんがわりと食べるから食費がギリなんですよね……」
「それ暗に給料上げろって言ってんのか?なあ?」
ここであえて踏み込みすぎないでくれるマスターマジ良い人。これは姫華的にポイント高いね、なんちゃって。
「今日、マスターに記憶がなくても俺は俺だって言われたんだ」
「なるほどね。そういう考え方でいいんじゃない?なくなったものばかり数えるなって名言もあるし。今お兄ちゃんが持ってるものを大事にしていけばいいんじゃないかな。……ん?」
お兄ちゃんと他愛のない会話をしながら帰路を辿っていると、こちらをじっと見つめる外人?っぽいフードを被ったお姉さんがいることに気付いた。
「———はぁい、探しましたよぉ」
彼女はこちらに向けて声をかけてくる。普通に考えれば記憶喪失前の知り合いってことなんだろうけど……そういう感じじゃないな。
「ど、どなた……ですか?」
「……忘れた?忘れたんですか?この私を?全てを台無しにしておいて?」
「だ、台無し!?」
お兄ちゃんが対話を試みるも、明らかにお相手の様子がおかしい。これは知り合いというか、どちらかというと仇敵を見るような……
「……お兄ちゃん」
「私ですよぉ、アクスちゃんですよぉ!ほらぁ、三ヵ月前に会ったぁ」
フードを下ろしたお姉さん――アクスの姿はどこか不気味だった。よく言えば人形のように整った顔立ちが、悪く言えば人間味のない無機質で狂ったような笑みを浮かべているのだ。
「逃げるよ!」
あれは確実に不審者だ。いや、最悪の場合そんな優しいものじゃないかもしれない。とにかく今は逃走一択だ。
「っ!?」
驚きつつもワタシに手を引かれるがままになってくれるお兄ちゃん。ワタシを全面的に信頼してくれているが故の行動なんだろうけど、今は助かる。
「逃がしませんよぉ……私をこんな目に遭わせて、なぁに普通に生きているんですかぁ!!」
後ろから響く声にノイズが混じる。やっぱあいつ人間じゃねえ!多分サイボーグかなんかだよ!
「殺す。殺してやるぅぅ!」
『INVASION START!!』
禍々しい機械音声が聞こえたかと思えば、ワタシの体は宙を舞っていた。
「ガハッ!?」
「姫!」
な、に?金色のアーマー……機械仕掛けの肉体……ははっ、やっぱサイボーグじゃん。てかあんなやつの恨み買うとか、過去のワタシはなにしでかしたんだよ。
「アハハッ!いい気味です。このまま死んでもらいましょうか」
「させるかっ!」
お兄ちゃんがサイボーグ女に殴りかかる。しかし戦闘慣れなどしていないお兄ちゃんのパンチは貧弱。おまけに相手は正真正銘の人外だ。敵うはずがない。……それをわかった上で、お兄ちゃんはワタシのために戦ってくれているのだ。
「死ね!」
「がっ!」
「死ね!」
「ぐぅっ!」
「死ねぇ!」
「っ……!」
お兄ちゃんが一方的にボコされていく。こんなものを戦いとは呼べない。ただのリンチだ。
「はぁ……はぁ……」
それでもお兄ちゃんは諦めずに立ち向かう。それは何故か。ワタシがいるからだ。……ワタシを、守るためだ。
「しぶといですねぇ……もういい加減死んでくださいよぉ!」
「がはっ!」
サイボーグ女がお兄ちゃんを殴り飛ばす。このままでは本当に死んでしまう。いや、もしかしたら今ので……
「おにい、ちゃん……」
「ああ、大丈夫ですよ?あなたもすぐにあちらに送ってあげますからねぇ!」
サイボーグ女がチェーンソーに似た剣を取り出し、ワタシに向けて振りかぶった。まずい、いやだ、いやだ、いやだいやだいやだ……!
死にたくない!
「っ!?このバリアは……!」
……死んで、ない?よくよく見ると、光の膜のようなものがワタシを包んでくれている。これがワタシを守ってくれたようだ。
「……所詮はこの程度ですか。ならじわじわと削り取ってあげますよぉ……!」
「ひっ」
ギャリギャリと音が聞こえる。ワタシの命を奪い取る音が聞こえる。本当にまずい。今度こそ死ぬ……!
