ほとんどGoogle先生に頼ってますよ。ええ!
という事で初投稿です。 では、どうぞ。
「…あれ?」
英雄からか細い声が聞こえた。机の中も、鞄の中も、ロッカーの中も確認した。英雄は絶望した…次の授業に使う参考書が見当たらない。次の授業が始まるまでタイムリミット二分弱。顔色が悪い…するとアリサが気づいた。
はぁ…とため息を吐いている。もう、察したのだろう。
「…また、忘れたんでしょ」
「な!
「
「ぐぬぬ…」
政近は後ろで漫才が繰り広げられていることに「またか」と呟いた。英雄が忘れ物するのは日常茶飯事らしい。…おっとぉ?自分も忘れているじゃないか、隣の生徒にでも見せてもらうとするか。
「それで、どこに忘れたの?」
「たぶん、家かな…」
「ハァ…あなた、ホントに一人じゃ何も出来ないじゃない」
「ぐうの音も出ねぇ」
「まあ、いいけど」
「…最高だぜ」
アリサの溜息交じりの肯定に、英雄はそそくさと机をくっつける。それと同時に前の席、政近も隣の生徒の机とくっつけた。
「…あなたも、なのね」
「あ、いやぁ〜」
「あなたたち、いい加減忘れ物多すぎよ。もう高校生よ?少しくらい減らしなさいよ」
「でもよ、参考書が多いから何が何だか分からないんだよ」
「まあ、あなたの場合参考書の区別すらついていないものね」
「あはは!英雄は他の教科の参考書持ってくるもんな」
この征嶺学園は、私立の進学校であるために異様にテキストの量が多い。それぞれの教科につき複数の教科書や参考書があるのは当たり前だ。
「はあ…なんでかなぁ、区別がつかねぇよ」
「…本当になんでこの学校に合格出来たのよ」
「まあ、超早熟の可能性もあるし、な?」
「早枯れじゃない…」
政近がフォローしたが、早枯れと言われてしまった。でもまあ、実際に英雄がなぜこの学校に転入出来たのか、疑問を抱く生徒は少なくない。確かに身体能力は高いが、運動神経が良いというワケではない。勉強だって、いつもギリギリライン。陰では賄賂か?と疑われたが英雄の家は裕福では無い。
合格出来たのだから実力だろう、その事実は曲げられないのだ。
アリサは化学の教科書一式を机の中から取り出すと、じろりと胡乱な目を政近に向ける。
「で、どの教科書?」
「あ、そいつだ!その青いやつだ!」
アリサはその参考書を開くと、二人の机の間に置いた。
「サンキュー!」
「…また、始まるのね」
ここからアリサはいつものように質問攻めされるのだろう。分からない漢字、分からない化学式…その他諸々の。
「この漢字なんて読むんだ?」
「ここの化学式どういう意味だ?」
「なんでこうなるんだ?」
「これ計算すんのか?化学なのに?」
「化学ってなんなんだ?」
周囲の生徒達は思った。「うるせぇ…」と。流石に授業中なので英雄も吐息混じりの小さな声で質問しているのだが、うぜぇ。アリサは毎回しっかりと答えてあげている。偉い子だよ、本当に。
「…毎回コレじゃない」
「いやぁすまねぇ、分からないところはしっかりと聞いた方がいいし」
「否定はしないわよ。ただ限度ってものがあるでしょう」
「そんなこと言われてもよぉ…」
「あなたの真面目さは評価するわ。でも、ほとんど身についていないじゃない」
「う、うぐっ…」
正論だった。真面目ではあるが、真面目バカだ。まるで身についていないのだ。
「だ、だってぇ…九条に聞かなきゃ、オレもう崖っぷちだしぃ…」
「………っ」
しおしお、と妙に可愛らしくデフォルメ化される。まるで体型も相まって小動物だ。まあ、ほとんど筋肉の塊なのだが。
「べ、別に悪いって言ってるワケじゃないわよ」
「お?ほんとぉ?」
「…さっさと読みなさい」
まるで弟だ。本当に弟が居たらこんな感じなのだろうか。いや、そうはならないか。コイツが特別に例外なのだろう。
「それじゃあ、次の空欄に入るのは? そうだな、五味、いけるか?」
「お?オレか、よし!」
やる気だけは十分なのだ、この男は。
「…………………へぁ……………?」
やる気 だけ は。
救いを求めてアリサを見た。アリサは知らん顔で英雄を見向きもしない。
「どうした? 答えられないか?」
「いやいや!そんなワケなくて!」
分からないと言えば済む話だが、この男、諦めも悪い。やる気のあるバカで、無能のバカだが、諦めも悪い。良いのか悪いのか、マイナス点が多いような気はするが、諦めの悪さだけは評価するべきか。汗をダラダラと流しながら教科書を見ている。その時、アリサがふっと息を吐いて、教科書の一部分をトントンと指で叩いた。
「っ! やっぱオメェは最高だぜ! 先生、分かった!②の銅だ!」
アリサに感謝しながら答えた。本人の中では決まった、と思っているのだろう。他人に教えてもらっているのに、ダサい。
「違う」
「…へあっ!?」
即答で否定された。
(こんのっ、クソッタレェェェッ!!!)
