そういえばさ。
どうしたんだ、急に。
いや......前にソトアがユージアに攻めたのってエンソーのアクシデントか故意かよくわかんない、って言ってたじゃん。
あれ、結局判明したの?
ああ。
......まあね。
えっ、わかったの!?
あーまあ、一応は。
どうやって調べたんだ、エンソーはゼネラルに吸収された時に文書は全部処分されたと思っていたが。
まあ文書は全部消えてた、ただ人間はそう簡単に消えるわけじゃなくてね。
だからまあ、当時ソトアとユージアに関係してたエンソー・オーダーの社員をほうぼう訪ねまくって、そうやって集めた情報をつなげると見えてくるものがあった。
面白そうな話してるわね。
げっ。
ケーキのつまみにしてあげるから、詳しく聞かせて見なさい。
これは困った......まあでも、ちょうどいい機会でもあるでしょうし。
それでさ、結局アクシデントだったの?それともエンソーのせいだったの?
結局の話をするなら、アクシデントだった。エンソー・オーダーの中でユージア侵攻計画は組まれていなかった。
もしかしたら、僕の尋ねることができなかった人達の中にそこら辺をしっかり知ってる人がいるのかもしれないけども、それはもう調べようのないことだ。
てことは、ソトアが悪かったの?
まあ、そういうことにはなるかもしれない。ただ、そう簡単に言い切れない事情があってね。
というと?
そうだな、最初から話そう。
昔、エンソー・オーダーの中である企画が立ち上がった。
企画の目的は二つあって、「エンソー・オーダーが方針を決めることができる国家の樹立」と「メガフロートの建造」。
その企画が二つの条件を満たせる存在として目を付けたのが......
ソトアか。
その通り。と言っても当時は「共和国」というより「民族」と呼ぶべきだったけどね。
当時ユリシーズの直撃を食らって困っていたソトアに働きかけたエンソー・オーダーは、彼らに色んなものを与えた。
文明の利器はもちろん、価値観だってそうだ。ソトアに世界の広さと、そして遊牧では限界のあった富裕をエンソー・オーダーは与えたんだ。
あまりいい話には聞こえないわね。
勿論。世界の広さを知ったソトアは、オーシアやユークトバニアにあこがれた。まあ正直仕方がないことだと思う、憧れるのは大事なことだろう。
それで自国の砂漠化を引き起こしてたら世話ないけどね。
(やれやれ、といったジェスチャー)
さて、ソトアはエンソー・オーダーの後援のもとに近代化を進めていった。メガフロートを造り上げ、本土の砂漠化を進めていき、上層部は湧き下層部は難民化した。
それでも、エンソー・オーダー内の企画メンバーは楽観していた。
えっ、なんで?
一言でいえば、回復プロジェクトを組んでいたんだ。砂漠化を進めるソトア本土に緑をもたらし、その功績をもってソトアが逆らうことができない状況を作り出す。
「エンソー・オーダーがいなくなったらまた砂漠ばかりの大地になるぞ」っていう脅しをソトアに押し付けようとしたんだ。
うわ、感じ悪~。
した、ってことは。出来なかった?
そのとおり。エンソー・オーダーが無視することができない、そしてソトアに目を向けているわけにもいかない問題が起きた。
ああ......察しがついたよ。
オーシアとユークトバニアが戦争し始めた。環太平洋戦争の始まりだ。
急激に関係が悪化した両国に、当時のエンソー・オーダーは全くついていけなくてね。
この戦争でエンソー・オーダーは両国にあれをしろこれをしろという指示を受けるだけで、まったく数を握りことができなかった。
そうしてオーシア・ユークトバニアに振り回され続ける中で、エンソー・オーダーはソトアにおける企画を一時凍結することにした。
勿論これにお冠なのはソトアだ。なんせ、エンソー・オーダーありきで進めていた近代化が止まってしまったわけだからね。
だがこれは同時にチャンスだ、とも思った。エンソー・オーダー無しで自立することが出来れば、エンソー・オーダーとソトアの間で動かしていた舵をソトア単体で握ることが出来る。
月11が撃墜王となったユークトバニアとの紛争は、こういった事情が関係してくる。
へー......
それはまあよく分かったけど、あんたソトアがユージアに攻め込んだ理由にその話が関係あんの?
ありますよ、勿論。この話で大事なのは、ソトアがエンソー・オーダーの束縛を一時的にでも離れた、ということです。
さて、ユークトバニアとの紛争だが......勿論、ソトアが負けた。月11がいる場所では勝ってたんだけどね、流石にマンパワーが違ったし、何よりソトアの勝利条件が高望みしすぎていた。
高望み?
ソトアは領土の割譲、賠償金、不平等条約の締結を求めていたらしい。もちろんそんなことをユークトバニアが簡単に受け入れるはずもない。
こうしてユークトバニアに叩きのめされたソトアだが、ここでソトアは方針を変えなかった。他国に侵略することで問題の解決を図る、という流れをそのままにしたんだ。
そして、ユージアに攻め込んだ?
その通り。ここら辺になるとエンソー・オーダーからの干渉も再び強まっていた。ただ、企画はその時はまだ凍結中だったから、環太平洋戦争前と比べたらまだそこまでだったらしい。
だから、ソトア上層部はまた昔みたいにエンソー・オーダーの支配が強まる前に中央ユージア連合に攻め込んだ。そう簡単に言い切れない事情、っていうのはこういうことだ。
そうして中央ユージア連合との戦争を始めたソトアだけど、当時の勝率は大体6~7割ってところだ。トニトルスの槍、二艦の陸上戦艦、ポダルゲ、ラドーンがあったけど、中央ユージア連合にはほかの国に助けを求めるっていう選択肢があった。
サンサルバシオンはもちろん、エルジアなりシラージなりと手を組んで戦えばよかった。
でも、現実にそうなってないまま、中央ユージア連合はすべての領土を失った。
それはなぜかというと......凍結された企画に、企画303が目を付けたんだよね。
そこから先は、僕が依然語った通りだ。企画303と最高承認細胞は、ユージア大陸の国境消滅のために戦火を広げていった。
なんで中央ユージア連合側に味方せずソトアが有利になるようにしたかなんだけど、単純に外交的な価値観の問題だったんだろう。要するに、ソトアが他国の評価に無頓着だったからそっちについたんだ。
そんなソトアは軌道エレベーターに手を出す可能性が高かったからね。というか、実際手を出したし。
軌道エレベーターといえば、もしあのまま陸上戦艦2番艦がトニトルスの槍を打ち上げきったら、そのあとは支柱をすべて破壊して軌道エレベーターを遠心力で宇宙に吹っ飛ばす予定だったらしいよ?
......そしてそれを行ったソトアは世界の敵になり、オーシア・ユークトバニアに攻め込まれると。
まあ、それは我らがシーヴの翼とジョーカー隊、そしてクイーン隊によって阻止されたわけだが。
以上。これで僕が調べ上げたソトアとエンソー・オーダーの話は終わりだ。......で、ケーキのつまみにはなりましたかな?
そうね、7点ってところかしら。ちなみに100点満点中ね。
......これはまた、手厳しい.....
誰が発言してるかはあえて書いてないです。ぜひ予想してみてね。
それともし公式から裏話出たら速攻でこの話消します