犯人が分かったあんなたち三人はすぐに先ほど話を聞いた三人を控え室に集めた。
「犯人が分かりました」
「「「えっ?」」」
みくるからの突然の言葉に三人は困惑の言葉を漏らした。
「一体誰が犯人なんだ……?」
宇都見の質問に二人は口を揃えて叫ぶ。
「「犯人は…あなたです!」」
二人はまりの友人である藤井ともかを指さしていた。
「やだな~ティアラってポーチに入らなかったでしょ?外に持ち出せるはずがないよ」
「ええ、ティアラはまだこの部屋にあるんです!」
「「「えっ…?」」」
(そう、外へ持ち出す方法はない。ならば答えは一つ…)
消えたティアラがこの室内にあるという言葉にともか以外の三人は驚愕する。
そして、ピカチュウは心の中でそう呟く。
「あなたは……自分にブーケを投げてほしいとまりさんに頼んでティアラをブーケの中に入れた…」
あんなはそう言うとブーケに近づき中からティアラを取り出した。
「そして、まりさんからブーケを受け取ったあとにティアラを抜き取るつもりだったんだ!」
「……ふっ…」
ともかは拍手をしながら立ち上がり、不敵な笑い声をあげた。
「やるじゃない…でも、一つだけ大きな間違いをしている…」
「僕はともかではないんだ!」
そういうとともか(?)は変装を解いた。
そこにいたのは全くの別人で怪盗のような服装の男だった。
「僕はニジー!怪盗団ファントムの…怪盗さ!」
「怪盗団…ファントム…?」
(なんだそりゃ?)
変装を解いた男はニジーと名乗り、『怪盗団ファントム』と言う言葉にみくるとピカチュウは首を傾げた。
「惚れ惚れする……変装だったろう!………いただくよ」
ニジーはそう言うとあんなとみくるの間を素早く横切った。
「あっ……!ティアラが!」
「しまった……!」
あんなは自分が持っていたはずのティアラが消えていたことに気づいた。
その時、窓が開く音が聞こえ皆の視線が窓の方に集中する。
(この隙に…!)
皆の視線が窓の方に行ってる隙にピカチュウは入ってきたドアから外へ素早く向かった。
そして、あんなとみくるもニジーを追うべく外へと出た。
「まて~~!!」
あんなはそう叫びながらみくる、ピカチュウと共にニジーを追いかけるが、素早い身のこなしのニジーに中々追いつけない。
「早い…!」
「くっそぉ…早すぎんだろ!」
「ポ~~~チ~~~!!」
「え…わあぁぁぁぁぁ?!」
必死に走ってもなかなか追いつけないでいるとポチタンが叫び首紐を出してあんなを引っ張りあげた。
みくるとピカチュウはギリギリであんなの体にしがみつきそのまま空を飛んだ。
そして、ニジーの正面へと着地し追いつくことができた。
「困ったベイビーだねぇ…」
「ティアラを返して!」
「そーだそーだ!返しやがれ!!」
「できない相談だよ…ところでそこのベイビーは何者なのかな?」
ニジーに追いついたあんなとピカチュウはそれぞれそう叫んだ。
そして、ニジーはピカチュウの存在に気づく。
「あ、俺か?いや俺に聞かれてもな…って、そうじゃなくてさっさとそれ返せ!!」
「悪いがお断りだよ。このティアラにはマコトジュエルが宿っているからね」
「マコトジュエル…?」
「なんだそれ?」
ニジーが告げた聞き慣れない単語にあんなは疑問の言葉を漏らした。
「花嫁がティアラを大事にする思いがマコトジュエルを引き寄せたのさ」
突然、ニジーの手のなかに現れたオーシャングリーン色の宝石に二人は驚く。
「このジュエルをいただくのが僕たちの目的…そうだ、ティアラの代わりに素敵なショーをお見せするよ!」
『嘘よ覆え!いでよ、ハンニンダー!!』
「ハンニンダー!!」
そう叫ぶとマコトジュエルは暗く染まり、ティアラは巨大な怪物ハンニンダーへと変貌した。
「なんだ…こいつ……」
「ファントムが新たに開発したハンニンダーさ!」
「さぁ、ショータイムだよ!ベイビー!!」
「ハンニン…ダー!!!」
突然現れたハンニンダーにピカチュウは困惑する。
