食卓を囲む声が、やけに遠く聞こえた。
「悟飯、もっと食べないのか?」
目の前に置かれた皿を見下ろしていると、孫悟空が不思議そうに首を傾げた。
未来悟飯は、反射的に顔を上げる。
「……いえ。いただきます」
「そうか? なんか元気ねえなあ。腹でも痛えのか?」
「大丈夫です」
そう答えた声が、自分でも驚くほど硬かった。
悟空は少しだけ首を傾げたものの、それ以上は追及しなかった。隣では幼い悟飯が、今日の修行について一生懸命に説明している。
「それでね、お父さん! ピッコロさんが、もっと気を集中させろって!」
「へえ! そりゃすげえな!」
「まだまだですけど……明日も頑張ります!」
幼い自分の声。
父の笑い声。
食器の触れ合う音。
当たり前のように交わされる会話。
未来悟飯は箸を握る手に、ほんの少し力を込めた。
――こんな時間が、あったんだ。
自分にも。
いや、違う。
この世界の自分には、まだあるのだ。
明日があって、修行があって、父がいて、師匠がいて。
頑張れば、もっと強くなれると信じられる未来が。
自分が失ったものを、目の前の自分は何ひとつ失っていない。
そのことに安堵しているはずだった。
この世界では、誰も死んでいない。
人造人間に怯えながら暮らす必要もない。
守るべきものを守れなかったと、夜ごと自分を責める必要もない。
それなのに。
「……ごちそうさまでした」
未来悟飯は、ほとんど食べていない皿を置いた。
「あれ、もういいのか?」
「はい。少し、外の空気を吸ってきます」
返事を待たずに立ち上がる。
背中に、幼い自分の声が届いた。
「お兄ちゃん、あとで一緒に修行しようね!」
足が止まった。
振り返れば、そこには期待に満ちた顔がある。
自分を疑わず、未来を疑わず、明日を楽しみにしている顔。
未来悟飯は、どうにか笑みを作った。
「……ああ。時間があればな」
そう言って、部屋を出た。
廊下に出た途端、息が詰まる。
笑うことくらい、できると思っていた。
父が生きている。
師匠が生きている。
仲間たちが生きている。
その光景を見れば、自分だって少しくらい救われるのだと。
なのに、胸の奥にあるものは、喜びだけではなかった。
羨ましい。
あの子が。
何も知らず、何も失わず、これから先の未来を疑いもしない自分が。
――羨ましい。
そう思った瞬間、未来悟飯は自分自身に吐き気がするほど嫌悪した。
あの子は何も悪くない。
自分だって、あの年頃には未来を信じていたはずだ。
それなのに、今の自分は。
「……最低だな、俺は」
誰にも聞こえない声で呟いた。
そのときだった。
「何が最低なんだ?」
背後から、低い声がした。
未来悟飯は勢いよく振り返った。
そこに立っていたのは、ピッコロだった。
腕を組み、いつもの厳しい顔でこちらを見ている。
「……ピッコロさん」
「食事もろくに取らずに出てきたと思えば、こんなところで突っ立っている。何かあるなら言え」
「何もありません」
「嘘をつくな」
即答だった。
未来悟飯は言葉を失った。
その言い方も、声の響きも、あまりにも懐かしかった。
自分がまだ幼かった頃。
厳しい修行の最中、弱音を吐けば容赦なく叱られた。
けれど、本当に限界が近づいたときには、誰よりも早く気づいてくれた。
自分のことを、よく見てくれていた人。
自分が初めて、父以外に心から信頼した人。
――師匠。
喉の奥が熱くなった。
呼びたい。
いつものように。
