あの鐘の音が聞こえるか 作:もこもこ
ゴゴゴゴゴゴゴ……ッ!!
特設広場のコンクリートが、まるで水面のように波打って隆起した。
ジャスティン・ブリンガーの肉体から噴き出す、超高密度の紫紺のエーテル。それは瞬く間に広場の酸素を食い尽くし、肺を焼くようなオゾンの悪臭と、旧文明の呪いを孕んだ致死の瘴気となって渦を巻く。
『エリクサーP07』の過剰投与により再変異を遂げた肉体は、すでに人型の輪郭を完全に喪失していた。体高は十メートルを超え、背中からは禍々しい水晶のような鋭角の角が無数に突き出し、右腕は建造物を一撃で粉砕する巨大な質量兵器へと歪に肥大化している。
「ガ、アアアアアアアアアアアアアアアッッ!!」
天を劈く咆哮と共に、巨大な結晶の右腕が振り下ろされる。
狙いは、パエトーンの二人。だが、死の質量が彼らを押し潰す直前、地響きを立てて鋼鉄の壁が割り込んだ。
「パエトーンの兄弟には、指一本触れさせねえぞォッ!!」
白祇重工の重機たるベン・ビガーが、己の身の丈の三倍はあろうかという巨大なコンクリート柱を横薙ぎに振り抜き、ブリンガーの右腕を真っ向から迎え撃った。
ドゴォォォォンッ!!
衝撃波で周囲の空気が爆ぜ、ベンが足を踏ん張る石畳がクレーター状に粉砕される。だが、ベンの怪力は化け物の膂力と完全に拮抗していた。
「社長! 今だ!!」
「言われるまでもないてのッ!」
ベンの分厚い肩を足場にして、小柄なクレタ・ベロブルグが高々と跳躍する。
「火薬の量、最大ッ!! ぶっ飛べ!!」
彼女が頭上から振り下ろした巨大なハンマーが、ブリンガーの顔面を覆う結晶装甲にクリーンヒットした。同時にハンマーの炉心が爆発し、鼓膜を破る爆音と共に、超高温の紅蓮の炎が化け物の視界を完全に奪う。
「……雷撃、出力最大 撃破する!!!」
爆炎の煙幕を切り裂くように、緑色の残像が走った。アンビー・デマラだ。
彼女は空中で身体を捻りながら、高圧電流を纏ったブレードをブリンガーの膝関節の隙間へと深々と突き立てる。バリバリと青白い火花が散り、エーテリアスの神経系に強烈な麻痺を送り込んだ。
「ニャハッ! こっちも空いてるよ!」
硬直した巨体の死角から、猫又が弾丸のような速度で飛び出す。双剣が三日月のような鋭い軌跡を描き、ブリンガーの脚部を支える太いエーテルの腱を次々と切断していく。
「スターライトナイト、フルバーストだぜェッ!」
ビリー・キッドが後方に跳び退きながら、二丁拳銃のトリガーを限界まで引き絞る。放たれる無数の銃弾は、クレタの爆炎とアンビーの雷撃によって脆くなった結晶装甲の亀裂に寸分の狂いもなく吸い込まれ、内部から装甲を剥がし取っていく。
「ふんっ、図体がデカいだけの的ね! 全部まとめてブラックホールに放り込んであげるわ!」
ニコ・デマラが重火器を変形させ、極小の重力場をブリンガーの足元へ撃ち出した。
ギギギギッ! という空間が軋む音と共に、圧倒的な引力が化け物の巨体を地面へと力任せに引きずり下ろす。
「ハッ、いい的じゃねえか! ドリルの回転、最高潮だぜェェッ!!」
アントンがパイルバンカー型ドリルを構え、ニコの重力場に足をとられたブリンガーの腹部に向かって、一直線に突撃する。鋼鉄のドリルが紫色の結晶装甲をゴリゴリと削り取り、激しい火花とエーテルの飛沫を撒き散らす。
「アントン、関節部を狙って! 釘打ち機、起動!」
グレースが後方から自律兵器を展開し、アントンが穿った亀裂に向かって、電磁パルスを帯びた特殊な杭を次々と撃ち込む。杭が内部で起爆し、ブリンガーの体内エーテル回路を物理的にショートさせた。
「グ、オォォォォォ……ッ!?」
波状攻撃に苦悶の声を上げるブリンガー。