ニジーの声でハンニンダーはエネルギー弾を放ち木を簡単になぎ倒してしまった。
「なんとかしなきゃ…」
「なんとかって……」
「くっ……!」
「ふっ……さぁ、探偵ごっこはおしまいだよ?」
みくるはその光景におびえてしまっていた。
ピカチュウは一人でも戦おうと身構える。
そして、おびえた姿のみくるを見て、ニジーは口を開いた。
「おびえた瞳が全てを物語っている…君は探偵じゃない。探偵気取りの真っ赤な偽物だ」
「んだと、てめぇ…!」
ニジーの放った言葉に逆上してピカチュウが怒りを爆発させようとしていた時……
「本物だよ!!」
あんなが大きく声を上げた。
「え…?」
「お前…」
「みくるちゃんは名探偵になるんだ!」
「名探偵?さすがにあり得ないな。」
「なれる!」
ニジーの言葉を否定するようにあんなは再び大きく声をあげた。
「助けたいって気持ちがあるから!」
「強がっているけど…君も本当は怖いんだろう?」
「……。」
ニジーの言った通り、あんなの握りしめている手は恐怖で震えていた。
その姿をピカチュウは静かに見つめていた。
「そうだよ……怖い……怖いけど…!!」
「ティアラを取り返したい!!」
「困っているまりさんを私も助けたい!!」
あんなは勇気を振り絞って大きく叫んだ。
その様子を真は静かに見ていた。
「みくるちゃんといっしょに!」
「!」
あんなの言葉にみくるははっとしたようにあの言葉を思い出した。
そして、みくるはあんなに手を差し伸べた。
「みくるちゃん……」
「一歩の勇気が…!」
「答えになる!」
「見せてもらおうか!その答えとやらを!!」
ニジーが叫ぶとハンニンダーは飛び上がり、二人を踏みつけようとした。
「…っ!やべぇ!」
ピカチュウは咄嗟に二人を守ろうと前に出た。
「私たちで取り返す!!」
あんなとみくるが持っていた同じ形のペンダントが光を放ち飛び出した。
「な…なんだ…!?」
「私のと……」
「同じ……」
突如、放たれた光にピカチュウは驚いた。
ペンダントを手にとったあんなとみくるは、光に包まれた。
そして、ポチタンが叫ぶ。
「ぷいきゅあ~!」
「「オープン!ジュエルキュアウォッチ!!」」
「「プリキュア!ウェイクアップタイム!」」
「「3!見つける!」」
「「6!向き合う!」」
「「9!奇跡の二人!」」
「くるっと回して!」
「キュートに決めるよ!」
「どんな謎でもはなまる解決!名探偵キュアアンサー!!」
「重ねた推理で笑顔にジャンプ!名探偵キュアミスティック!!」
「「名探偵プリキュア!!」」
「私の答え見せてあげる!」
光に包まれた二人はキュアアンサー、キュアミスティックへ変身を遂げていた。
そこへ、ハンニンダーが向かってくる。
「「はああああああ!!!」」
「ハンニンダー?!」
二人は前に飛び出るとダブルキックをハンニンダーに浴びせ、吹き飛ばした。
「お…おい、それどうなってんだ?」
「私…プリキュアって…」
「名探偵…!私がなりたかった名探偵プリキュア…!!」
「ええっ!?これが!?」
「プリキュア…ってなんだ?」
「ポチ~!」
ピカチュウとあんなは突然起こった出来事に戸惑いを隠せずにいた。
みくるは目指していた名探偵プリキュアになることが出来てうれしそうに目を輝かせていた。
茂みに隠れていたポチタンもうれしそうにしている。
「プリキュアだって…?やつたちが…新手か……?」
ニジーがそう呟くと土煙の中ハンニンダーは起き上がり二人に突撃していった。
「へ…?」
話すのに夢中になっていた二人はハンニンダーに反応するのが一瞬遅れてしまった。
「まずい…!」
ハンニンダーが向かってきていることに気づいたピカチュウは咄嗟に前に出て迎え撃とうとした。
その瞬間…
「オラァァァァ!!」
「なんだとッ!?」
突然の超スピードでハンニンダーが吹っ飛ばされニジーは驚いた。
「早っ!?」
「な、なにやったんだ俺…?」
先ほど起きた現象にアンサーとピカチュウは困惑していたが…