英雄が間違えた様子を見て、アリサは目を逸らした。マズイマズイ、笑ってしまう。爆笑してしまう。
「はぁ…それじゃあ、五味、久世を起こしてくれないか?」
「え?…へへ、オッケー」
すると英雄は前の席、寝ている政近の横に立つ。そして…
「ンぐっ!?」
英雄の貫手が政近の脇腹に突き刺さった。
「起きたかぁ?」
「ごほっ!ごほっ! もうちょっとマシな起こし方あっただろ!」
強烈な不意打ちに悶絶する政近。そして英雄は満足したのだろうか、自分の席へと座った。
「久世、答えられるよな?」
先生は政近を指名した。政近が答えられるか?もちろんそんなワケない。だって寝ていたのだから。
「あ、えっと…」
隣の生徒の教科書の一部分を見た。正直に分からないと言えばいいが、一か八かで試してみよう。
「②の銅!」
「違う」
「ぇ?」
英雄と全く同じ間違いだ。クラス中から、クスクスと笑い声がした気がするか、後ろの二人は確実に笑っている。特に
「五味と全く同じ間違いじゃないか。 聞いていなかったな?」
「あ、いやぁ…」
「はぁ…じゃあ、九条、頼んだ」
政近が座った。後ろの英雄をじとーっと、睨んだ。お前も間違えてるのかよ、いや、当然か。アリサが立ち上がり答えた。
「⑧のニッケルです」
「正解だ。久世、ちゃんと授業は聞いておけよ? 五味は、まぁ…授業は聞いていたな…ま、次から頑張れよ?」
「ウッス!」
なんともポジティブな野郎だ。しかし否めないのが英雄という存在。クラスメイト達もそれをよく理解している。授業はしっかり聞いて、ノートもまとめられているが、なーぜかついて行けてない事を。しかし、本人は至って真面目だし悪目立ちはしていない。
英雄は小声でアリサに抗議した。
「(オメェ間違い教えてんじゃねぇよ!)」
「(あら?私はどこの問題か教えてあげただけよ?)」
「(どこ指差してんじゃあ!)」
「(そうカッカしないでよ)」
「(ガルルルルル…)」
まるで犬だ。犬系男子?というヤツだろうか。間違いなく狂犬側だろう。その様子を見てアリサは小馬鹿にしたような笑みを浮かべて鼻で笑う。そしてボソッとロシア語で呟いた。
【
突然のデレ、英雄は何を言っているのか全くわかっていない様子、当然だ。こんなバカにロシア語なんて分かるワケない。英語どころか日本語ですら危ういというのに。しかし、ソレを理解出来る政近は聴こえてしまった。少し笑いそうになるのを我慢した。
「(何ィ?)」
「(バーカって言ったのよ)」
「(うるさいんじゃい!)」
政近の心の中ではもう、ホントに大爆笑だった。まるで漫才だ。政近がロシア語が分かるのは、大のロシア好きだった父方の祖父の影響だ。
小学生の頃、しばらく祖父の家に預けられていた折に、祖父にロシア映画を散々観せられたのがきっかけだ。
政近自身はロシアに行ったことはないし、親戚にロシア人がいるわけでもない。学校でも特に言ったことはないので、この学校で政近がロシア語が分かることを知っているのは、
そしてその妹にも口止めをしているので、他に知る者は一人もいない。
「(ぐぬぬ、オレだって必死に頑張ってるのにぃ…)」
プルプルと震えている。必死に頑張ってはいるが面と向かってバカと言われるのは気に食わないらしい。英雄という大層な名前だが、実態はほとんどガキンチョだ。
そしてその様子を見ているアリサは、ホントに子供だな、可愛いな、と思い呟いた。
【
政近は吹き出しそうになった。赤ちゃん、確かに英雄は赤ちゃんみたいだ。バブバブ言ったって違和感ない(失礼) 確かにこれならアリサが母親で英雄が赤ちゃんだ。おんぶしているのを想像すると笑いが止まらん。
(さて、と授業終了まで…)
ここで政近は重要な事に気づく。現在の時刻が十一時四十分。授業終了までは残り十分だ。
(しまった! 午前中の無料ガチャ回してねぇ!!)