だが、特級変異体の生命力は底知れなかった。全身から紫紺の瘴気を爆発的に噴出させ、アントンと邪兎屋の面々を強引な衝撃波で吹き飛ばす。
そのまま怒り狂ったように、背中の水晶の角を一斉に射出した。無数の結晶の槍が、散弾となって広場全体に降り注ぐ。
「おや。お客様の粗相を片付けるのも、我々の重要な業務ですよ」
フォン・ライカンが優雅なステップで前線に躍り出る。
彼の義足から放たれる極寒の冷気が、降り注ぐ結晶の槍を空中で次々と凍てつかせ、無害な氷の彫像へと変えていく。
「はぁ……面倒くさい」
エレン・ジョーが、ライカンが作り出した氷の足場を蹴って空を舞う。巨大な鋏がシャキッと冷たい音を立て、ブリンガーの再生しかけていた腕の付け根を、根元から深く両断した。
「お、お掃除の時間ですぅぅ……ッ! ごめんなさぁぁいッ!」
落下してきた巨大な腕を、カリンが泣き顔で振り回すチェーンソーが木っ端微塵に粉砕する。リナが指先から放つ高圧の雷撃が、飛び散る結晶の破片をことごとく空中で爆破した。
「アハハハッ! あたしたちも混ぜてよ!」
爆音を轟かせ、カリュドーンの子たちが戦場を縦横無尽に駆け回る。
バーニスが両手の火炎放射器から猛烈な炎の渦を放ち、ヴィクトリア家政が作り出した氷の破片を一気に蒸発させ、視界を奪うほどの分厚い水蒸気爆発を引き起こす。
「行くよ! カリュドーンの突撃!」
その白煙の中から、シーザーが巨大な盾を構えて弾丸のように飛び出した。盾の先端がブリンガーの胸部装甲に激突し、凄まじい陥没音を響かせる。
「そぉれッ! ぐるぐるぐる〜!」
パイパーが巨大な斧を大車輪のように回転させ、シーザーが抉り開けた傷口をさらに深く切り裂く。ライトの連続打撃と、ルーシーのバットから放たれる爆発弾が、ブリンガーの巨体を完全に後退させた。
「——第6課、追撃します。陣形展開」
戦場の喧騒を切り裂く、月城柳の冷静な声。
彼女の薙刀が、水面を滑るような静かで美しい軌道を描き、ブリンガーの反撃の芽を次々と摘み取っていく。
「上空は任せてくださいよ!」
浅羽悠真が風を操り、遥か頭上から雷を帯びた矢の雨を降らせる。矢はブリンガーの視覚器官を正確に貫き、化け物の絶叫が夜空に響き渡った。
「蒼角もやるーっ!! お肉のために!!」
蒼角が巨大な旗槍を振り下ろし、ブリンガーの頭部を直接打ち据え、巨体を地面に叩き伏せる。
圧倒的な総力戦。
しかし、ブリンガーはまだ死んでいなかった。
全身の装甲が剥がれ落ち、紫色の体液を撒き散らしながらも、化け物の胸部——その奥深くにある『コア』が、不気味な脈動を打って極限まで膨張し始めたのだ。
「……ッ!? マズい、全員退避しろ!!」
イサムが血相を変えて叫ぶ。
ブリンガーのコアに収束していくのは、単なるエーテルではない。
あの妖刀『無尾』から抽出された、純粋な旧文明の『呪い』『エーテル』そのものだった。
熱を持たない、だが触れたものを一瞬で塵に変える紫紺の閃光が、ブリンガーの胸部から極太のレーザーとなって放たれようとしていた。
標的は、この場にいる全員。回避は不可能。
「やらせるかよォォォッ!!」
真っ白な髪を振り乱し、イサムがブリンガーの真正面へと飛び出した。
彼は背中の大剣を地面に深く突き立る。
「グ、ォォォォオオオオオオッッ!!」
ブリンガーの胸から放たれた極太の紫紺のレーザーが、イサムの構える大剣と真っ向から衝突した。
「が、ぁああアアアアッッ!!」
致死量などとうに超えた、特級のエーテルの濁流。
イサムの身体が軋みを上げ、骨が悲鳴を上げる。だが彼は、全身の毛穴から血を流しながらも、一歩も後ろへは下がらなかった。
彼が吸収した莫大なエーテルが、蒼白の『火炎』となって爆発的に燃え上がり、紫のレーザーを強引に相殺し、中和し、天へと散らしていく。
