―――ケイネスと共に滞在するホテルに帰る。が、
ダンテ「ゴキブリ野郎がホテル内でコソコソ動き回ってる。場合によっては殺す。」
ケイネス「任せた。」
窓から飛び降りる。トリックスタースタイルで素早く駐車場にいる標的に近づく。
ダンテ「よおゴキブリ野郎。てめえがセイバーのマスターか? そこら中から火薬の臭いがプンプンするぜ。今すぐ解除してスイッチ渡せ。それなら殺さずに見逃してやる。」
「……何のことだ?」
エボニーを足元に撃つ。右手を掴む。令呪が見える。アイボリーを右手に突き付ける。
ダンテ「じゃあこの令呪は何だ? 言わなくてもわかるだろうが敢えて忠告してやる。コイツで撃たれたら痛ぇどころじゃ済まねえぞ。当たった場所が1発で肉片に変わる。」
「わかった…⁉ 今から解除する…⁉ 仲間にも手伝わせる⁉」
ダンテ「早くしろ。俺は待たされるのが嫌いなんでな。」
男が携帯電話で連絡する。やがて女が現れる。男に銃を突きつけながら即刻解除させた。積みあがった爆弾とスイッチを奪い取る。スイッチと爆弾を纏めて抱えて召喚術の応用で消した。
ダンテ「さっさとお家に帰ってクソして寝ろ。」
男も女も何度も俺の方へ振り向きながら走り去って行った。もうひとつ、サーヴァントの魔力を感知した。場所は…隣のホテルの屋上付近。気配遮断スキルを使いキャバリエーレに乗って壁を駆け上る。ガランとしたところに神父の姿をしたひとりの男と黒ずくめの衣装で全身を覆う者が目に入る。迷わず覆面男をエボニー&アイボリーの連射で肉片にした。着地してから、逃げる男へエアトリックで先回りして銃を突きつける。
ダンテ「マスターの情報じゃアサシンは金ピカ野郎に殺られたって聞いたがどうなってんだ? 後何人いる?」
「……。」
ダンテ「聞こえてるか?」
耳を狙って撃ったが僅かに顔を逸らして避けられた。あのゴキブリ野郎と俊敏さではいい勝負だった。周囲に魔力を持った集団が続々と現れる。正面の男が両手の指に挟んだ3本の刃物、計6本で斬り上げる。バク転して避ける。同時にアサシンどもが飛び掛かってくる。ショットガンに持ち替えガンスリンガースタイルに変える。ジャンプしながらファイアワークス…ヌンチャクのように振り回しながらの発砲全範囲攻撃を繰り返し片っ端から肉片にする。神父姿の男は…消えていた。逃げ足の速さまであのゴキブリ野郎と似ていた。魔力反応がないのを確認して外側からケイネスの部屋に戻ろうとした。窓の縁に手をかけたところで部屋の中から男女の荒い息遣いと喘ぎ声が聞こえてくる。安心して飛び降りた。そのままキャバリエーレに乗って冬木市内を疾走した。
道中、死にかけの若者に出会った。
ダンテ「お前…バーサーカーのマスターか? あいつと同じ掃き溜めのゴミの臭いがするぜ。」
「待って…くれ…⁉ あの子を…助けて…くれ…⁉」
戦意は感じられない。悲壮感しか覚えなかった。とりあえず若者を背負ってキャバリエーレに乗り道案内させる。酷い臭いがどんどん強くなっていく。
ダンテ「お前は『あの子』って子を連れてこい。俺はここの酷ぇ臭いの元を断つ。」
目の前の蔵に入る。予想通り掃き溜めみたいな場所だった。至るところに蟲、蟲、蟲…。真魔人化する。トリガーバーストで多くの蟲が塵と化す。残りも片っ端から真インフェルノを叩き込み潰し燃やし尽くした。魔力を感知する。
「お前は…何者だ…。」
ダンテ「何だ爺、てめえがあの蟲どもの親玉か?」
アドベント…エアトリックを超える瞬間移動で接近し真魔人コンボで細切れにし燃やす。それでも幾つかの蟲に散らばる。どうやらこいつは本体ではないらしい。やがて若者が少女を連れてくる。
