これは、同級生や後輩、近くに居た者達が亡くなってしまった家入硝子の運命を一人の呪術師が変えようと必死に抗う

そんなもしもの物語。

1 / 1
どうも皆さんもしロマです!
一番希望の声が多かったのでまず初めは呪術廻戦の短編を書きました!他の作品も書く予定ですが今後の反応によっては連載になるかも?
それでは続きをどうぞ( ´ ▽ ` )つ


  

1:名無しの転生者 ID:Z+R7DUMsk

おっ、繋がった繋がった

 

2:名無しの転生者 ID:uWG7l3Inn

ん?誰だ?

 

3:名無しの転生者 ID:SIZ9YJQ8x

久々にスレたったな

 

4:名無しの転生者 ID:dvtjtp/RT

ワイらに何かご用かな?

 

5:名無しの転生者 ID:Z+R7DUMsk

実は最近転生したばっかの者なんだが困ったことがあって

 

6:名無しの転生者 ID:BHm2oIkyw

>>5

コテハンつけろ。話はそれからだ

 

7:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

こうか?悪い、スレ建てるのは初めてなんだ。温かい目で見てくれると助かる

 

8:名無しの転生者 ID:1rddL6gYp

呪術師、、さてはオヌシの転生先は呪術廻戦だな?

 

9:名無しの転生者 ID:GNF1P5AWU

マジか大当たりじゃん

 

10:名無しの転生者 ID:2ulMt1Zv/

ジャンプ系は熱い

 

11:名無しの転生者 ID:KxyFY8YOK

まあ、その分鬼畜な世界も多いがな。呪術廻戦もその一つ

 

12:名無しの転生者 ID:QAmbs+Smh

それな!ワイなんてDEATH NOTEの世界で突然心臓麻痺で逝ったわ

 

13:名無しの転生者 ID:wFcyI5YSf

おいここに犯罪者がいるぞ

 

14:名無しの転生者 ID:78bivDVbQ

通報しますた

 

15:名無しの転生者 ID:r1wCsqWvm

自称新世界の神にやられてて草

 

16:名無しの転生者 ID:B2kti7zvQ

お前もしかして前のスレで安価で犯罪内容決めてライトから逃げる企画やってた奴か?

 

17:名無しの転生者 ID:xK+Za2I/6

ああー、最後の安価でライトの妹の下着盗んだのがバレてスレ落ちしたアレか。あん時は祭りになって盛り上がったな〜w

 

18:心臓麻痺ニキ ID:QAmbs+Smh

お前ら人間じゃねえ!!!!!

 

19:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

盛り上がってる所悪いが先に俺の話を聞いてくれ。でも、その話も気になるから後でそっちの話も聞かせてくれ

 

20:名無しの転生者 ID:q3EvJkuk0

イッチも気になってて草

 

21:名無しの転生者 ID:RXxLwyUzT

草

 

22:名無しの転生者 ID:Sv27JBpAO

草

 

23:名無しの転生者 ID:862XNLPT/

そんで?用件を聞こうじゃないか

 

24:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

助かる。さっき言い当てられたが俺は呪術廻戦の転生者でさ、訳あってお前らの力を借りたい

 

25:名無しの転生者 ID:CuNa2W27h

ほう、身近の仲間ではなくワイらにか

 

26:名無しの転生者 ID:ty8MZluID

お目が高いぞイッチ。三人寄れば文殊の知恵というがここには数え切れない数のスレ民がいる。大船に乗った気でいろb

 

27:名無しの転生者 ID:HgdCAawa9

ところで文殊って何?

 

28:名無しの転生者 ID:lZK8xhWPD

さあ?

 

29:名無しの転生者 ID:+68uI6g8M

知らね

 

30:名無しの転生者 ID:2b8ss4TDX

おっと雲行きが怪しくなったぞ?

 

31:名無しの転生者 ID:KgFx+m2Lb

大船でも約束された転覆の船(タイタニック号)で草

 

32:名無しの転生者 ID:aqC+3lYVT

約束された勝利の剣(エクスカリバー)みたくいうなw

 

33:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

話に戻る、とりまスペックな

【年齢】7歳

【性別】男

【容姿】日本人に恥じぬ黒髪黒目のショタっ子

【住み】東京

【生得術式】ついさっき発動して判明した

【幼馴染み】家入硝子

同い年の7歳。家は隣同士で仲は良い。あと本編よりも若干笑顔が多くて明るい。俺の推し(←ここ重要)

 

34:名無しの転生者 ID:AMNczlW2g

ファ?

 

35:名無しの転生者 ID:SWPnBWuY7

え?は?へ?

 

36:名無しの転生者 ID:oAh3hkt44

幼馴染み項目の存在が強すぎて他が目に入らぬ

 

37:名無しの転生者 ID:51qTaPwiM

硝子、、それもロリ、、だと、、

 

38:名無しの転生者 ID:z116hMrUc

ロリ硝子と幼馴染み?前世でどんだけ徳を積んだらそんな……

 

39:名無しの転生者 ID:mWRtd7Blk

ワイは信じんぞ!硝子……じゃなかった証拠出さんかいワレェ!

 

40:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

フフフ、自ら傷つきに来るか。これでどや!

【画像】

 

41:名無しの転生者 ID:im84w9sRr

ぎゃんわいい!!ジト目笑顔が尊いいいいい!!

 

42:名無しの転生者 ID:Xrhw+Pp4g

ンア"ア"ア"ア"ア"ッ!!面影ありゅぅぅぅ!!

 

43:心臓麻痺ニキ ID:QAmbs+Smh

ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ!!!

 

44:名無しの転生者 ID:OotdaqnWq

>>43

おいやっぱコイツ犯罪者じゃねえか!

 

45:名無しの転生者 ID:5ZOt9NZBk

>>43

通報しますた

 

46:名無しの転生者 ID:rJq0ddUKZ

なんか一気にイッチの事助けたくなくなったわ

 

47:名無しの転生者 ID:fmDj+bywJ

ワイも

 

48:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

待て待て悪かった!ここで皆の手を借りないと硝子が悲しむから頼む!

 

49:名無しの転生者 ID:DUIV/cwD+

なぬ?ワイの硝子が?

 

50:名無しの転生者 ID:LfiUMRGz6

どういうことだイッチ早く話せ。間に合わなくなっても知らんぞ!

 

51:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

遅くまで硝子と公園で遊んだ後、硝子の両親が車で迎えに来てくれてその帰りの道中に呪霊に襲われたんだ。その場は何とか逃げ切れたが硝子の両親が亡くなった

 

52:名無しの転生者 ID:p8jCRdNo2

ひえ、まってまって急展開すぎて追いつかん

 

53:名無しの転生者 ID:8JelLVx3v

しかも想像以上に重い

 

54:名無しの転生者 ID:I7FNH7rsR

五条世代で一番家族設定とか謎のキャラやったけどそうよな普通は両親いるよな。それで硝子は無事なんか?

 

55:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

俺と硝子は無事だ。だけど目の前で両親が亡くなってめちゃくちゃ泣いてるんや。「いやだ!パパ!ママ!」「死んじゃやだ!」「イッチ、パパとママを助けてよぉ!」てな感じ

 

56:名無しの転生者 ID:vMnqlPNuj

うわあ

 

57:名無しの転生者 ID:591bpoZxL

そうよな、原作じゃドライなイメージだったけどまだ7歳の子供だもん。取り乱すのも当たり前やな

 

58:名無しの転生者 ID:KypB+Tamt

でも聞く限りじゃワイらにできる事なんてあるか?スレ越しに共感してやるぐらいしかできんぞ?

 

59:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

それがあるんだよ。さっきスペックでも話したがついさっき術式が発動してな。周囲の景色が白黒になって時が止まったかと思えばこのスレが立ったんだ

 

60:名無しの転生者 ID:P1kX8+lTZ

成程、異能発動のスレ目覚め型か

 

61:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

何それ?

 

62:解説ニキ ID:RTqaO7/J7

スレ立てには幾つか法則があってな。日常系の世界なら念じれば意外とすぐにスレを開けれるが、異能バトル系だとその能力の特典でスレを立てられるケースがあるんだ

 

63:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

へースレ民は皆同じ感じじゃないんだ

 

64:名無しの転生者 ID:4cx3yxHr5

せやで、それで続きはよ

 

65:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

そうだった、それで俺の術式についてだが……どうも回復系の術式っぽい。それも蘇生も可能なレベルの

 

66:名無しの転生者 ID:ERX3vbEf6

おいおいマジか。SSRの術式じゃねーか

 

67:名無しの転生者 ID:SkrYbLelp

チートやん

 

68:解説ニキ ID:RTqaO7/J7

おい待てお前ら。ここだけ聞けばチートだが強力な術式には相応の縛りもある筈だ。術式発動でスレが立つのも気になる。そうだろイッチ?

 

69:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

正解だ。勿論それ相応の代償が必要になる。俺の術式を発動するに辺りお前らにはこれから安価をしてもらう

 

70:名無しの転生者 ID:h1hOT5KBQ

ガタッ

 

71:名無しの転生者 ID:74UylMdhF

安価と聞いて!

 

72:名無しの転生者 ID:J23ZW2rdD

安価はよ!安価はよぉぉ!

 

73:心臓麻痺ニキ ID:QAmbs+Smh

安価……ウッ、前世のトラウマが……ガクブル!!

 

74:名無しの転生者 ID:Tc7BovfkO

一人ブルってて草

 

75:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

予想通り安価に反応したな。とりま説明続けるぞ。この術式は触れた対象の傷や不調を治す効果がある。んで、術式の縛り、デメリットはその度合いによって五感の一部の機能が低下。及び対象は俺への関心が消える。蘇生となると低下どころか感覚喪失だな

 

76:名無しの転生者 ID:FvbjfPFWD

うおっキツなそれ

 

77:名無しの転生者 ID:+cCl43old

あれまってこの流れ嫌な予感がする

 

78:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

それで皆には今から無くなる五感の一部を安価で決めてもらう。あ、示し合わせはNGな。それされるとデメリットだけが発動する縛りになってるから

てな訳でほい両親だから消える機能は二つな

 

>>80

>>83

 

79:名無しの転生者 ID:W75BkPXx8

ちょ!?まだ心の準備が!

 

80:名無しの転生者 ID:ZLRN9Eclo

急スギィ!

 

81:名無しの転生者 ID:kDYO8APoc

加速……しずれぇ!?