「俺の後ろには……俺の信じたプロキシと、俺の守りたい世界があるんだよ……ッ!!」
イサムの咆哮と共に、蒼白の炎が太陽のように眩く輝き、ブリンガーの放つ呪いのレーザーを押し返す
ブリンガーの絶対的な防御が、完全に無防備になったその瞬間。
「——よく耐えた。我が友よ」
澄み切った、冬の夜気のような静謐な声が、戦場の中心に響き渡った。
漆黒の軍服の裾を翻し、星見雅がイサムの横をすり抜ける。
彼女の腰に帯びられた妖刀『無尾』。
かつて紫紺の狐火を撒き散らしていたその刀からは、今はただ、氷のように透き通った、美しく青白い光だけが放たれていた。
雅は腰を深く沈め、柄に添えた右手に全神経を集中させる。
戦場のすべての音が消え去ったかのような、極限の静寂。
「……秘剣」
雅の姿が、かき消えた。
空間そのものが一瞬、青白くフラッシュした。
それは、ブリンガーの巨体を真っ向から通り抜ける、たった一筋の完璧な線。
その一撃は空間そのものを断絶した。
チャキ、と。
雅が『無尾』を鞘に納める静かな金属音。
その音が鳴り終わると同時に、ブリンガーの巨大な肉体に眩い青白い亀裂が走る。
「ガ、アアア……ッ」
断末魔の呻きと共に、ブリンガーの巨体は斜めに真っ二つに両断され、ズズンッ!と重い地響きを立てて地面へと崩れ落ちた。
直後、彼の体内に圧縮されていた高濃度エーテルが耐えきれずに連鎖爆発を起こし、猛烈な紫色の爆炎が資材置き場を覆い尽くした。
「ふぅ……」
アキラが大きく息を吐き出す。
リンも安堵してインカムのマイクから手を離した。
「……終わった、ね」
激戦の末の、完全な沈黙。
パエトーン、邪兎屋、白祇重工、ヴィクトリア家政、カリュドーンの子たち。新エリー都の各勢力も、それぞれの武器を下ろし、肩の力を抜いていた。
イサムもまた、大剣を地面に突き立てて荒い息を吐き、首元の結晶の痛みに顔をしかめながらも、前方に立つ雅の背中を見て短く笑った。
だが。
ホロウの異常を知らせるフェアリーの無機質な警告音は、いまだに鳴り止んでいなかった。
ズズ……、ゴゴゴゴォォ……ッ。
「……なっ!?」
悠真が一番早く異変に気づき、再び弓を構えた。
爆炎と土煙が晴れたその奥。
真っ二つに両断され、完全に崩壊したはずのブリンガーの肉体。
その肉片の一つ一つから、悍ましい紫紺の粘液のようなエーテルが糸を引き、互いを縫い合わせるようにして、再び一つに融合し始めていたのだ。
「ウソでしょ……!? あんな風に真っ二つにされたのに、まだ再生するっていうの!?」
リンが絶望的な声を上げる。
「……ま、だだ……。まだ……終わらん……ッ」
蠢く肉塊の中から、ブリンガーであったものの怨嗟の声が響く。チカラの暴走。もはや人としての原型すらなく、
ただ生き汚く、巨大な権力と力への執着だけで再生を続けるおぞましい肉の塊。
先程よりも圧迫感が大きくなる。
「……しつこい男は嫌われますよ、ブリンガー元副長官」
柳が眼鏡のブリッジを押し上げ、冷ややかに、だが確かな疲労を滲ませて薙刀を構え直した。
「全くだ。こっちは残業代も出ないのに、どこまで付き合わされるんだか」
悠真もため息をつく。
蒼角に至っては、お腹を押さえて「もうお腹ペコペコだよぉ……」と本音を漏らしていた。
他陣営の面々も、さすがにこの不死身の化け物を前にして、明らかな消耗の色を隠しきれない。
雅が再び『無尾』の柄に静かに手を添え、前へ出ようとした。
彼女の剣閃ならば、今度こそ細胞の一つ一つまで塵に帰すことができるかもしれない。だが、彼女の細い肩もまた、先ほどの渾身の一撃と、長時間の呪いへの抵抗によって、限界に近いほどに上下していた。
「雅。……お前は下がってろ」
その時。