ダンテ「酷ぇなこりゃあ。この子の体内、蟲だらけだぞ。ったく…魔術師ってのは人の命を何だと思ってやがるんだ…⁉ 試してみるが文句は受けつけねえぞ。」
「ああ…⁉ やってくれ…⁉」
真魔人化したままデモリション…標的を魔力で形成した球形の空間に閉じ込める。その応用で少女の体内に巣食う蟲を摘出し内部から破裂させる。どこからか爺の断末魔が聞こえた。少女が咳き込み吐血する。若者も同じだった。人間形態に戻り手首を切り血を少女と若者の口に流し込み飲ませた。劇薬になるか回復薬になるかは賭けだった。
少女と若者が起き上がる。
「桜ちゃん⁉ 体調はどうだ⁉」
「おじさん…私、どうなっちゃったの…⁉ 体が軽くて痛みもなくて気分もスッキリして…何だか夢みたい…⁉」
「ああ…良かった…⁉ 本当に良かった…⁉」
ダンテ「感動の最中悪いが、お前の中の蟲も除去してやろうか?」
「俺は…いや…でも…⁉」
ダンテ「誰がその子の世話をするんだ? 俺にそんな暇はねえぞ。」
「俺は…時臣を許せない…⁉ 桜ちゃんをこんな目に合わせたあいつを絶対に許せない…⁉」
ダンテ「時臣ってこの冬木市を管轄してるっていう遠坂時臣のことか?」
「そうだ⁉ あいつは…あいつだけは…⁉」
ダンテ「そいつだって結婚して妻も子どももいるんだろう? お前が遠坂時臣を殺して…妻や子どもは悲しむだろう。誰が得するんだ? それともお前がそっくりそのまま遠坂時臣の代わりになれるとでも思っているのか?」
「それは…⁉」
ダンテ「俺がお前の中の蟲も除去してやる。そして聖杯戦争から下りろ。出来るだけ長生きしてその子の世話をして見守ってやれ。」
「……わかった…⁉」
再度真魔人化してデモリションで若者の体内の蟲を残らず駆除する。と同時に令呪も消えた。ドス黒いサーヴァントの気配も消えた。また血を飲ませた。若者と少女に別れを告げてキャバリエーレで走っている最中にケイネスから念話が届いた。第四次聖杯戦争監督役の言峰璃正とやらからキャスター討伐の依頼が届いたらしい。連続無差別児童失踪事件の有力犯であるらしい。放っておけなかった。集中して魔力を探る。掃きだめのゴミに似た魔力を感知する。キャバリエーレを飛ばして現場に急行した。
森の中を突き進む。目を凝らす、異形の者が子どもたちを連れて歩いている。あれがキャスターだと確信した。一旦ジャンプしてキャバリエーレを解除して再度装備し直す。レッドライン…バイク形状での突進攻撃でキャスターを跳ね飛ばす。
ダンテ「逃げろ‼」
子どもたちが目を覚ましたように走り去る。吹っ飛んだキャスターを轢いてから旋回してドリフトしながら後頭部を後輪で削りまくる。ビクンビクンと痙攣するキャスターが抱きしめている何かが光ると共に周囲に悪魔とは違う見たこともない化物が現れた。キャバリエーレに乗りながら轢きまくるが次から次へと湧いて出てキリがなかった。キャスターが立ち上がる。両手で抱えてる本が目に入る。あれで化物を召喚しているらしい。真魔人化して真魔人コンボで斬り裂く。本は元通りになるがキャスターは赤い霧とともに消える。
「おのれ⁉ 悪魔め⁉ 聖処女を惑わしおって⁉」
という捨て台詞を残して。遅れてセイバーが駆け付ける。逃げた子どもを保護するべくセイバーと協力することになった。トリックスタースタイルを駆使して散らばった子どもたちを一か所に集めた。車を持っているというので送っていくのも任せた。俺は街へ戻りキャスターの気配を探った。
僅かな魔力の残滓を感知して下水道に入りキャバリエーレを飛ばす。その中で意外な奴ら…でもないかもしれない奴らと出くわした。
ダンテ「こんな所で何やってたんだ、おっさん?」
「我らはキャスターの工房を焼き払ってやったわ!」