「アハハッ!あなたのその顔が見られただけで最高の気分ですよぉ!名残惜しいですがこのまま……」
「させねえよ」
さっきとは逆に、サイボーグ女がふっ飛ばされた。それは為したのは……
「大丈夫か?姫」
「お兄ちゃん……!」
白い騎士のような、ライダーのような装甲に身を包んだワタシのお兄ちゃんだった。
「それ、どうしたの?」
「わからん。でも、これならあいつ相手でも戦える。その隙にお前は逃げろ」
それってお兄ちゃんは……ううん、今のワタシがいても足手まといになるだけだ。人質になるよりかはさっさとこの場を離れた方がいい。
「わかった。……お兄ちゃん」
「がんばってね」
「……ああ!」
お兄ちゃんが人間には出せない速度で走り去っていく。それを見送ったワタシは、ゆっくりと体を起こした。
「……ははっ、がんばってね、か。どの口が言ってんだよ」
ワタシは最愛の兄を死地へと送ったんだぞ?見捨てたんだぞ?応援が力になる?そんなの綺麗事だ。ワタシだって本当は……
―――願え
なに?この声、どこから……
―――願え
―――貴様の願いはなんだ
そんなの決まってる。ワタシは……
「……お兄ちゃんと一緒に戦いたい」
―――ならば戦え
無茶言うね、謎の声さん。でも、そこまで言うなら……やるだけやってみようかな。
「とはいえどうすればいいのかな……ワタシも変身できれば一番いいんだけど……お?」
頭になにかが流れ込んでくる。……なるほど。そうやって
「……なんかいける気がする、ってこういう感じか」
瞬瞬必生な王様たちに習って、ワタシも全力で足掻いてみますか。
「となると掛け声とかほしいな……I'm on it?いやこれは違うな……でもワタシ別にネズミさんにもならないしな……」
―――……それは必要なのか?
必要だって。気分上がるし。
よし、ここはシンプルにいこう。
「じゃあまずは……変身!」
「Star Change!」
腕をそれっぽく構えながら、腕時計に付属していた用途不明のボタンを押す。すると音声が流れ、ワタシの体を光が包みこんだ。
「Starry Night!」
「変身完了……ってね」
ワタシの変身した姿はお兄ちゃんのものとは異なり、どちらかといえば戦隊寄りの格好だった。アーマーとかじゃなくて真っ白な全身タイツっぽい謎素材で全身を包み、両腕両足にだけゴツめの真っ黒な装甲が取り付けられていた。戦隊とライダーのキメラみたいな感じだな。
まあ格好はこの際どうでもいい。大事なのはワタシも戦えるってことだ。
「お兄ちゃんったいがいるのは……あっちか」
強化された聴覚で戦闘音を聞き取り、戦闘が起こっている方角を感知する。
「さて……そんじゃ、初陣といきますか!」
足に力を込める。すると足の装甲が稼働し、まるでCG合成でもしているかのような速度でワタシは跳び出した。
Side 白騎士
「くっ、ちょこまかと……!」
シロが出してくれた
「っ、隙ありですよぉ!」
「ちっ!」
まずい。落ち葉に足を取られた。その隙を見逃さなかったあいつは、チェーンソーを俺めがけて振り下ろし……
「飛び入りライダーキィィック!」
……それが俺を切り裂く前に、飛んできたなにかに当たって弾かれた。
というか、今のは……
「何者ですかぁ……!」
乱入してきた人物が、マスクの裏で笑った気がした。
「ワタシはスターリー!貴様の敗北を願い叶える者だ!」
スターリーを名乗る人物はそう叫ぶと、ファイティングポーズを取り手招きした。
「来いよサイボーグ女。ワタシが星に代わってお仕置きしてやる」
その姿は、口調は、気配は、そして何より隣にいてくれるだけで感じる安心感は、紛れもなく彼女のものだった。
「……姫、か?」
「正ッ解!助けに来たよ、お兄ちゃん!」
今ここに、最強の味方が現れた。
姫華
兄に依存されかけていることに気付いているし、それもいっかと思っちゃう自分がやばいことにも気付いている
今の生活に微妙な違和感を感じつつも、それ以上に楽しんでいる
スターリー
兄を守りたい・共に戦いたいという願いで姫華が変身した姿
四肢の装甲を活かした肉弾戦が得意
克樹お兄ちゃん/白騎士くん
記憶喪失故に不安定
すると体が姫を求める
実は一人で戦ってた時少し心細かった
ハクアお姉ちゃん
またしても何も知らない
謎の声さん
扱いがクソムズくてどうしようか悩んでいる(by作者)
後どなたかこの方が記憶を読める能力持ちなソースが出てくる回知りません?その真偽によっては展開が大幅に変わる(変えざるを得ない)ので
次回、ついに本格戦闘回
戦闘描写が苦手な作者はこれを書き切れるのか!?
感想で応援をもらえると嬉しいです