 

82:名無しの転生者 ID:qOvOV9bgv

イッチ淡々としすぎじゃね?(震え)

 

83:名無しの転生者 ID:Q6/fiiIv/

落ち着けイッチ早まるな

 

84:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

あーあ、せっかく大好物の安価してやったのに失敗したじゃんもう

 

85:名無しの転生者 ID:rFK1SU1Cu

いやまあそれはすまなかったが、、

 

86:名無しの転生者 ID:10gVKeFvG

幾ら死んでも次があるとは言え直接的にワイらがイッチを陥れるのはちょっと……。間接的にイッチが不幸になるのを肴にするのはありだが

 

87:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

あ、やっぱ次とかあるんだ

 

88:名無しの転生者 ID:svuDvnE1r

そりゃあな。心臓麻痺ニキだってタヒんだが今は別の世界に転生してるしな

 

89:心臓麻痺ニキ ID:QAmbs+Smh

今はごちうさの世界でぴょんぴょん謳歌してます

 

90:名無しの転生者 ID:RlGBUSnX0

おい誰だこの犯罪者を最も行かせちゃいけねえ世界に飛ばした奴は

 

91:名無しの転生者 ID:2oH8CaZSh

本人です

 

92:名無しの転生者 ID:rBR5VtF/F

そうだったクソが

 

93:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

タヒんだら任意で転生先を決めれるん?

 

94:解説ニキ ID:RTqaO7/J7

せやで、イッチも最初にこの世界へくる前何もない空間におってその周りに色々娯楽物が置いてあったろ。その時にイッチが手にしたのが呪術廻戦だったからその世界に転生したんやで

 

95:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

そういやあったな。他は捨てたけど

 

96:名無しの転生者 ID:cC0i2+1lf

は?

 

97:名無しの転生者 ID:dYathfzBa

は?

 

98:名無しの転生者 ID:Otk3oC0d3

は?

 

99:名無しの転生者 ID:dKENDvdD9

捨てた?マジで?

 

100:名無しの転生者 ID:klQvIcgRd

因みに周りにあった他の本とかも……?

 

101:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

捨てたぞ。え、だって選んでたら急に全部燃え出したんだぞ。だから近くにあった三途の川っぽい所で消火したけど

 

102:名無しの転生者 ID:/riUgRa73

…………

 

103:名無しの転生者 ID:GAw7ynDi3

…………

 

104:名無しの転生者 ID:6Ch8lzXmh

アチャー…

 

105:名無しの転生者 ID:5ayk57bms

\(^o^)/オワタ

 

106:名無しの転生者 ID:cMat5EjWV

何やってんだお前ェ!!!!

 

107:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

え、何?マズかった?

 

108:解説ニキ ID:RTqaO7/J7

いいかイッチよく聞け。お前がいたその場所は俺達の間で「転生の間」と呼んでいる。んで、その場にあるゲームや漫画の作品に触れることで次の世界へと転生できるんだ。燃えたのは作品のPV動画みたいに炎の中でどんな作品か視聴できるようにしてあんだよ

 

転生可能な世界は自身が生前に手にしたモノに限られる。一度死んだら同じ作品には転生できない

それを、事もあろうにお前は次に転生する作品を捨てたんだ。つまり、イッチは呪術廻戦の世界で死んだらホンマに終わる

 

109:名無しの転生者 ID:nhu7YxFwu

そうそうワイらは次の世界があるから死に対して楽観的になれる。曇らせ愉悦部も楽しめる。だが、イッチにはもうそんな余裕はなくなったんや

 

110:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

へー、思ったよりヤバイことしてたんだな。教えてくれてありがと

 

111:名無しの転生者 ID:ssXrG/H7P

軽いな!?人生のストックがもうないんだぞ!?

 

112:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

確かに惜しいかもとは思ったが人生なんてそもそも一度きりが当たり前だったろ

 

113:名無しの転生者 ID:hI870bk//

うっ

 

114:名無しの転生者 ID:EYWJySmD+

確かにそうではあるが……

 

115:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

だろ、だからさっさと気持ちを切り替えてこの世界を強く生き抜くさ

 

116:名無しの転生者 ID:GFPIM3Kle

何というか……イッチすげーな

 

117:名無しの転生者 ID:WU9C5CRND

ワイは今でこそ死んでも次があるって考えだったけど、生前は一度きりって思ってたわ

 

118:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

褒められると照れるな。つっても、動機自体は推しの悲しむ顔を見たくないからっていうありきたりなものだけどな

 

119:名無しの転生者 ID:Ea35XN4qO

それでも十分スゲーよ。ワイらと違って後戻りできないのに茨の道を選ぶんだからな

 

120:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

当たり前だろ。硝子はな、原作で身近な人間を全員失ってるんだ。両親の設定が不明だったからせめて家族だけはと思っていた結果が目の前の現実だ。だったら俺の五感の一部失うだけで救えるんだったら安いもんだろ

 

121:名無しの転生者 ID:AiRMFBIKE

イッチの侠気に惚れたわ。そこまでの覚悟ならワイも腹を潜ろう。もっかい安価頼む

 

122:名無しの転生者 ID:crzYIxLXP

ワイも

 

123:名無しの転生者 ID:Z/kIrBfYB

悦に浸りながらするのが安価の基本なのに

ここまで真面目にやる安価は初めてだな

 

124:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

皆!ありがとう!んじゃもっかい行くぞぉー!!

 

>>130

>>140

 

125:名無しの転生者 ID:vOC0y+VmY

シャア!

 

126:名無しの転生者 ID:r88kNDvoR

やったろうじゃねぇか!

 

127:名無しの転生者 ID:NOZB3N/HV

加速

 

128:名無しの転生者 ID:DhGMRAsS7

ksk

 

129:名無しの転生者 ID:KWpHY+DQr

かそ

 

130:名無しの転生者 ID:pkBv/g6xX

右脚

 

131:名無しの転生者 ID:zfqyUXNp7

左耳

 

132:名無しの転生者 ID:DmS3Ys/nZ

左目

 

133:名無しの転生者 ID:UKa22mdxX

左目

 

134:名無しの転生者 ID:RS2h+EXG+

鼻

 

135:名無しの転生者 ID:6ulCVNz0x

左脚

 

136:名無しの転生者 ID:120t9klGw

かそく

 

137:名無しの転生者 ID:9596owkx3

加速

 

138:名無しの転生者 ID:kTb20RDwL

右目

 

139:名無しの転生者 ID:2V/1NDzzr

右耳

 

140:名無しの転生者 ID:O6e0MJYTn

左脚

 

141:名無しの転生者 ID:StzwDd8Dl

舌

 

142:名無しの転生者 ID:ccqQtEtVZ

左腕

 

143:名無しの転生者 ID:gsyCn7N4C

決まったな。つーかわかってたがエグい選択肢しかねえ、、

 

144:名無しの転生者 ID:+4lzMAXy3

どうやイッチ両親は生き返りそうか?

 

145:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

成功したっぽい。あーなんか俺の呪力が生命エネルギー的なもんに変換されて両親に流れていくのがわかる。それに比例するように両足の感覚も消えてく

 

146:名無しの転生者 ID:o69c5jj25

そうか、、わかってはいたがワイらが直接イッチの失う五感を決めるってのはやっぱくるものがあるな、、

 

147:名無しの転生者 ID:1u9tkXtY8

だがこれでロリ硝子の笑顔は保たれるな。誇れ、オマエは強い

 

148:名無しの転生者 ID:PCepcXYJW

やったなイッチおめでとう

 

149:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

お前らありがとう。……っとと、周囲の白黒景色が戻っていく。術式が解けるっぽいから俺は一度戻るわ

 

150:名無しの転生者 ID:BMxmbU1mb

りょ

 

151:名無しの転生者 ID:R4X2uOxeN

おつかれやでイッチ。また何かあればワイらの所へおいでや。いつでも力になるで

 

 

 

 

 

 

 私には幼馴染みが一人いる。小さい頃はよく一緒に遊んでいた。そこから腐れ縁でズルズルと過ごし現在は呪術高専東京校で呪術師をやっている。

 

 そこで友人も増えた。今はその友人達と任務にとある館へと来ている。

 

 任務内容は2日に前に同じ任務で失踪した二名の呪術師の安否確認及び呪霊の駆除。結果から言えば何の問題もなく解決した。

 

 目的地の館へ着くと友人の五条が術式を使い館を半壊、崩れた瓦礫の中から失踪した歌姫センパイと冥センパイが現れる。二人ともピンピンしておりどうやらこれと言った外傷は無さそうだ。

 

「歌姫センパ〜イ、無事ですか〜?」

「硝子!!」

「心配したんですよ。2日も連絡なかったから」

 

 歌姫センパイはアホ2人に詰られまくり怒りのボルテージが上がっていたが私を見るとパアッと明るくなり抱き締められる。

 

「硝子!!アンタはあの2人みたいになっちゃ駄目よ!!」

「アハハ、なりませんよあんなクズ共」

 

 事情を聞くと2人は館に入ってからまだ30分ぐらいしか経っていないと言う。どうやら呪霊の作った結界内とで時間の流れが違ったらしい。

 

 歌姫センパイはともかく冥センパイがいてやけに時間をかけているなあと思っていたがそういう事か。

 

 何はともあれこれにて任務は完了。……と言う所で冥センパイが一つ確認をする。

 

「それはそうと君達……”帳,,は?」

「「「…………」」」

 

 あ、忘れてた。

 

 五条が”帳,,を張るからと補助監督を置いていったんだった。なのにその本人が張るのを忘れて突っ込んでしまったせいで……あちゃー。

 

 

「ご安心を!”帳,,は俺がしっかり張っておきましたよ!」

 

 

 自身を正当化し五条へ他責の視線を送っていると森の奥から元気のいい声が聞こえてくる。存在に気付き皆が声の聞こえる方を向く中、私だけはため息をつき視線を向けない。

 

 奥から聞こえてきた声は私のよく知る幼馴染の声だったから。

 

「やあ不知火君きてたんだね。ありがとう、君のお陰で大事にならずに済むよ」

「冥先輩!いえいえ、なんのなんの。あ、歌姫先輩お疲れ様ッス。よかったらこれ食べます?静岡県名物うなぎパイ。さっき買ってきたんスよ」

「わざわざありがとー。私甘い物苦手だけど」

 

 センパイ方に挨拶を済ませ私に気付くと満面の笑みで駆け寄ってくる。

 

「硝子〜♪俺一人でここら一帯の”帳,,張るの大変だったんだよ〜。褒めて〜?」

 

 犬なら尻尾がブンブン振っていそうな勢いだ。期待の眼差しで労いの言葉を求めてくる幼馴染みに私はようやく顔を合わせる。

 

 彼は昔からこうだ。何をするにしても私にべったりで、隠す気ゼロの好意を私に全力投球してくる。

 

 そして、幼馴染みに向けて私は口を開く。

 

 

「はあ?何で私がそんなめんどい事しないといけないの?やだよそのまま疲れて倒れちゃえば?勿論置いとくけど」

 

 

 い(・)つ(・)も(・)の(・)様(・)に(・)辛辣な言葉を吐きしてて。

 

 私の毒舌に場が凍る……なんて事は起きない。何故ならこれは私達にとって日常的な光景だからだ。

 