ダンテ「何だよ、俺はひとりでキャスターと殺り合ってたっつーのに留守中に奴らの拠点を呑気に焼き払ってたってか? 王様ってのは随分気楽な身分だな、なあおい。」
「相変わらず減らず口の多いやつよのう…。そうだ! 我らと酒でも飲まんか?」
ダンテ「おっさんと一緒にか? 美味い酒もマズくなるぜ。」
「まあそう言うな! 騎士王も誘う予定だ!」
ダンテ「騎士王ってあの金髪のお嬢ちゃんか? それなら付き合ってやる。」
「よおし決まった! 余はあの金ピカも誘ってくる! 先にセイバーの拠点で待っておれ!」
そんなわけでセイバーの魔力反応を頼りに森の奥へ進んだ。次第にデカい城が見えてくる。正面に人影、セイバーだった。慌てて急停止する。
「……何の用だ?」
「そう警戒するなお嬢ちゃん。これから征服王サマがやってくる。一緒に酒が飲みたいってよ。あの金ピカ野郎も誘うって言ってたぞ。来るかはわからねえが。」
「あのふたりが…? まあ…貴公はキャスターと戦い子どもたちを保護したから信じよう。」
ダンテ「そう言ってくれると助かる。」
それからふたりで並んで歩く。ちらりと横顔を眺める。どう見ても未成年の少女だ。酒を飲んでも大丈夫だろうかと心配になった。セイバーと目が合った。
「そういえば名もクラスも知らなかったな。知られては困るのか?」
ダンテ「俺の名はダンテ、クラスはランサーらしい。尤も、槍なんて持ってねえけどな。」
「中世にダンテ・アリギエーリという詩人、哲学者がいたらしい。関係あるのか?」
ダンテ「いいや、全くの別人だ。」
「そうだろうな、大型の二挺拳銃に大剣に炎を纏う籠手と具足、不可思議なバイクを操る詩人がいたら私も見てみたいものだ。」
セイバーが笑う。美しいと思った。戦闘時は凛々しくて一国の王らしい堂々たる姿だったが今は見た目相応の少女に見えた。
ダンテ「そういえば聖杯ってなんだ?」
「そんなことも知らなかったのか…? 何でも願いが叶う願望器…らしい。」
ダンテ「一気に胡散臭くなったな。『うまい話には裏がある』って言葉知ってるか?」
「だとしてもだ…⁉ 私は聖杯に頼る他ない…⁉」
ダンテ「何が望みなんだ?」
「私がかつて収めたブリテン国を滅びの運命から解放したい…⁉」
ダンテ「今のイギリスでは不満か? 『グレートブリテン』って呼ばれてるぞ。とはいっても4つの国に分かれてるが。」
「かつてのブリテン国とは違う…⁉ あれはゲルマン人に侵略されて出来た国だ…⁉」
ダンテ「ふーむ、仕事なら手伝ってやりたいが流石にタイムスリップは無理だしそもそも人間同士の争いには介入しない主義だしなぁ…。」
「……貴公の言い様ではまるで自分が人間ではないように聞こえるが…本当に何者だ?」
ダンテ「ま、特別サービスだ。教えてやる。悪魔の父親と人間の母親が結ばれて双子が生まれた。その弟が俺だ。」
「悪魔…実在していたのか…⁉」
ダンテ「俺が呼ばれる前の世界にはいた。概念的なものじゃなくちゃんとした生物としてな。」
「貴公の強さから見て並みの悪魔ではあるまい。もしや…伝説の魔剣士スパーダか⁉」
ダンテ「勘がいいな。見た目は人間だが中身は立派に親父の血を受け継いでいる。」
「そうか…通りであの出鱈目な強さにも納得がいった。」
ダンテ「お楽しみは俺が悪魔の姿になってからだ。期待して待ってな。」
「ああ…そうさせてもらおう。」
再びセイバーが笑う。いつかこの少女とも殺し合わなくてはならないのかと思うと胸が痛む。
城に招き入れられてひたすらおっさんが来るのを待った。やがてやかましい音と共に現れた。
ダンテ「遅ぇぞおっさん。金ピカ野郎はどうした?」