こいつもこいつで大概だった。
「ふわぁ!やっと終わったぁ!教科書ありがとな、九条」
「別に、次からは気をつけなさい。毎時間言ってるような気がするけど」
「へっへっへっ…」
授業終了、休み時間だ。すると政近が英雄の方に振り返った。
「おい、英雄!無料ガチャ!あと十分で終わるぞ!」
「ふーん…」
「ふーんって…引かなくていいのかよ!?」
「だってもう
「月詠っ…おま、今」
「誰が山姥ですって?」
教室が凍りついた!このバカの無神経な発言によって!
「ち、ちげぇよ…今のは言葉の綾ってヤツでさぁ…」
「山姥が?」
「だ、だから…」
「山姥?」
「う、うぐぅ…そ、そんなことより、政近、スマホ触ってるぞ!緊急用でのみ、だろ!?スマホゲームは緊急用じゃないよな!?」
この男、自分が追い詰められたから友を売った。まあ、政近は政近で悪いのだが、それにしても卑怯すぎるぞ英雄。英雄の名前が泣いてしまう。もちろんアリサも政近に対して咎めなければならないが、今は優先順位からしてこっちだ。多分、こんな銀髪ロシアン美少女に対して「山姥」なんて言えるのはこのクソガキくらいだろう。
「ええ、知ってるわ。あとで詰めるもの」
「ちょおっ!?」
どちらにしろ共倒れだ。
アリサは舐め回すように英雄を見た。その瞳は狩る者の目。そして英雄の背後に立つと、英雄の太い首に両腕を引っ掛けてクロスさせる。チョークスリーパーの完成だ。
「うっ!?ぐぐぐ…っ!」
「ほら、言い訳だけなら聞いてあげるけどっ?」
ぐぐぐ、と締まっていく。流石の英雄も苦しそうだ。ソレを見ながら政近は笑い、十連ガチャを回していた。月読が出たらしい、おめでとう。それよりも助けてくれ、と英雄は懇願した。
「うわぁ…」
「あれ、ご褒美だろ…」
「五味の奴、どんな徳を積んだら…」
中にはコレがご褒美に見える層が居るらしい。いや、実際そう思っても無理はない。アリサ程の美少女から触れられる事すら凄いのに、密着している。首まで絞められている。ドM勢は大歓喜だろう。
「ほら、なんとか言わないと、もっと絞まるわよっ?」
なんかアリサも楽しそうだ。蠱惑的な微笑みを浮かべながら、英雄の首を絞めていく。
「ご、ごめっ、ごめんって!悪かった悪かった!ギブギブ!」
謝罪した。それでやっと解いてくれた。英雄はゼーハー、ゼーハー、と息をしているらしい。アリサは女性だが、身体的スペックは高い。英雄じゃなかったら絞め落とされていた可能性だってある。
「手加減くらいしろよ!もうちょっとで死んじまうところだったぞ!?」
「あら、それならそれでよかったんじゃない?」
自慢の銀髪をかき上げる。その光景がとてもエロスを感じる。少しだけ頬は紅く染まり、ハァハァと息を漏らして、蒼い瞳が薄目で見下ろしていた。
男子生徒達は間違いなく今晩、これで耽るだろう。目の前のバカとゲーム廃人を除いて。
「ふふっ…ん?」
アリサは何やら視線を感じた。あの男子生徒三人…怪しい。
「(お、おい、今のエロかったよな、撮ったよな?)」
「(俺、正面から撮れた!)」
「(俺は英雄が絞められてるところ撮った!アイツ羨ましいけど、ほら、撮れてる!)」
「(マジか!うっわエッロ!最高じゃん!)」
「(その画像くれ!いくらでも払う)」
コツコツ、とアリサは男子生徒達の元へとやってきた。
「没収」