「相変わらず家入君は彼が嫌いだねぇ」

「夫婦漫才通り越して離婚調停中の不仲ですね」

「歌姫センパイ。それだと私とこれが夫婦みたいなので訂正してください反吐が出ますよ」

 

 さっきまでの態度と違って明らかに不機嫌な顔を見せる私。しかし、ここまで言ってもこの幼馴染みは一切表情を崩さない。

 

 それが更に鼻につき私は高専へ戻ろうと歩き始める。

 

「硝子がこうもあからさまな態度を見せる光景は端から見る分には面白いけどよく距離置かないよな彼方って」

「こら悟、滅多な事口のするもんじゃないよ。でもまあ言いたい気持ちは分かるよ。私もそう思う」

 

 同世代の友人からも多少の物珍しさを感じつつも私達のやり取りを見るのは今に始まったことではない為普通に受け入れている。

 

 私達と共に任務をこなす男、名を不知火 彼方。私の幼い頃からの幼馴染みであり、嘗て両親を救ってくれた恩人。そして───

 

 

 

 今、私が最も嫌いな人である。

 

 

 

 

 

325:名無しの転生者 ID:S6yJdwUiH

ひまだなー

 

326:名無しの転生者 ID:UzgvSz+Lm

それな

 

327:心臓麻痺ニキ ID:QAmbs+Smh

イッチが定期的に硝子たんの成長記録をアップしてくれるのが生甲斐なのに

 

328:名無しの転生者 ID:TWJEmxG8d

いやお前ごちうさに転生したんだから必要ないだろ

 

329:心臓麻痺ニキ ID:QAmbs+Smh

じゃあ逆に聞くが元が引きこもりのクソニートだった男がいきなりあんなぴょんぴょんした空間に溶け込めるとでも?

 

330:名無しの転生者 ID:h7+3WY1XL

……すまんワイも無理や

 

331:名無しの転生者 ID:QB/BWmFzG

よく考えればこの場のほとんどがお前じゃん

 

332:名無しの転生者 ID:oY8dTffOe

(´;ω;`)ウッ…

 

333:名無しの転生者 ID:HVMrLwCJx

質問にみせかけた範囲攻撃やめてくれます?

 

334:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

なんか地獄絵図で草

 

335:名無しの転生者 ID:wVNYe0dKD

っ!イッチ!イッチじゃないか!

 

336:名無しの転生者 ID:Z7DYIDzm8

久しぶりだなあ

 

337:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

つってもついさっき歌姫先輩へのお土産を何にするかの安価したばっかだろ

 

338:名無しの転生者 ID:aRYIXlL2m

人によっては時間の流れが違う奴もいるからな

 

339:名無しの転生者 ID:58OVjio/o

確かうなぎパイだっけ。歌姫が甘いもの苦手だからってほとんどの安価が甘党系ばっかだったのウケる

 

340:名無しの転生者 ID:PnXOF6D3O

非道いなぁ、人の心とかないんか?(←安価でうなぎパイにした人)

 

341:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

小言は言われたけど最後は礼を言って受け取ってくれたよ。俺こう見えて五条と夏油よりはあの人に好かれてる自信あるんだよねv

 

342:名無しの転生者 ID:00L2ISRcX

好感度マイナス奴らと比べるんじゃないよ

 

343:名無しの転生者 ID:RE+Mf4dJB

尚イッチは推しには心底嫌われている模様

 

344:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

げふっ…!チーン…

 

345:名無しの転生者 ID:lTCbsZA49

あ、イッチがタヒんだ

 

346:名無しの転生者 ID:d11jCfwb2

この人でなし!

 

347:名無しの転生者 ID:u1Bid+ls8

ワイらが言うのもなんだが前みたく仲良かった頃に戻りたいとは思わんのか?

 

348:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

ないと言えば嘘になるが……無理だろうなー。だってそれってつまり硝子が悲しむ未来が確定するって事だし

 

349:名無しの転生者 ID:0yVWtVFGH

イッチも難儀だな。推しの笑顔を守ろうとすればするほど嫌な顔を向けられるとは、、⤴ムクク

 

350:名無しの転生者 ID:Vi7oZ+xCq

>>349

しまった同情に見せかけた発情野郎だコイツ

 

351:名無しの転生者 ID:NZprkFiAm

通報しますた

 

352:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

>>349

とはいえ今後はもっとキツイ目で見られるかもな

 

353:名無しの転生者 ID:sNCUU8XQL

おっ、歌姫へお土産を持って行ったって聞いていよいよと思ったがついにか

 

354:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

ああ、天元様からの依頼がきた

 

355:名無しの転生者 ID:u1Wya1oLd

いよいよか。ここが大きなターニングポイントやな

 

356:名無しの転生者 ID:72FX97dpa

だな、天内を守り切れるか。そして夏油の闇堕ちを防げるか

 

357:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

守り切ってみせるさ。その為にあの最強コンビと死ぬ気で特訓していたからな。それでダメなら術式を使うまで

 

358:名無しの転生者 ID:wyNIcx7hE

イッチそういう

 

359:名無しの転生者 ID:UWkmY6U3U

そーいう思考だから硝子に嫌われんだぞ

 

360:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

それ正論?俺、正論嫌いなんだよね

 

361:名無しの転生者 ID:84OEmzbaS

お前が五条ムーブすんなやw

 

 

 

 

623:名無しの転生者 ID:GDyVvPS0c

で、結局お前はごちうさで何やってん?端からチノ達を眺めてるだけとか?

 

624:心臓麻痺ニキ ID:QAmbs+Smh

いや、深夜のバータイムに来店してティッピーをモフってる

 

625:名無しの転生者 ID:WVfSIgBUo

最高じゃねーか

 

626:名無しの転生者 ID:zU+DR88QC

普通に羨ましいなおいそこ代われや

 

627:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

めんそーれー!!!!

 

628:名無しの転生者 ID:dqjr6Gffa

あ、帰ってきた

 

629:名無しの転生者 ID:O7U7DvOI4

そのかけ声を聞くに割と話進んでんな。絶対今沖縄にいんだろ

 

630:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

そのとーり!フハハハ!沖縄ってテンション上がるなー!綺麗な海!青い空!水着の美少女!目の保養になりますわ〜!

 

631:名無しの転生者 ID:tBeNXDWPh

推しを差し置いてこの浮気野郎

 

632:名無しの転生者 ID:p11JoM+lL

理子と美里の水着……おいイッチうpはよ

 

633:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

>>632

お前らも好きね〜。オラ!快晴の海をバックにした二人の振り返りツーショットだ!

【画像】

 

634:名無しの転生者 ID:9T6acS0Ij

うおおおおおおお!!!!

 

635:名無しの転生者 ID:3pGWRLWFJ

振り返ったくびれの腰にいいsiri、、美里さんパネェっす

 

636:名無しの転生者 ID:I/PMZJ3xO

エッッッッッッ

 

637:名無しの転生者 ID:uLEMTWvQA

デッッッッッッ

 

638:名無しの転生者 ID:Hnw2t/CpB

誰も理子に関心向いてないの草

 

639:心臓麻痺ニキ ID:QAmbs+Smh

理子たんペロペロペロペロ

 

640:名無しの転生者 ID:+eDN4GsjI

しまったこいつロリコンだった

 

641:名無しの転生者 ID:E6t7XX85C

もうコイツ転生先のバーも出禁されろよ。その内チノのパンツも盗むぞ絶対

 

642:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

みんなー、原作通り沖縄延長で今日一日はゆっくり過ごすから暇つぶしに何をするか安価するぞー

 

>>653

 

643:名無しの転生者 ID:n0XOz+9pA

ファッ!?イッチいつも安価急すぎ!

 

644:名無しの転生者 ID:Gqh9Z7g7z

シャア!!安価ktkr!!!!

 

645:名無しの転生者 ID:EXvahx2fj

イッチ愛してりゅ♡かそ

 

646:名無しの転生者 ID:ZzRGlw5+Y

加速!

 

647:名無しの転生者 ID:ayBFR5wnp

ksk

 

648:名無しの転生者 ID:9peFkMN8c

ビーチバレー

 

649:名無しの転生者 ID:d5k8AlQz1

五条とガチバトル

 

650:名無しの転生者 ID:Xn0iTJgqV

沖縄本州一周

 

651:名無しの転生者 ID:+6zEtmkTe

硝子にラブコール電話

 

652:心臓麻痺ニキ ID:QAmbs+Smh

理子たんの下着泥

 

653:名無しの転生者 ID:vRo56r4BN

美里とデート

 

654:名無しの転生者 ID:r+iJJoJW4

>>652

お前さあ、、

 

655:名無しの転生者 ID:Az1fjO77j

>>652

自分の二の舞をつくろうとしてて草

 

656:名無しの転生者 ID:XDLMIhJ9i

五条とガチバトルも中々鬼畜w

 

657:名無しの転生者 ID:zNQ/NkDXb

マジ?綺麗なお姉さんとデート?……は?(怒)

 

658:名無しの転生者 ID:/GvxGXK0u

嫉妬狂っとる奴がおるw

 

659:名無しの転生者 ID:b2j54kZmz

これは仕方ないわ。ワイも羨ましいもん

 

660:名無しの転生者 ID:K3Ap7SfZH

尚、年齢は31歳(イッチとは14歳差)です

 

661:名無しの転生者 ID:tZvhvcSin

かまへんわ。どうせここにいる全員精神年齢はもっと上だし

 

662:名無しの転生者 ID:TALswZNlH

どちらにしろこれは浮気っすわ

 

663:名無しの転生者 ID:uaMP6dfhJ

硝子というものがいながら

 

664:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

硝子違うんだ。これは安価の強制のせいであって……アセアセ

 

665:名無しの転生者 ID:Zs3B6ZwDg

イッチ焦りすぎて脳内で言い訳始めたぞw

 

666:名無しの転生者 ID:TwcKeb2BL

諦めろイッチ安価の強制力は絶対だ。誰も抗えん

 

667:名無しの転生者 ID:F5b0lhcFt

ま、イッチ的にはいいんじゃね?術式発動には丁度いいじゃん

 

668:名無しの転生者 ID:YDk1Nh7Ys

あ、それもそっか

 

669:名無しの転生者 ID:myA5U5Swf

ぬ?どういうこっちゃ?

 

670:名無しの転生者 ID:241cqyF1n

おいここに途中参加のスレ民がおるぞ

 

671:名無しの転生者 ID:ZmQjN0K11

既に何枚かスレ板立ってるからなー。最初ら辺の板を見る事を勧める。ワイからはそこまでしか言えんなあ

 

672:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

んじゃまあ美里さんとデート行ってきまーす♪

 

673:名無しの転生者 ID:mW/HsIAk+

なんだかんだイッチも乗り気で草

 

 

 

 

 

 

 どうしてこうなったのでしょう。

 

「お魚きれーですねっ」

「あ、はい。そうですね…」

 

 お嬢様を護る身でありながら何故か私は高専の殿方と水族館へ来ています。

 

 ………………本当に何故?