雅の肩を、後ろから大きな手がガシッと掴んだ。
「……イサム?」
雅が振り返ると、そこには、真っ白な髪を乱し、全身傷だらけの幼馴染が立っていた。
彼の体表面に張り付く青い結晶は、もはや皮膚を突き破り、血管の代わりに青白いエーテルの光を脈打たせている。
「お前は十分にやった。……あとは、俺がやる」
イサムは雅の肩から手を離し、背中に突き立てていた大剣をゆっくりと引き抜いた。
そして、彼はずっしりと重い足取りで、蠢き再生を続けるブリンガーの肉塊へと歩み寄っていった。
「ガアアアアッ……!! 白髪の、小賢しい、虫ケラがァァァッ!!」
ブリンガーの肉塊から無数の触手が伸び、イサムを串刺しにしようと襲いかかる。
だが、イサムは避けない。
触手が彼の身体に触れる直前、イサムの体表を覆う結晶が、バチィッ!! と強烈な光を放った。
「……お前、俺のことがインターノットで何て言われてるか、知ってるか?」
イサムが、ひどく静かな、底冷えするような声で問いかける。
「黙れェェェェッ!!」
ブリンガーの触手がイサムに突き刺さる。
——しかし。
触手はイサムの肉体を貫くことはなかった。
逆に、触手からブリンガーの持つ膨大なエーテルが、凄まじい勢いで逆流し、イサムの体内へと強制的に吸い上げられていったのだ。
「ガ、アアア!? な、なんだ、これは……! 力が、吸い取られ……ッ!?」
ブリンガーが恐怖に悶え、触手を引き千切ろうとする。
イサムの身体が、極限までエーテルを溜め込み、熱を持たない蒼白の『火炎』に包まれていく。
その炎は彼の身体を核として、周囲の空間を焼き焦がすように巨大に膨れ上がり、やがて、夜の闇を真昼のように照らす、小さな『青白い恒星』のような圧倒的な質量を持った火の玉と化した。
「限界突破(オーバーロード)だ。……クソ野郎」
炎の中心で、イサムの声が響く。
その瞬間だった。
戦場にいるすべての者の耳にあの音が聞こえる。
——ゴォォォォォン……。
それは、教会の鐘の音のようであり。
葬儀の始まりを告げる、重く、深く、冷たい金属の響き。
「……あの鐘の音。まさか」
ニコが息を呑み、アキラとリンも遠くから絶句する。
蒼白の炎の恒星の中で、イサムがゆっくりと大剣を上段に構える。
そのシルエットを見た雅の唇から、無意識のうちに、その二つ名がこぼれ落ちていた。
「……死を告げる、晩鐘のハサン」
——ゴォォォォォン……。
二度目の鐘の音が、夜空に響く。
彼が蓄積した莫大なエーテルは大剣を通じて極限まで圧縮・臨界に達した。
空間に鳴り響く、破滅の共鳴音。
イサムは、恐怖に震え上がり、完全な再生すら放棄して後ずさろうとするブリンガーを、冷たい瞳で見下ろした。
「……あの鐘の音が聞こえるか」
それは、ただの質問ではない。
絶対的な死刑宣告だった。
ゴォォォォォン……と鳴り響く幻聴の余韻の中、静寂に支配された戦場に、低く、絶対的な死を告げるイサムの声が響く。
「……晩鐘は、お前の名を指し示した」
ブリンガーの蠢く肉塊が、かつてない完全なる『死』の気配を悟り、狂乱したように無数の触手や結晶の槍を全方位へ射出する。
だが、青白い恒星と化したイサムの周囲では、迫る攻撃のすべてが触れた端から塵となって蒸発していく。
「この蒼い炎は、お前が弄んだ命の重さだ。地獄の底まで持ってきな……首を出せェッ!!」
イサムが咆哮を上げた瞬間、彼の首元、腕、そして肩をびっしりと覆っていた凶悪な青い『エーテル結晶』が、メキメキと音を立てて内側からひび割れ始めた。
それは、彼が他者から吸い上げ続けてきたエーテルの蓄積。己の肉体を蝕む劇薬。
そのすべてを、彼は一切のストッパーを外して、一気に臨界まで爆発させたのだ。
パキパキパキッ……パァァァンッ!!