「『気が向いたら行く』と言っていたな。まあ待つしかあるまい。」
ダンテ「ビビったんじゃねえだろうな。あの野郎、接近戦は全然甘っちょろかったぞ。どこぞの王サマか知らねえが大したことねえな。」
「そう言うな。さあ、飲もうではないか!」
白い美少女の案内で花が咲き乱れる庭園に誘われた。おっさんに勧められるがままに酒を飲む。
ダンテ「マズい。こんなお上品な酒は俺の趣味じゃねえ。」
「そうか? この酒は中々の逸品だぞ?」
俺の正面の歩道に金ピカ野郎が現れる。
ダンテ「よお金ピカ野郎。ビビって来ねえかと思ったぜ。」
睨み合う。黙って座る。金ピカ野郎が召喚する酒を飲んだ。マズかった。退屈な話は全て聞き流した。セイバーがおっさんに聖杯への願いを聞いた。
「受肉だ。」
俺の瞼がピクリと痙攣した。
「いくら魔力で現界しているとはいえ所詮我らはサーヴァント。余は転生したこの世界に一個の生命として根を下ろしたい。身体ひとつの我を張って天と地に向かい合う。それが征服という行いの全て。そのように開始し推し進め成し遂げてこその…我が覇道なのだ。」
「そんなものは…王としての在り方ではない。」
おっさんがセイバーに問う。
「私は…我が故郷の救済を願う。万能の願望器を以てして…ブリテンの滅びの運命を変える。」
「なあ騎士王、貴様今運命を変えると言ったか。それは過去の歴史を覆すということか?」
「そうだ、例え奇跡を以てしても叶わぬ願いだろうと、聖杯が真に万能であるならば必ずや…。」
金ピカ野郎が笑う。何だか頭にくる。
「貴様、よりにもよって自らが歴史に刻んだ行いを否定するというのか?」
「そうとも! 何故訝る! 何故笑う! 剣を預かり身命を捧げた故国が滅んだのだ! それを悼むのがどうしておかしい!」
「おいおい聞いたかライダー⁉ この騎士王と名乗る小娘はよりにもよって故国に身命を捧げたのだとさ…⁉」
また金ピカ野郎が笑う。どんどん頭にくる。
「笑われる筋合いがどこにある! 王たる者ならば身を挺して治める国の繁栄を願うはず!」
「いいや違う、王が捧げるのではない。国が民草がその身命を王に捧げるのだ。断じてその逆えはない。」
「何を…それは暴君の治世ではないか!」
「然り、我らは暴君であるが故に英雄だ。だがなセイバー、自らの治世をその結末を悔やむ王がいるとしたらそれはただの暗君だ。暴君より尚始末が悪い。」
「イスカンダル、貴様とて世継ぎを葬られ築き上げた帝国は3つに引き裂かれて終わったはずだ。その結末に貴様は何の悔いもないと言うのか?」
「ない、余の決断、余に付き従った臣下たちの生き様の果てに辿り着いた結末であるならばその滅びは必定だ。悼みもしよう。涙も流そう。だが決して悔やみはしない。ましてそれを覆すなど! そんな愚行は、余とともに時代を築いた全ての人間に対する侮辱である!」
「滅びの華を誉とするのは武人だけだ! 力なき者を守らずしてどうする! 正しき統制、正しき治世、それこそが王の本懐だろう!」
「で、王たる貴様は「正しさ」の奴隷か?」
「それでいい。理想に殉じてこそ王だ。」
「そんな生き方は人ではない。」
「王として国を治めるなら人の生き方なぞ望めない。征服王、たかだか我が身可愛さのあまり聖杯を求める貴様にはわかるまい。飽くなき欲望を満たすために覇王となった貴様には!」
「無欲な王なぞ飾り物にも劣るわい! セイバーよ『理想に殉じる』と貴様は言ったな。なるほど往年の貴様は清廉にして潔白な聖者であったことだろう。さぞや高貴で侵しがたい姿であったことだろう。だがな殉教などという茨の道にいったい誰が憧れる? 焦がれるほどの夢を見る? 王とはな、誰よりも強欲に、誰よりも豪笑し、誰よりも激怒する、清濁含めて人の臨界を極めたる者。