「「「ゲェッ!? 九条さん!?」」」
こっそり盗撮していたスマホを取り上げられて、一斉に悲鳴を上げる三人の声。なんか色々と抗議していたが、アリサのあまりの冷徹なプレッシャーで三人はたじろいでいた。
「アイツって皆から人気なんだなぁ」
「ま、アイドル的存在だろ。見た目も成績も優秀、弱点なんか見当たらないだろ?」
「そう言われりゃそっか」
「そう言われりゃって…お前、今の発言他の男子生徒が聞いたらブチギレるぞ?」
「え?なんでだ?」
「…はぁ」
こいつ女に興味無いのかな?と思ってしまう。普通の男子ならあの子可愛いよね、とかあの子と付き合ってみたい!とかその他諸々下心丸見えの欲望があるというのに、コイツからはそんな言葉聞いた事ない。
「ん?お、月読出てんじゃねーか」
「そうなんだよ!お前が絞められてる時に出たんだ。 なんか、ありがとな?」
「最低だな、オメェ」
確かに、英雄が絞められているおかげ?でSSRキャラの月読が出たのかもしれない。するとアリサがこっちに戻ってきた。
「さて、次は貴方の番よ久世君…SSR、月読? 月読って日本神話の月の女神でしょ? なんで黒髪じゃなくて銀髪なの?」
「さぁな、細けぇこたぁどうだっていいのさ。銀髪の方が、特別感あるし、それにさ可愛いだろ?オレもゲットすんのに苦労したんだよなぁ」
「…貴方も、持ってるの? 月読」
「え、うん」
「……ふぅん」
さっき英雄は銀髪は特別感があって可愛いと言っていた。その発言があるからか、アリサは満更でもない顔をしていた。政近は、おっ、コイツ意外にもやるなぁ、と英雄の天然さを褒めていた。
「ま、いいわ…」
政近はスマホを没収されると思ったが、されなかった。男子生徒三人分のスマホも本人達に返していた。もちろん盗撮画像は削除するのを見届けて。
…機嫌がいいのか、ここは英雄に助けられたな、政近は英雄に人生で一番感謝した瞬間かもしれない。
「ありがてぇよ、英雄! お前はヒーローだ!」
「なんだオメェ、急に気持ち悪ぃ」
アリサは席に座った。自身の髪をくるくると指に巻き付けて、弄びながらら、アリサは横の席に座った英雄を見ていた、
「…あなた、銀髪は、好き、なの」
「ん?おお、なんか特別感あるし」
「…ふぅん、そう」
政近は後ろの二人のやり取りを見ていた。コイツの天然暴力が巧く活きている。アリサに効果的なのだろう。
するとアリサは少しだけ唇が動いた。ちょっとだけ嬉しそうに、バレないようにロシア語で呟いた。
【
政近は内心ニヤついた。この構図、面白すぎる。鈍感でバカな男に対して、完璧美女がロシア語で好意を呟いている。英雄は分からない、自分には分かる。面白い図だ。
「さぁて、と次の授業の準備でもすっか」
ぐぐぐっ、と伸びをしている。アリサは目が釘付けになってしまう。大胸筋が主張している、解放してくれ!と。筋肉がミチミチと弾けるようだった。
【
こいつもダメかもしれない。
政近は面白がってる。こんな完璧美女がこんな下品な発言をするんだから、アリサはハッと我に返っている。
「ん?なんか言ったかぁ?」
「べ、別に『窮屈そう』って言ったのよ」
「ん、まぁ別に窮屈ってワケじゃねぇけど、どうした?顔紅くねぇか?」
「紅くないっ!」
典型的なツンデレだ。いや、隠れツンデレか?英雄の天然な優しさがアリサにクリティカルヒットしかけた。