 

 いえ、記憶がない訳じゃないのです。それまでの経緯もしっかりと覚えています。しかし、あまりに唐突でした。私が拐われ沖縄まで皆様が助けに来てくれた後楽しく沖縄を堪能していると高専から護衛で来られた不知火様が急にお誘いしてきたのです。

 

「美里さん、これから俺とデートしてください!」

「わへゃっ!?」

 

 突然のデートのお誘い。これにはその場にいた夏油様やナマコで大はしゃぎしていたお嬢様と五条様も静かになり私達を凝視されていた。

 

 すぐに大盛り上がりしましたけど。

 

「おほー!生のラブコメじゃ!本以外で見るのは初めてじゃ!」

「ヒューヒュー!おいおい彼方〜!沖縄にきたからって解放的になりすぎだろ〜!いいぞもっとやれ!」

「こら二人とも余り茶化すものじゃないよ。にしても意外だ。私はてっきり硝子の事を……流石の塩対応で冷めたのか?」

 

 どうやら同じ高専の方達から見ても不知火様の行動は珍しいものだったらしく興味を示していた。それでも私はお嬢様の従者。学生特有の悪乗りに付き合う必要はないと断ろうとしたがやたらとお嬢様が率先して彼と二人っきりの状況にされてしまった。

 

「妾の事は気にするでない!せっかくのお誘いじゃ行ってこい!ここは呪詛人(じゅそんちゅ)も少ないしこ奴らがおれば事足りる!」

「理子様、呪詛師(じゅそし)です。浮かれすぎて五条様のが移っておられます」

 

 全くもう、お嬢様には困らされる。しかし、もっと困った状況は今なんですよねぇぇ……。

 

 こちとらお嬢様に仕える為だけにこれまでの人生の殆どを捧げてきたと言っても過言ではない。そんな女性が年頃の殿方との関わり方なんて知る筈ないじゃないのぉぉ!!

 

 しかも相手は17歳、未成年よ下手すれば捕まるわ!

 

「そんな硬くならなくてもいいですよ」

「わっひゃい」

 

 不知火様も落ち着かせようとしてくれますが緊張して声が裏返ってしまった。は、恥ずかしい……///

 

 しかし、この方は本当に何故私なんかを誘ったのでしょうか?

 

 改めて彼の容姿を確認する。黒髪に元気ハツラツな目他の二人にも劣らない長身に整った顔……少し探せば相手なんて引く手数多だろう。

 

「ん?俺の顔に何か付いてます?」

「ああいえ不躾に失礼しました。ただ、何故不知火様が私の様なおばさんにと思いまして」

「強いて言えば(安価の強制力による)運命ですかね」

「うっ!?うううう運命っ!!?」ドキンッ!

 

 突然の告白に思わず胸が高鳴ってしまう。いや何トキメイているのですか私!?こんな子供の言う事にいちいち真に受けるなど!

 

 しかし、運命だなんて……これはもう告白も同然!(恋愛経験ゼロの見解)

 

「も、もう余り大人を誂うものはありませんよ」

「誂ってなんていません。本気です」

「ちょおおっ!?」

 

 そんな真っ直ぐ見ないでください!顔が見れません!……いえ別に顔を見たい訳じゃありませんけど!

 

 それにしてもどうしましょう。こういった状況への対策など習っておりません。

 

 私が色々悩んでいると向こうから話をかけてきた。

 

「美里さんはこれからについて考えていますか?」

「へ、これから……と言いますと」

「この任務を終えた後です」

「っ!!」

 

 彼の言葉にスッと一杯一杯だった頭が冷静になる。ひょっとしてここへ連れてきたのも私を想っての事なのか。

 

 そんな気遣いに応えるべく素直に話した。

 

「……さあ、細かくは決めていませんが少なくともこの業界(呪術界)からは抜けると思います」

 

 水槽にうっすらと写る自分の顔を見つめる。そこには拭いきれない靄がかかったような思い詰める顔があった。

 

 元々、黒井家は代々星漿体に仕える家柄。かつてはそれが嫌で短大へ進学しそのまま一般職に就くはずでしたが……。

 

『黒井ー!』

 

 そんな考えを捨ててしまう程に、私はお嬢様に惹かれてしまった。

 

「私はお嬢様だからあそこで仕えていました。同化を終えれば私には帰る場所はありません」

「理子さん大好きだね」

「ええ、”家族,,ですから」

「そっか、じゃあさ───」

 

 私達の関係を聞いた彼はある質問を問いかけた。

 

 

「もしも理子さんが同化を拒否したら?」

 

 

 そんなもしもの可能性の問いかけに思わず動きを留めてしまう。

 

「え……」

「あくまで可能性の話ね。お互いにずっと傍に居たくて同化を拒否したら……美里さんは理子さんと生きたい?」

 

 仮にも高専が口にしていい事ではない。それはつまり天元様への裏切りだ。場所によっては死罪にもなりかねない。

 

 それなのに、この男は……。

 

「それは───とても素敵だと思います」

 

 気付けば私はそんな事を口走ってしまった。

 

「っ!!あっ、いえ!すみません今のは聞かなかった事に……!」

 

 遅れて口を塞ぐも一度漏らした本音は戻らない。そして、私の解答を聞いた彼は嬉しそうに笑っていた。

 

「だよねぇ、好きな人とはずっと一緒にいたいよね。その気持ちわかるよ」

「やめてください。こんなタラレバの話をしたって意味なんて……」

「あるよ」

 

 ない、そう言おうとした所で彼は力強く否定した。その瞳からも決意に似た熱を感じる。

 

「人の心なんて何で変化するかなんて誰にも分からない。もしかしたら心変わりするかもしれない。もしかしたら理子さんは美里さんといたいかもしれない。もしかしたら……自分の意志で運命に抗うかもしれない。もしもって言葉は無限の可能性なんだ。決して無意味なんてことはない」

 

 どこまで行っても可能性の話。しかし、彼の口から聞くと、まるでそれが今後必ず訪れる未来の話にも聞こえてしまい不思議に思う。

 

 だからだろう、いつの間にか私は彼から目が離せなくなっていた。

 

「それに、本音を話す美里さん今日で一番嬉しそうに笑ってた」

「なっ!?〜~っ///」

 

 ここで自分の態度を客観的に見ることができ顔が熱くなるのがわかった。

 

「その顔が見れただけでもデートした甲斐があったよ。うん、美人さんの笑顔は魅力的で大変よろしい」

「もう!先程大人を誂うものじゃないと言ったばかりですよ!」

「はは、ごめんごめん」

 

 適当に謝罪をする彼を見て思わず睨んでしまう。だが、それすらもどこか楽しげに笑う彼は一つ提案を持ちかける。

 

「そういや、理子さんって水族館行った事ないんだよね?だったら俺達で一番楽しめるルートを探してこの後ガイドしようぜ。きっと喜ぶよ」

「そうですね、それには同意します」

 

 提案自体は悪いものではなかった。むしろこれまでの話を聞いたからこそ出た提案に私は先程の彼の言動を許す事にした。

 

「ふふん」

「何ですかその含みのある笑いは」

「いやー、もう平気そうだなって」

「平気……?あっ」

 

 そこで、自分がすっかり緊張が解れている事に気付く。

 

「それじゃお互い気持ちも和らいだ所でデート再開しますか!」

「わわっ!ちょっ///」

 

 勢いに乗って館内を再び歩き始める。私の手を握って。

 

 そんないきなり手を握るなんて!?また緊張してしまいそうです……。

 

 男性への免疫がゼロの私にとってこれは刺激が強すぎた。何とか気を紛らわそうと先程のもしもの話を想像する。

 

 もしもお嬢様が私と一緒に居てくれるなら……きっと何処へ行っても幸せになれる気がする。それともう一人───

 

「っ!?〜~っ///」

 

 三人で暮らす想像をした私は居た堪れなくなり目の前にいる男から慌てて視線を逸らした。

 

 

 

 

 

835:心臓麻痺ニキ ID:QAmbs+Smh

なんやかんやあってラビットハウスでバーテンダーをする事になりました

 

836:名無しの転生者 ID:MVdRmy0VQ

何 が あ っ た

 

837:名無しの転生者 ID:yCTklOtJ/

もうお前別スレ立てろよ。イッチのスレなのにお前の近況も気になって仕方がねえ

 

838:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

知らん間にすげー進んでた。俺も気になる

 

839:名無しの転生者 ID:m4SDkOBH6

あ、浮気者が帰ってきたぞー

 

840:名無しの転生者 ID:z6BMv1wNa

美里とのデートどうだったこの野郎(怒)

 

841:名無しの転生者 ID:LFQijjBwg

妬みを一切隠す気なしで草

 

842:名無しの転生者 ID:PeEg5r2yJ

とはいえ日の浅い相手とのデートぞ?そんな好感度上がるわけもないやろ

 

843:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

そりゃな、一二時間水族館回っただけだしその後は皆と合流したからそんな面白い報告はないなー

 

844:名無しの転生者 ID:KShKAsCiv

だよな、わかってた

 

845:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

ただ皆と合流する直前に「あの、差し支えなければ今後は下のお名前で呼んでもよろしいでしょうか?」とかよくわからん質問はされたな

 

846:名無しの転生者 ID:JSB4eJ4EI

…………

 

847:名無しの転生者 ID:zclKaTwGg

…………

 

848:名無しの転生者 ID:b5CIBWsqI

…………

 

849:名無しの転生者 ID:Kjm+qo2lO

有罪(ギルティ)

 

850:名無しの転生者 ID:pQ9czS68Z

没収(コンフィスケイション)

 

851:名無しの転生者 ID:IiCWYSkJx

死刑(デスペナルティ)!!!!!!

 

852:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

ひでぇ!

 

853:名無しの転生者 ID:v8M0zXUsz

ひでぇのはイッチのおめでたいオツムじゃボケ

 

854:名無しの転生者 ID:cIXy6GRiQ

何 が あ っ た

 

855:名無しの転生者 ID:h2OKbdlzw

今度の安価は絶対にイッチが不幸になるものにしてやる

 

856:名無しの転生者 ID:kmqrV+STO

覚悟しろよこの虫野郎!!

 

857:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

何でここまで責められているのかは分からんが多分どれ選んでも不幸かもな

 

858:名無しの転生者 ID:g1C1pprqx

……と言いますと?

 

859:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

術式の安価をボチボチするかもしれん

 

860:名無しの転生者 ID:dUvXssMe4

っ!てことはいよいよ甚爾戦か

 

861:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

ああ、おそらくここで理子さんと美里さんは殺されると思う。勿論出来る限りの抵抗はするが相手が相手だからな。守りきれんかもしれん。その時は安価頼んだ

 

862:名無しの転生者 ID:cdTH400KI

あいよイッチ任せな!