ただ一言、呼びたい。
けれど、目の前のピッコロは、自分の知っているピッコロであって、自分の知っている彼ではない。
この人はまだ、未来の自分を知らない。
自分がどんな戦いをして、何を失って、どれほど長い時間をひとりで過ごしてきたのか。
何も知らないのだ。
「……すみません」
気づけば、そんな言葉が口から出ていた。
「何?」
「いえ……すみません」
「だから、何を謝っている」
ピッコロの声が少しだけ険しくなる。
未来悟飯は俯いた。
「……俺が、もっと強ければ」
言うつもりはなかった。
誰にも話すつもりはなかった。
この世界では、そんなことを考える必要すらないのだから。
それでも、一度こぼれた言葉は止まらなかった。
「もっと強ければ、守れたものがあったんです」
沈黙が落ちた。
「俺が弱かったから、失ったものがある。俺が……」
「悟飯」
ピッコロが名を呼んだ。
その声に、未来悟飯は口を閉ざした。
「お前が何を経験してきたのか、俺には分からん」
ピッコロは静かに言った。
「だが、ひとつだけ分かることがある」
「……何ですか」
「お前は今、自分ひとりにすべての責任を押しつけている」
未来悟飯の肩が、わずかに震えた。
「違います。俺がもっと強ければ――」
「強ければ何だ。すべてを救えたとでも言うつもりか?」
「……っ」
「戦いに負けた責任と、守れなかったものへの悲しみは同じじゃない。お前はその区別もつかなくなるほど、自分を責め続けてきたんじゃないのか」
返す言葉がなかった。
ピッコロの言葉が、胸の奥に深く突き刺さる。
どうして分かるのだろう。
まだ何も話していないのに。
いや。
きっと、この人は昔からそうだった。
自分が隠そうとするほど、隠しきれないものを見抜いてしまう人だった。
「……俺は」
未来悟飯は拳を握った。
「俺は、守りたかったんです」
声が掠れた。
「みんなを。父さんを。仲間を……あなたを」
最後の一言だけ、どうしても抑えられなかった。
ピッコロの表情が変わる。
未来悟飯は慌てて顔を背けた。
「すみません。変なことを言いました」
「悟飯」
「忘れてください」
「悟飯!」
鋭い声に、身体が強張った。
幼い頃から何度も聞いてきた声だった。
怒鳴られることが怖いのではない。
その声が、もう二度と聞けないと思っていたから。
未来悟飯は唇を噛んだ。
ピッコロはしばらく黙っていたが、やがて静かに口を開いた。
「お前が何を抱えているのか、今すぐ話せとは言わん」
「……」
「だが、ひとつ覚えておけ」
ピッコロは、未来悟飯の目をまっすぐに見た。
「お前が誰かを守ろうとしたことまで、間違いだったことにするな」
未来悟飯は顔を上げた。
「……え?」
「結果だけを見て、自分のすべてを否定するなと言っている」
ピッコロの声は、厳しかった。
けれど、その奥にあるものは、記憶の中の声と少しも変わらなかった。
「お前がどんな未来を生きてきたにせよ、俺は今ここにいる。お前もここにいる。それなら、今のお前にできることを考えろ」
未来悟飯は、何も答えられなかった。
できること。
この世界で、自分にできること。
そんなものは、いくらでもあるはずだった。
人造人間の脅威は、まだこの世界には迫っていない。
自分の知識を使えば、備えられることもあるだろう。
父や仲間たちと協力すれば、あの未来を変えられるかもしれない。
それなのに。
自分は、何をしている?
