※現在連載中の二作品は完結までAIを使わないつもりでいます(今更使ったところで矛盾がヤバそう…)。
※現在連載中の二作品が完結次第、もしかしたらAI本文利用で小説を書くかもしれません。理由は投稿頻度を向上させたいからです。
※現状、頭の中に7作品位書きたいネタが溜まっていて、今後どうしようか悩んでいます。AIを利用して作品の質が維持でき投稿頻度も改善するなら使用を検討するかもしれません。駄目そうなら今まで通りで手書きで順次投稿すると思います(何年掛かるんだ…)。
※ハーメルンの利用規約を読みましたが、このような投稿が認められているのか正直自分で判断つきませんでした。もし有識者の人が居たらご指摘下さい。規約違反なら速攻で消す心づもりでいます。
やわらかな陽光が注ぐ庭の隅、緑の絨毯を敷き詰めたような草むらに、幼い二人の影が並んでいた。
明治も終わりに差し掛かるころ。どこか懐かしい土の香りと、青々とした草木の匂いが春の風に乗って鼻腔をくすぐる。母が炊事場から蒸かす薩摩芋の甘い香りが、かすかに縁側まで漂ってきていた。
十二才の胡蝶カナエは、日陰になった縁側に腰を下ろし、膝の上に広げた裁縫箱の糸を整えていた。薄桃色の絞りの着物を纏い、まだ幼さの残る面立ちながらも、その佇まいには長女らしいお淑やかさと落ち着きが宿っている。
「姉さん! ねぇ、見て見て!」
弾んだ声とともに、六才のしのぶがパタパタと足音を立てて駆け寄ってきた。
小さな手に溢れんばかり抱えられているのは、庭のあちこちから摘んできた野花だった。白のシロツメクサに、紫の花を咲かせたホトケノザ、黄色のタンポポ。着物の裾を泥で少し汚しながらも、しのぶの瞳は爛々と輝いている。
「まあ、しのぶ。たくさん摘んできたのね」
カナエが糸切りバサミを置き、優しく微笑む。
「うん! これでね、姉さんに特別なものを作るの!」
しのぶは縁側の前にちょこんと座り込むと、小さな指先を器用に動かし始めた。摘んできた花の茎と茎を交差させ、くるりと巻きつけていく。天真爛漫な笑顔を浮かべながらも、その手つきは驚くほど手際が良い。
「姉さんは世界で一番綺麗だから、お花がとっても似合うでしょう? だから、あたしが一番上手に作ってあげるんだから」
誇らしげに胸を張り、一筋の汗をぬぐうしのぶ。その姿があまりにも愛らしく、カナエは思わず目尻を下げた。
「ありがとう、しのぶ。とても楽しみだわ」
しのぶの少し後ろ、青々としたクローバーの群生の中に、もう一つの小さな影があった。
しのぶと双子の妹であるカナヲだ。同じ六才だが、しのぶとは対照的に、カナヲは草むらの中に身をかがめたまま、じっと足元を見つめている。小さな指先で緑の葉を一枚一枚、愛おしそうにめくっては確かめていた。言葉を発することはなく、風に揺れる花のように静かな佇まいである。
「できたー!」
しのぶが歓声を上げ、立ち上がった。
その手には、白と紫と黄色が可憐に編み込まれた小さな花冠――野花の輪っかが握られていた。
「姉さん、頭を下げて!」
「ええ、こうかしら?」
カナエが姿勢を低くすると、しのぶは背伸びをして、その花冠をカナエの結い上げた髪の上にそっとのせた。
「わあ……! やっぱりすごく似合う! お姫様みたい!」
しのぶは手を叩いて飛び跳ね、満面の笑みを咲かせた。大好きな姉に喜んでもらえたことが、嬉しくてたまらないといった様子だ。
カナエはそっと頭の上に手をやり、花の感触を確かめると、心からの微笑みを浮かべた。
「嬉しいわ、しのぶ。こんなに素敵な贈り物をもらえるなんて、私は世界一幸せな姉ね」
「えへへ、そうでしょ!」
嬉しそうに鼻を鳴らすしのぶの横で、ふっと気配が動いた。
ずっと草むらにいたカナヲが、膝についた泥を払うことも忘れて、ゆっくりと縁側へ歩み寄ってきたのだ。その右手は、何かを壊さないようにそっと包み込むように握られている。
カナエとしのぶの視線が、同時にカナヲへと注がれた。
カナヲはカナエの前に立つと、静かに握っていた手を差し出し、ゆっくりと掌を開いた。
そこにあったのは、一枚の四つ葉のクローバーだった。
少し形がいびつで、小さく丸まっているけれど、四枚の葉がしっかりと寄り添い合っている。カナヲの指先は、ずっと探していたせいか少し緑色に染まっていた。
カナヲは何も言わず、じっとカナエの瞳を見つめている。