 

863:名無しの転生者 ID:nDgadNqcA

武運を祈る!理子のあんな悲惨な最期を覆してくれ!

 

864:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

任せろ、何があってもハッピーエンドで迎えてやるよ。俺の何を懸けようとも

 

865:名無しの転生者 ID:TmbfQ2OPZ

覚悟ガンギマリやな、すげーわ

 

866:名無しの転生者 ID:8hOVugWbr

それな、覚悟といい他作品を捨てるアホさといい……なんかレジェンドを思い出すわ

 

867:名無しの転生者 ID:ByhH68hf8

レジェンドか懐かしいな

 

868:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

レジェンド?

 

869:名無しの転生者 ID:hYiHa+Jz9

あー、イッチは知らんのか。誰か教えたってくれ

 

870:解説ニキ ID:RTqaO7/J7

了解!実はイッチと同じで今いる世界以外の作品を捨てたバカが前にもいたんだよ。違いを上げるとすれば、そいつは物語完結後に転生者スレの存在を気付いたって所かな。

 

んで、そいつの世界はワンピースなんだが原作を途中までしか知らないからここで完結まで知ってる奴と知り合ってドチャクソ驚いてたっけ。「ここを知っていれば終盤どれだけ楽だったか……」って凹んでたww

 

871:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

はえー、ワンピースとか原作知らないとそらキツイだろうに

 

872:解説ニキ ID:RTqaO7/J7

と思うじゃん。でも、そいつは自力で出会う味方の死亡キャラをほとんど救っていたんだぜ?それも改心可能な敵キャラも含めて

 

873:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

マ…?

 

874:解説ニキ ID:RTqaO7/J7

マジやで。だからワイらは尊敬の意を込めてレジェンドと呼んでいる

 

875:名無しの転生者 ID:pkD65su1L

救済系ってやろうと思ってできるもんじゃねーからなー

 

876:名無しの転生者 ID:uf72HK5IA

それな、一人二人ならともかくレジェンドは格が違う

 

877:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

そんな人がいたのか。俺も救いたい死亡キャラが多いから是非力を借りたいが今はいないっぽい?

 

878:名無しの転生者 ID:hTjVc0qzI

らしいな

 

879:名無しの転生者 ID:AmIWcLJtL

ま、スレなんて星の数程あるしそうそう集まらんわな

 

880:名無しの転生者 ID:PwAX2CEnc

今どうしているかは知らんがスレも立ったしその内出てくるんじゃね?とりまここはワイらでイッチを助けてやろうじゃないか

 

881:名無しの呪術師 ID:Z+R7DUMsk

皆!ありがとう!俺がんばるよ!

 

882:名無しの転生者 ID:tKT57w+Vm

尚、イッチが頑張って術式を使った結果は……

 

883:名無しの転生者 ID:HcH0uSyBQ

言うな、イッチも分かってやってるんだから

 

884:名無しの転生者 

こればっかしはイッチは自分を大事にしてほしいとつくづく思うよ

 

885:名無しの転生者 ID:I4fXGgSqK

ほんとそう、これはネタで言うわけじゃないけど

 

 

 

愛ほど歪んだ呪いはないよ

 

 

 

 

 

 

 馬鹿な!!ここは、高専結界の内側だぞ!!

 

「アンタ、どっかで会ったか?」

「気にすんな、俺も苦手だ。男の名前覚えんのは」

 

 ”星獎体,,天内理子の護衛で高専結界に入った私達はようやく一息つけると油断していた。五条も予定以上に術式を使い続け疲弊していた為術式を解いてしまう。

 

 それが、油断大敵だった。

 

 何処から現れたのか不明だが高専の者ではない明らかな殺意を持つ敵に悟が後ろから刺されてしまう。すぐに私は術式を発動しワーム系の呪霊で相手を飲み込んだ。

 

「悟!!」

「問題ない、ニットのセーターに安全ピン通したもんだよ。マジで問題ない」

 

 どうやら刺されはしたものの大事にはならずに済んだらしい。冷静に状況を把握しまずは天内優先と即決し敵は悟に任せ私達は天元様の所へ向かう事にした。

 

「油断するなよ」

「誰に言ってんだよ」

 

 そうだ、油断さえしなければ悟は決して誰にも負けない。

 

 私は悟を信じ皆を連れて高専最下層、薨星宮参道へと訪れた。そして、ここからは選ばれた者しか進めない為理子ちゃんと黒井さんはここでお別れをする。

 

「理子様、私はここまでです。理子様…どうか…」

「黒井、大好きだよ。ずっと…!!これからもずっと!!」

「私も…!!大好きです…」

 

 今生の別れをするべくお互いに涙を流し強く抱擁する。その光景を見て二人の絆を感じ微笑ましく思う。

 

「俺もここに残るよ。”保険,,は大事でしょ」

「”保険,,だって…?彼方まさかと思うが……悟が敗けると思っているのかい?」

 

 縁起でもない仮説に不快に思い彼方を睨む。しかし、彼は動じなかった。

 

「可能性はゼロじゃない。悟だって「最強」であっても「完璧」じゃないんだ」

「そうだな。解った、理子ちゃんは私が責任を持とう。彼方、仮に悟が敗けたとしたら君じゃどうやったって勝ち目はない。だから……無茶はするな」

「もち」

 

 軽く返事を交わし私達もここで別れる。これで先に進むのは私と理子ちゃんの二人のみ。緊急を要するが辛い別れをしましたばかりで覚束ない足取りの理子ちゃんに合わせてゆっくりと歩みだす。

 

 その道中理子ちゃんは心配そうに後ろを何度も振り返っていた。

 

「大丈夫かの?襲ってきたあの男中々に強そうだったぞ」

「悟なら問題ない。彼が負ける姿なんて私には想像できないからね」

 

 どんな攻撃も悟には届かない。故に彼は無敵なのだ。

 

「仮に奴がここへ来られても彼方が食い止めてくれる。そうなればここからでも感知できるしすぐ対処へ向かえる。だから心配は要らないよ」

「彼奴が強いのは黒井を奪還した時に見たから知っておるがイマイチぱっとせんからのう。実際どれぐらい強いのじゃ?」

「ぱっとって……まあ、私と悟の様に術式で戦わないから気持ちは理解できるけど」

 

 以前、彼方の術式がどんなものなのか聞いたことがある。しかし、戦闘向きではないとだけ言われ

詳細は教えてくれなかった。理由は硝子に怒られるからだと。

 

「実力は保証する。彼方も私達と同じ一級術師だからね。呪力無しの近接戦闘のみに条件を付ければ───」

 

 ここまで説明をすると以前彼と模擬戦を行った時に食らった部分が疼く。とっくに傷も完治して痛みなど無いはずの箇所を擦る。

 

 

「彼は私達よりも強い」

 

 

 

 

 

 私達が乗ってきたリフトからその男は堂々と現れた。

 

「あー……確か女は星獎体の付き人だったか。悪いが急用なんでね。相手だったらまた今度してやるよ」

「お嬢様に危害を加える者は誰だろうと容赦しません。御覚悟を」

「言うねぇ〜、俺に全く気付かず一発KOで拐われた癖に」

「っ!ではあの時私を襲ったのは…!」

「あのーすみませーん」

 

 一触即発の状態、いつどちらから動き出してもおかしくない状況で空気に合わない声で彼方様が割って入る。

 

「俺も居るんだけど、忘れないでもらえない?」

「あー?男が居たのか。いい女が近くにいるとモブ男は影が薄くなるから気付かなかったぜ」

「おいおい、まさか美里さんを口説いてんのか?妻子持ちがそんな事をしちゃっていいんすか〜」

「ア゙ァ゙?」

 

 終始薄ら笑いを浮かべていた男が初めて表情を固める。目つきが変わり鋭い眼光が彼に刺さる。

 

「てめえ、何もんだ?」

「ようやく男に興味を持ってくれたか。それじゃ改めて、俺の名は不知火彼方。高専2年の呪術師さ。よろしく……伏黒甚爾さん」

「……へぇ。俺を知ってんのか。有名になったもんだなぁ。そうかそうか」

 

 名前を言い当てられた男、いや伏黒甚爾は手を顔に当て口角を上げる。声のトーンから楽しげに笑っている様にも見えるが……指の隙間から覗く眼光は鋭いままだった。

 

「───死ねよ」

 

 見えなかった。伏黒甚爾は肩に乗せていた呪霊から取り出した禍々しい剣を取り出すと気付けば彼方様へ突き立てていた。反応できたのはその突き立てた剣をリーチの短い双剣で受け止めた彼方様のみ。

 

「よく反応したな。五条悟は目で追う事すらできなかったのによ。それにいい物持ってんじゃねぇか。呪力がよく練られてやがる」

 

 伏黒甚爾はチラリと視線だけ剣に向ける。彼方様の持つ双剣は装飾こそ同じものの方や刃毀れが酷く錆び付いた粗末な短剣、方や透き通った美しい短剣と見た目が対象的だった。

 

「動体視力と近接戦には自信があるんだ。後これは「抱玉」と「夭折」と言ってね。俺の持つ中でもお気にの呪具さ。因みに戦闘スタイルは安価で決まった」

「あんか?」

「俺の術式の縛りの一つと言っておこう」

「ここで術式の開示か。だが半端な開示じゃ大して変わらねぇぞ。特に、この呪具の前じゃ……な!!」

 

 双剣をかち上げると伏黒甚爾は得物を替え違う剣で斬りかかる。彼方様は一切動じる事なく伏黒甚爾の斬撃を掻い潜り一歩踏み出した相手の膝を踏み台にし頭上へ上がる。

 

「っ!へえ……」

 

 一瞬、伏黒甚爾の表情が曇ったがすぐ顔を上げお互いに目が合う。同時に両者の剣が交差した。

 

 キン!と甲高い金属音が響くと彼方様は着地し舌打ちをする。肩から血を滲ませながら。

 

「彼方様!?血が…!」

「ちっ、一太刀入れるの無理だったか。だが、足は奪ったぞ」

「えっ」

「おいおい、テメー見掛けによらずどんな脚力してやがる」

 

 よく見れば伏黒甚爾の右足が震えていた。ズボンの裾を捲り上げると……彼方様に踏み台にされた箇所が痛々しい痣となっている。

 

 彼方様の体格と痣の酷さの不自然差に怪訝な表情で見てくる。すると、彼方様は自身の体の秘密を告白した。

 

「人間の脳は、筋肉が千切れないよう『痛み』という信号で出力にブレーキをかけている。だが、俺の足は五感の触感がない。つまり、常に100%以上の脚力を出せるって訳さ───こんな風に」

「デタラメ動きしやがる」

 