目の前にある幸せを、ただ眺めて。
失った未来を思い出して。
幼い自分を羨んで。
何ひとつ、前に進めていない。
「……少し、考えさせてください」
ようやく絞り出した言葉に、ピッコロは短く頷いた。
「そうしろ。だが、ひとりで抱え込むな」
その言葉を聞いた瞬間、未来悟飯は俯いた。
ひとりで抱え込むな。
かつて、何度も言われた言葉だった。
そして未来では、二度と聞くことができなかった言葉だった。
ピッコロはそれ以上何も言わず、建物の中へ戻っていった。
残された未来悟飯は、しばらくその場から動けなかった。
やがて、震える息を吐く。
「……師匠」
誰にも聞こえないほど小さく、呼んだ。
返事はない。
それでも、呼ぶことができた。
その事実だけで、胸が痛かった。
*
「おーい、悟飯!」
翌日。
未来悟飯が庭先で身体を動かしていると、聞き慣れた声が飛んできた。
振り向くと、クリリンが手を振りながら歩いてくる。
「ちょっといいか?」
「クリリンさん?」
「いやあ、昨日から気になってたんだよ。悟飯にそっくりなのに、妙に大人びてるっていうか……」
クリリンは未来悟飯の顔をじっと見た。
「なんか、いろいろあったって顔してるんだよな」
未来悟飯は苦笑した。
「……そんなに分かりますか」
「分かるっていうか、まあ……俺もそこそこ長い付き合いだからな」
クリリンは頭を掻いた。
「悟空たちには、まだ話せないこともあるんだろ? だったら、無理に聞くつもりはないよ」
「……ありがとうございます」
「たださ」
クリリンは、少しだけ真剣な顔になった。
「悟飯がそこまで思い詰めてるのを見ると、放っておけないんだよ」
その言葉に、未来悟飯は目を伏せた。
放っておけない。
そんなふうに言ってくれる人が、ここにはいる。
自分の世界では、最後まで戦ってくれた仲間たち。
命を懸けて、人々を守ろうとした人たち。
その誰もが、もういない。
けれど、この世界では。
「……クリリンさん」
「ん?」
「俺は……あなたたちに、会いたかったんだと思います」
口にした途端、自分でも驚いた。
ずっと、言えなかったことだった。
父に会いたかった。
師匠に会いたかった。
仲間たちに会いたかった。
もう一度、みんなの声を聞きたかった。
その願いが叶ったのなら、喜べばいい。
笑えばいい。
なのに、いざ目の前にすると、どうしても苦しくなる。
「……でも、会いたくなかったのかもしれません」
「え?」
「ここにいるみんなを見ると、俺が失ったものを思い出すんです」
未来悟飯は、静かに言った。
「生きていてくれて嬉しいのに、同時に……自分の世界では、もう誰もいないんだって思い知らされる」
クリリンは何も言わなかった。
「そんなことを考える自分が嫌なんです。みんなが生きていることを、心から喜べない自分が」
「……そっか」
クリリンは、ゆっくりと息を吐いた。
「そりゃ、つらいよな」
たったそれだけだった。
否定もしない。
説教もしない。
無理に励まそうともしない。
ただ、つらいのだと認めてくれた。
未来悟飯は、唇を引き結んだ。
「……俺は、どうすればいいんでしょう」
「それは俺にも分からない」
クリリンは正直に答えた。
「でもさ、今すぐ答えを出さなくてもいいんじゃないか?」
「……」
「会いたかったんだろ? だったら、今は会えたことを喜んでもいいと思う。悲しいのも、苦しいのも、たぶん一緒にあっていいんだよ」
未来悟飯は、目を見開いた。
悲しいのに、嬉しい。
嬉しいのに、苦しい。
相反する感情を抱く自分は、間違っていると思っていた。
どちらかを選ばなければならないのだと。
けれど、クリリンは。
両方あっていいのだと、言ってくれた。
「……ありがとうございます」
「おう!」
クリリンはいつもの調子で笑った。
「それにしても、悟飯がこんなに大きくなってるなんてなあ。いや、見た目だけじゃなくて、なんつーか……」
そこで言葉を切り、少し寂しそうに笑った。
「無理して大人になったみたいだ」
未来悟飯は、答えられなかった。
その言葉は、あまりにも正しかった。
大人になりたかったわけじゃない。
強くなりたかった。
みんなを守れるようになりたかった。