その時、不意に教室の扉が開かれた。
「お〜っし、ちょっと早いが授業始めるぞ〜…って、久世。なんでスマホを出してるんだ」
「あ……」
入ってきた先生に指摘され、今更ながら自分がまだスマホを持っていた事に気づいた。
しまった…!コイツらのやり取りを悠長に眺めすぎていた!おのれ、五味英雄めっ!(八つ当たり)
「いやっ、これはちょっと課題で調べものを……」
「九条、本当か?」
「え?」
アリサは浮かれていた。英雄が銀髪は特別感があって可愛いと言っていた辺りから、上機嫌だった。政近は確かにスマホゲームで電源を付けた。これは校則違反だ。許されない行為である、しかし、まぁ…英雄に免じてウソを吐こうと考えた。
「ええ、久世君は調べ物をしていました」
「おっ、そうだったのか。悪いな」
なんと、助かった…アリサのおかげで…いや、その陰に隠れていたMVPは英雄だ。実質、英雄のおかげで免れたんだ。政近は人生で一番感謝した瞬間だった。
(ありがとう、英雄…マイヒーローよ…!)」
こいつもすげぇよ、ある意味。
「(いいんか?政近のヤツ、ゲームしてたろ?)」
英雄がアリサに、小さな声で聞いた。
「(…ええ、いいわ。 別に、私は何も見てないもの)」
「(…案外、優しいとこあるんだな。 良かったなぁ、政近のヤツ)」
どうやら英雄は気づいていないらしい。アリサは心からこの男が鈍感なんだな、と思った。無意識に人が助かってるコトに気づいていない。ホントに人の気分を良くするのが上手いのか悪いのか、分からない存在だ。間違いなく政近は感謝してるに違いない。
「(…機嫌がいいのよ、今は)」
「(はぇ〜…気分で決められんのもどうかと思うけど、まぁそれもヨシ、か。んで?なんでそんな機嫌が良いんだ?)」
「(…ナイショ)」
「(…えぇ、女子ってホント、分かんねぇもんだなぁ)」
ま、いっか、と言いながら教科書に目を通している英雄を横目で見る。いかにもバカ真面目って感じで、実態は真面目バカ、だ。そのやる気のある姿勢と、空回りしてしまう結果が、可哀想だけど可愛い。
【
「…オメェ今失礼な事言ったろ」
「ッ!?」
バレた!?いや、バレていない、なんで分かった!?アリサと政近は一斉に脳が回転し始めた。
「な、言ってないわよ、言いがかりね」
「ウソつけ絶対言ってたぞ」
「なんでそう思うのよ!」
「…野生の勘…?」
良かった、バレていない。ただのバカの被害妄想だ。アリサは胸を撫で下ろした。政近も一瞬ドキッとした。あのバカがなぜ理解した? いやまぁ結果ただのバカ勘だったが。
「ふふっ、面白い回答ね、おバカさん」
「ほらやっぱ言った!」
実に面白い、可愛らしい。見ていて、話してて面白くなる、口元は笑みが浮かんでいて、先ほどの冷徹な眼差しがウソかのように穏やかな表情になっていた。
「(うおっ! アーリャ姫が笑っている!?)」
「(悔しいけど、五味のおかげだっ、チャンス!)」
「(撮れ撮れ! くそっ、羨ましいぞーっ!)」
「お前達、何をやっているんだ」
どうやら種類の違うおバカさんが、三人居たらしい
こんなんアリサちゃうやん!?どうしてくれんのコレ?
と思った方々へ……僕がさっき、(アリサのキャラ設定を)食べちゃいました。
という事で、読んでいただき、ありがとうございました。