 踏み込んだ足場にクレーターができると一瞬で伏黒甚爾の背後を取り後頭部に回し蹴りを放つ。しかし、振り返る事なく姿勢を低くし難なく避ける。

 

 そこから再び激しい近接戦が始まり息を呑んだ。

 

「凄い……」

 

 これが、彼方様の実力。

 

 しかし、このままではいけない。相手は五条様を倒しここへ来ている。恐らく、彼一人では倒すのは難しいだろう。

 

 事実、奴がここへ来る前に彼自身が言っていた。

 

『きっと彼奴は悟を倒してここへ来る』

『えっ、何故そう言い切れるのですか?』

『実は彼奴について少し情報を持っててね。だからわかるんだ。彼奴が動くのは勝算があるって時だけだから。だけど、これでいい』

『いいって……』

『悟はまだ自分の力を引き出せていない。一皮剥けるにはここでの敗北は必要不可欠なんだ』

『しかし、それだと敵がお嬢様の命を!』

『理子さんの命は保証するから安心して。それに美里さんも』

『何か策がお有りで?』

『このままいけば任務は失敗します。勿論応戦するけど悟に勝つような敵に俺じゃ勝機は薄い。そこで、美里さんに聞きたい事があります。俺の事は好きですか?』

『へあっ!?いきなり何を……まあ、好ましくは思っておりますが///』

『それならよかったです。それじゃ理子さんは俺の事どう思っているか解ります?』

『………………………………はい?』

『あれ?なんか凄い不機嫌そうですね?ああ、好きって言っても友人としての意味合いですよ。どうか教えてください。これは俺の術式に関係して───』

 

 彼の言う通り奴は五条様を倒し彼方様の超人的動きにも対応し始め徐々に押してきている。

 

 全てが彼方様の言葉通りに運んでいる。なのに……この胸騒ぎは一体?

 

 彼方様の術式は聞(・)い(・)た(・)。一度亡くなっても蘇生が可能だと。彼の能力が本当ならたとえ任務を失敗しても私達は生き返れる。……だと言うのに。

 

「何かが引っかかる」

 

 そんな都合の良い術式を聞いたことがないからなのか。そういえば、術式に対するデメリットはあるのだあろうか。もしあるとしたのなら……。 

 

「彼方!!」

 

 そこまで思考を巡らせているとお嬢様を連れて行った筈の夏油様が駆けつけに来てくれた。

 

「傑!来てくれたのか!よく気付いたな」

「あれだけ騒音を立てれば嫌でも気付くさ。私も加勢する」

「面倒くさ、さっさと仕事済ませて帰りてぇのに」

 

 夏油様が助太刀してくれた事に安堵する。しかし、同時に寂しさを覚えた。彼が来たという事はお嬢様は今頃……。

 

「黒井!!」

 

 俯いていた私の手を取る小さな腕が視界に入る。あり得ない、と思いながらも恐る恐る顔を上げるとそこにはもう会えないと思っていた大事な人がいた。

 

「理子様!?何故ここへ!?」

「天元様との同化は辞めた!やっぱり妾は……黒井や皆といたい!!」

「…っ!!」

 

 お嬢様の言葉に目頭が熱くなるのを感じる。だからと言ってうじうじとしている暇はない。私がお嬢様を安全な所まで連れて行かなければ!

 

「ここは危険です早くお逃げを…」

「とんだ間抜けがいたもんだ。まさか星獎体が自らやってくるとわな」

「わっ!?黒井こっち来た!」

「させない!!」

 

 獲物を見つけた野獣の如く標的をお嬢様へと変えた。そこへ夏油様が巨大な白龍を呼び出し伏黒甚爾へ突撃させる。

 

「呪霊操術か。珍しいが…未熟だな」

 

 襲いかかる白龍を見事一刀両断する。これには夏油様の顔が強張り目を見開く。そして、邪魔がなくなった所で再び私達に向かって来るが……。

 

「彼方様っ!?」

「また超スピからの奇襲か?だったら死角からこねぇと意味ないだろ」

 

 私達の前に突如として現れた彼方様が伏黒甚爾に斬りかかる。だが、これまでの戦いで既に動きを見切っていた伏黒甚爾は問題ないといった様子でカウンターを狙う。

 

「”蘭摧玉折,,」

 

 次の瞬間、血飛沫が舞う───伏黒甚爾の肩から。

 

「遅ぇよ」

「ん?…あー成程ね。その綺麗な方の呪具の効果か」

 

 よく見てみると彼方様の体から溢れる呪力が綺麗な呪具「夭折」へと流れていく。

 

「その通り、こいつの効果は送った呪力の分切れ味を増す。その一定のラインを超えると3分間送った分の呪力が肉体強化と剣の切れ味を更に増す。それが”蘭摧玉折,,だ。ま、3分過ぎたら壊れる使い捨ての呪具だがな」

「勿体ねえなぁ。それなりの等級呪具だろうに」

「まあな。通常時でも1級呪霊を斬り伏せれるが、今の状態だったら特級だってぶった斬れる」

「当たったら怖いなー……当たれば」

 

 お互いに不適に笑うとまた目にも止まらない切り合いが始まる。先程と打って変わり今度は彼方様がやや優先だ。そこへ夏油様の呪霊がサポートに入り形勢は傾きつつある。

 

 これなら倒せる!と、思いきやその期待は裏切られる。確かに伏黒甚爾を凌ぐ素早さで押してはいるもののその全てが奴を倒すまでの有効打には届かなかった。

 

「くそっ、バケモノが」

「そりゃお互い様だろ」

 

 後一歩のところで届かない歯痒さに悪態をつく。そして、折角強化された彼方様は倒し切るに至らず3分が経過した。

 

 全身から漂っていた呪力が薄まり効果が切れたのを確認した伏黒甚爾は口角を上げ一気に決めにかかる。

 

「さあ、これで終い───っ!」

「”被褐懐玉,,!!!」

 

 

───カッ!!ズドォオオオン!!!!

 

 

 「夭折」が砕け散ると同時に「抱玉」が輝きを放つ。異変を察知し踏み止まった伏黒甚爾はすぐに距離を取ろうとするが彼方様の一振りで光の斬撃に包まれた。

 

 凄まじい呪力の放出。その余波だけで地面や周囲の壁と柱には亀裂が入り勢いが収まるまでに数秒かかった。

 

「はぁはぁ…ふぅー…キッツ」

 

 勢いが収まると彼方様の前に直線上に伸びる土煙が続いていた。そして、役目を果たしたとばかりに「抱玉」も砕け散った。

 

「やった!やったのか!?」

「解りません。ですが今の内に私達は避難を…っ!!?」

 

 勝った、そう思った瞬間土煙の中から腕が飛び出し彼方様の顔を掴む。

 

「あがっ!?あ、ア"ァ"ァあアァ!!」

「フゥー、今のはヤバかった。お前の戦い方が妙だったからよ、気になってたんで警戒しといてよかったぜ」

 

 多少の傷はあるものの大した外傷は見えない。まさかあれ程の攻撃を直撃してもダメだなんて…!

 

「戦闘中、ボロい方で防御し綺麗な方で攻撃をする。最初はボロいのは切れ味が悪いから受けに徹していたのかと思ったが……こんな局面でそんな粗末な呪具を使う訳ねえよな。だから思ったんだ。綺麗なの同様にボロいのも何か特殊効果があるんじゃないかってな」

 

 伏黒甚爾は握力を強めながら淡々と彼方様の呪具とその戦法を推測する。

 

「そしたら案の定だ。大方、ボロい方は通常時がナマクラな分力を解放したらデカい一撃を放てるカウンター型の呪具だろ。「抱玉」たあよく言ったもんだ。名が体を表してる」

「あ"…ァぁ…」

「彼方を離せ!!」

 

 話し込んでいる間もギチギチと握力を上げ頭蓋骨が割れそうになる彼方様は弱々しく呻き声を漏らす。これ以上は見ていられなかった夏油様が助けに向かう。

 

「ハッ、そうくるよな青二才!!」

 

 夏油様が来ることを予測していたのか伏黒甚爾はヘラっと笑い掴んでいる彼方様を彼に向けて投げつけた。

 

「ぐっ!無事か彼方!!」

「イツツ…頭が軋む…」

「仲良し小好し中に悪いが、呪術師のテメーらに一つアドバイスだ」

 

 伏黒甚爾は肩に乗せた呪霊の口からある物を取り出しそれを私達に向けた。

 

「力に自信がある術師ほど強力な呪具を持った敵を前にするとそっちばっかしに気を取られて───呪力のねえモノを疎かにしやすい」

 

 それが何か気づいた時にはもう遅かった。

 

「っ!?しまっ───理子ちゃん!!!」

 

 パァン。

 

 銃声の乾いた音が響いた。夏油様は戦闘に集中しすぎて呪霊を出すも一手遅れる。銃声と共に飛び散った鮮血を見て目を見開いた。

 

 私の血を見て……。

 

「黒井っ!!?」

「げほっ…」

 

 お嬢様を守ろうと身を挺して頭を狙う射線に立ち塞がった。結果お嬢様を御守りできたが私の胸には血が溢れてくる。

 

 力が抜け立っていられなくなった私はその場に腰を落としお嬢様が後ろから支えてくれる。

 

 撃たれた…これはもう…駄目ですね…。

 

「そんな!い、嫌じゃ……黒井、黒井ぃぃ!!」

「申し訳…ありません…。ですが、ご安心を…」

 

 私の身を案じてくれるお嬢様の頬に手を沿え優しく微笑む。

 

「彼方様の術式ならば…問題、ありません…」

「なぬっ!そうなのか!?」

「ええ、げほごほっ!くっ、ですので私の事は気にせず理子様…だけでも…早、く…」

 

 決死の願いが伝わったのか悲しんでいたお嬢様の顔は徐々に逞しいものへと変わっていく。袖で涙を拭い最期に言葉をいただく。

 

「黒井……必ず、生きてくれ。でなければ…妾は、自身の選択に悔いが残る」

「かしこ、まり…ました…」

 

 もう意識が薄れ顔が見えなくなってきた。見えるのは脳裏に過る走馬灯。これまでの長い間ずっと家族の様に一緒にいた幸せな記憶。

 

 そして、これからあったかもしれない理想的な未来。星獎体としての役目を辞めこれからもずっと一緒に暮らしていく私達ともう一人、私の隣で笑ってくれる殿方……彼方様の姿。

 

 出会って間もない筈なのに、我ながらチョロさ加減に苦笑する。私の人生を、これからの選択を笑って肯定してくれた。ただそれだけでこんなにも喜んでしまうなんて…。

 

 もし、また会うことができたらこの想いを伝えよう。そして、沖縄で聞いた答えを貰うんだ。

 

 私は、貴方の事が───

 

 こうして、私はゆっくりと意識を落とした。

 

 ───パァンと一発の銃声を聞きながら。

 

 

 

 

 

 私が事の詳細を知ったのは全てが終わった後だった。

 

 ”星獎体,,天内理子の護衛の任務。これには元々五条と夏油の二人で行う筈だった。この二人なら私は居なくていいだろうといつものように適当にあしらっていたが、それは間違いだった。

 

 まさか不知火が自分からこの任務に参加するなんて…。

 

「学長め…不知火の術式知ってる癖に…!」

 

 いや、だからこそ参加を認めたのだろう。もしもの場合を想定して不知火を…!