けれど、そのために何を犠牲にしてきたのか。
何を諦めてきたのか。
考えないようにして、ここまで来た。
「……俺は」
声が震えた。
「本当は、もっと……」
その先が続かない。
もっと父さんと話したかった。
もっと師匠に教わりたかった。
もっと仲間たちと笑いたかった。
もっと、普通の子供でいたかった。
口にしてしまえば、もう二度と戻れないものがある気がした。
クリリンは、急かさなかった。
ただ、隣に立っていた。
その沈黙が、ありがたかった。
*
その日の午後。
未来悟飯は、庭の隅で幼い自分が修行する姿を眺めていた。
「はあっ!」
小さな拳が空を切る。
まだ動きは荒い。
気の扱いも未熟だ。
それでも、目は真剣だった。
何度失敗しても立ち上がり、悔しそうに唇を噛み、もう一度構え直す。
未来悟飯は、その姿から目を離せなかった。
「……もっと腰を落とした方がいい」
思わず口を出すと、幼い悟飯が振り返った。
「あっ、お兄ちゃん!」
「力が入りすぎている。相手に動きを読まれやすいぞ」
「そ、そうなんだ……!」
「一度、肩の力を抜いてみろ」
幼い悟飯は言われた通りに構え直した。
未来悟飯が動きを見せると、目を輝かせて真似をする。
「すごい……! やっぱり、お兄ちゃんは強いんだね!」
その笑顔に、胸が締めつけられた。
強い。
そう言われるたびに、違うのだと思う。
自分は、強くなりたかっただけだ。
強くなれば守れると信じていた。
強くなれば、誰も失わずに済むと思っていた。
けれど、強くなっても。
どれほど戦っても。
失うものは、失われた。
「……お兄ちゃん?」
幼い悟飯が、不思議そうに顔を覗き込む。
「どうしたの?」
「いや……何でもない」
未来悟飯は、そっとその頭に手を置いた。
小さな頭。
まだ何も知らない。
これから先、たくさんの可能性がある。
自分とは違う未来を歩めるかもしれない。
その未来を守ることができるのなら。
今度こそ。
今度こそ、何かを変えられるのなら。
「……悟飯」
自分自身の名を呼ぶのは、不思議な感覚だった。
「お前は、強くなれ」
幼い悟飯は、真剣に頷いた。
「うん!」
「でも……」
言いかけて、未来悟飯は言葉を飲み込んだ。
強くなれ。
それだけでは足りない。
強くなることだけを考えて、他のすべてを置き去りにしてほしくない。
自分が守れなかったものを、あの子には守ってほしい。
けれど、それは。
自分が本当に望んでいることなのだろうか。
それとも、ただ自分の失敗を、あの子に取り返してほしいだけなのだろうか。
未来悟飯は、ゆっくりと手を離した。
「……いや。何でもない」
「変なお兄ちゃん!」
幼い悟飯は笑った。
その笑顔を見て、未来悟飯もほんの少しだけ笑った。
ほんの一瞬。
心の底から、笑えた気がした。
*
夜。
未来悟飯は、ひとりで空を見上げていた。
星が見える。
自分の世界では、こんなふうに夜空を眺める余裕などなかった。
いつ敵が襲ってくるか分からない。
いつ、誰かが助けを求めるか分からない。
眠ることさえ、贅沢に思える日々だった。
それでも、空を見上げることはあった。
戦いが終わったあと。
誰もいない街の中で。
もう会えない人たちを思い出しながら。
「……父さん」
呟いた声は、夜に溶けた。
会いたかった。
ずっと、会いたかった。
もう一度だけでいい。
父の声を聞きたかった。
師匠に叱られたかった。
クリリンさんの冗談に、呆れた顔をしたかった。
そんな願いが叶った今、どうして自分は素直に笑えないのだろう。
「……俺は、どうしたらいいんだろうな」
答えはない。
当然だ。
自分で見つけるしかない。
そう分かっていても、答えを見つけることが怖かった。
もし、自分が悪くなかったのだとしたら。
もし、守れなかったことが、自分ひとりの責任ではなかったのだとしたら。
これまで自分を支えてきたものは、何だったのだろう。
自分を責めることで、何とか立っていられた。
自分が弱かったからだ。
自分が足りなかったからだ。
そう考えれば、次こそ強くなればいいと思えた。
そう考えれば、失ったものに意味を与えられる気がした。
けれど。
もし、それが間違いだったのなら。
自分は何を支えに、これから生きていけばいい?
