彼と彼女の鎮魂歌 更新凍結   作:ミルゼラチン

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また遅れた…スマホで投稿するもんじゃないや


危険なオリエンテーション

「さて、フィーよ。なんでいきなり連れ出した?」

 

旧校舎のある程度進んだところで問う。

フィーは振り向きながら、

 

「人数が増えると動きづらい。」

 

俺の後ろにいた飛び猫を撃ち落とす。

 

「でもなぁ同じクラスなるんだから、慣れとかないといかんだろ」

と片手をあげ、サンキューと言っておく。

 

「それにウィルがいると、この程度なら戦闘にすらしない」

 

まぁ、自惚れでも、自慢でもないが確かにそうだ。出てきたコインビートルを粉砕しながら進む。にしても、ビートル数が多いから面倒なんだよなぁ。

 

「フィー、数が多いから手伝ってくれよ」

 

「いや」

即答かよ。てか、こいつまさか戦闘が…

フィーが背中に張り付く。

 

「歩くのもめんどくさいからおんぶして」

 

「やっぱり面倒くさかっただけかよ!!俺を連れ出した一番の理由はそれだな!それなんだな!」

 

「そうだよ。」

 

「はっきり言うなよぉ!」

腹いせにビートルをドローメにぶつけて遊ぶしかなかった。

結局、フィーを背負いながら飛びかかってくる魔獣を殴る、蹴っていった。

 

「あ、そっちじゃないよ。」

 

「早く言えよ!」

 

 

「あれ、ユーシスじゃん。どうしたんだよ?」

少し大きめの広間に出たところで金髪の男子―ユーシス・アルバレアを見つけたので手をふりながら近づく。むこうはこちらを見て、一瞬だけ硬直するが、すぐに立ち直り、フンと鼻を鳴らしながら、歩み寄ってくれる。

 

「確か、ウィルバード・ルグィンだったな。その背中のは?」

 

「フィー・クラウゼル。」

 

起きたのかと声をかけるとすぐに背中に顔を埋めて答えない。

 

「確認なのだが、ルグィンというのはあのルグィンか?」

 

「んまぁ、そうなんだけど。気にしないよな?」

 

「フン、まさか。」

 

「ところでユーシス今一人?」

 

「だったらなんだ?」

 

と軽く機嫌の悪くなるユーシス。だが

 

「こんな状態だから助けてくれよ。」

背負われているフィーを見て

 

「フン、民を守るのも貴族の義務だ。守ってやろう。」

 

「ありがと」

 

そうして三人はダンジョンの中を進んで行く。

 

 

 

 

「起きたら、山奥にいて近くにメモがおいてあるんだよ。なんてかいてあったと思う?そこら辺にいる手配魔獣倒しといてくれ、だぞ!あり得ないだろ!」

 

「な、なんというか凄まじいお人だったのだな」

 

ユーシスと他愛もない話をしているとフィーが突然背中から飛び降りた。

 

「どうしたんだよ、フィー?」

 

フィーは回復装置のある部屋の先を示して

「戦闘音。しかも、大きい」

 

ユーシスも騎士剣を抜いて言う。

「急ぐぞ」

 

一気に奥の部屋に突入すると

 

「ガーゴイルか?」

 

奥にいる魔獣を見て呟いてしまう。その手前には膝をついたリィン達が。

 

「ユーシス!」

 

「任された!」

 

フィーはもう敵に突っ込んでいる。くそ、こっちの援護を完全に信じて行ったなと心の中で悪態をつく。相手の目を惑わせるためにジグザグに動くフィーがこちらが追い付いたのを確認して飛ぶ。タイミング良く、ユーシスの"エアストライク"がガーゴイルの顔にぶつかり、跳ね上がったところを掴んで地面に叩きつけると同時にフィーが後ろ足を刈る。

 

誰かが今だ!と言っていたが、その思いは皆が共有しているような感じがした。仲間の動きがわかる。

 

総攻撃。最後、ラウラがガーゴイルの首をきれいに切り飛ばした。

 

首と切り離された胴体が色褪せていき、光となって消えていった。

 

全員が安心し、武器をしまう。が、安堵するのは、早かった。

 

誰ももう一体いるとは思わなかったのだから。

 

 

「ラウラ、後ろ!」

気付いたリィンが叫ぶが、それは遅かった。

イグルートガルムの爪は振り返ったラウラの目の前だった。

 

ーしまった!

避けるのは間に合わない。ならば衝撃だけでも、と考えたところで腕を引っ張られた。目の前を明るい緑色が通過していって―

 

かばわれたのだとわかるのも一瞬、入れ替わった彼の身体は薙ぎ払われ、壁に叩きつけられる。

どうしたら良いのか、わからなくなる。完全に自分のせいだ。自分が悪い―

 

その思考は誰かに無理やり身体を持たれ、後ろに下がることで止まる。

 

顔を上げれば。

 

ー覇王流 粉砕拳

 

拳を振り抜いている彼がいた。

 

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