 

「待て硝子!単身で突っ込むんじゃない!」

「病みあがりの癖に無茶する気?またやられちゃうよ」

「奴の強さは本物だ。だからこそ君を一人で行かせる訳にはいかないんだよ!」

「説得力〜」

 

 後ろから夏油が追いかけてくる。今回の一件は彼から知った。さっきボロボロの状態で私に怪我の治療を頼み込んできたもんだから驚いて何があったのか聞くと……アイツの名が出て更に驚いた。

 

 アイツの性格はよく知ってる。だからこそアイツがこ(・)れ(・)か(・)ら(・)す(・)る(・)事(・)が解った。急がないと!

 

「っ!着いた…ここね」

 

 辿り着いた場所は盤星教本部「星の子の家」。盤星教の施設は都内だけでもかなりある。だけど、自然と私には解る。アイツの居場所が。

 

「ハアハア…追いついた…。何故ここへピンポイントに突っ走ったのかは解らないが……どうやらここで合っているみたいだ」

 

 夏油が足元で這いずっている小型呪霊を見下ろしながら呟く。確信した私達はすぐさま施設へと入った。

 

 無駄に長ったらしい通路を進んで行く。そして、広い部屋へと辿り着くと盤星教の信徒が中心に居る者達に拍手を送る光景が見えた。

 

「…………は?何…で…?」

 

 囲うように拍手を送る人達の中心に居る人物を見て夏油はあり得ないと目を見開いた。その人物は一足先に到着していた五条。そして───

 

「理子…ちゃん…」

「ん、おー!傑か!よかった無事そうじゃな!」

 

 五条の隣で夏油に元気よく手を振り駆け寄ってくる少女。理子ちゃん、という事は彼女が護衛対象である”星獎体,,天内理子か。

 

「悟、どういう事だ?彼女は確かに…私の目の前で…」

「解らねぇ、だが……恐らく彼方の仕業だ」

「っ!」

 

 ドクン、と心臓の鼓動が跳ね上がる。

 

「彼方?彼も来ているのか。それで何処に……」

「お嬢様!!!」

 

 そこへ私達が来た道から物凄い勢いで走って来る女性の大声が響く。メイド服に身を包んだその女性は部屋へ入って天内理子を視界に捉えると大粒の涙で抱き締めた。

 

「お嬢…様…っ!」

「黒…井…っ!!」

「あ、あぁぁああ……!お嬢様…お嬢様!」

「うわあああん!また会えたよ黒井ぃぃ…!」

 

 お互いに泣きながら抱き合う二人を見てまたも夏油は驚愕する。

 

「黒井さんまで…!?これも彼方が…?」

「恐らく…あ、おい硝子どこ行く!?」

 

 どこへ?決まってる彼奴の所だ。黒井さんとか言われていた女性、夏油の反応を見るに殺されていたのだろう。それで生き返ったのだからそりゃ驚くのも無理もない。

 

 メイドが来た道を急いで駆け出す。すると、外へ出た所にアイツはいた。

 

「あれ、硝子も来てたんだ!」

「不知火…」

 

 いつものように戯けた表情で此方に笑顔を向ける。その平然としている態度が無性に腹が経ってしまい無言で詰め寄った。

 

 そして、右手のギブスと左眼の眼帯を見て問い質した。

 

「今回は右(・)腕(・)と左(・)眼(・)なのね」

「………」

 

 バツが悪そうに視線を逸らす。応えないがその反応は肯定と同義だった。

 

「貴方…いい加減に…!!」

「硝子!どうしたそんな慌てて……って彼方?」

 

 怒鳴り散らそうとすると後ろから五条と夏油が追いかけてきた。

 

「あー、彼方を見つけたから走って行ったのか?おいおい、やっぱなんだかんだ言ってお前彼方の事が……あ?」

 

 五条が変な勘繰りをしニヤニヤと笑みを浮かべるが何か違和感に気付き言葉が途切れる。そして、その違和感を不知火に投げかけた。

 

「お前その眼帯どうしたよ?さ(・)っ(・)き(・)ま(・)で(・)着(・)け(・)て(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)だ(・)ろ(・)」

「あ、ちょ悟それは…」

「へぇー…やっぱりそうなんだ」

 

 元々確信は持てていたけど五条の疑問で裏取りがとれた。つまり、不知火は術式を使ってあの二人を…。

 

「おい待つのじゃ皆!妾を放ってどこへ行っておる!折角感動的再会を果たしたと言うのに全く!じゃが、此度の件……深く感謝している」

 

 後から小さな足取りで必死に追いかけてきた天内理子は息を切らしつつ悪態をつく。しかし、ツンデレ染みた言い回しで感謝を述べた。

 

 

「だ、だから…改めてお礼を言わせてくれ。五条!夏油!───二(・)人(・)と(・)も(・)あ(・)り(・)が(・)と(・)う(・)!!」

 

 

 満面の笑みでお礼を言う少女。それとは対照的に二人の表情は固まった。

 

「え?ん?二人…?」

「理子ちゃん?私達はここにいる三人で君の護衛を…」

「あ、そうなったな!悪かった、黒井も一緒じゃったな!」

「いや、そういう事ではっ…!黒井さん、そうだ黒井さん!貴女からも言ってあげてください!貴女方を命懸けで守った者を…」

 

 夏油が天内理子に指摘しようと付人のメイドさんにも話を振るが……無駄だよ。

 

「ええ、私からも一言。五条様と夏油様がいなければ今頃私達は……誠にありがとうございます」

「……っ!だから!!」

 

 依然として二人の勘違いが直らないと夏油は手っ取り早く不知火の手を引き二人の前に立たせる。

 

「悪い冗談は辞めてほしい。彼方の力もあった筈だ。忘れた訳じゃないだろ」

「彼方…あ、そうですね。ええ、勿論忘れていませんわ」

 

 メイドさんは不知火の前まで来ると綺麗にお辞儀をする。

 

「不(・)知(・)火(・)様、この度はありがとうございました」

「いいよ俺も黒(・)井(・)さんが無j」

「それでは」

 

 ……と、短く端的に礼を言うと不知火の返事も聞かずに一切の表情を変えることなく天内理子の元へと戻った。まるで他人行儀の様な形だけの感謝。その光景を異様に感じた夏油達は言葉を失う。

 

 そんな二人を他所に天内理子はメイドさんを連れて別れを告げた。

 

「まだまだ伝えたい事が山のようにあるがここは敵の本拠地じゃ。じゃから妾達は一足先に行かせてもらう。暫し行政が落ち着くまで身を潜めるつもりだから後で連絡するぞ。ではまたな!」

「それでは皆様御機嫌よう。また近い内に」

 

 名残り惜しそうに五条と夏油を見つめながらもこの場から去っていった。最後まで不知火には目も向けずに。

 

「どういう…事だ…?何が起こっている…?少なくとも黒井さんは彼方の事を…」

「解らないが…これが、彼方の術式なんだろ。違うか?」

「うん、そうだよ」

 

 五条の質問に不知火は否定することなく肯定した。しかし、それ以上は答えるつもりはなく私達から背を向けた。

 

「だからさー、今ちょっと疲れちゃったから俺は先に帰るよ。術式については硝子が怒るから俺からは言えない。ま、何にしてもよかったじゃん。誰も死なないハッピーエンドを迎えてさ」

「あ、おい!」

 

 そう言い残し不知火は逃げ帰る様にこの場から去った。あんな言葉を残されて私が話さないなんて出来る筈もなく。

 

「硝子、聞かせてくれないか?」

「……だよねー」

 

 はあ、今日は厄日だよ。

 

 私は観念しまだ数える程しか知らなかった不知火の術式について説明を始めた。

 

「簡潔に言えば、不知火の術式は死者の蘇生だよ」

「「───っ!!」」

 

 不知火の術式を聞き二人は戦慄する。夏油に至っては畏怖し術式の存在を疑う。

 

「馬鹿な、そんな術式が存在するのか?いや、存在していいのか?」

「冗談だろ…って言いたが、俺は目の前で見た手前信じるしかねぇな」

「勿論それ相応の縛りはあるよ。て言ってもアイツからしたら安い縛りだって笑ってたけどね」

 

 二人は縛りについて前のめりに効く姿勢を見せる。死者蘇生という人知を超えた力の代償が如何なるものかと。

 

「縛りは大きく分けて二つ。一つは術式を発動する代償に身体の一部の五感をランダムに失う」

「一部の五感だって…!?そうか、それで彼方に眼帯が…」

「それじゃ、黒井さんのあの反応は?」

 

 夏油が一番聞きたがっている疑問を問いかけるが、それを話すにはもう少し深掘りが必要だ。

 

「それを説明するにはもう一つの縛りを話す必要がある。そもそもこの術式は確定で発動できるものじゃない。ある条件下での確率で決まるんだ」

「そのある条件下と言うのは…?」

「…………」

 

 話す直前、胸にズキリと痛みを感じたが抑え込み答える。

 

「術者に対する好感度よ」

「好感度…」

「うん、ああ言っておくけど何もこれは恋愛的なものでなくとも友愛でも構わない。つまり、赤の他人には効果がない」

「成程なぁ、その二つの縛りでもかなり術式発動には限定的に絞れるな」

「でも、それだけじゃないだろ。黒井さんの反応の説明をしてくれ」

 

 そう、まだ肝心の疑問が解消されていない。なので事前に話すべき内容を教えた私は最後にあるクイズをした。

 

「それに関しては二つ目の縛りの延長だよ。夏油、好きの反対は何か解る?」

「有名なクイズだ。答えは「無関心」───っ!」

 

 ここまで言ってようやく気付いた夏油はハッとし冷や汗をかく。

 

「おい待て、という事はっ!」

 

 もう理解しているだろうが私は敢えてハッキリと答えた。私が不知火を嫌う理由の根塊だから。

 

 

「一度蘇生させた者は───好感度が零になる」

 

 

 好感度が零になる。それがどういうものかさっき目の前で見ていた二人の顔が見るからに曇っていく。

 

「術者との記憶が失う訳じゃない。ただ無関心になるんだ。それまでどれだけ仲が良かった相手でも気持ちは消沈しそこら辺の石ころぐらいにしか思えなくなる」

 

 あのメイドさんとの間に何があったのかは知らないけど、どんなに好きだった相手でも過去の人になってしまえばその想いだって希薄になってしまう。

 