砕け散った無数の結晶の破片が、瞬時に純度100パーセントの蒼白の『火炎』へと変換される。
それは小手先の剣技でも、洗練されたアーツでもない。
極限まで圧縮されたエーテルの『物量』。すべてを粉砕する純粋な『パワー』そのものだった。
イサムの構えた大剣に、青白い恒星のエネルギーがすべて飲み込まれるように収束していく。
重力すら歪めるほどの莫大なエーテルの光刃は、数十メートルの巨大な蒼い火柱となって天空へと伸びた。
「ガ、アアアアッ……ヤメロォォォォッ!!」
ブリンガーが再生をかなぐり捨て、全エーテルを防御に回して何層にも重なる極厚の結晶盾を展開する。
だが。
「オラァァァァァァァッッ!!」
イサムが、その巨大な蒼い光刃を、天から地へと力任せに振り下ろした。
ドゴォォォォォォォォォォォォンッ!!!
大剣がブリンガーの盾に触れた瞬間、抵抗する時間すら許さない圧倒的な質量が、化け物を地面ごとすり潰した。
何層にも展開された防御装甲が紙屑のように弾け飛び、青白い炎の瀑布がブリンガーの肉体を完全に飲み込む。
「ア……、ァ、アァァア……ッ」
再生しようとする細胞。増殖しようとするエーテルの肉片。逃げ延びようとするコア。
そのすべてが、イサムの叩き込んだ超高密度のエネルギーの渦の中で、再生するより遥かに速い速度で文字通り
『蒸発』していく。
細胞の一個、DNAの一片すら残さない。
ただ純粋な暴力と化した熱を持たない蒼炎が、ジャスティン・ブリンガーという存在を、物理空間から完全に削り取っていく。
「消え失せろォォォォォッ!!」
イサムが大剣をさらに深く、大地の底まで叩き込む。
最後にもう一度、巨大な爆発がデッドエンド・ホロウの外周を揺るがし、新エリー都の夜空を貫く極太の蒼白い光の柱が立ち昇った。
そして——。
圧倒的な光の奔流が夜風に溶けて収まると、広場には信じられないほどの静寂が舞い降りていた。
そこにはもう、何も残っていなかった。
不死身と思われた化け物の肉片も、紫紺の瘴気も、細胞の一つすらも。
コンクリートが円形に溶け落ち、クレーターと化した巨大な穴の中央に、ただ一本、白煙を上げる大剣が深く突き立てられているだけだった。
今日、明日は1回行動です。 次回最終回
ベンさんも結構好きなのでたくさん登場させてます。
ここの雅さん、渾身の一撃の際、空間斬ができたので五条先生貫通します。
イサムの最後の一撃は、山の翁のアズライールモチーフでなく、
その要素を使った陰実のオールレンジアトミックがモチーフです。
膨大なエネルギーの圧縮→解放→指向性を持たせた大爆発みたいな感じ。