そう在るからこそ臣下は王を羨望し王に魅せられる。一人一人の民草の心に我もまた王たらんと憧憬の火が灯る! 騎士どもの誉れたる王よ。確かに貴様が掲げた正義と理想はひとたび国を救い臣民を救済したやも知れぬ。だがな、ただ救われただけの連中がどういう末路を辿ったかそれを知らぬ貴様ではあるまい。」
「何だと…⁉」
「貴様は臣下を救うばかりで導くことをしなかった。王の欲の形を示すこともなく道を見失った臣下を捨て置きただ独りで澄まし顔のまま小奇麗な理想とやらを想い焦がれていただけよ。故に貴様は生粋の王ではない。己の為でなく人の為の王という偶像に縛られていただけの小娘にすぎん。」
1発の銃声が鳴り響く。
ダンテ「黙って聞いてりゃ調子に乗りやがって…⁉ いい歳こいて我が儘に振る舞って国を亡ぼすおっさんなんかに俺は憧れねぇ。全然憧れねえ。大体なぁ、てめえの願いは受肉だとかほざきやがったがそれこそ歴史の改変だろうが…⁉ 死人なら死人らしくさっさと俺に殺されてあの世に行きやがれ…⁉ 俺だったらセイバーに憧れるしついていくね。どこまでも『正しさ』を追い求めてるセイバーに。」
「……それはお前が庶民だからだろう。王には王の考えがある。」
ダンテ「おっさんと話し合う気なんてねえよ。それよりも…こいつらが先だ。」
魔力を感知して目を向けずに発砲する。肉が飛び散る音がする。アサシンがワラワラと現れる。
ダンテ「てめえらこれで全員だろうな? 出し惜しみしてる余裕なんてねえぞ。」
キングケルベロスを手にする。思いっきり暴れたい気分だった。氷属性のヌンチャクを振り回しある者を凍り付かせ雷属性の三節昆を全方位に振り回し感電させ炎属性の棍棒を動きの止まるアサシンどもに当てることで燃やし尽くし灰にする。エアトリックで接近しては眼前にショットガンをブッ放し首から上を肉片に変える。魔剣ダンテのスティンガーで串刺しにしスパイラル…対物ライフルを逃げるアサシンに向かって撃ち抜き肉片にする。指で数えられる程度に数の減ったアサシンどもにトリックショット…壁や地面を跳弾して標的を追いかけ撃ち抜くスキルを連発して皆殺しにした。
ダンテ「おい、いいのか金ピカ野郎。隙だらけだぜ。」
「ほざけ雑種、貴様如きに我が殺れるか。」
エアトリックで背後に回りショットガンで後頭部を小突く。
ダンテ「3度は言わねえぞ。『隙だらけ』と言ったんだ。倉庫街でボコられたの忘れたのか?情けねえ王サマだぜ。セイバーを笑う資格あんのか?喧嘩の仕方はパパから教わらなかったのか?」
「貴様…⁉ 貴様あああぁぁぁぁ⁉」
金ピカ野郎が振り向く。激昂しているのがよくわかる。俺はそれ以上に頭に来ている。
「ダンテ、そこまでだ。ここは収めてほしい。」
ダンテ「……ま、人様の庭をこんな汚ねえ血で汚すのも申し訳ねえし、弁償代も払えねえ。セイバーの顔に免じて見逃してやる。」
ショットガンを消す。金ピカ野郎が立ち上がる。
「貴様は我が必ず殺す…⁉ 雑種が…⁉」
ダンテ「俺にそういうセリフを吐く奴は大抵逆に殺される。今のうちに遺言書でも残しておけ。」
金ピカ野郎が消え去る。ため息をついた。
ダンテ「おっさん、足手まといを連れて歩くのも程々にしておけよ。俺がどれだけ小僧を殺すのを我慢して手加減したと思ってんだ。悪魔の力を舐めんじゃねえ。」
「……悪魔…⁉ 貴様何者だ…⁉」
ダンテ「知りたきゃセイバーに聞け。説明するのも面倒くせえ。俺は帰る。じゃあな、セイバー。」
「あ、ああ…。また会おう、ダンテ…。」
燻ぶる怒りを、破壊衝動を必死に抑えながらキャバリエーレで森の中を疾走した。