 大好きな彼氏がいる女性が過去となった元彼への関心が薄れてしまうのと同じ。もう、あの二人の心の中に不知火はいない。

 

 ほんと…なんて術式だよ。

 

 私は過去に一度不知火に頼み込み術式を使わせてしまった事がある。当時の私達は仲が良かった。常に一緒に遊び周りお互いに下の名前で呼び合うぐらいに。

 

 そんなある日の夜、呪霊に襲われ非力な私は両親を目の前で殺され絶望した。それで目の前にいたって理由だけで不知火に助けを求めた。求めてしまった。同じく非力で幼い子供だと言うのに。

 

『やだ……いやだよぅ……ぐすっ。おとーさん……おかーさん……ひとりなんてやだぁ…』

『硝子、大丈夫だよ』

『え…?』

『硝子を絶対に一人にはさせない。俺が必ず何とかするから』

 

『領域展開「───」』

 

 だけど、不知火は助けてくれた。それで一時は彼に憧れていた時期だってあった。だけど……。

 

 その代償は幼い私にはあまりにも大きすぎた。

 

『硝子、今日も一人でお外で遊ぶのか?』

『え?いつも彼方とあそんでるけど?』

『かなた?……ああ、いたなそういえば。確か…不知火さん家の…女の子だったか』

『男の子だよ!どうしたの!パパへんだよ!?』

『そうか?悪かったな。それじゃ行ってきなさい。暗くなる前には帰って来なさい。夜道に女の子一人は危ないからな』

『いつも彼方といっしょにかえってるよ!!』

 

 当時は訳がわからなかった。私と負けないぐらい両親とも家族ぐるみで仲が良かったのにあの日以降ずっとこの調子だった。お母さんも同様に。

 

 嫌な記憶を思い出した苦い顔をしていると二人は申し訳なさそうにする。そして、夏油が一つ確認を取る。

 

「私達以外にこれを知っている者は?」

「これを知ってるのは私以外だと学長だけ。死者蘇生なんて上層部が知ったら絶対碌な事にならないからね。だからこそムカついてる。学長の奴、今回の任務は失敗を前提に動いていたんだって……!」

 

 学長は信頼していたのに。まさかこんな形で裏切られるなんて…!

 

 怒りに震えている私を見て五条はある事を思い出す。

 

「硝子、ひょっとすると彼方の術式にはまだ秘密があるかもしれない」

「え」

 

 五条の言葉に私は思わず声を漏らす。サングラスを外し自身の目を指差しながら理由を話す。

 

「自身を犠牲に死者を蘇生する術式。俺にはそれだけじゃない様に見えた」

「そういや六眼を持ってしても今まで彼方の術式を見れなかったんだったね。それで、何が見えたんだい?」

 

 私の知らない不知火の秘密。不思議と聞かずにはいられなかった私は一歩また一歩と歩み寄ってしまい距離を縮める。

 

 そして、五条はこう答えた。

 

「術式を使って天内を生き返らせる瞬間、ぼんやりとだが見えたものがある。それは───掲示板だった」

「「はい??」」

 

 こうして、私は知ろうと思った不知火への謎がより深まってしまうのだった。

 

 

 

 

 

 硝子には悪い事しちゃったな。

 

「嫌われるのは慣れたけど嘘をつくのはいたたまれない」

 

 悟の指摘のあえて大袈裟にリアクションをとって硝子を騙してしまった。きっと近い内に必ずバレるのに。

 

 皆はこのギブスと眼帯を見て二人を生き返らせたと思ってるんだろうけど、厳密には少し違う。悟が理子さんを抱えて思いに耽っていた所に俺が現れたけど……その時には既に左(・)腕(・)も同じ状態だった。

 

「アイツに関してはほぼ賭けだったけど上手くいってよかった。にしても流石に四肢片目の感覚が失くなると不自由だなぁ」

 

 小さい頃に両足の感覚が失くなった当初は直感で動けるようになるまで苦労したし時間もかかった。今日からは両腕を直感だけで動かせるようにリハビリしないと。

 

 原作の強制力にもよるけど七海は今後次第で術式は使わなくても大丈夫そうだが、一年後の灰原は強引にでも同行しなければ……。

 

「不知火」

 

 今後について色々と考えていたら後ろからまた聞き覚えのある声が俺を引き止める。

 

「勝手に帰んないでよ。まだ話は終わってない」

「硝子から話しかけてくるなんて珍しいね。嬉しいな〜」

「そういうのいいから。何か隠す時は無駄にテンションを上げる癖まだ直ってないんだね」

「……あぁー」

 

 思わず声が詰まってしまった。さすが幼馴染みよくお解りで。

 

「いつまでこんな事を続けるの?」

「…………」

「アンタの術式五条達にも知られたよ?きっとこの先も知る人は増えていく。そうなったら上層部の爺共にも……ねえ、不知火」

 

 普段は毛嫌いしていた硝子の雰囲気が変わる。次の台詞を察した俺は気が滅入ってしまう。ああ、この流れは……。

 

 

「お願い───呪術師辞めて」

 

 

 事あるごとに言われ続ける言葉。硝子は俺が無茶をする度に呪術師をやめるように言ってくるのだ。

 

 いつもなら適当に流せば済んでいたが……今回はいつも以上に言葉に重みを感じる。

 

「不安だって言うなら私も一緒に辞める。だからこんな真似は二度としないで」

「っ!」 

 

 今までにないタイプの説得に思わず固まる。硝子が辞めるのは困る。だけど何でそこまで?

 

「不知火は覚えてる?初めて術式を使った日の夜」

「もちろん」

 

 覚えている。忘れるわけがない。硝子の両親を救った日であり、俺の何を犠牲にしても硝子を守ると決意した日なのだから。

 

「私さ、あの日からアンタの事が好きだったんだよ。初恋と言っていい」

「はえ?」

 

 唐突の告白に変な声が漏れ目を丸くする。

 

「あ、今は違うから勘違いしないでね」

「あ、はい」

 

 うん知ってる。

 

「好きだった奴が自分のせいで両足を奪ってしまった罪悪感で反転術式を必死に使えるように努力した日が懐かしいよ。ま、無駄に終わったけど」

 

 ハハ、と自虐じみた笑いを飛ばすが俺は内心驚いていた。反転術式の経緯は初めて聞いたから。硝子は俺の為に反転術式を覚えたのか。

 

「だから、私はあの時から考え方を変えたよ。これからも無茶をするんならできないようにしてやろうと」

「それで俺に呪師を辞めてほしいって?何度言っても答えは変わらないよ」

「知ってる。だからこうして言い続けているんだ。頑固さならお互い様だろ」

 

 硝子はライターに火を灯しタバコを吸う。気持ちを落ち着かせる様に大きく吸った後大量の煙を吐き出した。

 

 そういや、硝子がタバコを始めたのも俺に反転術式で両足を直そうとした日からだっけ。術式の縛りで直せないと知った時のあの顔は今でも鮮明に思い出せる。

 

 自分の遣る瀬無さやストレスから始めた喫煙。それを俺は止めることができなかった。

 

「両親を助けた時、最初はまるでヒーローみたいでカッコイイとさえ思った。いや、思ってしまったけど、憧れた君はボロボロだ。それを当然みたく振る舞い周りはそれに気付かない」

 

 タバコを持つ手が震える。心なしか声も震えている気がした。だけど、それでも硝子は俺から目を離さない。

 

 硝子の瞳の奥には彼女なりの覚悟が見えた。

 

「私は君が嫌いだ大っ嫌いだ。周りで不幸が起きる度に消えない重荷を一生背負い続ける君に軽蔑すら覚える。ヘラヘラと笑っている裏で悲鳴を上げて辛いはずなのに誰にも頼ろうとしない……自己犠牲を美徳と思ってるの?ふざけんな!!」

 

 くしゃり、とタバコを握り潰し俺に詰め寄る。ほぼゼロ距離まで近づくと怒りと同じぐらい強いもう一つの感情が渦巻いているのが見え隠れする。

 

「そっちがその気なら私はあんたとの関係を絶対に希薄にしない。してやるもんか。両親のようにはならない。一生あんたを嫌い続けてやる!お前が弱っていく姿を私だけは覚え続けて覚え続けて覚え続けて覚え続けてっ……一生お前の傍にい続けてやる。それが嫌なら……!」

「硝子」

 

 感情に任せヒートアップしてきた彼女の名を呼び静止する。

 

 嫌っている人間にそこまでしてくれるなんて。

 

 硝子がここまで突き動かすのは幼馴染みだからか、両親の命の恩人だからか……。きっと両方だろうな。これは硝子なりの優しさなんだろう。嫌っている筈の俺にそこまで気付かってくれて素直に嬉しい。

 

「ありがとう」

 

 その優しさがこれまで失ったものの哀しさを和らいでくれる。だから俺は彼女が大好きだ。そして、そんな健気な幼馴染みを───

 

「でも」

 

 僅かに残っている良心を突き放す。

 

「ごめん」

「…っ!!!」

 

 少なくとも俺の戦いは、原作が終わるまで決して止まれない。きっと、俺はこれからも変わらず突き進んでいくだろう。硝子の周りにいる人達を全員救う為に己の五感が、命が尽きるその瞬間まで。

 

 大事な人達の為と言えば美徳だろう。立派だ、場所や時代によっては英雄と呼ぶ人もいるんじゃないだろうか。だが、俺の幼馴染は決してそれを許さない。

 

「…………」

 

 怒りと軽蔑の目が俺の心臓を激しく突き刺す。嫌われるのは慣れたと思ったけどそんな事はなかった。好きな人からそんな目で見られて傷つかない訳がなかった。

 

 だけどそれでいい。許さなくて構わない。少なくとも原作の様な結末なんかよりずっとマシだ。硝子の周りの消える筈だった命が俺一人で賄えるのなら安いもんだ。

 

「俺は君が好きだよ」

 

 これは、原作で死ぬ筈だった硝子の周りの人間を救う物語。そして───

 

 

「私は君が嫌いだよ」

 

 

 好きな人から嫌われ続ける物語だ。

 

 




不知火彼方
本作の主人公。硝子とは幼馴染でありお互いに下の名前で呼び合っていたが反転術式で直せないと分かって以降態度が一変し苗字で呼ばれるようになる。本人は地味に傷ついていた。

家入硝子
幼い頃は彼方と仲が良かったが、彼方の術式を知り両親と同じ様になるのを恐れ無意識から彼方を嫌う様になってしまう。しかし、好きの反対は無関心。好きと嫌いは表裏一体なので原作が終わり彼方が生きていれば嫌っていた感情が裏返り爆発して曇らせヤンデレ化ヒロインとなる事が確定している。

レジェンド
別作品の主人公。チラッと今後の情報が開示されてしまった事でこれからも作者にイジメられることが大確定している。やったね。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。