「……悟飯」
背後から声がした。
振り向かなくても分かる。
ピッコロだった。
「こんな時間まで起きているのか」
「……少し、眠れなくて」
「そうか」
ピッコロは隣に立った。
何も聞かず、何も言わず、同じ空を見上げる。
しばらくして、未来悟飯は口を開いた。
「ピッコロさん」
「何だ」
「俺は……強くなれば、全部守れると思っていました」
言葉にするのは、ひどく難しかった。
「強くなれば、誰も死なずに済む。俺がもっと強ければ、みんなを守れた。そう思って、ずっと戦ってきました」
ピッコロは黙って聞いていた。
「でも……守れなかったんです」
未来悟飯は、空を見つめたまま続けた。
「何をしても、何度戦っても、失うものがあった。最後には……」
そこで声が途切れた。
これ以上話せば、もう耐えられない気がした。
ピッコロはしばらく待ってから、静かに言った。
「強さだけですべてを守れると思うな」
「……」
「だが、守ろうとしたことまで捨てるな」
未来悟飯は、ゆっくりと顔を上げた。
「お前が何を失ったのか、俺は知らん。だが、今のお前がここにいることには意味があるはずだ」
「……意味」
「そうだ」
ピッコロは、まっすぐに未来悟飯を見た。
「過去を変えられるかどうかは、まだ分からん。だが、お前は今、ここにいる。ならば、ここで何をするかは、お前自身が決めろ」
未来悟飯は、唇を噛んだ。
決める。
自分で。
これまでずっと、失ったものを取り返すことばかり考えていた。
もう一度会いたい。
もう一度話したい。
もう一度、あの日々に戻りたい。
けれど、それは叶わない。
ここにいるのは、過去の父であり、過去の師匠であり、過去の仲間たちだ。
自分が生きてきた未来は、消えない。
失ったものも、消えない。
それでも。
この世界の未来は、まだ決まっていない。
「……俺は」
未来悟飯は、拳を握った。
「今度こそ、守りたいです」
ピッコロは短く頷いた。
「ならば、まずは自分を見失うな」
その言葉に、未来悟飯は目を伏せた。
自分を見失うな。
そんなことは、ずっと前にできなくなっていたのかもしれない。
戦うことだけが、自分の存在理由になっていた。
誰かを守れなければ、自分には価値がない。
そう思い込むことで、立ち止まらずに済んだ。
けれど、今は。
目の前に、まだ何も失っていない自分がいる。
父がいる。
師匠がいる。
仲間たちがいる。
この世界で、自分は何を選ぶのか。
誰かを守るために戦うのか。
それとも、失った自分自身を取り戻すために、もう一度前を向くのか。
まだ分からない。
答えは出ない。
それでも。
「……はい」
未来悟飯は、静かに頷いた。
ピッコロはそれを見届けると、何も言わずに歩き出した。
その背中を見送りながら、未来悟飯はもう一度、夜空を見上げた。
胸の痛みは消えない。
失った未来も、戻ってこない。
それでも、隣に立ってくれる人がいる。
それだけで、ほんの少しだけ。
明日を考えてみようと思えた。
――けれど、彼はまだ知らない。
自分が本当に許せなかったのは、守れなかったことだけではない。
あの日、最後まで生き残ってしまった自分自身を。
そして、今もなお生きたいと願っている自分自身を。
彼はまだ、許せずにいた。