カナエは目を細め、その小さな掌から壊れ物を扱うようにそっと四つ葉のクローバーを掬い上げた。
「……まあ。こんなにきれいな四つ葉。カナヲ、ずっと探してくれていたの?」
問いかけると、カナヲはこっくりと、一度だけ小さく頷いた。
「私への贈り物なの?」
重ねて尋ねるカナエの声は、どこまでも柔らかい。
カナヲは再び、こっくりと深く頷いた。言葉はなくても、その瞳の奥には温かな光が宿っている。
「まあ……ありがとう、カナヲ」
カナエは四つ葉のクローバーを大切そうに懐紙へ包むと、膝を進めてカナヲの目の前まで顔を近づけた。そして、泥のついた小さな頭にそっと手を置き、愛おしさを込めて優しく撫でた。
「二人とも、本当に優しい良い子ね。姉さんはとっても嬉しいわ」
頭を撫でられる感触に、カナヲの緊張していた肩の力がふっと抜け、その小さな唇が僅かに緩んだ気がした。しのぶも「あたしも!」と言うように、カナエの隣にすがりついてくる。
カナエは右腕でしのぶを抱き寄せ、左手でカナヲの柔らかい髪を撫で続けた。
穏やかな風が庭を吹き抜け、草木の青い匂いと、カナエの頭の上の野花の香りを優しくさらっていく。遠くで近所の子供たちが遊ぶ声と、羽織を揺らす風の音だけが静かに響いていた。
二人の妹の温もりを感じながら、カナエはカナヲの横顔を見つめ、ごく小さな声で優しく呟いた。
「……いつか、お喋りできるようになるといいわね」
カナヲは返事をしなかった。けれど、カナエの手のひらの温もりを感じるように、そっと目を細めた。
しのぶが「あたしがカナヲの分までいっぱいお喋りしてあげる!」と元気よく割り込み、カナエはくすくすと声を立てて笑った。
明治の柔らかな陽射しが、三人の睦まじい姿をどこまでも優しく包み込んでいた。
明治の終わりの夜は、どこまでも深く、静かだった。
虫の音すら途絶えた深夜、胡蝶家の屋敷を襲ったのは、嵐ではなく悪夢そのものだった。
破裂するような木格子の割れる音。続いて響いたのは、父と母の短い悲鳴と、肉が引きちぎられる禍々しい不協和音だった。濃密な鉄の匂いが瞬く間に廊下を駆け抜け、幼い私たちの寝室へと流れ込んでくる。
「ひっ……! 姉さん、姉さん……っ!」
六歳のしのぶが、私の着物の裾にしがみついてガタガタと全身を震わせていた。天真爛漫だったいつもの笑顔はどこにもない。青ざめた唇を噛み締め、恐怖に顔を歪めている。
私は十二歳の体を必死に丸め、しのぶを腕の中に抱き寄せた。背中をさする私の手もまた、小刻みに震えて止まらない。部屋の隅の暗闇に身を潜め、息を殺す。障子の向こうで、ぬちゃり、と重い足音が近づいてくる。
その時だった。
(……待って。カナヲは……?)
しのぶと同じ六歳で、しのぶの双子の妹であるカナヲの姿が、部屋のどこにもないことに気づいた。血の気が一気に引いていく。あの無口でおとなしい子が、恐怖のあまり一人で外へ飛び出してしまったのではないか――そう思った瞬間、障子が無残に引き裂かれた。
そこに立っていたのは、人に似て非なる異形の怪物。月光を受け、ぎらりと光る爪と鋭い牙。口元から両親の血を滴らせた鬼が、濁った瞳で私たちを見下ろしていた。
「可愛い幼子だ。骨まで柔らかくて美味そうだなぁ……」
鬼がニチャリと歪んだ笑みを浮かべ、太い腕を伸ばしてきたその瞬間。
頭上から、突如として圧倒的な「質量」が降り注いだ。
――ドガァァンッ!!
凄まじい衝撃音が部屋中に響き渡り、木床が跳ね上がる。鬼の頭部が一瞬で破砕され、生暖かい血と肉片が天井や壁、そして私たちへと撒き散らされた。
「……あ……?」
しのぶの短い悲鳴。私の喉からも掠れた声しか出ない。
鬼の体を押し潰していたのは、庭の片隅に置かれていたはずの巨大な「石臼」だった。大人の男が二人がかりでようやく持ち上がるほどの、重厚な花崗岩の塊。
その石臼の上に、ちょこんと乗っていたのは――カナヲだった。
薄汚れた着物を纏った六歳の少女。彼女は表情ひとつ変えず、華奢な両腕で自身の背丈ほどもある石臼を軽々と持ち上げると、再生しかけた鬼の首元へ向かって、再び叩きつけた。
ガッ!! グシャッ!!
「あがッ……な、なんだこのガキは……ッ!?」
鬼の頸椎が砕ける嫌な音が響く。肉が盛り上がり、顔面が再構築されようとするたび、カナヲは機械のように無機質に石臼を振り上げた。
ドスッ! ガシャッ!