「い、今のは…でんこうせっかです!!」
「「へ?」」
「だからさっきの技の名前ですよ!いや~まさか生で見れるだなんて!!」
ミスティックが興奮した様子で言いだしたので、アンサーとピカチュウは困惑してしまう。
「お前…詳しいんだな……」
「当然です!ポケモンは全話見ていますから!!」
「「あはは……」」
ミスティックはふふんと得意げに言った。
ピカチュウとアンサーはミスティックのテンションの変わりように苦笑いを浮かべる。
「……おい、貴様ら!無視するんじゃない!!」
「「「あ。」」」
ニジーとハンニンダーの存在をすっかり忘れかけていた三人はニジーの叫び声を聞いてやっと思い出す。
「まあ、いい…だが、あの程度の攻撃でハンニンダーは倒せないよ!」
ニジーの言った通りハンニンダーは起き上がり再びアンサーたちの方へと向かってきていた。
「「ここは私たちに!」」
「おう!ビシッと決めてやれ!」
アンサーとミスティックが声を揃えて言うと、ピカチュウは後ろへ下がった。
「一歩の勇気が!」
「答えになる!」
二人はジュエルキュアウォッチを手に持ち針を回す。
すると二人は光の球体に包まれた。
「「これが私たちのアンサーだ~~~!!!」」
アンサーとミスティックは光の球体となって突撃し、ハンニンダーの体を貫いた。
「「キュアット解決!!」」
「ハン…ニン…ダー……」
ハンニンダーは浄化され、元のティアラに戻り光の中から元の色を取り戻したマコトジュエルが姿を現す。
そして、それをアンサーが手に取った。
「すっげぇ……」
「ふっ…今日は幕を下ろしておこう!」
「あ、待て!!」
ピカチュウが驚いてる間にニジーはけむり玉を地面に投げ、煙幕に包まれる。
ピカチュウはすぐに煙幕の中へと突っ込んでいくが煙が晴れた時にはすでにニジーの姿はなかった。
「消えた…」
その後ティアラはまりの元へ戻り結婚式は予定通りに取り行うことができた。
結婚式場の屋根の上に移動していたアンサーたちはその様子を見守っていた。
そして、まりのうれしそうな表情を見てアンサーも微笑む。
「……なあ、さっきから何じろじろ見てるんだよ?それも興奮気味でさ?」
「え?」
ピカチュウはさっきから自分に向けられている興奮気味なミスティックの視線が気になって仕方なかったのだ。
「だ、だって本物のピカチュウですよ!興奮しないわけないじゃないですか!!」
「そう…なのか……?と言うか、途中からやけにテンション高くなってないか?」
「当然ですよ!ずーっとなりたかったプリキュアになれてとっても嬉しいんですから!!」
ピカチュウとミスティックのやり取りをアンサーは笑みを浮かべながら見ていた。
その時、アンサーはあることに気づく。
「あっ、私帰らないと!誕生日パーティが…!」
「おお、そうなのか…なら急いで……」
誕生日パーティの途中であったことにアンサーは気づいたのだ。
ピカチュウが急いで帰るように伝えた時ミスティックが上機嫌そうに口を開く。
「1999年4月~!とうとう私もキュアット探偵事務所の名探偵になったんだ~~!!」
「1999年…?またわけがわからないことを……」
「ポチ?」
ミスティックが発した言葉の意味を把握しきれておらず疑問の表情を浮かべるアンサーとポチタン。
「いやいや!1999年4月2日春です!ほら!」
ミスティックが指さした方向には桜が満開に咲き誇っていた。
そしてアンサーはあることを思い出す。
「桜……私がいたのは2027年1月冬……」
「ん?」
アンサーが漏らした言葉にピカチュウは違和感を覚えた。
そして…
「もしかして私…昔にタイムスリップしちゃったの~~~!?!?」
アンサーはとうとう、自分がタイムスリップしてきたことに気づいたのだった。
〈ピカチュウが覚えている技〉
・でんこうせっか
・???
小説書きながら思ったこと
→ピカチュウ思ったよりデカくね…?
自分の頭の中ではポチタンよりちょっと大きいぐらいの感覚で進めていきます