「あ……カナ……ヲ……?」
私は自分の目を疑った。そこにいるのは、いつも私の後ろを静かについてきていた、あの小さく儚い妹なのか。
カナヲの瞳には、恐怖も、怒りも、悲しみすらも浮かんでいなかった。ただ冷たいガラス玉のような双眸で潰れた肉塊を見つめ、腕の力だけで何百斤もの石屑を何度も、何度も叩きつけている。鬼が再生しようとする肉体の先から、容赦なくその芽を潰し続ける。幼子には到底不可能な、異常なまでの筋力と体幹。
(そんな……そんな力、この子の中のどこに……)
妹の秘められた異能への驚愕。そして何より、命を奪う作業を淡々とこなすその無慈悲な挙動に、私は鬼への恐怖とはまた異なる、背筋が凍りつくような絶望を覚えた。
「グ……ガ……ッ! 離れ……離れろおおっ!」
鬼が狂乱し、再生しきらない異形の腕を振り回してカナヲを弾き飛ばそうとした、その時。
屋敷の屋根を突き破り、巨木のような影が降り立った。
「南無阿弥陀仏――」
低く、地鳴りのような念仏の声。数珠を掲げた巨躯の男が、闇の中から現れる。男の手から放たれたチェーンの先にある巨大な鉄球と斧が、空を裂く音を立てて旋回した。
ズガァンッ!!
カナヲが石臼で縫い留めていた鬼の胴体ごと、首が跡形もなく吹き飛ばされた。鬼の体は灰となって崩れ去り、夜の風にさらさらと溶けて消えていく。
静寂が戻ってきた。血の匂いと、破壊された屋敷の残骸の中で、巨躯の男――悲鳴嶼行冥は、数珠を握り締めながら涙を流していた。
「あわれな……幼い命が、このような惨劇に巻き込まれるとは……」
悲鳴嶼は白濁した目を静かに巡らせ、そして、壁際に転がった石臼の横に佇むカナヲへと視線を向けた。
「……
悲鳴嶼の声には、深い驚きが含まれていた。わずか六歳の少女が、自身の身体能力と判断力だけで鬼の頭部を破壊し続け、滅殺の機会を作り出したのだから。
「尋常ではない……。その腕力、そして土壇場で見せた冷徹なまでの観察眼。お前には、人を鬼から護るための苛烈な才能が眠っている」
悲鳴嶼はカナヲの前に膝をつき、その大きな手を差し伸べた。
「私の名は悲鳴嶼行冥。鬼を滅する組織、鬼殺隊の者だ。童よ……私と共に来るか? その力を鍛え上げ、鬼と戦う道を選ぶか」
私としのぶは息を呑んだ。
「ダメ……! カナヲ、行っちゃダメ!」
しのぶが叫び、カナヲに駆け寄ろうとする。私もまた、震える脚を必死に動かしてカナヲの肩を掴もうとした。両親を失った今、この小さな妹まで失うわけにはいかない。
しかし、カナヲは私の手をそっとすり抜けると、悲鳴嶼の大きな影を見上げた。
カナヲの口が、ゆっくりと開く。
普段、頷くことしかしないはずの彼女の唇から、小さく、けれどはっきりとした声がこぼれ落ちた。
「……私が鬼殺隊に入れば、私達と同じ思いをする人は居なくなるの?」
その問いは、静かでありながら、夜の闇を切り裂くほどの重みを持っていた。自分の恐怖のためではない。壊されてしまった温かな日常と、目の前で震える姉たちを守れなかった悔恨を、その小さな胸に秘めていたのかもしれなかった。
悲鳴嶼は深く、深く頷いた。
「ああ。お前の振るう刃が、誰かの明日を護る盾となるだろう」
「……わかった」
カナヲは迷いなく答えた。
彼女はゆっくりと振り返り、私としのぶを見つめた。その瞳には、先ほどまでの無機質な冷たさはなく、幼いながらも固い決意の光が宿っていた。
「カナエ姉さん。しのぶ姉さん」
カナヲは二人の顔を交互に見つめると、深々と頭を下げた。
「……さようなら」
「カナヲ! お願い、行かないで! カナヲーッ!」
しのぶが泣き叫びながら手を伸ばすが、カナヲは二度と振り返らなかった。悲鳴嶼の背中に続いて、破れた羽目板の向こう、深い夜の闇の中へと歩みを進めていく。
「カナヲ……っ!」
私は叫ぼうとしたが、喉が引きつれて声にならなかった。
雲が切れ、やわらかな月光が差し込む。
血に染まった床の上に、幼い妹が残していった足跡だけが、ぽつりと残されていた。
明治の冷たい夜風が吹き抜け、壊れた屋敷の破片を揺らす。それは、私たちが「普通の子ども」であった時間の終わりと、悲しくも気高き少女の、果てしない闘いへの旅立ちを告げる風だった。
初めてAI利用で二次小説を書いた所感としては、「意外とそれっぽいのは生成できる」「でも癖を詰め込むのが難しい」でした。特にしのぶのお労しい描写をAIに書かせるのが難し過ぎる。そもそもお労しさって何だ(哲学)。